浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

自由の唄

2023-04-21 22:28:00 | その他

 車を運転しているとき、NHKFM放送か、CD(SDカードに録音しておいた音楽)を聴く。今は中島みゆきの唄が多い。

 さてNHKFMで、レナード・バーンスタイン指揮の、ヴェートーヴェンの第九を流していた。その第九は、ベルリンの壁が崩壊して冷戦体制が終焉を迎える、という期待の中で演奏されたものだ。1989年、希望があった時代である。

 東西ドイツや英米の演奏者、合唱も東西ドイツの人たちによるものである。ユーチューブで聴くことができるので、今聴いているところだ。

 聴いていると、演奏は丁寧で優しく(特に第三楽章)、第四楽章は迫力あるものであった。第四楽章。重厚な弦の演奏が歓びのうたを導いていく。それはときに重厚に、ときに優しく軽やかに響く。合唱がはいるまえの歓びのうたの演奏は、まさに歓びに満ちている。そして自由を謳いあげるのだ。自由、自由・・・・

 自由に向かって行進しよう、と演奏は進む。そして自由がやってくる。人びとは自由のなかでくつろぐのだ。自由は、万人に与えられなければならない。それなしに平穏ではない。

 万人が、自由のうたをうたう、奏でる。

 希望があった時代、高らかに自由がうたわれた。

 希望があった時代があった、ということは、再び希望がある時代がやってくるかもしれない。 

 自由のうたをうたい続けよう。

 

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学術会議問題を報じる

2023-04-21 11:58:33 | メディア

 菅政権以降、日本学術会議に対する政権側からの攻撃が続いている。あまりに理不尽な、加藤陽子さんらを学術会議会員に任命しないという暴挙から問題となり、さらに学術会議の独立性を破壊しようと様々に統一教会党である自由民主党と創価学会=公明党の政権による策謀が続いている。

 政権は、悪だくみを実現しようと学術会議改正法案を提出しようとしたが、批判が強く法案提出を断念した。そのことをメディアは報じているが、

 『東京新聞』は、こう報じている。事実を事実として書いている。

日本学術会議、改正法案提出を政府が見送り 「まだ終わらない」メンバーから疑念消えず

 さて『朝日新聞』は?

「ギリギリの方策」が一転提出見送り 政権、学術会議へ強まる不信感

 この記事、記者はいかなる立場に立って書いているか。見出しからして、政権の立場である。今の朝日には、こういう輩しかいないのであろうか。『朝日新聞』、ジャーナリズムの世界から逃亡して、もう長い。もう終わったメディアというしかない。

 

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島崎こま子のこと(続々)

2023-04-21 11:32:52 | 

 島崎こま子の人生の軌跡で、どうもよくわからないことがある。そこで、森田昭子『島崎こま子 おぼえがき』(文芸社、2006年)を読んだ。若いころ妻籠の小学校の教員をしていたころ、当時妻籠に住んでいたこま子とあったことがあるひとだ。

 森田は、老年になって、自分が会ったこま子についてまとめてみようと決意し、133ページの本を書いた。表紙には、こま子の写真。知的で落ち着いた感じの女性である。いろいろな文献や南木曽町博物館の資料をつかって書いている。

 本書には新たなことが記されていた。こま子が台湾に行ったのは、1918年11月ころであること、台湾から帰還後、羽仁もとこの自由学園に住み込みで働くようになったとほかの文献にはあったが、本書では羽仁家に住み込みで働いた、とある。

 長谷川博が3・15事件でつかまり、4年間獄中にあり、1932年に出獄したことは共通である。脱獄後、こま子のところで働いていた21歳の女性と男女の関係になったこととなっているが、その後こま子と長谷川は京都から東京へと住居を移し、1933年9月に二人の間の子「紅子」が生まれているから、若い女性と博が「かけおち」したということはどうなのだろうか。

 島崎こま子についていろいろな本があるが、記述に異同があるので、後学者は苦労する。

 【追記】加藤千代三『駒子 時代が生んだ愛の物語』(アポリア出版、1985年)も図書館から借りて読んだが、この人は藤村に引き立てられて出版社に雇用された人。藤村に共感をもって書いているし、小説風の書き方になっている。だいたい「駒子」がおかしい。漢字で書くなら「高麗子」でなくてはいけない。こま子は、朝鮮半島で生まれたから「高麗」子なのだ。これは文献としての価値は小さいと思う。

 

 

 

