浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ああ、TPP

2013-03-16 20:09:06 | 日記
 TPPは、多国籍企業だけがトクをするものだ。それぞれの国の庶民は、決してトクしない。それぞれの国の政府を従属させた多国籍企業(そしてそこに投資している人々や機関)が、みずからの「強欲」を貫徹するために考え出したものだ。

 ISD条項というものがある。「Investor(投資家) State(国家)  Dispute(紛争) Settlement(解決)」=「国家と投資家の間の紛争解決手続き」というものだ。ある国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合には、国際投資紛争解決センターという機関に訴えることができる制度であるが、ところがそのセンターは決して「第三者」ではなく、多国籍企業や「投資家」の利益を最大限に守ることに日夜励んできている、そういう機関だ。

 TPPに加盟すると、「公共の利益」というものが、海外の投資家などによる訴えにより「無化」にされるのだ。

 自民党・公明党政権は、多国籍企業や投資家の「強欲」を支えるつもりなのだ。

 昨年末の総選挙で、自公を勝利させれば、こうなることは予想できたことだ。日本国民は、だから「甘受」せざるを得ないのか。

 資本主義は、必ずどこかの「辺境」を見出して、そこから莫大な利潤を獲得してきた。ところが、「辺境」というところがだんだんなくなってきて、莫大な利潤を獲得することができなくなってきた。そこでバーチャルな空間を作り出してそこに「辺境」を求めたり、国内に貧困を作り出すことによって国内に「辺境」を求めた。だが、それでも利潤は獲得できるが、莫大な利潤は獲得できない。

 投資家や資本家が求めるのは、「利潤」ではなく、「莫大な利潤」なのだ。

 その「莫大な利潤」を獲得するために、日本を草刈り場にする、それがTPPだ、人びとの個人資産や預貯金、共済事業など、つぎつぎと攻撃され、残るのは、1945年の焼け野原、いや建物は残っているからそのたとえはやめよう。ともあれ、荒涼とした風景が見られることだろう。

 社会現象の背後には必ず人為的なものがある。しかし人々はその人為的なものに気づかない。貧困にさせられるのに、人々は貧困になる、冬が去り春が必ず来るように・・・・社会現象も自然現象のようにとらえられるのだ。

 そういう人々を、人為的なものを推進する勢力は、ニコッと笑っている。
コメント
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