浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】森万佑子『韓国併合』(中公新書)

2023-02-02 07:54:06 | 

 故海野福寿氏が1995年に岩波新書から『韓国併合』を出版して以来の新書での発行である。

 海野氏は、もちろん大日本帝国による朝鮮植民地支配は不当であり、日本は謝罪すべきであると考えながら、あくまでも実証的に韓国併合への動きを描きだした。 そして本書で、森氏は主に韓国の資料をもとに韓国併合の動きを描きだした。

 私は、在日朝鮮人史、日韓関係の歴史について学んでいたから、当然韓国併合の歴史を学んでいる。一応そうした知識を持つ者としてこの本を見るならば、今まで明らかになっていなかった新しい事実が記されていることは確かである。

 韓国併合の歴史を知るためには有益な本ではある。しかし、朝鮮植民地支配に対する日本人としての反省めいたものはなく、若い研究者らしい内容であった。しかしそうではあっても、朝鮮の人びとが日本の支配を歓迎しなかったこと、日本による朝鮮支配が強引であったことについての指摘は、当然記されている。それが歴史的事実であるからだ。

 韓国併合について、私は海野さんの本を薦めるが、今は出版されているかどうかわからないので、この本でも学べるので、ぜひ学んで欲しいと思う。

 

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新聞とは言えない『中日新聞』

2023-02-02 07:54:06 | メディア

 『東京新聞』は、中日新聞東京本社が発行している。中日新聞東海本社がすぐ近くにあるわが家はその『東京新聞』を購読している。いろいろな問題に斬り込んでいる『東京新聞』から知ること、学ぶことは多い。友人に紹介したら、静岡県内の彼らも『東京新聞』を購読し始めている。

 さて、時々東海本社発行の『中日新聞』を「見る」ことがあるが、これはジャーナリズムの片鱗もない代物である。要するに矛盾も何もない地域ネタをふんだんにいっぱい並べているだけである。だから「読む」のではなく「見る」だけの新聞である。ある種、地域の団体や個人の広報機関となっている。行政に対する批判記事なんかほとんどない。その点では、まだ『静岡新聞』のほうに批判的な記事があるから驚きだ。取材対象となった団体や個人だけが「読み」、他の人びとは「見る」だけの新聞である。

 浜松市にも市民運動はあるが、その市民運動の記事は載ってもベタ記事である。記者はもっと長い記事を書いているのであろうが、紙面ではまったく目立たない。

 地域の葛藤や矛盾をほとんど報じない東海本社発行の『中日新聞』。

 以前複数の自治体史の編纂に関わってきた際には、史料がないときには、新聞資料を活用してきた。がしかし、『中日新聞』東海本社版は、史料価値のない事項をあえて選んで掲載しているとしか思えない。

 ただ『中日新聞』東海本社版は、近年はそういう状況だが、以前はそうではなかった。

 現在の『中日新聞』東海本社版は、読む価値はない。

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