グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

“赤ダレ”行ってきました。

2012年11月20日 | 火山・ジオパーク
今日は、ある仕事に使うための写真を撮りに、三原山に行ってきました。
外輪山沿いの道は、まだススキが奇麗でした。

必要な写真は1時間もしないうちに撮り終わったのですが、青空にそよ風という最高のお天気!
時間がなくてなかなか行けない“赤ダレ”と呼ばれている場所へ、リサーチに行くことにしました。

道中、雨の後だけ水が溜まる通称“幻の湖”に、とても素敵な模様ができていました。
キラキラ光る、モザイク模様です!

強風で波が立って、さらにそれを小さな溶岩が削ったのでしょうか?
正確にはわからないけれど、先日の雨と風が素敵な作品を作ったことだけは間違いなさそうです。

さらに先に進んで、外輪山の縁の鳥居に立ち寄りました。

“御神火”として崇められる三原山へ詣でるための鳥居です。
ここに来るのは2年ぶりぐらいです。

その後も外輪山の縁を歩いて、目的地を目指しました。

途中2つの沢を、少しずつ探検しながら先へ進んで…

着きました!通称“赤ダレ”

なんというダイナミックさ!
カッコいい~!

切り立った赤い崖の山側には少し弧を描いた厚い溶岩流があって、それが景色に迫力を加えています。


柳場が下におりられそうな場所を見つけてきてくれたので、行ってみることにしました。

人のサイズと比べると、溶岩流の厚さがわかります。
こんなに大量の溶岩を流すなんて、いったいどんな噴火だったのでしょう?

「今、ここで地震が起きたらかなりマズイよね。」

…と言いながら、嬉しそうな柳場です。(笑)

崖の下には、鋭利な刃物のような角を持つ溶岩が、ゴロゴロ落ちています。

なんだか浅間山で見た、少し粘りのある溶岩の割れ方に似ていますねぇ…。

「これさあ、凶器になりそうだよね。」


「痛てて!」

……。

ゴロゴロ溶岩は意外に崩れにくく、場所を選べばもっと下までおりて行けそうでした。

少なくとも最初に下りた沢よりは、足もとがしっかりしているように感じました。
 
「いや~、すごいね!」

“赤ダレ”満喫です!

さて、帰り道です。
なぜか話しの成り行きで「三原山を乗り越えて帰ろう!」という事になりました。

「1回登って、下山する時に“赤ダレ”への近道があるか(安全に下りられる斜面があるか)さがしてみよう!」ということになったのです。

で、また道のない斜面を登りました。
足もとは多少ガラガラ崩れますけれど、だんだんそれが普通になってきました。(笑)

この景色が、ご褒美です!


くたびれたので、登りきったところで休憩。

三原山と、カルデラ床と、海岸線と、海がグラデーションになっていました。
爽快~。

休憩の後は再度、“幻の湖”に下りました。
行きと同じ場所に立ち寄ったわけですが、行きには気がつかなかった「?」に出会いました。

その「?」とは、これです。

何でしょう?この丸。

不思議に思って足を止め、指で押してみたら表面が凹むではありませんか!
そして、さらにギュウっと押したら…

あらら!穴が空いてしまいました。
ってことは、中は空洞??

耳を澄ましてみると、周囲から「プク、プク」という小さな音がして、水面に波紋ができていました。
何カ所もできるのですが、すぐに消えてしまって写真に撮る事ができません。

どうやら泡が出る時に、少しずつ泥を一緒に巻き上げて丸い凸を作るようです。
ずいぶんあちこちの地面から、泡が出ているんですね。丸がいっぱいある…。

「いったいなぜ、泡が出てくるのだろう?」
あたりを観察しながらアレコレ考えましたが、自信が持てる結論は出ませんでした。

地表面に空気が閉じ込められたのでしょうか?それとも地中から出てくるのでしょうか?
このクイズの答を知っている方、ぜひ答えを教えてください~。

青空の下でたくさんの「!」と「?」を楽しんで、大満足の1日でした。

(カナ)
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島の秋?

