安田浩一ほか『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島新書)を読んだ。ボクはネトウヨなどと呼ばれる人々のことなんか知りたくはないのだが、しかし一定の力を発揮しているようだし、また「帝国意識」の観点からは、観察の対象とすべきではないかと思ったので読んでみたのだ。
すでに安田浩一の『ネット愛国』は読んでいるので、ネトウヨの本質みたいなものは摑んでいる。
彼らは強烈な被害者意識をもつという。何せネトウヨの書き込みをしている時間は、フツーの日の日中だという。働いていないんだ。職を持てない被害者。不満や怨みを、拝外主義的な気分の中に解放しようという暗い願望。
そういえば、今月号の『DAYS JAPAN』に在日のコンサルタント、シンスゴさんが彼らの本質をつく文を書いていた。掲げられている写真は、コリアタウンがある新大久保を「在特会」というグループがデモ行進をしている。
プラカードを掲げながら、「ボクを見て」「ボクを認めて」と叫んでいるようなその姿がなんとも痛ましかった。極右化する社会への過剰適応そのものだ。彼らに共通するのは、この社会から「見捨てられそう」ま、または「見捨てられた」人たちだということだ。
戦前戦後を通して、日本人は、誰も責任を取らない仕組みの中で、むしり取る者と取られる者とに選別されてきた。被災地を見るまでもなく、いったん被害者になったり転落したりしたら、誰も救ってはくれない。だから、落ちたらおしまいという強迫観念が、社会の隅々まで根付いている。
自分の将来が不安になったとき、彼らが頼る最後の縁は、「日本人であること」なのだ。韓国や朝鮮を叩くとき、彼らは「見て、見て、僕は日本人だよ、日本人なんだから、僕を見捨てないで」と叫んでいる。誰からも承認されない者の、最後の断末魔だ。
思えばこの国は、韓国・朝鮮をしゃぶり尽くして、ようやく自分を維持してきた。政権は北朝鮮からの危機を煽り、韓国とは領土問題を使い、マスコミは韓流ブームと嫌韓の両方で儲け、中産階級から滑り落ちそうな輩は足下の在日を叩き、果ては「殺せ」コールで「正義」を誇示する。日本が日本であるためには、日本人がオレは日本人だと確認するためには、「朝鮮」や「韓国」が必要なのだ。
自分というものがないその姿は、あまりに幼い。
彼らのデモ行進のビデオを見たことがある。本当に朝鮮・韓国人を「殺せ」などと叫んでいた。品性のかけらも主張の正当性もなにもない、惨めな姿の人々だった。
彼らの叫びは、論理もなく、デマをひたすら汚い言葉で言い放つだけだ。
犯罪が起きればそれは在日の仕業と叫び、その一方で安倍首相や自民党が好きで、彼らが何を言おうとも盲目的に支持を表明する。何ともデタラメの人々。そういう人々が、今もネットで「活躍」している。
すでに安田浩一の『ネット愛国』は読んでいるので、ネトウヨの本質みたいなものは摑んでいる。
彼らは強烈な被害者意識をもつという。何せネトウヨの書き込みをしている時間は、フツーの日の日中だという。働いていないんだ。職を持てない被害者。不満や怨みを、拝外主義的な気分の中に解放しようという暗い願望。
そういえば、今月号の『DAYS JAPAN』に在日のコンサルタント、シンスゴさんが彼らの本質をつく文を書いていた。掲げられている写真は、コリアタウンがある新大久保を「在特会」というグループがデモ行進をしている。
プラカードを掲げながら、「ボクを見て」「ボクを認めて」と叫んでいるようなその姿がなんとも痛ましかった。極右化する社会への過剰適応そのものだ。彼らに共通するのは、この社会から「見捨てられそう」ま、または「見捨てられた」人たちだということだ。
戦前戦後を通して、日本人は、誰も責任を取らない仕組みの中で、むしり取る者と取られる者とに選別されてきた。被災地を見るまでもなく、いったん被害者になったり転落したりしたら、誰も救ってはくれない。だから、落ちたらおしまいという強迫観念が、社会の隅々まで根付いている。
自分の将来が不安になったとき、彼らが頼る最後の縁は、「日本人であること」なのだ。韓国や朝鮮を叩くとき、彼らは「見て、見て、僕は日本人だよ、日本人なんだから、僕を見捨てないで」と叫んでいる。誰からも承認されない者の、最後の断末魔だ。
思えばこの国は、韓国・朝鮮をしゃぶり尽くして、ようやく自分を維持してきた。政権は北朝鮮からの危機を煽り、韓国とは領土問題を使い、マスコミは韓流ブームと嫌韓の両方で儲け、中産階級から滑り落ちそうな輩は足下の在日を叩き、果ては「殺せ」コールで「正義」を誇示する。日本が日本であるためには、日本人がオレは日本人だと確認するためには、「朝鮮」や「韓国」が必要なのだ。
自分というものがないその姿は、あまりに幼い。
彼らのデモ行進のビデオを見たことがある。本当に朝鮮・韓国人を「殺せ」などと叫んでいた。品性のかけらも主張の正当性もなにもない、惨めな姿の人々だった。
彼らの叫びは、論理もなく、デマをひたすら汚い言葉で言い放つだけだ。
犯罪が起きればそれは在日の仕業と叫び、その一方で安倍首相や自民党が好きで、彼らが何を言おうとも盲目的に支持を表明する。何ともデタラメの人々。そういう人々が、今もネットで「活躍」している。