「野村在ーadditional fugitive 増刷する刹那」 アルマスギャラリー

アルマスギャラリー
「野村在ーadditional fugitive 増刷する刹那」 
6/1-6/29



アルマスギャラリーで開催中の野村在個展、「additional fugitive 増刷する刹那」へ行ってきました。

いただいた一枚のDM(上の画像)。白を背景に水色の液体のようなものが飛沫を上げている様子。実のところ全く予備知識なく、このイメージそのものに惹かれた私。意味ありげなタイトルもまた気になるポイント。一体どのような作品なのか。期待しながら画廊へと足を運んでみました。

さて作家、野村在の制作とは。言わば物質のとある現象を彫刻として捉えた写真です。

というわけで上記の作品も写真。滴り落ちる液体が揺らぐ、また広がって美しきカーブを描く瞬間。その姿を写真に起こしています。



そしてそれが彫刻を志向していることの面白さ。台座の存在がポイントです。台座の上にさも乗って静止しているように見える現象。それがピタリと切り取られて強度のある『立体』へと変化。するとフォルムがぐっと浮かび上がり、一つの彫刻のような造形へと成していきます。

野村は元々、こうした可変性のある素材を彫刻作品として制作。と同時に写真の表現も行ってきました。

作品には一部、言わば木立のような『借景』のあるものも。こちらも一瞬の物質の変化を捉える手法です。ただ先に挙げた背景の白、また台座があった方が、彫刻としては際立ってくるのではないでしょうか。



物質が「消滅へと向かう」ことを定着させる表現。そしてその現象にはかくも美しき「形」が秘められていた。シンプルな仕掛けながらも、表現は洗練。魅力的です。

6月29日まで開催されています。おすすめします。注)画廊は金・土・日のみのオープンです。

「野村在ーadditional fugitive 増刷する刹那」 アルマスギャラリー
会期:6月1日(土)~6月29日(土)
休館:月~木曜日。年末年始(12/24-1/10)。*金・土・日のみオープン。
時間:12:00~19:00
住所:江東区清澄2-4-7
交通:東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩5分。
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