2012年11月19日 | その他
庭のサザンカは去年も咲くのが遅かったが、今年はもっと遅く
いつもなら一斉に咲く花もまばらに咲き始めた

ああ~んU字溝から生えた明日葉に花が咲いていました
春に美味しそうな葉をワサワサ生やしていたものなのに

ここのアキグミはまだ花が咲いて仄かに良い香りがしていました。が 山ではすでに実が成って味見も済みました。

などと波浮港を散策していると
空家がずいぶん目に付きます
ここの家も玄関に続く道が草だらけなので誰も住んでいないようです

こちらの空き地、過っては公園でした。滑り台やブランコで遊ばせた記憶が有ります
子供が減ったせいで無くなってしまったのでしょうか?

ちょっとセンチメンタルなきぶんになったのは  陽が傾いてきたせいかな?
落日を見にトオシキに走ったのですが、ちょっと遅かったようで!

落葉・草枯れ、人の少なくなった島、早くなっていく日暮れ。大島寒いよね!(しま)
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光と色

2012年11月18日 | ツアー
今日のツアーは、朝8時出発で、風もない晴天の三原山を歩く予定でした。
しか~し、いつものごとく…天気予報通りにはいきませんでした。

山は、今にも雨が降り出しそうな空模様。(直前まで小雨がパラついていたし…)
でもおかげで、逆光で見えないと思っていた三原山の黒い溶岩流が、ハッキリ見えました。

歩き始めるとすぐに、雲の切れ間から太陽がさして、周囲を照らしました。

三原山は黒いシルエットとなって、手前の木々の葉がキラキラ輝きだしました。
歩き初めから、なんだかとてもスペシャルな気分!

雨に濡れた道もキラキラ。

三原山に向かう光の道です!
すご~く奇麗でした。

今日はお2人ずつ2組のお客様でしたが、皆さんそれぞれに色々なものを見つけてくれました。
そのうちのいくつかを紹介します。

星空のようなスナゴケの黄緑と、まん丸なシマヘクソカヅラのツヤツヤ黄色の組み合わせ。

「可愛い」と好評でした。

つぼみがベタベタしていることが、話題になったオオバヤシャブシ。

ベタベタは、寒さや外敵からつぼみを守る手段でしょうか?

空に浮かぶグレーの雲は、上空に広がったり、風で運び去られたりを繰り返していました。
神社では、青空!

「この景色、スゴイ~。」と皆さん。

そして約15分後、利島を見下ろした時は、灰色の空!

モノトーンの風景。
普段あまりないシブさです。

大きな火山弾で、順番に記念撮影。

「ちょっとここ、痛いわ~。」と言いながら、皆さん交代で乗っていました。

「わ~い!」と、おっしゃっていたかは忘れましたが(笑)

皆さん、楽しそうでした。

「奇麗~!」

雲の切れ間から何本もの光が、海を照らしていました。

歩ける範囲では一番標高が高い“剣が峰”で、360度のパノラマを楽しみながら、おやつタイム。

どんな高級な喫茶店にも負けません~。(笑)

この風景も、皆さんに好評でした。

岩の模様と白い噴気の組み合わせが素敵だとのこと。
なるほど、納得!

「あ、あの岩、猫に見える!」
「ほんとだ!年とった猫だよね!」

…?
私には、猫の年齢まではわかりませんでした。(笑)

昨晩の大雨のせいでしょうか?
下山する道には、溝ができはじめていました。

気をつけて歩きながら、裏砂漠へ。

10分休憩~。
青空に雲が流れていくのをボ~っと眺める、こういう時間が好きです。

みんなで一緒にいるけれど、それぞれの裏砂漠です。
空も、ここぞとばかりに晴れていました。

帰り道の森でも、お客様の発見は続きます。
センニンソウのタネの綿毛と、マユミの紅葉のレイアウトが見事だと…

本当にこの一角だけ、特別念入りに飾りつけたみたいでした。

樹海の中の亀裂も、熱心に観察されていました。

「すごい、これしか土がないのに木が生えてる」

そして森を抜けたところでは、秋らしい風景が私たちを迎えてくれました。

今年はあまり鮮やかではないと思っていた紅葉ですが、「キレイ!」というお客様の言葉で真下から見上げてみたら、本当にとても奇麗でした。

太陽と雲が演出する「光」と、秋らしい「色」を楽しんだ1日でした。

(カナ)
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ヒガラ

2012年11月17日 | 

伊豆大島では珍しいカラ類で私は9年振りくらいに会いました。
冬になるとたま~にやって来ます。
撮影は13日です。
その数日前から「チーチーチュクチュク」というシジュウカラよりははるかに高くテンポの速い鳴き声を聴いていたので来ていることはわかっていました。




こうして枝にぶら下がるポーズをよくやっていました。
体が小さいからとっても身軽なんですね。
メジロよりも一回りは小さいです。



お尻かわいい~。



カメラ目線?


