3月はじめ、次女一家とともに浜松市動物園に行った。そこには浜子というインド象がいた。たった一頭で、見るからに老いていた。もう50歳以上だという。象は子どもたちの人気者だ。キリン、ライオン、象のところに行くと、子どもたちの動きが止まる。絵本などでもなじみ深い動物だからだ。
さて、話は変わって、私は印鑑を複数持っている。しかしそのなかに象牙はない。象牙の印鑑を持とうとも思わない。日本には印鑑文化があり、象牙でつくられた印鑑は今でも需要があるようだ。
だが、象牙は言うまでもなく、死んだり、殺されたりした象からとられる。実際は、後者、つまり殺された象からとられている。象牙を求める者たちは、ライフル銃や毒矢、毒入りの食べ物を食べさせて象を倒す。しかし完全に死んでしまうと死後硬直で堅くなって象牙をとることができなくなるので、生きたまま顔の部分をとるのだという。こう書いている私は、そんな光景見たことはないし、見たくもない。しかし現実にたくさんの象が殺されている。その結果、アフリカ象はそんなに遠くないいつか、絶滅するというのだ。
象牙はカネになる。高値で取引される。だから象が殺されるのだ。アフリカの象牙を受け容れているのは、日本や中国である。
この本によると、もっとも象牙を輸入していた国は中国だという。もちろん象牙の取引は批判されてきた。だから中国は、政府とともに、非合法的な手段をも駆使して象牙を輸入してきた。非合法であるということは、アフリカの諸政府、警察などの機関、そしてテロ組織、住民らがカネ(賄賂)を原動力にして、象牙の取引に関わっていたということである。
著者の三浦氏は当時朝日新聞社のアフリカ特派員、彼は象牙の密猟組織、その象牙の密輸の組織を曝こうと取材を重ねる。しかし、その願いは最後まで実現しなかった。しかし象牙の取引に関わる状況証拠を積み上げて、アフリカ象がどういう状況にあるのかを明らかにしてきた。
私は今までアフリカ象は言うまでもなく、象牙についてまったく知ることはなかった。しかしこの本を読んで、アフリカ象が絶滅の危機にあること、象牙取引のことなどを知ることとなった。
アフリカ象の絶滅を防ぐためにはどうしたらよいか。それは象牙の取引をストップさせることである。
2016年秋、ワシントン条約締約国会議があり、もっともアフリカ象の密猟と関わりがあった中国が象牙市場の閉鎖を主張したのである。驚くべきことであった。しかしそのなかで、日本は象牙市場の閉鎖に反対した。そして閉鎖されないように、文言をどうにでも解釈できるように決議文を修正させたのである。
この本を読んで、アフリカ象の絶滅を阻止すべく、何ができるのかを考えなければならないと思った。
アフリカ象の涙
さて、話は変わって、私は印鑑を複数持っている。しかしそのなかに象牙はない。象牙の印鑑を持とうとも思わない。日本には印鑑文化があり、象牙でつくられた印鑑は今でも需要があるようだ。
だが、象牙は言うまでもなく、死んだり、殺されたりした象からとられる。実際は、後者、つまり殺された象からとられている。象牙を求める者たちは、ライフル銃や毒矢、毒入りの食べ物を食べさせて象を倒す。しかし完全に死んでしまうと死後硬直で堅くなって象牙をとることができなくなるので、生きたまま顔の部分をとるのだという。こう書いている私は、そんな光景見たことはないし、見たくもない。しかし現実にたくさんの象が殺されている。その結果、アフリカ象はそんなに遠くないいつか、絶滅するというのだ。
象牙はカネになる。高値で取引される。だから象が殺されるのだ。アフリカの象牙を受け容れているのは、日本や中国である。
この本によると、もっとも象牙を輸入していた国は中国だという。もちろん象牙の取引は批判されてきた。だから中国は、政府とともに、非合法的な手段をも駆使して象牙を輸入してきた。非合法であるということは、アフリカの諸政府、警察などの機関、そしてテロ組織、住民らがカネ(賄賂)を原動力にして、象牙の取引に関わっていたということである。
著者の三浦氏は当時朝日新聞社のアフリカ特派員、彼は象牙の密猟組織、その象牙の密輸の組織を曝こうと取材を重ねる。しかし、その願いは最後まで実現しなかった。しかし象牙の取引に関わる状況証拠を積み上げて、アフリカ象がどういう状況にあるのかを明らかにしてきた。
私は今までアフリカ象は言うまでもなく、象牙についてまったく知ることはなかった。しかしこの本を読んで、アフリカ象が絶滅の危機にあること、象牙取引のことなどを知ることとなった。
アフリカ象の絶滅を防ぐためにはどうしたらよいか。それは象牙の取引をストップさせることである。
2016年秋、ワシントン条約締約国会議があり、もっともアフリカ象の密猟と関わりがあった中国が象牙市場の閉鎖を主張したのである。驚くべきことであった。しかしそのなかで、日本は象牙市場の閉鎖に反対した。そして閉鎖されないように、文言をどうにでも解釈できるように決議文を修正させたのである。
この本を読んで、アフリカ象の絶滅を阻止すべく、何ができるのかを考えなければならないと思った。
アフリカ象の涙