『東京新聞』1面と7面は、坂本龍一と『東京新聞』との関係が報じられていた。坂本龍一から『東京新聞』に、坂本が神宮外苑開発に反対していることを記事にしてほしいという連絡があったそうだ。それに関するやりとりが書かれているが、なかなか感動的である。
坂本と私とは同じ世代である。坂本が「自然豊かな公園や墓地が好きですし、樹木の多い道を歩くのが好きです」というように、私もそうだ。わがやは山茶花に囲まれ、花壇もある。実家はホソバ(槙)で囲まれていて、つつじ、サクランボ、あおき、つげ、くちなしなどたくさんの樹木がある。実家の縁側から、ぼーっと庭を眺めるのがすきだ。心が落ち着く。
そうした樹木と親和的な者にとって、あの神宮外苑の樹木が大量に伐採され、金もうけをたくらむ明治神宮や三井不動産や東京都、さらに政治家のあくなき欲望の犠牲になるなんて信じられない。
坂本が『東京新聞』を選んだのは、「外苑問題を追う数少ないメディア」だからという。
確かに『東京新聞』は、現在のところ読む価値のある新聞であることだけは確かだ。ジャーナリズム精神を存分に揮っている。
私はことあるごとに、『東京新聞』にしたら・・・とすすめている。歩いて5分くらいのところに、中日新聞東海本社があるのに、である。『中日新聞』(東海本社版)は、地域ネタで埋め尽くされ、批判的精神は紙面にはほとんど発見できない。