浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

安倍首相の「ウソ」が、ばれてしまう!!

2013-09-09 22:04:40 | 日記
 『毎日新聞』は、最近よく健闘している。ジャーナリズム精神をもった記者がいるということだ。

 東電:汚染水、首相の「完全にブロック」発言を事実上否定
毎日新聞 2013年09月09日 21時07分(最終更新 09月09日 21時56分)


安倍首相が言及した「0.3平方キロ」のエリア
拡大写真 福島第1原発の汚染水問題をめぐり、安倍晋三首相が五輪招致のプレゼンテーションで「完全にブロックされている」「コントロール下にある」と発言したことについて、東京電力は9日の記者会見で、「一日も早く安定させたい」と述べ、首相発言を事実上否定した。政府に真意を照会しているといい、政府と東電の認識の違いが出たと言えそうだ。

 防波堤に囲まれた港湾内(0.3平方キロ)には、汚染水が海側に流出するのを防ぐための海側遮水壁が建設されているほか、湾内に広がるのを防ぐために「シルトフェンス」という水中カーテンが設置されている。

 東電によると、フェンス内の海水からは、これまでに最大でストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり1100ベクレル、トリチウム(三重水素)が同4700ベクレル検出されている。東電は「フェンス外の放射性物質濃度は内部に比べ最大5分の1までに抑えられている」と説明したが、フェンスは水の出入りまで遮断できない。また、フェンス内と港湾内、外海の海水が1日に50%ずつ入れ替わっていることが知られており、トリチウムは水と似た性質を持つため通過する。

 現在、外海とつながる港湾口や沖合3キロの海水の放射性物質濃度は検出できないほど低いが、専門家は「海水で薄まって拡散しているため」とみる。

 また、汚染水は1日400トンの地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込み、溶けた核燃料に接触して増え続けている。水あめ状の薬剤「水ガラス」で壁のように土壌を固める改良工事を実施したが、壁の上を越えて海洋流出している事態も収束していない。地上タンクから漏れた汚染水約300トンの一部は、海に直接つながる排水溝に到達したとみられ、東電は港湾外に流出した可能性を否定していない。「何をコントロールというかは難しいが、技術的に『完全にブロック』とは言えないのは確かだ」(経済産業省幹部)との声も出ている。


 オリンピックを招致するために、公然とうそをつく総理大臣を擁しているわが日本。恥ずかしい国だ。「恥の文化」を日本文化の特徴であるとした言説があったが、総理大臣は「無恥の文化」を自ら売り出し中だ。

 ウソで招致した東京オリンピック。素直に喜ぶことはできないはずだ。


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【本】鎌田慧『橋の上の「殺意」 畠山鈴香はどう裁かれたか』(講談社文庫)

2013-09-09 21:06:35 | 日記
 2006年秋田の山間部の町で起きた、二人の子どもの殺人事件。事件が起きたときにはマスコミが、意図的な報道を繰り広げたから、知らない人はいないだろう。

 事件が発生し、殺された少女の母親が殺人を犯したことが判明すると、死刑だ、死刑だという声が寄せられ、その動きを背景に、検察官はひたすら「鈴香」を極悪非道な人間であるとし、いや「人間ではない」と断罪し、死刑に持って行こうとひたすら努力した。

 もちろん殺された子どもの親の気持ちを推し量れば、極刑をという声が出るのもやむを得ないけれども、しかし、亡くなった子どもがもう帰って来ない以上、なぜその犯罪が起きたのかを徹底的に究明することが大切であると思う。そしてそのうえで、その犯罪の内容をきちんと吟味し、それなりの量刑が科されるべきである。

 ただしかし、私は死刑廃止論に立つから、死刑判決は受け容れられない。「鈴香」は、一審、二審と共に無期懲役とされ、すでに刑は確定している。

 さて本書は、事件を追いながら、「鈴香」という人間が殺人を起こした背景を探ろうとしている。なぜ?という問いである。これこそがとても大切であり、簡単に応報論的な判断をすべきではない。

 「鈴香」の家庭には、やはり不合理な暴力が存在した。幼少期からの父親の暴力。それもいつ何時炸裂するか分からない、理由もなしに行われる暴力のもとに「鈴香」は育った。

 ということは、悲しいことに、正常な精神発達がなし遂げられなかったのだ。発達障がいが、やはりまとわりついていた。「鈴香」という人間の成長過程が抱えていた問題、その結果「鈴香」に様々な困難が生まれていた。その困難を解き明かさない限り、本当はその人間を裁くことはできないはずだ。

 鎌田は、その困難をこの書に冷静に書き留めた。

 マスメディアは、いつものようにあたかも自らが裁判官になったつもりで、あることないことを報道して「極悪非道」な人間であるとして、人々の心にすり込んでいゆく。

 こういう事件の真実は、マスメディアの報道ではまったくわからないのだ。マスメディアは、応報的な観点から情報を選び、あるいは創り出して、次々と公表する。その波に、人々は完全に呑み込まれる。だからこそ、鎌田の本は、読まれなくてはならない。

 この本を読んで、「鈴香」が抱えていた困難を知ることができた。その困難を、「鈴香」自身が乗り越えて生きていくことにこそ、真の贖罪があるのだと思う。

 この本は、実は中森明夫の『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮文庫)を買うために、ついでに買ったものだが、先に読んでしまった。今日到着した本だが、鎌田の読みやすい文体と、中身の濃さによりぐいぐいと引っ張られて、今読み終えたところだ。刑事事件の本質を考える意味で参考になると思う。



 
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こういう意見が、メディアからはでないのか

2013-09-09 06:30:01 | 日記
 植草氏の至極まっとうな意見である。しかしこういう意見は、社会の多くの人にあ流されない。それあ現代日本の悲劇である。

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-d612.html
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卑怯なメディア

2013-09-09 06:19:44 | 日記
 共同が、次のような記事を配信した。

汚染水めぐる首相発言に批判の声 福島の漁業者ら「あきれた」 9月8日(日)20:55


 「状況はコントロールされている」。安倍晋三首相は、国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京電力福島第1原発事故の汚染水漏れについて、こう明言した。しかし、福島の漁業関係者や識者らからは「あきれた」「違和感がある」と批判や疑問の声が上がった。「汚染水の影響は福島第1原発の港湾内0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」とも安倍首相は説明した。だが、政府は1日300トンの汚染水が海に染み出していると試算。地上タンクからの漏えいでは、排水溝を通じて外洋(港湾外)に流れ出た可能性が高いとみられる。


 首相の発言は、明らかにウソであった。ウソをウソであったと、メディア自身がなぜ指摘しないのか。わざわざ魚業者のコメントをとって、お茶を濁そうというのか。

 ボクは、メディアに「あきれた」というしかない。メディア自身が自らの識見により、おかしいことをおかしいと指摘し、ウソをついた権力者には「あなたはウソをついた」と正しく批判すべきではないか。メディアの役割として、「社会の木鐸」などということばが使われるが、そんな姿勢はとうになくなっている。

 「権力隷従」。メディアは権力に「ただ酒」を呑まされて、権力の奴隷としてアメをしゃぶらされて、にやにやと笑っている。権力とまったく同じ顔だ。卑劣としか言いようがない。
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