アメリカ大統領選

　アメリカの凋落は迫っているように思える。ウォール街と軍需産業の利益を擁護する候補と、本来は大統領選に出馬する資格も何もないゲス候補。
　後者は、カネと過激なことばを吐くことによってメディアがつくりだしたものだ。今になってだめ出しをするのなら、最初から祭りあげなければよかったのだ。

　いずれにしても、どこの国でも、賢明な人間が政治の世界に入ろうとはしなくなったのだ。

　日本でも、国会議員、地方議会議員、いずれも見識や知性のある人ではなく、カネや名誉を求める俗人が当選している。

　政治の世界に賢明な人間が入り込まないようになったという背景には、やはり新自由主義的なとにかくカネを追い求める富裕者たちが活発に行動するようになってからであろう。彼らはみずからの欲望を肯定し、よりカネもうけができるようなシステムをつくりあげてきた。そういう政治だけを追求してきたといっても過言ではないだろう。

　そこには賢明な者はほとんどいない。カネ亡者、俗物がほとんどの世界に、誰がはいろうとするものか。「彼らと一緒にされたくない」という判断が、良識ある者たちの背後にはある。

　かくて政治は、富裕者や大企業の資産や利益を増やすだけのものになっている。これが改革される見通しは、今のところない。
　アメリカ大統領選の候補者をみれば一目瞭然だ。これほど人材がいないのだ。

　暗愚な政治家が、どこの国でも、国政でも、地方でも闊歩している。