クリアな明晰な文。扇情的なところはまったくなく、月の光に照らされたような文。だが書かれている内容は、悪に対する燃えあがるような正義感とそれに基づくアクションである。
著者は、大杉栄と伊藤野枝の娘。本当の名はルイズ。1922年に生まれているから、両親を知らない。ルイズは、野枝の父母に育てられた。
大杉豊さんは、ルイこそ父母の血を継いでいるというようなことを話されていたが、おそらくそうだろうと思う。悪は全国各地に、様々な形になって出現している。その悪と闘うために、北海道から沖縄まで、足を運んでいる。
何というエネルギー。
本書に書かれた文では、それぞれの問題について、的確な批評を行っている。
本書は三部に分かれている。第一部は、「・・・どなたも・・・」である。ボクはこれがもっとも味がある文だと思う。ルイという人間の本質、それは素晴らしく人間的であるが、それが素直に描かれている。いろいろな人物との交流の中で、ルイが感じとったもの、聞いたこと、そういうものが普遍的なものに高められて、文の中に鎮座している。
第二部は、いわば闘いの記録だ。文はおとなしいのであるが、内容はすごい。ルイのエネルギーに圧倒される。
第三部は、「憶い形見」として。ルイの周辺にいた、父母と関わりある人々への追想。これもよい。大杉の周辺にいた人々の満ちあふれた優しさが語られる。アナーキストとはいかなる人間であるかが示されるのだが、とっても良い人たちだということがわかる。
発行は、1991年。そして1996年に、ルイは亡くなっている。
なお本書は、図書館から借りた。
著者は、大杉栄と伊藤野枝の娘。本当の名はルイズ。1922年に生まれているから、両親を知らない。ルイズは、野枝の父母に育てられた。
大杉豊さんは、ルイこそ父母の血を継いでいるというようなことを話されていたが、おそらくそうだろうと思う。悪は全国各地に、様々な形になって出現している。その悪と闘うために、北海道から沖縄まで、足を運んでいる。
何というエネルギー。
本書に書かれた文では、それぞれの問題について、的確な批評を行っている。
本書は三部に分かれている。第一部は、「・・・どなたも・・・」である。ボクはこれがもっとも味がある文だと思う。ルイという人間の本質、それは素晴らしく人間的であるが、それが素直に描かれている。いろいろな人物との交流の中で、ルイが感じとったもの、聞いたこと、そういうものが普遍的なものに高められて、文の中に鎮座している。
第二部は、いわば闘いの記録だ。文はおとなしいのであるが、内容はすごい。ルイのエネルギーに圧倒される。
第三部は、「憶い形見」として。ルイの周辺にいた、父母と関わりある人々への追想。これもよい。大杉の周辺にいた人々の満ちあふれた優しさが語られる。アナーキストとはいかなる人間であるかが示されるのだが、とっても良い人たちだということがわかる。
発行は、1991年。そして1996年に、ルイは亡くなっている。
なお本書は、図書館から借りた。