都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」 ポーラミュージアムアネックス
ポーラミュージアムアネックス
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」
3/13-4/5
ポーラミュージアムアネックスで開催中の「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」を見て来ました。
毎年春恒例、ポーラ美術振興財団によって助成された現代美術家を紹介する「ポーラ ミュージアム アネックス展」。数えること今回で6回目です。
テーマは「凝縮と拡充」。監修は木島俊介氏です。以下の4名の作家が選定されました。
吉本直子、長谷川友紀、白木麻子、瀬山葉子
長谷川友紀「namida」 2015年 リトグラフ ほか
遠目では一瞬、青いタイル画のようにも映ります。長谷川友紀です。作品はタイルではなくリトグラフ、等間隔で並ぶ円や三角の面など、図形的なモチーフが目を引きます。
ちなみにリトグラフ、近年ではアルミ板が用いられることが多いそうですが、今回は主に石板、しかもジュラ紀の石灰石層から切り出した厚い石を用いているとか。一つ一つの円の中にも何層もの色があわせ重なっています。表面のテクスチャーにも深みがありました。
一昨年の川口市立アートギャラリー以来の展示かもしれません。白木麻子です。いわゆる木彫、椅子や机などは家具を思わせますが、必ずしもそうではありません。そもそも彫刻は全て作家のオリジナル。あくまでも家具的に見えるのに過ぎません。
白木麻子「In the grid floor windows」 2014年 ナラ、布
天板のない机、そして底の抜けた椅子。もちろん座ることもモノを置くことも出来ません。そこに布やロープのような紐が組合わさります。構造は思いの外に複雑です。一方で木の温もり、例えば湾曲のある面の仕上げなど、作品自体の質感も魅力的であります。
「光に惹かれ」(キャプションより)ているという作家です。瀬山葉子は、鏡や光を組み合わせたインスタレーションを展開しています。
瀬山葉子「Saiyah 光の色彩コンポジション #2」 2015年 ダイクロイックグラス、鏡、HMI照明、アルミニウム、モーター、制御装置
さも七色に輝く光の軌跡、鏡に反射しては空間を照らします。光源はモーターによる可動式です。一つとして同じ地点を照らすことはありません。なお光は太陽光に近い光源に分光ガラスを通して映しているそうです。
色を分解しては混ぜる。そういえばビーム状の色は絵具のストロークのようにも見えます。まるで絵具の調合です。「光の彫刻」とありましたが、空間自体がパレットのようでもあります。
なお瀬山は昨年、スウェーデンのオペラ劇場で上演された舞台の美術を担当しています。その名は「光の色彩のコンポジション」。全75分です。そのうち4分ほどの映像がダイジェスト版で紹介されていました。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015 凝縮と拡充」会場風景
ほかには故人の遺品を取り込んだ吉本直子の作品も興味深い。三者三様ならぬ四者四様の表現。私としては川口で印象深かった白木麻子の作品に再度接することが出来たのも収穫でした。
本年の「ポーラ ミュージアム アネックス展」は前後期の二期制です。
現在の前期終了後、4月7日(火)より作家を入れ替えての後期展示が始まります。
「ポーラミュージアムアネックス展2015(後期) ザ・ニュー・ヴィジョン」
会期:4月7日(火)~4月26日(日)
出品作家:石塚まこ、内田亜里、越後正志、飯沼珠実
4月5日まで開催されています。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」 ポーラミュージアムアネックス(@POLA_ANNEX)
会期:3月13日(金)~4月5日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」
3/13-4/5
ポーラミュージアムアネックスで開催中の「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」を見て来ました。
毎年春恒例、ポーラ美術振興財団によって助成された現代美術家を紹介する「ポーラ ミュージアム アネックス展」。数えること今回で6回目です。
テーマは「凝縮と拡充」。監修は木島俊介氏です。以下の4名の作家が選定されました。
吉本直子、長谷川友紀、白木麻子、瀬山葉子
長谷川友紀「namida」 2015年 リトグラフ ほか
遠目では一瞬、青いタイル画のようにも映ります。長谷川友紀です。作品はタイルではなくリトグラフ、等間隔で並ぶ円や三角の面など、図形的なモチーフが目を引きます。
ちなみにリトグラフ、近年ではアルミ板が用いられることが多いそうですが、今回は主に石板、しかもジュラ紀の石灰石層から切り出した厚い石を用いているとか。一つ一つの円の中にも何層もの色があわせ重なっています。表面のテクスチャーにも深みがありました。
一昨年の川口市立アートギャラリー以来の展示かもしれません。白木麻子です。いわゆる木彫、椅子や机などは家具を思わせますが、必ずしもそうではありません。そもそも彫刻は全て作家のオリジナル。あくまでも家具的に見えるのに過ぎません。
白木麻子「In the grid floor windows」 2014年 ナラ、布
天板のない机、そして底の抜けた椅子。もちろん座ることもモノを置くことも出来ません。そこに布やロープのような紐が組合わさります。構造は思いの外に複雑です。一方で木の温もり、例えば湾曲のある面の仕上げなど、作品自体の質感も魅力的であります。
「光に惹かれ」(キャプションより)ているという作家です。瀬山葉子は、鏡や光を組み合わせたインスタレーションを展開しています。
瀬山葉子「Saiyah 光の色彩コンポジション #2」 2015年 ダイクロイックグラス、鏡、HMI照明、アルミニウム、モーター、制御装置
さも七色に輝く光の軌跡、鏡に反射しては空間を照らします。光源はモーターによる可動式です。一つとして同じ地点を照らすことはありません。なお光は太陽光に近い光源に分光ガラスを通して映しているそうです。
色を分解しては混ぜる。そういえばビーム状の色は絵具のストロークのようにも見えます。まるで絵具の調合です。「光の彫刻」とありましたが、空間自体がパレットのようでもあります。
なお瀬山は昨年、スウェーデンのオペラ劇場で上演された舞台の美術を担当しています。その名は「光の色彩のコンポジション」。全75分です。そのうち4分ほどの映像がダイジェスト版で紹介されていました。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015 凝縮と拡充」会場風景
ほかには故人の遺品を取り込んだ吉本直子の作品も興味深い。三者三様ならぬ四者四様の表現。私としては川口で印象深かった白木麻子の作品に再度接することが出来たのも収穫でした。
本年の「ポーラ ミュージアム アネックス展」は前後期の二期制です。
現在の前期終了後、4月7日(火)より作家を入れ替えての後期展示が始まります。
「ポーラミュージアムアネックス展2015(後期) ザ・ニュー・ヴィジョン」
会期:4月7日(火)~4月26日(日)
出品作家:石塚まこ、内田亜里、越後正志、飯沼珠実
4月5日まで開催されています。
「ポーラ ミュージアム アネックス展2015(前期) 凝縮と拡充」 ポーラミュージアムアネックス(@POLA_ANNEX)
会期:3月13日(金)~4月5日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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