「成層圏 vol.7 林加奈子」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「成層圏 vol.7 林加奈子」
2/18-3/24



2011年度の連続シリーズ展の「成層圏」も本展でラストです。ギャラリーαMで開催中の「成層圏 vol.7 林加奈子」へ行ってきました。

展示概要、作家プロフィールについては同ギャラリーWEBサイトをご参照下さい。

vol.7 林加奈子 Kanako HAYASHI

現在、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程(先端)に在籍中の林ですが、最近ではあいちトリエンナーレや別府や広島のアートプロジェクトに参加しています。

本個展ではいわゆるパフォーマンスを記録した映像を出品しました。

さて今回の映像で注目したいのは、ともかく作品の中に流れる時間の変化、またそこへの作家のさり気なく、実は意識的な介入の痕跡です。


「時の娘」(12分)

林は身近な公園へと繰り出し、そこで淡々と、しかしながらどこか奇異なパフォーマンスを繰り広げています。

赤い毛糸の衣装に身を包んだ林は、その糸の一端を公園の木に括り付け、ひたすらぐるぐる回り続けることで、服を解きほぐしていきます。そしてその過程を見せることで、視覚では掴みにくい時の経過を、身体から放たれる糸という分かりやすい形で提示しました。

また「呼吸」では水の中に顔をつけ、ぶくぶくと口から泡を出す映像を展開しています。

そしてこの作品こそ、本来的にはどこでも同じであるはずの『時の流れ』が、実は意識の中では違っていることを最も明確に示しているのではないでしょうか。

水の中で呼吸を止めた場合と通常、大気中にいる場合の時間の意識は、明らかに異なります。当然ながら息苦しい水中の方が時間を強く意識するに違いありません。


「みのむし」(4分)

林は身体と向き合い、終始時へ介入することで、不変のようで実な認識によって変化する時間の有り様を見せつけていました。

さて来年度のαMの展示スケジュールが先日発表されています。

αM2012企画 
『絵画、それを愛と呼ぶことにしよう Crazy for Painting』
ゲストキュレーター:保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)


2012年4月14日(土)~5月19日(土)山田七菜子
2012年5月26日(土)~6月23日(土)俵萌子
2012年6月30日(土)~7月28日(土)安藤陽子
2012年8月4日(土)~9日15日(土)浅見貴子(休:8/12~27)
2012年9月21日(金)~10月20日(土)小西紀行
2012年10月27日(土)~11月24日(土)衣川明子
2012年12月1日(土)~2013年1月12日(土)増田佳江(休:12/23-1/7)
2013年1月19日(土)~2013年2月2日(土)田中功起
2013年2月9日(土)~2013年3月23日(土)小林正人+杉戸洋

インスタレーションの多いαMでは殆ど初めてとも言える絵画表現メインのグループ展です。またその中で異色なのが来年1月の田中功起の展示ではないでしょうか。次年度もまた大いに期待出来そうです。

3月24日まで開催されています。

「成層圏 vol.7 林加奈子」 ギャラリーαM@gallery_alpham
会期:2月18日(土)~3月24日(土)
休廊:日・月・祝。年末年始(12/25~1/9)
時間:12:00~18:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )