都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「特別展 京都」 記者発表会
10月8日(火)から東京国立博物館で始まる「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」の記者発表会に参加してきました。
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」@東京国立博物館(10/8~12/1)
「国宝、重文でつづる天下人の都」。戦国時代から江戸時代の京都を舞台にした主に屏風絵や障壁画を展観。絢爛豪華な洛中洛外図屏風に二条城を飾る障壁画などが上野へとやってきます。
「特別展 京都」記者発表会会場 6/13 日テレホール
キャッチコピーは「京都でもみることのできない京都」。では具体的には何がそうなのか。このコピーに沿って展示の内容をご紹介しましょう。
まずは洛中洛外図から。はて「洛中洛外図屏風」の展示は何も珍しいことではないのでは? そんなことを思う方もおられるやもしれません。
それを本展では圧倒的スケールにて紹介。つまり指定品、ようは国宝・重文指定を受けた「洛中洛外図屏風」の7点全てを展示するのです。
「洛中洛外図屏風 上杉本」 米沢市上杉博物館
ちなみに7点の指定品とは又兵衛の「舟木本」(重文・東京国立博物館)、永徳の「上杉本」(国宝・米沢市上杉博物館)、そして町田本とも呼ばれる「歴博甲本」(重文・国立歴史民俗博物館)と同じく歴博所蔵の「乙本」(重文・国立歴史民俗博物館)、さらには「池田本」(重文・林原美術館)に「勝興寺本」(重文・富岡市)に「福岡市博物館本」(重文・福岡市博物館)のこと。
「洛中洛外図屏風 上杉本」(右隻3-4扇) 米沢市上杉博物館
会期中に展示替えがあることもあり、必ずしも同一会期で揃うわけではありませんが、それでもこれらが一つの展覧会に全て出品されるのは稀。記憶にありません。
「洛中洛外図屏風 池田本」(右隻5-6扇) 林原美術館
なお「洛中洛外図屏風」からは制作時の京都の姿とともに、注文主と制作者の関係も読み解くことも可能。信長が謙信に贈ったとされる上杉本では、実際に謙信が京へやって来た姿が描写されていると考えられています。それらを見比べることで往時の文化に風俗だけでなく、権力の有り様なども知ることが出来るわけです。
龍安寺風景
続いては障壁画です。ここでも「京都でもみることののできない京都。」が。それはかの石庭で有名な龍安寺です。
旧龍安寺方丈襖絵18面の配置図
実はかつて龍安寺には何面もの障壁画がありましたが、その多くが廃仏毀釈などによって散逸。海外へ多く渡り、メトロポリタンやシアトルの各美術館などに収められました。
「列士図襖」 メトロポリタン美術館
その里帰りが実現するわけです。とりわけメトロポリタン美術館の「列士図襖」は初の里帰り。また龍安寺の「群仙図襖」は2010年にオークションに出て龍安寺へ帰還した作品。かつて石庭を見つめていた計18面の襖絵がお寺の配置に則りながら展示されます。当然ながら現地へ出向いても叶いません。
二条城二の丸御殿「黒書院」一の間大床
また障壁画といえば二条城もポイント。こちらは大広間四の間の「松鷹図」、そして黒書院一の間、二の間の全ての障壁画を出品。その数なんと全84面。もちろん一度に城外へ出る数としては過去最多です。しかもこちらも実際の配置を再現すべく立体的に展示されます。
現在の京都御所「紫宸殿」内部風景「賢聖障子絵」
それに障壁画では京都御所の正殿、紫宸殿のために描かれた「賢聖障子絵」なども登場。全20面。十面ずつの展示替えで展示されます。
市中を一望する「洛中洛外図屏風」を筆頭に、僧侶の「龍安寺」、武家の「二条城」、そして公家の「京都御所」から集められる障壁画の数々。しかも開催は東京のみ、つまり東京国立博物館だけの展示です。これも言ってしまえば京都では見られないということ。
龍安寺石庭の四季を超高精細映像で撮影
また主催の日本テレビが総力を挙げて制作に取り組んだという4K映像を使った映像展示も。テーマは龍安寺。石庭を1年かけて撮影。四季折々の風景を全16メートル、つまり実際の石庭の長さとほぼ同じスクリーンに投影します。
「龍安寺石庭」4K映像スクリーン(全16メートル)
記者発表時には龍安寺石庭4K映像のデモンストレーションも。ハイビジョンの4倍の超高精細映像。この美しさ、そして迫力!とは言え、残念ながら私の写真ではまるで伝わりません。これは是非とも会場で体感してみてください。
さて最後に一つ。非常に重要なことをお伝えしましょう。それは前売チケットについてです。普段、あまりこの手のタイアップ情報をブログで紹介することはないのですが、今回ばかりは別。では何が特別なのか。
なんと「特別展 京都」の会期中に、東博本館を使い、話題の3Dプロジェクションマッピングで「洛中洛外図」が投影されるのです。
「洛中洛外図屏風3Dプロジェクションマッピング」イメージ画像
日にちは10月16日(水)と10月17日(木)の2日間限定。いずれも18時から。前売企画チケット「秋のスペシャルナイト3Dプロジェクションマッピング付きチケット」を購入した方のみ観覧出来ます。