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安倍の回顧録

2023-04-21 09:34:55 | 政治

 『週刊金曜日』最新号の特集は、『安倍晋三 回顧録』である。私はこうした本を買うつもりはない。年金生活者は簡単には本を買えなくなっている。

 特集では、回顧録について六人が原稿を寄せ、インタビューに応じている。

 政治学者の御厨貴がインタビューにおうじているが、安倍は「ものすごい人間不信だった」と語っている。そうなのだろうと思う。安倍は「権威」とか、過去から培われてきたシステム(たとえば御厨が言う「自民党の中で、長い間培われてきた、合意形成に時間をかける伝統」や、内閣法制局の見解を尊重する、日銀は独立性を守る・・・)とか、そういうものに敵意を抱いていたのだろう。その裏にはなにがあるかと考えるとき、私は「無知」であったと思う。彼こそ、政治権力を握った「無知」の上に居直った者なのである。だからこそ、無知な烏合の衆が、安倍に喝采を送ったのだ。

 文科省の教育政策は、感情豊かで知的な子どもを育成するのではなく、とにもかくにも従順で、国家への忠誠を誓う人間をつくりだし、戦前の教育を復活させようと少しづつ準備してきた。勉強なんかしないでも、部活動だけやっていればいいのだという雰囲気が、学校では蔓延している。学校は卒業の資格を得るためだけの存在。あとは部活動に汗を流し、上意下達の精神を叩き込むのだ。そういう者たちが、喜んで企業に迎え入れられる。

 そういう学校の在り方が、「無知」でもよいのだ、考えなくてもよいのだ、という人間を生み出し、そういう人間が先人としての安倍に喝采を送ったのだ。

 それはまた劣等感の裏返しなのだが、知的な権威や、様々なシステム、それらは学ぶという行為が求められるのだが、学ぶことをしない安倍を筆頭とする者たちは、「無知」のまま居直り、知的なもの、システムなどを敵視し、それをぶち壊しにかかったのだ。

 思考の訓練をうけていない者たちは、みずからを客観視する姿勢はもたない。自分自身がすることを邪魔する者は「こんな人たち」であり、「敵」なのだ。彼らには、なぜ自分がやろうとすることに抗議したり反対するのかはわからない。無知で、思考しないからだ。

 そうしたことを8年間やって、安倍は「自民党を完全に保守イデオロギーで塗り替えた」(御厨貴の発言)。この場合の「保守イデオロギー」とは、無知(学ばない)と思考しないということであり、自由民主党を烏合の衆へと変えたのだ。御厨は、それを岸田も「引き継いでいる」という。それはそうだ、そうした集団のトップは、無知と思考しない者として存在しなければならないからだ。

 自由民主党だけではなく、そうした者は、今や社会に増えている。

 

 『週刊金曜日』で、田中優子がこう書いている。

 「今回の台湾有事への政権与党の「期待」は、米国主導に見えるが実は歴史の繰り返しで、米国のせいにしながら、アジアに軍事エネルギーを向かわせ、日清・日露戦争、満州事変の時のように能動的に戦争を起こし、日本国内に団結と変化が生まれるように仕向ける。そうなるかもしれない。しかし果たして次の戦争に「戦後」はあるのか。」

 同感である。無知と思考しない面々は、もし中国との戦争が始まったら、日本は、1945年の焼け野原ではなく、もっと無残な「破滅」になることを予想できない。

 1945年の敗戦は必至であったことは、開戦まえから明確であったにもかかわらず、日本の支配層は戦争へと突き進んだ。もっとも無謀な意見(それは無知であり、思考しないということでもある)こそが「勇気あるもの」だという雰囲気の下、支配層は無謀な意見を採用して戦争へと突き進んだ。そうしたDNAは、日本の支配層に伝えられている。安倍がその支配層の重要な一員であった岸信介の孫であり、また安倍は岸の政治を最大限に評価していた。安倍は、忠実な戦時体制の後継者なのだ。安倍が戦時体制をつくりだそうとした背景には、日本の支配層の無知と思考しないというDNAが力強く復活してきているのである。

 したがって、彼らと対峙する手段方法は、「無知」を討つこと、思考を豊かにすることであり、そのために豊かな感性をもつことなのだ。「知は力なり」ということばを輝かせたい。

 

 

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自由民主党が統一教会党であることの証明

2023-04-21 06:42:47 | 政治

旧統一教会系団体が学術会議を「反体制的」「解散せよ」と痛烈批判 その背景とは

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