浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】三浦英之『牙 アフリカ象の「密猟組織」を追って』(小学館)

2020-03-20 20:17:28 | 
 3月はじめ、次女一家とともに浜松市動物園に行った。そこには浜子というインド象がいた。たった一頭で、見るからに老いていた。もう50歳以上だという。象は子どもたちの人気者だ。キリン、ライオン、象のところに行くと、子どもたちの動きが止まる。絵本などでもなじみ深い動物だからだ。

 さて、話は変わって、私は印鑑を複数持っている。しかしそのなかに象牙はない。象牙の印鑑を持とうとも思わない。日本には印鑑文化があり、象牙でつくられた印鑑は今でも需要があるようだ。

 だが、象牙は言うまでもなく、死んだり、殺されたりした象からとられる。実際は、後者、つまり殺された象からとられている。象牙を求める者たちは、ライフル銃や毒矢、毒入りの食べ物を食べさせて象を倒す。しかし完全に死んでしまうと死後硬直で堅くなって象牙をとることができなくなるので、生きたまま顔の部分をとるのだという。こう書いている私は、そんな光景見たことはないし、見たくもない。しかし現実にたくさんの象が殺されている。その結果、アフリカ象はそんなに遠くないいつか、絶滅するというのだ。

 象牙はカネになる。高値で取引される。だから象が殺されるのだ。アフリカの象牙を受け容れているのは、日本や中国である。

 この本によると、もっとも象牙を輸入していた国は中国だという。もちろん象牙の取引は批判されてきた。だから中国は、政府とともに、非合法的な手段をも駆使して象牙を輸入してきた。非合法であるということは、アフリカの諸政府、警察などの機関、そしてテロ組織、住民らがカネ(賄賂)を原動力にして、象牙の取引に関わっていたということである。

 著者の三浦氏は当時朝日新聞社のアフリカ特派員、彼は象牙の密猟組織、その象牙の密輸の組織を曝こうと取材を重ねる。しかし、その願いは最後まで実現しなかった。しかし象牙の取引に関わる状況証拠を積み上げて、アフリカ象がどういう状況にあるのかを明らかにしてきた。

 私は今までアフリカ象は言うまでもなく、象牙についてまったく知ることはなかった。しかしこの本を読んで、アフリカ象が絶滅の危機にあること、象牙取引のことなどを知ることとなった。

 アフリカ象の絶滅を防ぐためにはどうしたらよいか。それは象牙の取引をストップさせることである。

 2016年秋、ワシントン条約締約国会議があり、もっともアフリカ象の密猟と関わりがあった中国が象牙市場の閉鎖を主張したのである。驚くべきことであった。しかしそのなかで、日本は象牙市場の閉鎖に反対した。そして閉鎖されないように、文言をどうにでも解釈できるように決議文を修正させたのである。

 この本を読んで、アフリカ象の絶滅を阻止すべく、何ができるのかを考えなければならないと思った。

 アフリカ象の涙
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Japan uses just a fraction of its coronavirus testing capacity

2020-03-20 19:57:43 | 政治
Japan uses just a fraction of its coronavirus testing capacity

ロイターの記事、「日本は新型コロナウィルスの検査能力の一部しか使っていない」の翻訳である。ただし専門家ではないので、意訳したりしているし、誤訳もあるかもしれない。今までもいくつか翻訳していたが、日本のメディアが真実を報じているか、外国ではどうなのか、外国人は日本をどう見ているかなどを知るための情報として流している。
 これを読むと、厚労省の発言と医師会が示す実態(検査が拒否されている)とは乖離している。厚労省の発言は、検査数が少ない理由は医師たちが求めないからだ、と責任転嫁をしているように見える。責任転嫁は、安倍政権の常套手段である。

以下訳文

 政府のデータによると、日本はコロナウイルスの検査能力(その能力は増強されているのに)の6分の1しか使用していないが、コロナウイルスの発生を封じ込めるのにそれでは十分ではないという懸念も増大している。

PCR検査の全国規模の能力は1日に7500に増え、今月末までには1日に8000の目標に達する予定である。しかし、厚労省のデータによると、実施されたテストの数は過去1か月に1日平均1190件で、合計32125件であった。それは、これは、韓国で実施された200000以上の検査とイタリアでの80000以上の検査と肩を並べている(原文はcompare with)。

厚労省は、医師によるPCR検査の発注を容易にした、そのため、実施された検査数の数値は、医師の裁量を反映していると述べている。「能力があるからといって、その能力をフルに活用する必要があるという意味ではありません」と、厚労省の佐原は、火曜日の記者会見で語った。 「単に心配しているだけの人に検査を実施する必要はありません。」

しかしながら、厚労省の発言は、水曜日、NHKが報道した日本医師会の研究とは食い違い、医師が求めた290のコロナウイルス検査は保健センターによって拒否された。医師の組織は、3月16日までの20日間で26都道府県で拒否されたことを示す全国規模の調査に言及した。

NHKの水曜日の朝の集計によると、日本では、ダイアモンドプリンセスクルーズ船の症例を除いて、コロナウイルスの確定症例868、29件の関連死があった。 午後には、地元メディアからさらに死亡が報告された。

このウイルスは世界中で180000人以上に感染し、約8000人を殺した。ウイルスが昨年末に発生した中国が流行を抑えた後、ヨーロッパで最も深刻な広がりが見られる。

日本の医師は32000以上の検査を実施しているが、しばしば複数回の検査が行われているので、実際に検査されているのは16484人のみである。

世界保健機関(WHO)のテドロス総裁は、各国が検査を強化する必要があると述べている。 「すべての国に対して簡単なメッセージがあります。検査、検査、検査です。 疑わしいすべてのケースをテストします」と彼は言った。
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上昌弘氏の主張

2020-03-20 17:43:37 | 政治
新型コロナ解説で「安倍批判は控えてほしい」と某局ディレクターに言われた<上昌弘氏>
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ヤマハでパワハラ!