「秋のスペシャルナイト3Dプロジェクションマッピング付きチケット」
開催日 2013年10月16日(水)、17日(木)
夜間開館 18:00~21:00(展示室への最終入場は20:30)
投影時間 18:10~20:20(約5分間の映像をループ上映予定)
販売期間 9月中旬販売開始予定
販売数 2夜合わせて2728枚の限定販売(限定数に達し次第終了)
セット内容 3Dプロジェクションマッピング鑑賞券+京都展夜間開館入場券1枚+マッピング映像DVD
販売価格 2400円(税込)
チケット販売 ローソンチケット(Lコード33900)
なおチケットは特別夜間開館での展覧会観覧と3Dプロジェクションマッピングのセット。しかもマッピング映像のDVDまでいただけるという特典つき。価格は2400円です。
枚数は「舟木本」に登場する2728名の人物に因んで2728枚のみ。発売は9月中旬を予定しているそうです。また発売の際にも改めて取り上げたいと思いますが、ともかく東博で初めて行われる3Dプロジェクションマッピング。大いに注目されるに違いありません。
ちなみに前売券に関してですが、2枚1組の早割ペア券2200円が既に発売中。こちらは7月31日まで。詳細はチケット情報をご参照下さい。
記者会見会場スクリーンに投影された「洛中洛外図屏風」
公式サイトも全面リニューアル済。見どころなどもアップされています。秋の東博は京都一色に染まること間違いなし!
展覧会公式アプリ「洛中洛外図屏風」も公開中!
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」は10月8日から東京国立博物館で開催されます。
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」 東京国立博物館
会期:10月8日(火)~12月1日(日)
時間:9:30~17:00(金曜日は20時まで開館)*入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。但し10月14日(月)、11月4日(月)は開館。10月15日(火)、11月5日(火)は閉館。
会場:東京国立博物館(台東区上野公園13-9)
主催:東京国立博物館、日本テレビ放送網、読売新聞社
特別協賛 タマホーム
協賛 光村印刷、日本興亜損保
料金:一般1500(1300)円、大学生1200(1000)円、高校生900(700)円。中学生以下無料。
*( )は20名以上の団体、及び前売券。前売券は7月13日から10月7日まで販売。
*早割ペア券:2枚1組セット2200円。販売期間は6月13日から7月31日まで。
*特典つき企画チケット各種あり。詳細はチケット情報へ。
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」@東京国立博物館(10/8~12/1)
「国宝、重文でつづる天下人の都」。戦国時代から江戸時代の京都を舞台にした主に屏風絵や障壁画を展観。絢爛豪華な洛中洛外図屏風に二条城を飾る障壁画などが上野へとやってきます。
「特別展 京都」記者発表会会場 6/13 日テレホール
キャッチコピーは「京都でもみることのできない京都」。では具体的には何がそうなのか。このコピーに沿って展示の内容をご紹介しましょう。
まずは洛中洛外図から。はて「洛中洛外図屏風」の展示は何も珍しいことではないのでは? そんなことを思う方もおられるやもしれません。
それを本展では圧倒的スケールにて紹介。つまり指定品、ようは国宝・重文指定を受けた「洛中洛外図屏風」の7点全てを展示するのです。
「洛中洛外図屏風 上杉本」 米沢市上杉博物館
ちなみに7点の指定品とは又兵衛の「舟木本」(重文・東京国立博物館)、永徳の「上杉本」(国宝・米沢市上杉博物館)、そして町田本とも呼ばれる「歴博甲本」(重文・国立歴史民俗博物館)と同じく歴博所蔵の「乙本」(重文・国立歴史民俗博物館)、さらには「池田本」(重文・林原美術館)に「勝興寺本」(重文・富岡市)に「福岡市博物館本」(重文・福岡市博物館)のこと。
「洛中洛外図屏風 上杉本」(右隻3-4扇) 米沢市上杉博物館
会期中に展示替えがあることもあり、必ずしも同一会期で揃うわけではありませんが、それでもこれらが一つの展覧会に全て出品されるのは稀。記憶にありません。
「洛中洛外図屏風 池田本」(右隻5-6扇) 林原美術館
なお「洛中洛外図屏風」からは制作時の京都の姿とともに、注文主と制作者の関係も読み解くことも可能。信長が謙信に贈ったとされる上杉本では、実際に謙信が京へやって来た姿が描写されていると考えられています。それらを見比べることで往時の文化に風俗だけでなく、権力の有り様なども知ることが出来るわけです。
龍安寺風景
続いては障壁画です。ここでも「京都でもみることののできない京都。」が。それはかの石庭で有名な龍安寺です。
旧龍安寺方丈襖絵18面の配置図
実はかつて龍安寺には何面もの障壁画がありましたが、その多くが廃仏毀釈などによって散逸。海外へ多く渡り、メトロポリタンやシアトルの各美術館などに収められました。
「列士図襖」 メトロポリタン美術館