特徴のひとつである冠羽が見えます。


真剣に食べ物を探していました。
なにやら虫がいるようです。

私が見たのは5~6羽の群れでした。
か細い声で賑やかに鳴き交わしながらオオバヤシャブシの樹冠を飛び回ります。
とにかくすばしっこい!!
重いカメラで追うのに苦労しました。




しかもほとんど真上です。
首が痛くなりました。



でもかわいいヒガラをじっくり見ることができてとてもうれしかったです。

                       がんま
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ほおずき三姉妹

2012年11月16日 | 植物
今日は快晴で、富士山が元町港からよく見えました。
東京からのジェットフォイルが来たところ。
日中は暖かく、来客のための布団がふかふかに干せました。


先週、フノウの滝の水源にあったハダカホオズキを紹介しました。
近所の海岸へ行く沢にも数株があるところをみると、
水分の多い湿った場所を好むようです。

もう1度、ハダカホオズキの赤く色づき始めた実↓



大島では、集落の近くや、道路脇など里山でよく出会うのは、
こちらのイヌホオズキの方でしょう↓

実は熟すと、黒くなりますね。

ナス科なので、トマトなどにも似た花です。
まだ、まだ、花がいくつも咲いていました。


今まで気づいていなかったのですが、
イヌホオズキのガクの部分・・・ヘタの部分が、5角の星型なのでした!

ハダカホオズキの方は、丸いですね。

これは、まだ熟していないイヌホオズキの実↓

みんな星型でしょ!?

昨秋、センナリホオズキも紹介しましたが、今年は同じ場所へ行っても見つかりませんでした。
ホオズキ3兄弟というか・・・かわいらしいので、3姉妹でしょうか?
3姉妹そろえたかったのに、残念!(笑)

縁日や、ホオズキ市で売られるホオズキの実を包んでいる大きな袋も、
センナリホオズキの袋も、この同じガクが変化(進化?)したものだそうです。

【今日のオマケ】
立冬を過ぎて、朝夕、寒さを感じます。
かじられたアシタバの葉の陰で、冬越しする子がいました。

右側の所、分かりましたか?

ここです↓

春まで、長いけど大丈夫かな?
サナギは、キアゲハです(たぶん)。

(なるせ)

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割れ目噴火の溶岩流

2012年11月15日 | 火山・ジオパーク
以前から行きたいと思っていた割れ目噴火の溶岩流リサーチに行ってきました。

1986年11月の割れ目噴火では、3方向に溶岩が流れてます。
真ん中の一番短い溶岩流から南下して、一番長い溶岩流を横断して帰ってくる計画を立てました。

ここが一番短い溶岩流のほぼ先端です。同じ年代の溶岩流の中でも、とりわけ黒いです。
植物のタネが定着しにくいので、黒いままのようです。(詳しくは1年前のブログをご覧下さい。)
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/35e070040856f40ea2367b304f4e8dd4

少しこの上を歩いてみることにしました。かなり足場が悪くガラガラ崩れて思うように歩けませんでしたが、軍手をして4点確保でゆっくり進みました。

「流れた~」という感じのする風景。

一見凹凸がなさそうですが、実はかなり起伏があります。

そして26年間崩れないのが不思議に思える芸術作品の数々…

リス?


犬?


誰??

足もとには…

ハチジョウイタドリが紅葉していました。

「お~い!」

私がモタモタしていたら、柳場は先に丘に登っていました。

ようやく追いついて、丘の上で休憩しました。
細かい溶岩のしぶきが降り積もってできた丘は、座り心地も良いし、眺めも素敵でした。

背後には…

大きくうねった丘の向こうに、割れ目火口からの噴気が見えました。

正面には…

赤い丘と、黒い溶岩流と、ススキと緑と青い海と、伊豆半島~房総半島!
風が弱くて天気の良い日は、ここでの休憩は最高かも!

