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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

伊藤野枝のこと

2016-04-08 22:44:54 | その他
 某氏から、最近岩波書店から刊行された『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』についてどう考えるか問い合わせがあった。

 まずボクは、この本を読むつもりはまったくない、と答えた。というのも、野枝について著者が書いた「豚小屋に火を放て 伊藤野枝の矛盾恋愛論」を読んでいたからだ。この文は、『現代思想』2013年9月号に掲載されていた。全文11頁なのに、野枝に言及したのは3頁程度、あとは自らの「恋愛(?)」体験、一人の女性との交際の顛末を長々と書き綴ったものだ。こんな個人的なことを読まされる側はたまったものではない。野枝について書かれたと思い読んでいくと、なかなか野枝が出てこないで、ひたすら著者のまったく個人的な体験を読まされるのである。アホらしい、というしかない。

 きっと、岩波本にも、この文が載せられているのだろうと思うと、読もうという気持ちなどまったく湧いてこない。

 今月号の『世界』の最後の頁に、「オレ、伊藤野枝」という文がある。この著者が「伊藤野枝」だと勝手に思い込むのは自由ではあるが、野枝はどう思うだろうか。

 ボクは、この「オレ、伊藤野枝」を読んで、著者は品性が欠けていると思わざるを得なかった。野枝はやりたいことがあったら何でもやってしまう・・・すると「あんなこともできる、こんなこともできる、もっとできる、わたしはすごい」ー「野枝が身をもっておしえてくれているのは、そういうことだ」と記している。しかし野枝は、著者がそう思い込むような人間ではない。

 著者は、きわめて主観的に、勝手に野枝像をつくりあげて、さらにその自分勝手につくりあげた野枝像に自己を投影し没入する。そこでは、実在した伊藤野枝という客観的な存在は、完全に消されてしまう。
 さらに「オレ、伊藤野枝」と書く著者は、女性なのか。もちろん男性である。女性としての野枝が、近代日本社会のあり方に怒りや疑問を投げかけたのである。「オレ、伊藤野枝」と書く著者は、野枝を理解しているとはとうてい思えない。

 それにこの本の表題が許せない。伊藤野枝という人間と「村に火をつけ、白痴になれ」という品性に欠けることばとがどう結びつくというのか。

 ボクには、怒りしかない。

 最後に『現代思想』に書かれた著者の文の末尾を記しておく。


「豚小屋に火を放て。燃やしつくしたそのはてに、とてつもなくおおきな力がやってくる。不満足な人間であるよりも満足な豚になったほうがいい。合コンにいきたい。」
  
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ムヒカ・ウルグアイ前大統領

2016-04-08 20:40:27 | その他
 ムヒカ氏が来日している。ムヒカ氏は大統領であったが、軍事政権と闘っていたゲリラでもあった。

 だからこそ、「社会をよくするために、若者よ、闘え」と言ったんだろう。『東京新聞』記事。


「社会を良くするため若者は戦え」 ムヒカ前大統領が東京外大で講演

2016年4月8日 朝刊

 来日中の「世界で一番貧しい大統領」として知られる南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(80)が七日、東京外国語大学(東京都府中市)で講演し、約三百人の学生と交流した。


 講演のテーマは「日本人は本当に幸せですか」。最も重要なのは「より良く生きること」とし、そのためには「過剰な消費生活を見直し、市場にすべてを任せない節度が求められる」と説いた。


 日本の若者の投票率の低さを例に「民主主義には限界があるが、社会を良くするために君たち若者は戦わなければならない」と語った。最後に「貧困は、過剰に物を求めることから生じる。私は貧乏なのではなく、質素が好きなだけ」と持論を展開。「エゴイズムにブレーキをかけ、世界の人々と共に助け合おう」と呼び掛けた。


 講演後、学生から「全世界を幸せにすることは可能か」「どんな学生時代を送るべきか」などの質問があった。ムヒカ氏が「世界変革は難しいが、自分を幸せにし、他の人も幸せにする。勇気を持ってそれを続けてほしい」と答えると、大きな拍手が送られた。

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自治体首長の浪費

2016-04-08 20:35:30 | その他
 浜松市長が『広報はままつ』で、「日本の借金が心配」という文を書いている。政府だけではなく、自治体も借金を抱えている。それほど借金が心配なら、高額の報酬から寄付すればいい。

