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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『世界』の石川健治論文

2024-01-03 21:21:34 | 

 今日『世界』2月号が届いた。早い到着であった。

 石川健治、東大の憲法学者が「『世界』の起源」を書いていた。彼が書いたものは、今までもいろいろ読んできた。問題意識をもち、新鮮で学問的な内容のものが多いからだ。

 さてこの文は、雑誌『世界』の「起源」を述べながら、現在から将来にかけてどういう姿勢をもつべきかを書いたものだ。

 創刊された頃の『世界』は、今で言うリベラルに徹したわけではなく、幅広い人びとがそれぞれの考えをもちながら集っていた。そういう創刊の頃のあり方をふり返りながら、久野収の文を紹介している。

 『世界』発刊に協力した『心』に集った人びとを思い浮かべながら、久野は「前近代的なもの、近代的なもの、超近代的なものにそれぞれ、しっかりした価値評価を持ち、自分の実践的スタイルの中にその価値評価を生かしているような古風な民主主義者、モダーンな民主主義者、ウルトラモダーンな民主主義者が出て来て、相互にしっかり協力しあうことだと思う。これがタテの民主戦線というものです。」と書いている。

 石川は、久野は、「ヨコの共同ばかりしか考えられない」人民戦線への反省をこめてそれを書いたと指摘し、「二〇二四年の『世界』が、「タテの民主戦線」を実現できるか」と記す。なるほど、である。民主主義を核として、いろいろなレベルの民主主義者を糾合すべきだというのであろう。

 もちろん石川は、久野の「無数の自立的小集団が文字通り、民衆の草の根を形成するようになって、“下からの”民主主義ははじめて根をおろすだろう」を紹介しているから、今、全国各地で動いている小集団の動きを否定しているわけではない。

 下からの民主主義者の動きと、様々なレベルの民主主義者とともに、「タテの民主戦線」をつくれないだろうか、というのだろう。

 考えさせられる提起である。

 

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複雑だ

2024-01-03 16:12:00 | 国際

 ユーチューブで、「ニューイヤーコンサート」と検索したら、ロシアのマリンスキー劇場管弦楽団のそれがでてきた。同管弦楽団は、ゲルギエフが芸術監督として名を挙げ、ウクライナ戦争までは世界各地で演奏会を開いていた。ゲルギエフがプーチンとつながっているということから、ウクライナ侵攻以後、欧米ではゲルギエフの演奏がぴたりととまっているようだ。

 ゲルギエフ指揮のマリンスキー劇場管弦楽団は、浜松市にも演奏に来て、私はそれを聴きに行ったことがある。素晴らしい演奏であった。

 音楽は国境をこえるものだという肯定的な考え方を持っていたが、ロシアのウクライナ侵攻以後、ゲルギエフとマリンスキー劇場管弦楽団を聴かなくなっていた。彼のCDは何枚か持っている。

 今日、指揮はゲルギエフではないが、マリンスキー劇場管弦楽団の「ニューイヤーコンサート」を聴いた。読書するときには、いつも音楽をかけているので、いつものように、それをバックグラウンドミュージックとしてながしておこうと思ったのだが、これができない。しっかりと聴いてしまうのだ。耳がその音をとらえてしまう。

 戦争状態にあるとき、音楽というものをどう考えたら良いのか。複雑な気持ちをもちながら聴いてしまった。

 

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航空機事故

2024-01-03 08:03:21 | 社会

 羽田空港で、JAL機と海保機が衝突炎上した。昨日のニュースは、北陸の地震がかすむほどこの事件が報じられていた。

 海上保安庁機には犠牲者が出、それも北陸の地震による被災者への救援物資を送るために新潟に向かおうとしていたとのこと。心からお悔やみ申し上げる。

 ただ、JAL機の乗客、乗員にはひとりの犠牲者も出なかったことは、ほんとうに奇跡だと思う。衝突直後から炎に包まれる中、皆さんが無事脱出できてほんとうによかった。御巣鷹山に墜落したあの日航機事故を思い出したが、おそらくJALの乗務員にはその事故の教訓が生きていたのだろう。

英報道、全員脱出「奇跡」 日航乗員を「信じられぬ仕事」と称賛

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