休憩後は、割れ目火口方面へ向かいました。

途中で「?」「!」と思うものが、いくつか見つかりました。

芯は気泡が大きく外側に行くにつれて気泡が小さくなる溶岩。

ええと~…どういう理由でこうなるのでしょう??

まあ、これは、ビュ~ンとねじれながら飛んで来たのでしょうが…


では、これは?


わ、キョンの骨!

角も歯も、奇麗に残っていました…。

道中深さ数mの溝が、地面に刻まれている風景に出会いました。

こんなかんじで…

何本も!

なんでこんな溝ができたのでしょう?
溶岩が冷え固まりながら作ったシワ?

どちらかというと溶岩が流れてではなく、降り積もってできているような感じですけれど?
それとも雨が削ったのかなぁ??

溝の先で、丸く囲まれた火口のような場所も2カ所ほど発見。
ここは、そのうちの1つです。

立っている人と比べると、壁の高さがわかります。
こんな地形の中を歩けるなんて、大島すごすぎます。

今日のリサーチの最後に、ずっと以前からの念願だった“カニの爪”のような溶岩に、近づいてみることにしました。

三原山からの帰り道、いつもこの風景を見ながら「あのカニの爪の真ん中に立ってみたいなぁ~。」と思っていたのです。

近づいてみたら“カニの爪”は、ずいぶん大きな溶岩の固まりでした。


“カニの爪”の根元から眺めた景色。

稜線の近くにある火口から、こんな大きなゴツゴツ溶岩がこちらに向かって流れて来たのかと思ったら、ドキドキしました。

そしてそして、念願がかないました!

ワ~イ!

火山って、最高です!

(カナ)
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ベニバト

2012年11月14日 | 
これまたとんでもない珍鳥に出会いました。
一昨日のことです。
夕方、犬の散歩から車で帰る途中の細い砂利道にいました。
車の中からその姿を見た瞬間、あ!これは!と思いました。


写真では分かりにくいですが大きさはキジバトよりもかなり小さいです。





車から降りずに窓からカメラを出しての撮影です。
・・・どんどん遠ざかっていく~(涙)



しきりに地面に落ちているナニカをついばんでいました。



うちに帰ってネットで調べるまでは持ち歩いている図鑑を見てシラコバトかもかと思いました。
シラコバトはもっと色白で尾羽が長く留鳥性が強いそうです。



トコトコ。
そしてこの子は色合いから成鳥メスであると天野から教えてもらいました(私だけの判断では心もとなかったので同定を仰ぎました)
しかも東京都初記録かもしれないということです。
ベニバトは熱帯~亜熱帯の鳥で日本ではごく少数が迷鳥として記録されている程度です。
それも南西諸島や西日本中心。
なぁーんで大島まで来ちゃったかなー?
しかし今年7月に北海道の天売島で記録されています。



ん?警戒してる?
このあとびゅーっと元気に飛んで行きました。


以前も何度かこうして本来の生息地から遠く離れた大島までやって来た鳥(アカアシチョウゲンボウ、マミジロタヒバリ、オウチュウ)を紹介してきましたがこういう鳥たちは果たしてちゃんともともとの生息地へ戻ることができるのでしょうか?
他人事(他鳥事?)ながら心配でなりません。

その反面、はるか遠くの生息地まで行くことなくこうして珍しい鳥を見ることができてうれしいのも事実です。
この日この時間この場所に私が来なかったら出会えていなかったでしょう。
広い(?)大島でこんなかわいらしいベニバトに出会えて本当に幸運でした。
鳥見冥利に尽きます(笑)

今度はその名の通り美しい紅色のオスに会いたいです。
きっといつかチャンスがあるでしょう。

                    がんま
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地球を体感、ジオツアー。

2012年11月13日 | ツアー
これまでダイビングに通って下さっていたSさんが、海に潜らない旦那様と一緒に、2日間のツアーをリクエストしてくれました。

一昨日は、雨&霧でした。
午前は雨の中を歩きましたが、昼食をはさんで歩きはじめた頃には雨が上がってきました。

「これはこれで幻想的だよね。」と、ポジティブなお2人。
雨の日ならではの景色も、いっぱい見つかりましたよ。

植物たちの赤い実が、雨に濡れて輝いていました。
通称「マムシグサ」の実。

鳥達に売れ行き良好みたいで、残りわずかでした。

メギの実もツヤツヤ。

雨上がりは特にキレイです!

