10月13日、長崎県川棚町にて久村俊英氏の超能力ショーを観て来ました。久村氏は「あんでるせん」という喫茶店を経営する傍ら、25年以上もお客さんに無料で超能力ショーを披露しているそうです。
私が氏のことを知ったのは、今から20年近く前、医師であり気功師でもある矢山利彦氏の『気の人間学』を読んだ時でした。しかし、当時はインターネットも普及していない時代、場所や連絡先を突き止めようにも容易ではなく、そのまま記憶の中に埋もれていました。
ところが、先日36式気功太極拳の暑気払いに参加させていただいた際、たまたま隣にいた気功インストラクターの女性と久村氏の話題になり、彼女が実際にショーを観たということを聞きました。ずっと忘れていたことが、ひょんなことで甦り、またお店の場所と連絡先も教えてもらうことができました。もちろん、私が忘れていただけですから、現在はネットで検索すれば簡単に見つけることができます。
そこで今回たまたま九州へ行く用事があったため、少し足を伸ばして「あんでるせん」を訪問してきたというわけです。
開店時間の11時に到着すると、店の前は既に予約のお客さんで一杯でした。正確には数えていませんが、30名位ではないかと思います。ご夫婦で営まれている普通の喫茶店ですので、まずは人数分のお客さんの食事を作り、片付けるだけで相当時間がかかります。実際にショーが始まったのは14時頃でした。しかし、そこから2時間、驚くべき世界を目の当たりにすることになったのです。
僕は超能力に対して懐疑論者というわけではありませんが、かといって特別関心があったわけでもありません。しかし、ショーが始まり、いきなり1メートルも離れていないところで、お客さんの財布から出てきた千円札が宙に浮いたのを見せられれば、目の前で起きていることを認めざるをえませんでした。私もやってもらいましたが、久村氏が指先を頭頂部に近づけるとバチッと電気ショックのようなものが走りました。
目撃した全てをご紹介することはできませんが、記憶を頼りに印象に残ったものを幾つか取り上げたいと思います。
・久村氏が先に並べたカード5枚の前に5人のお客さんがそれぞれ好きなカードを並べる。裏返すと、カードの模様が全て一致。
・お客さんが見えないようにテーブルの下で切ったカードの模様を全て当てる。
・お客さんから借りた10円玉が500円玉ほども大きくなったり、一瞬にして米粒ほどに小さくなったり。
・ペットボトルのコーラのラベルが一瞬にして、ボトルの内側に。
・あるお客さんがサイコロの目とそれが出る回数を指定する。他のお客さんがサイコロを振ると、指定した目が指定した回数だけ出る。
・ビール瓶を捻ると、瓶が飴のように捻じ曲がる。
・お客さんが見えないようにメモした友人の名前を漢字も含め正確に当てる。
・1枚だけ本物で、残りの51枚は白紙のトランプ。にもかかわらず、お客さんが指定した通りの札が出る。
・五寸釘がグニャグニャに。また、お客さんの掌の上にあるスプーンが見る間に曲がっていく。
・お客さんから借りた1万円札の間を私が出した50円玉が通り抜けていった。1万円札はもちろん破れていない。
・久村氏がお客さんから借りた500円玉を噛むと、500円玉がぼろぼろに。それをつなぎ合わせると一瞬にして元に戻った。
・チョコボールの箱を振ると、卵ほどもあるチョコボールがいくつも出てきた。
・ルービックキューブを2秒で完成させる。また、それをもう一つのランダムにシャッフルしたルービックキューブの配置を同じように6秒ほどで変えた。
・お客さんがメモに書いた生年月日および現在抱えている悩みを当てる。生年月日に至っては、5人のお客さんがランダムに電卓に打ち込んだ数字を+-し、出た数字が「39521」。お客さんの誕生日は1939年4月21日。外れたかと思うと、袋から取り出したメモには「下3桁の数字から1を引く」と書いてあった。現在抱えている悩みは即答で的中。お客さんは驚きのあまり涙ぐんでいた。
久村氏の語り口は柔らかく、ユーモアに溢れ、会場は笑いが絶えませんでした。逆にそれは、私たちが思考も体も行動もいかに硬直しているかを教えてくれているようでもありました。30名もの観衆がすぐ近くで凝視する中、これだけのものを見せられると、むしろ自分が現実だと認識しているものこそが、自分の思考によって生み出した虚構ではないかと思わずにはいられません。手品だ、催眠術だと一蹴することもできるでしょうし、信じようと信じまいとどちらでも良いと思うのですが、久村氏は人間の持つ可能性やこの世界に生まれてきたことの素晴らしさを伝えようとしてくれているのではないかと感じました。
気の人間学 | |
矢山 利彦 | |
ビジネス社 |
あんでるせん(要予約)
長崎県東彼杵郡川棚町栄町2
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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