その里帰りが実現するわけです。とりわけメトロポリタン美術館の「列士図襖」は初の里帰り。また龍安寺の「群仙図襖」は2010年にオークションに出て龍安寺へ帰還した作品。かつて石庭を見つめていた計18面の襖絵がお寺の配置に則りながら展示されます。当然ながら現地へ出向いても叶いません。
二条城二の丸御殿「黒書院」一の間大床
また障壁画といえば二条城もポイント。こちらは大広間四の間の「松鷹図」、そして黒書院一の間、二の間の全ての障壁画を出品。その数なんと全84面。もちろん一度に城外へ出る数としては過去最多です。しかもこちらも実際の配置を再現すべく立体的に展示されます。
現在の京都御所「紫宸殿」内部風景「賢聖障子絵」
それに障壁画では京都御所の正殿、紫宸殿のために描かれた「賢聖障子絵」なども登場。全20面。十面ずつの展示替えで展示されます。
市中を一望する「洛中洛外図屏風」を筆頭に、僧侶の「龍安寺」、武家の「二条城」、そして公家の「京都御所」から集められる障壁画の数々。しかも開催は東京のみ、つまり東京国立博物館だけの展示です。これも言ってしまえば京都では見られないということ。
龍安寺石庭の四季を超高精細映像で撮影
また主催の日本テレビが総力を挙げて制作に取り組んだという4K映像を使った映像展示も。テーマは龍安寺。石庭を1年かけて撮影。四季折々の風景を全16メートル、つまり実際の石庭の長さとほぼ同じスクリーンに投影します。
「龍安寺石庭」4K映像スクリーン(全16メートル)
記者発表時には龍安寺石庭4K映像のデモンストレーションも。ハイビジョンの4倍の超高精細映像。この美しさ、そして迫力!とは言え、残念ながら私の写真ではまるで伝わりません。これは是非とも会場で体感してみてください。
さて最後に一つ。非常に重要なことをお伝えしましょう。それは前売チケットについてです。普段、あまりこの手のタイアップ情報をブログで紹介することはないのですが、今回ばかりは別。では何が特別なのか。
なんと「特別展 京都」の会期中に、東博本館を使い、話題の3Dプロジェクションマッピングで「洛中洛外図」が投影されるのです。
「洛中洛外図屏風3Dプロジェクションマッピング」イメージ画像
日にちは10月16日(水)と10月17日(木)の2日間限定。いずれも18時から。前売企画チケット「秋のスペシャルナイト3Dプロジェクションマッピング付きチケット」を購入した方のみ観覧出来ます。
「秋のスペシャルナイト3Dプロジェクションマッピング付きチケット」
開催日 2013年10月16日(水)、17日(木)
夜間開館 18:00~21:00(展示室への最終入場は20:30)
投影時間 18:10~20:20(約5分間の映像をループ上映予定)
販売期間 9月中旬販売開始予定
販売数 2夜合わせて2728枚の限定販売(限定数に達し次第終了)
セット内容 3Dプロジェクションマッピング鑑賞券+京都展夜間開館入場券1枚+マッピング映像DVD
販売価格 2400円(税込)
チケット販売 ローソンチケット(Lコード33900)
なおチケットは特別夜間開館での展覧会観覧と3Dプロジェクションマッピングのセット。しかもマッピング映像のDVDまでいただけるという特典つき。価格は2400円です。
枚数は「舟木本」に登場する2728名の人物に因んで2728枚のみ。発売は9月中旬を予定しているそうです。また発売の際にも改めて取り上げたいと思いますが、ともかく東博で初めて行われる3Dプロジェクションマッピング。大いに注目されるに違いありません。
ちなみに前売券に関してですが、2枚1組の早割ペア券2200円が既に発売中。こちらは7月31日まで。詳細はチケット情報をご参照下さい。
記者会見会場スクリーンに投影された「洛中洛外図屏風」
公式サイトも全面リニューアル済。見どころなどもアップされています。秋の東博は京都一色に染まること間違いなし!
展覧会公式アプリ「洛中洛外図屏風」も公開中!
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」は10月8日から東京国立博物館で開催されます。
「特別展 京都ー洛中洛外図と障壁画の美」 東京国立博物館
会期:10月8日(火)~12月1日(日)
時間:9:30~17:00(金曜日は20時まで開館)*入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日。但し10月14日(月)、11月4日(月)は開館。10月15日(火)、11月5日(火)は閉館。
会場:東京国立博物館(台東区上野公園13-9)
主催:東京国立博物館、日本テレビ放送網、読売新聞社
特別協賛 タマホーム
協賛 光村印刷、日本興亜損保
料金:一般1500(1300)円、大学生1200(1000)円、高校生900(700)円。中学生以下無料。
*( )は20名以上の団体、及び前売券。前売券は7月13日から10月7日まで販売。
*早割ペア券:2枚1組セット2200円。販売期間は6月13日から7月31日まで。
*特典つき企画チケット各種あり。詳細はチケット情報へ。
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