きらきらススキ、雨バージョン。

ちょっと「風前の灯火」ですけれど・笑

霧がかかっていた方が、だんぜん幻想的な溶岩流上の景色。

イタドリ達が葉を落として、秋色になっていました。
シブイ~。

人型溶岩?(笑)

楽しそうです!

霧にかすむ森。

夢の世界にいるようです。

森の中のキラキラ。

「これはスゴイ!」とSさん。
さらに足もとには…

風車みたいなキッコウハグマの花!

1cmもないような花が数個、ひっそりと咲いていました。
暗い森の中でこういう小さな花に出会うと、貴重な宝物を見つけたような気分になります。

黒い溶岩と、霧にかすむ森の木々。

この景色の中にいると、心静かな満ち足りた気持ちになるのは、私だけでしょうか?

さて、昨日です。

9時頃から晴れの予報だったので「よ~し、今日は火口を見に行くぞ~。」と計画して、お2人を迎えに行きました。

そうしたら、山は濃霧でした。
ありがちだ…。

で予定を変更して、ゆっくり裏砂漠に向かいました。火口よりは多少標高が低いから、早く霧が晴れるかもしれないし、霧でもその動きを楽しめるはず…と思ったのです。

裏砂漠は、白と黒の世界でした。


「なんにも見えないね。」

と言い合いながらも、なぜか笑顔のお2人。
すばらしいです!

旦那さんは松本清張の「風の息」も読まれているとのことで、1952年に起きた「もく星号墜落事故」のことをご存知でした。濃霧の中、事故者の碑に手を合わせた時に不思議なことが起こりました。

後光が射すかのごとく、突然太陽が現れて碑を照らしたのです!
そして…

一瞬だけワ~っと霧が晴れて、黒い砂漠が見えました。

あまりのタイミングに、全員驚きました。
「奇跡ですよね。」みんなで一瞬見えた遠くの景色と青空を語りながら、帰路につきました。

そうしたら、なんと!
途中で霧がどんどん晴れて来るではないですか!

「このまま帰って青空が出たら残念すぎる。せっかくの奇跡も奇跡ではなくなってしまう…」
散々迷った結果、引き返すことに決めました。

火口を見るために3往復したことがありますが、裏砂漠2往復は初記録です!(笑)
戻った私たちが見た景色は…

「わぁ~!」


「すごい~!!」


「霧が消えていく瞬間を見ちゃった~!」←これは私。


霧が消え去ったと思ったら、今度はゴォ~っと風が唸りはじめました。
「うわ~。すごい風!」

よろめくほどではないので大島にあっては「強風」とは呼べないかもしれませんが、それでもかなりな迫力です。全身で風を受けて、耳元で風の唸る音を聞くなんて、なかなかできない体験ですよね!

風の音とともに雲もどんどん形を変え、山に帽子をかぶせたり、再び消えて行ったり…。
大迫力の動画の世界でした。

広大な景色に見とれ、霧や雲の動きに圧倒され、風を体で感じた裏砂漠。
裏砂漠らしい要素が全て、ギュッと凝縮したような時間でした。

あまりのめまぐるしい変化に、全員興奮状態でした。
(皆この後ずっと「すごかった」という言葉を、うわごとのように繰り返していました。)

お2人は「もう次は裏砂漠は行かなくて良いかも。今日が最高だったから。今日を“裏砂漠の思い出”としてずっと、そのまま取っておきたい。」とおっしゃっていました。その気持ち、わかります。

めまぐるしく変化する天気の中を歩いた2日間のツアーですが、
港に着いた時には、それまでの天気がウソのような青空が広がっていました。

唯一、私の髪の毛が裏砂漠の風を証明してます・笑

まさに「地球を丸ごと体感」した、ジオツアーでした。

(カナ)
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雨のススキ行

2012年11月12日 | その他
昨日、天気予報では雨の降りだしの予報は3時過ぎでしたが、実際は6時間の前倒しで
朝の9時から雨降り

そんな雨にもめげずに 9人の物好き(歩くの好き)は
大島ウォーキング協会の定例会です。
9月の定例会も土砂降りの雨でしたが、昨日は降ったり止んだり降っても小雨でしたので
お昼ご飯も傘をさして