 東京都は、働く人が集中しているから都民税がたくさん集まり、固定資産税も高く、財政は豊かなのだろう。東京都の知事になると、カネのつかい方、いや浪費の程度がものすごい。

 石原都知事の時もそうだったが、舛添になるともっとすごい。

『日刊ゲンダイ』の記事。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179036
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こういうニュースをみると・・

2016-04-08 10:07:36 | その他
 NHK配信記事であるが、庶民の負担を増大させる施策をみればみるほど、政府や自治体の無駄遣い、あるいは投下しなくてもいいようなところへの資金援助など、その支出にもっと関心を抱くべきだといつも思う。行政の支出にあまりにも、国民は無関心だ。

下水道使用料の引き上げ 財務省が国交省に要請へ

4月8日 5時31分

財務省は、下水道の維持や更新にかかる費用について今後、老朽化で増加し財政の負担が重くなるとして、一般家庭の平均で月額2650円余りとなっている使用料の引き上げを国土交通省に求めていく方針です。

下水道の維持管理や更新にかかる費用は、利用者から徴収する使用料のほか、国と地方自治体の負担などで賄っていますが、老朽化により、平成25年度の年間およそ9000億円が、平成35年度におよそ1兆1000億円に、平成45年度にはおよそ1兆3000億円と右肩上がりで増え続ける見込みです。
これを踏まえ、財務省は、7日開かれた財務大臣の諮問機関財政制度等審議会で、暮らしに欠かせない下水道の維持管理などに必要な費用は、国や自治体だけでなく利用者も負担していく必要があるとしました。そして、一般家庭の平均で月額2650円余りとなっている使用料を引き上げるよう今後、所管する国土交通省に求めていく方針です。
財政制度等審議会では、国の借金が1000兆円を超え財政状況が一段と厳しくなるなか歳出を抑えるための具体策を検討していて、今回、財務省が示した下水道の使用料の引き上げを来月取りまとめる提言に盛り込む見通しです。

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バッシング

2016-04-08 07:38:01 | その他
 リテラの下記の記事を読んだ。

http://lite-ra.com/2016/04/post-2138.html

 May.Jの歌を聴いたことはある。なかなか上手な歌手だ。「あな雪」の主題歌を歌っていたことも知っているが、バッシングされていたことは知らなかった。

 そのバッシングの経過を上記のサイトで知ったが、ネット上に何らかのことばを書き付ける人々は、事情を知らず、また知ろうともせず、その時々の思い、どちらかというと否定的な考えを打ち込む。しかしボクから見れば、実はどうでもよいこと、わざわざ公にするようなことでもないことなのだ。

 ネットの世界では、暇な人がたくさんいるのだろう、社会的事象を知り、理解するうえで必要ではない他人のあら探しをして公にする人、また自分の無知や劣情をさしおいて愚かな意見を開陳する人・・・そういう人がたくさんいる。

 『Journalism』4月号の綿井の文に次のような記述がある。

 ある民放報道番組制作に携わるディレクターは、毎回の放送終了後から1時間以上、視聴者から之多数の抗議電話対応に追われるのだという。それは抗議電話というよりも、説教電話に近い。

 その電話の中身で多いのは、「偏った報道。放送法に違反している」、「反日的な報道はいい加減やめろ」、「国益を損なっている」、18歳選挙権に関する報道で「T-ns SOWL」という安保法制反対の高校生グループを出演させたら「なぜ(安保法制に)賛成しているグループを取材しないのか」・・だそうだ。

 要するにネトウヨ的な方々からの電話なのだ。こうした意見は、実は安倍首相の考えそのものであり、彼らの電話は安倍首相の意向を伝えているのである。

 ふつうなら、そういう意見もあるのかというふうに流してしまうのだが、彼らはそうではない。安倍の視線でみているのだ。彼らはメディアの監視役でもある。

 may-Jに対するバッシングにしても、上記の電話に関しても、無視する勇気を持つべきだ。あるいは、それらを歯牙にもかけない精神をつくりあげるべきだ。バッシングなどをする人々は、みずからの行っていることの醜悪さを自覚できない者たちである、そういう者たちと対等にわたりあうことはない、不要なことなのだ。
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