2020-03-20 17:10:08 | 社会
 楽器メーカー・ヤマハは、もっともゆるい職場である。私の知人もヤマハで働いていた(現在は退職)が、ゆるい会社でパワハラなんかありそうもない会社である。
 また会社を渡り歩いていた、これまたパソコン関係のエンジニアは、ヤマハがいちばん楽な職場だったと言っていた。 

 そういうヤマハでパワハラがあり、社員がひとり自殺したというのだ。『朝日新聞』には、パワハラを行った上司というのは、50代で研究開発部門の執行役員、2017年に他社から中途採用されたという。

 ヤマハのたたき上げなら、パワハラなんかしないだろう。他社から引き抜いたということなら、やはり他社から引っ張ってきた会社に重大な責任がある。
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なぜ知らざる者が語るのか

2020-03-20 14:55:36 | 政治
 籠池夫妻の長男が、ネトウヨと同じことを叫んでいる。ネトウヨ市場というものがあるようで、ネトウヨが喜ぶようなことを書いたり語ったりすると、それがカネになるのだという。この長男もそういう人物のようだ。

“日本一の親不孝者” 籠池佳茂氏は 森友事件を何も知らない
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森友問題と赤木さん

2020-03-20 14:25:54 | 政治
 Amazonに注文していた『週刊文春』が先ほど届き、早速赤木俊夫さん関連の文を読んだ。
 
 明朗で責任感が強い赤木さんの冥福を祈り、同時に財務省への憤りを強く感じた。それは、赤木さんが生け贄として残されたのではないかと思ったからだ。

 すべきではない公文書の改ざんをさせられた赤木さんは、その部署からの異動を強く望んでいた。しかし、その部署では、2017年7月には、赤木さんを除き、上司の池田(赤木さんが尊敬していたとのことだが、結局彼も責任から逃れ、赤木さんを利用し見捨てた)も含めて全員が他に異動したのだ。そしてそのときに、問題の国有地(森友学園の小学校建設予定地)の売買に関する資料がすべて消されていたのだ。
 そしてその後から検察の捜査が始まる。

 改ざんを命じられた、すなわち不正の片棒を担がされた赤木さんは、正義感が強い真面目な性格であったが故に、みずからの手をけがしてしまったという自責の念が強かったように思われる。その後に、今度は検察の捜査が始まる。担当部署で残っているのは赤木さんだけ。捜査の対象はまず赤木さんとなる。

 この流れをみると、財務省、近畿財務局は、赤木さんに森友問題の尻拭いをさせようと画策したのだと思わざるを得ない。上司の池田をはじめ担当した職員は、赤木さんをそのままにして、余所へ行ってしまったのだ。あまりにひどい仕打ちだと思う。

 こういう事件がおきると、もっとも責任を負わなければならない者はいっさい責任を追及されず、実際に命令によって協力をさせられた者が、「最後は下部がしっぽを切られる」という結末となる。まさに赤木さんの直筆のメモの通りである。

 パワハラで有名だという佐川をはじめ、財務省、近畿財務局の、赤木さんのもと同僚たちの動きも、冷血としかいいようのない対応であった。

 もとはといえば、安倍晋三と昭恵の仕業であり、責任をとるべきはこの二人である。しかし晋三・昭恵は心を痛めることなく、昭恵はその後も何事もなく遊び回っているのだ。日本の権力の中枢の本質が、この事件に象徴されているといえよう。

 近畿財務局職員を自殺に追い込んだ「森友公文書改ざん」は財務省・佐川局長だけの責任じゃない 事実上、安倍首相の指示だった
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こういう病院もある

2020-03-20 11:17:01 | 社会

病院理事長が“景気刺激策”…「経済回せ」と職員に一律10万円計4千万円支給 貯金やギャンブルは禁止

 直接働いている人々に渡していることが素晴らしい。間に何かを入れると、必ず何割かは抜かれるから・・
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厚労省の発表には?

2020-03-20 09:55:42 | 政治
 厚労省の新型コロナウィルス感染に対する姿勢は、とても信用できるものではないことは、もう常識となっているが、それを裏付ける議論が出された。

厚労省・新型コロナ陽性者データに内在する不可解な矛盾
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検査数と致死率

2020-03-20 09:23:53 | 社会


 この人口10万人あたりの感染者数と致死率のグラフを見ると、日本の致死率は高すぎるのではないか。イタリア、スペイン、中国に次いで第四位である。

 考えられることのひとつは、感染している人で把握されていない(つまり検査を受けないでいる)人がたくさんいるのではないかということである。

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アメリカと新型コロナウィルス

2020-03-20 08:45:53 | 国際
アメリカでも、新型コロナウィルスの感染者が増えている。この新型コロナウィルスを制圧するためには、検査・追跡・隔離・情報提供が必須である。

 しかしアメリカでは公的な健康保険制度がない。私的に健康保険をかけるとなると、その掛け金は厖大となり、庶民は無保険状態である。医者にかかるとその額は途方もない金額になる。したがって、アメリカの庶民は医者にかからずに、薬を買って自分で治そうとする。

 問題は、新型コロナウィルスの流行をおさえるためには、庶民を、少なくとも医療機関に行って検査を受けてもらわなければならない。だがカネがかかるから、庶民はいかない。いかなければ流行をおさえることはできない。

 だから、アメリカの議会で、こういう議論がおこなわれた。

ウイルス検査無料化を勝ち取った
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