「ミヤケマイ 『白粉花』」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「ミヤケマイ 『白粉花』」 
5/25-6/30



ポーラミュージアムアネックスで開催中のミヤケマイ個展、「白粉花」へ行ってきました。

日本画、インスタレーションの枠を超え、古典に現代、和とテクノロジーを半ば融合させて新たな地平を築くアーティスト、ミヤケマイ。彼女の久しぶりとなる大規模な個展が、今、銀座のポーラミュージアムアネックスで開かれています。

タイトルは「白粉花」。作品を通して見開かれる「白」の美しさ。過去の展開と新たな挑戦と。ミヤケマイの旧作とともに、次の世界も垣間見える展覧会です。

では早速、会場へ。お出迎えしてくれるのは当然ながら「白」を基調とした作品。しかしながらその表情は驚くほどに多彩です。



こちらは掛け軸の「春秋」。山水に流水の景色の中には可愛らしくコミカルな猿や人間が。女子高校生の足だけが宙に浮いて切れているのもポイント。必ず今の世相が取り込まれています。



また写真では何ともお伝えしにくいのですが、ハニカム構造体、ようは蜂の巣状の穴を隙間なく並べた支持体を用いた連作もいくつか。穴の向こうに見える景色、そしてモチーフとは一体何か。どこか謎解き的要素で楽しめるのもミヤケマイ作品の大きな魅力の一つです。


「隣」2013年 インスタレーション、ホログラフィック・ディスプレイ

さて穴と言えばこちら。「隣」と名付けられた立体作品。障子のように格子が連なっていますが、よく見ると表面には穴が。


「隣」2013年 インスタレーション、ホログラフィック・ディスプレイ

何とその先には動物や花のモチーフが。しかもホログラフィックを用いることにより、動きと光が加わるのも見逃せないところ。障子の向こうのテクノロジー。その絶妙な取り合わせ。ともかく穴をしばらく覗いてみて下さい。


「必然」2013年 インスタレーション、軸、ビデオプロジェクション

そして茶室インスタレーションの展開も。こちらはウォークイン方式。小さなにじり口から入ることが出来ます。


「必然」2013年 インスタレーション、軸、ビデオプロジェクション

そして奥の掛け軸を見やると文字が。こちらもビデオプロジェクションによる投影。時に強い社会性を持ったミヤケさんのメッセージが浮かび上がります。

産まれて落ちた時、私達は真っ白なまま世に出て来る。そしてこの世を去るときも記憶も消去され、真っ白な骨や灰になって出て行く。
その間、炭に近付ければ黒し、朱に交われば赤くなり、青は藍より出でて藍よりも青くなる。色とは光の産む幻想に過ぎない。
色は思案の外とは良く言ったもの。色白は七難隠すというがその七難とはなんなのであろう。 ミヤマケイ



「天は自ら助くるものを助ける」2013年 陶器

入口には千手観音の「天は自ら助くるものを助ける」が壁一面に展開。よく見ると手は通常より2本少ない40本。そうです。この中に鑑賞者が入ることによって42本となる。まさに自らの助けこそが必要です。そしてこちらは撮影可能。思い思いのポーズを構えたいところです。

シニカルな視点を持ちあわせながらも、機知に富み、思いもよらぬほど繊細な感覚を呼び起こすミヤケマイの世界。存分に味わうことが出来ました。


ミヤケマイ×和傘工房 コラボレーション「初音」

1階のウィンドウではミヤケマイさんのデザインされた和傘のディスプレイも!

6月30日まで開催されています。

「ミヤケマイ 『白粉花』」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:5月25日(土)~6月30日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。

注)会場内の写真はレセプション時に撮影しました。なお「天は自ら助くるものを助ける」については自由に撮影可能です。
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