浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

馬の絵

2013-09-03 22:02:21 | 日記
 ボクの知り合いの画家は、若い頃牛ばかり描いていた。なぜそうなのかは、尋ねたことがない。彼は、牛の絵を売って、自らの画業の資にしていた。

 今度ボクは、馬の絵を見た。この前、日曜美術館を見ていたら、今年6月に放映された番組の再放送があった。

 神田日勝という33歳で亡くなった画家の絵、馬の絵だ。

 その絵は、サラブレッドのような競走馬ではない。農耕に従事している、足ががっしりとした馬だ。ボクはその絵を見て、大地にしっかと生きる人の目に映った馬だと思った。「開拓の馬」という絵だ。馬の眼は優しい。馬とともに働き、そして描く神田日勝という人間との関係がそこに表れている気がした。「同志」を見つめる眼である。

 そしてもう一つ印象に残った絵がある。「室内風景」。おそらく自分自身を描いたのだろうとボクは思うが、その背景、新聞紙が貼られている。1970年の作品だ。
 ボクは、この1970年の作品であることに留意したい。

 神田は、ただ単に北海道で農業をしながら絵を描いていたのではないと思う。この時代の社会的な動向を注視していたのではないか。東京など都市では、ある種の「乱」が起きていた。そうした「時代」(背景の新聞にそれがこめられているのでは?)に「ある」(生きる)自分を描いたのではないだろうか。

 彼は、流動的な社会を見つめながら、「抵抗」を志向していたのではないか。

 彼が1969年に書いた文は、それを推測させる。

生命の痕跡 ――― 神田日勝

≪1969(昭和44年)6月18日≫ 北海タイムス掲載

利潤の追求と合理主義の徹底という現代社会の流れのなかで人間が真に主体性のある生き方をすることは、きわめてむずかしい時代になってきた。
今や人間の存在理由は、個々の内部にはなく巨大な社会のメカニズムを構成する一兵卒として、好むと好まざるとにかかわらず、 不安やあせりを内包したまま、無表情に一定のイズムに向かって押し流されてゆく。
 そこには、主体的な個性とか抵抗は、全く許されない。現代コマーシャリズムの尺度に合わされた無個性な思考と、 生活を営む画一的な人々の悲しい行進なのだ。
 そして自分がまぎれもなく、その悲しい群衆のなかのひとりであることを認識するとき、たまらない無力感に陥る。 われわれの創造活動は真の人間復活を目指した、現状況へのささやかな抵抗かもしれない。 いや抵抗というよりは、むなしいヒステリックなあがきとでもいうべきか。あの白いキャンパスは己の心の内側をのぞきこむ場所であり、 己の卑小さを気づき絶望にうちひしがれる場所でもあるのだ。 だから私にとってキャンパスは、絶望的に広く、不気味なまでに深い不思議な空間に思えてならない。
 私はこの不思議な空間を通して、社会の実態を見つめ、人間の本質を考え、己の俗悪さを分析してゆきたい。
 己の卑小さをトコトン知るところから、我々の創造活動は出発するのだ。あの真っ白なキャンパスの上にたしかな生命の痕跡を残したい。


http://kandanissho.com/study/

 彼の絵をみることができる。ある種の力をもって迫ってくる絵が多い。残念ながら、「開拓の馬」の絵はない。


http://kandanissho.com/ 
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天皇家を政治利用

2013-09-03 17:55:50 | 日記
 招致活動は、明確に政治活動だ。安倍政権を支え、フクシマを隠すための手段だと、ボクは思っている。したがって、宮内庁長官の懸念は正しいと思う。


菅氏、宮内庁長官発言を批判 「非常に違和感」

2013年9月3日 12時30分



 菅義偉官房長官は3日午前の記者会見で、2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会への高円宮妃久子さまの出席をめぐる風岡典之宮内庁長官の発言を「非常に違和感を感じる」と批判した。

 風岡氏は2日、招致活動を政治的な活動とする立場から、出席を「苦渋の決断」とし「天皇、皇后両陛下も案じられていると推察した」と述べた。

 会見で菅氏は、官邸から文部科学省を通じて宮内庁側に久子さまのIOC総会出席を要請したことを明らかにした上で「皇室の政治利用、官邸からの圧力であるという批判は当たらない」と強調した。
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原発事故

2013-09-03 12:19:43 | 日記
 福島原発事故の対策で、湯水の如くカネがつかわれる。

 まず汚染水対策で・・・470億件

福島汚染水漏れ:国費470億円投入へ

毎日新聞 2013年09月03日 10時55分(最終更新 09月03日 11時30分)

 政府は3日、東京電力福島第1原発の高濃度汚染水漏れの対策として、計470億円の国費を投入する方針を固めた。このうち210億円を今年度予算の予備費(約3500億円)から支出する方針。原子炉建屋周辺の土壌を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」の設置にかかる費用は国が全額を負担し、320億円をあてる。汚染水問題で、国が前面に出る姿勢を明確にする。

 国費の内訳は、凍土遮水壁の設置に320億円を充てるほか、汚染水から放射性物質を取り除く除去装置「アルプス」の性能向上にも150億円を投ずる計画だ。今年度予算で必要に応じて使える予備費も活用して、できるだけ早期に対策を進める。汚染水漏れ対策の総額は今後増える可能性があり、政府は追加的な支援も検討する構えだ。

 国費投入の方針は、政府が3日に開く原子力災害対策本部会議で決定する。国費投入を決めたのは、地下水の動きなど汚染水対策には技術的な難しさが伴い、東電だけに汚染水対策を任せられないと判断したため。ただ、なし崩し的な費用負担の拡大は「東電救済」との批判を浴びかねない。このため、国費投入は緊急性が高く、技術的に困難な事業に限る方針だ。【清水憲司】
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 これからずっと事故対策として、つぎつぎと投入されるだろう。日本国の責任として、なんとか事故の拡大を防がなければならない。

 しかし、先は見えない。
 
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近視眼

2013-09-03 07:16:35 | 日記
 昨日の「毎日新聞」社説。指摘される通りである。
 しかし、こういうことは急に判明したわけではない。ずっと前からわかっていた。しかし、自民党政権は、少子化担当大臣をおいただけで、何もしてこなかった。若い人たちの働く場を保障したり、家族を持てる経済力をつけさせることもせず、保育園の拡充もせず、ひたすら財界の要求を聞き入れ、給与を下げ長時間労働やサービス残業を放置し、非正規労働者を増やしてきた。

 現在も、公務員をはじめ、働く人々の所得は減る一方だ。

 自民党政権は財界のための政権である。近視眼的に、多国籍大企業にカネを儲けさせることしか考えていない。多国籍大企業は、日本国内の労働力なんかどうでもいい。労働力は、世界各地で、それも低賃金のそれがある。

 愛国心を唱える者こそ、愛国心なんかない。

 日本人は、いずれ大幅に減っていく。



社説:働く世代の縮小 政府はもっと危機感を

毎日新聞 2013年09月02日 02時30分


 日本の人口減少が止まらない。総務省が発表した、3月末時点で住民基本台帳に記載された日本人の数は、前年比約26万人減の約1億2639万人で、4年連続の減少だった。

 特に減り方が激しかったのが15〜64歳の生産年齢人口と呼ばれる層だ。前年に比べ約125万人も減少し、初めて8000万人を割り込んだ。働く世代の人口減少は、日本経済の活力をそぐことにつながる。政府はこの危機的現状を直視し、包括的な対策を急がねばならない。

 日本人の生産年齢人口は世代別の統計が始まった1994年には全人口の69・7%を占めていたが、今年は62・5%まで低下した。19年で労働力が764万人も減った計算だ。

 働き手が減少するということは、増え続ける社会保障費への対応が苦しくなるというばかりではない。消費の市場が縮む一方、生産性を高めたり、生活の質をよくしたりするための技術革新にもマイナスとなる。

 では何をすべきか。

 少子化に歯止めをかける努力はいうまでもない。今回、出生者数は102万9433人と過去最低を更新した。だがそれだけでは到底、間に合わない。可能な限りの手を同時に打つ必要がある。

 高齢者の雇用を増やすことはその一つだが、生産年齢人口に含まれながら実際は働いていない潜在力、特に子育てを機に仕事から遠ざかった女性が、もっと働けるようにする施策は急務だ。日本女性の労働参加率を北欧並みに高められたら、少子高齢化が長期的に日本経済に及ぼす悪影響を半分程度和らげられるとの専門家の指摘もある。

 外国人も潜在的な力といえそうだ。今回の調査で初めて対象になった住基台帳記載の外国人は198万人で、その84%が生産年齢人口だった。無視できない数といえるが、総人口に占める外国人の比率は1・5%に過ぎず、経済協力開発機構(OECD)に加盟する33カ国平均の12・6%にほど遠い。

 働く女性の割合や外国人の比率が高まるメリットは何も働き手の頭数が増えるという点にとどまらない。多様な発想を生み、新しい技術や製品・サービス、経営革新の起爆剤となるだろう。成長を促し、社会に活気をもたらす可能性がある。

 だが、簡単に増やせるものではない。男性、女性がともに仕事と家庭を両立できるような環境を作るには時間がかかる。ビザ(査証)の発給要件を緩和しさえすれば、優れた留学生や研究者、企業が海外から競って集まってくるものでもなかろう。

 それだけに、今、本腰を入れる必要がある。これこそ成長戦略の中核とすべき、重要な課題なのだ。
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