裏砂漠のススキは雨を含んで穂の出たての様にキラキラして、太陽に輝いているキラキラとは又違う風景です
ススキの葉は大部分が枯れてしまっていて、私が作る“草バッタ”は春までお休みみたいです。
山(さん)帰来(きらい)(サルトリイバラ)の葉もパリパリしていて葉を落とす準備をしているのが感じられます
なんでサンキライなのかといいますと、“かしゃんば”を作りたいと思ったのです

大島の秋は紅葉が少なくて寂しい。それだけ寒暖の差がなく暖かな処の証拠。
捜せばないことも無いけれど
マユミさんです

晴れれば楽しいウォーキングが出来ますが、雨は雨の発見が有ります。ま!1人では歩かないし仲間が居れば雨も  楽し!    (しま)
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昔の犬仲間(?)とジオツアー。

2012年11月11日 | ツアー
昨日の午後、昔の犬仲間(?)でもあるSさんと、三原山を歩きました。
Sさんは、年に数回大島の海に通ってくれていたダイバーでもあります。

3年以上前になるでしょうか?
まだ犬達が元気だった頃、よく連れ立って犬の散歩に行きました。

私の飼っていた犬は1年半前に、Sさんの犬は2ヶ月前に他界しました。
Sさんは仕事をやめ故郷へ帰ると決めたそうです。
で、その前にもう一度犬達と一緒に歩いた山に行きたいと、ツアーをリクエストしてくれました。

14時半の三原山。
傾きかけた太陽の光が、山肌の溶岩流に立体感を出してとても奇麗でした。

「あそこで、犬が溶岩をくわえて、歯に刺さって抜けなくなりましたよね。」「あそこで犬がウン○に体をゴシゴシして、帰りの車で窓を開けるのと締めるのとどっちが臭くないか相談しましたよね。」
犬達が元気だった頃の思い出話をしていたら、ちょっと寂しくなりました。

もうススキの陰がずいぶん伸びていました。
帰りが日没ギリギリになりそうでしたけれど、大急ぎで火口に行こうと決めました。

思い出を語ってのんびり歩くと悲しくなりそうだったので「大きな火口」を見に行こうと思ったのです。「火山が寂しい気分を吹き飛ばしてくれるはず。」そんなふうに思いました。

Sさんも火口はまだ見たことがないとのことでした。

山頂の遊歩道では、黒い溶岩の隙間に金色のススキがキラキラ輝きながら風に揺れていました。

最盛期を過ぎた、少しはかなげな状態がまた良いです。
「きれい~」by2人。

そして「大きな火口」は…

あれれ?半分の深さになっていました!(ウソです・笑)
日が落ちてくると火口にこんな陰が出るのを、はじめて知りました。

帰りに「三原山から思い出の場所を眺めよう!」と思って、西側の稜線に立ちました。
眼下に広がる砂漠のような景色。

2匹の犬達が大好きだった場所です。
「よくあの鳥居(外輪山にある)まで行きましたよね。」「そうそう。」

昔を思い出しながらも、火山についても語りましたよ。
何しろ今は、火山も友達ですから。

たとえば、縄状溶岩。
日が傾くと縄模様の上で、こんな遊びもできるのですね。

三原山から下りた時は、ちょうど外輪山の稜線に太陽が沈む直前でした。
太陽の光が手前の雲にさえぎられて、わずかな光線がススキにあたっていました。

目の前が全部キラキラと言う訳ではないけれど、こんなやわらかな光も、なかなか良いです。

淡いピンク色のススキたち。

太陽と雲が作り出したパステルカラーの風景です。

「犬達、こうやって思い出してもらって、喜んでいるでしょうね。」「きっと喜んでいますよ。周りを歩いてますよきっと。」そんな会話をしながら、2時間という超特急の三原山ツアーを終えました。

そして、帰りの車中で…。

「あ!飛行機雲がまっすぐ空に登っていく!」というSさんの声で外を見たら、真っ白い雲がどんどん空に向かって伸びて行くのが見えました。

「犬達が空に帰っていく!」
瞬間的にそんなことを思ってしまうような、タイミングでした。

白い飛行機雲は大空を一直線に伸び、やがて遠くに消えていきました。

生きている火山のもとを歩きながら、過ぎていく時間の愛おしさを味わったジオツアーでした。

(カナ)








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