都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「発信//板橋//2016」 板橋区立美術館
板橋区立美術館
「発信//板橋//2016 江戸ー現代」
2016/12/3~2017/1/9
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b9/f6301964ceb619ea6d2ba8aeb54677d5.jpg)
2011年にスタートした板橋発、現代美術を紹介する「発信//板橋」シリーズも、今年で3回目を数えるに至りました。
テーマは「江戸ー現代」です。区内在住の彫刻家、深井隆を監修に迎え、平面3名、立体4名の作家が作品を展示しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/39/80bfa4f6d059759b0886b07836384f8b.jpg)
奥畑実奈「華爪2016」 2016年
江戸時代にも盛んな蒔絵の技法をネイルに取り込みました。奥畑実奈です。図版の「華爪2016」は文字通りのネイルです。紅葉の紋様を漆で表現しています。螺鈿を用いたネイルもありました。伝統に立脚しながらもスタイリッシュです。まさに江戸と現代の感性を行き来しているのではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/9a/899549a26b83c9959a0c4f1e3a4e594d.jpg)
白石顕子「板橋」 2011年
白石顕子は狩野派の屏風絵の余白に板橋の風景を重ねました。いずれも油彩画です。高島平団地でしょうか。とりわけ団地の建物を連ねた風景に目がとまりました。ひたすら静寂に包まれています。画肌が独特です。やや凹凸があります。独特の温もりを感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/85/6f118ecf9346ec2c2a4a24267c9836e1.jpg)
深井隆「月の庭ー星が降りた日」 2011年
禅寺の枯山水から着想を得たのが深井隆です。タイトルは「月の庭」。モチーフは木彫のペガサスです。床には球、ないし半円のオブジェが転がっています。銀箔なのか鈍い光を放っていました。空間は暗室です。まるで宇宙をペガサスが駆けているかのようでした。
木彫家として活動しながら、根付にも取り組んでいるのが人見元基・狛です。根付は江戸時代の発祥。人見は本名、狛は根付作家としての名です。面白いのは過去の木彫を根付に表現していることでした。大から小への展開です。道化や動物たちがユーモラスに象られています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/31/27b1ecffd77c5ca4261533a2d32e3683.jpg)
山口晃「新東都名所 芝の大塔」 2014年 ミヅマアートギャラリー
人気の山口晃は7点を出展。目立つのは「Tokyo山水(東京圖2012)」です。山手線内の東京のパノラマに江戸の建物が混在します。ほかは日本橋三越などの百貨店圖が3点。意外にも新作がありました。「オービタルランドルト環」です。環、リングをモチーフにした一枚です。煙のようになびく水墨の環の中に都市が浮かび上がっています。余白の靄には小舟の姿も垣間見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/62/1850c8b3d268422f160c24b77d9fda71.jpg)
会場外、美術館の前に大きな石が転がっています。川島大幸です。この実物の石を導入に、会場内では枯山水に火星のイメージを重ねあわせています。思わぬ光景が広がっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/da/28ac07482cbeb1d654b9755e6d7a0f5b.jpg)
こじんまりとした展覧会ではありましたが、現代へ江戸を呼び込んだ様々な表現を知ることが出来ました。
2017年1月9日まで開催されています。
「発信//板橋//2016 江戸ー現代」 板橋区立美術館(@edo_itabashi)
会期:2016年12月3日(土)~2017年1月9日(月・祝)
休館:月曜日。年末年始(12/29~1/3)。
時間:9:30~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般400円、高・大生200円、小・中学生無料。
*毎週土曜日は高校生以下無料。
住所:板橋区赤塚5-34-27
交通:都営地下鉄三田線西高島平駅下車徒歩13分。東武東上線・東京メトロ有楽町線成増駅北口2番のりばより増17系統「高島平操車場」行き、「区立美術館」下車。
「発信//板橋//2016 江戸ー現代」
2016/12/3~2017/1/9
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b9/f6301964ceb619ea6d2ba8aeb54677d5.jpg)
2011年にスタートした板橋発、現代美術を紹介する「発信//板橋」シリーズも、今年で3回目を数えるに至りました。
テーマは「江戸ー現代」です。区内在住の彫刻家、深井隆を監修に迎え、平面3名、立体4名の作家が作品を展示しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/39/80bfa4f6d059759b0886b07836384f8b.jpg)
奥畑実奈「華爪2016」 2016年
江戸時代にも盛んな蒔絵の技法をネイルに取り込みました。奥畑実奈です。図版の「華爪2016」は文字通りのネイルです。紅葉の紋様を漆で表現しています。螺鈿を用いたネイルもありました。伝統に立脚しながらもスタイリッシュです。まさに江戸と現代の感性を行き来しているのではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/9a/899549a26b83c9959a0c4f1e3a4e594d.jpg)
白石顕子「板橋」 2011年
白石顕子は狩野派の屏風絵の余白に板橋の風景を重ねました。いずれも油彩画です。高島平団地でしょうか。とりわけ団地の建物を連ねた風景に目がとまりました。ひたすら静寂に包まれています。画肌が独特です。やや凹凸があります。独特の温もりを感じました。
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深井隆「月の庭ー星が降りた日」 2011年
禅寺の枯山水から着想を得たのが深井隆です。タイトルは「月の庭」。モチーフは木彫のペガサスです。床には球、ないし半円のオブジェが転がっています。銀箔なのか鈍い光を放っていました。空間は暗室です。まるで宇宙をペガサスが駆けているかのようでした。
木彫家として活動しながら、根付にも取り組んでいるのが人見元基・狛です。根付は江戸時代の発祥。人見は本名、狛は根付作家としての名です。面白いのは過去の木彫を根付に表現していることでした。大から小への展開です。道化や動物たちがユーモラスに象られています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/31/27b1ecffd77c5ca4261533a2d32e3683.jpg)
山口晃「新東都名所 芝の大塔」 2014年 ミヅマアートギャラリー
人気の山口晃は7点を出展。目立つのは「Tokyo山水(東京圖2012)」です。山手線内の東京のパノラマに江戸の建物が混在します。ほかは日本橋三越などの百貨店圖が3点。意外にも新作がありました。「オービタルランドルト環」です。環、リングをモチーフにした一枚です。煙のようになびく水墨の環の中に都市が浮かび上がっています。余白の靄には小舟の姿も垣間見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/62/1850c8b3d268422f160c24b77d9fda71.jpg)
会場外、美術館の前に大きな石が転がっています。川島大幸です。この実物の石を導入に、会場内では枯山水に火星のイメージを重ねあわせています。思わぬ光景が広がっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/da/28ac07482cbeb1d654b9755e6d7a0f5b.jpg)
こじんまりとした展覧会ではありましたが、現代へ江戸を呼び込んだ様々な表現を知ることが出来ました。
2017年1月9日まで開催されています。
「発信//板橋//2016 江戸ー現代」 板橋区立美術館(@edo_itabashi)
会期:2016年12月3日(土)~2017年1月9日(月・祝)
休館:月曜日。年末年始(12/29~1/3)。
時間:9:30~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般400円、高・大生200円、小・中学生無料。
*毎週土曜日は高校生以下無料。
住所:板橋区赤塚5-34-27
交通:都営地下鉄三田線西高島平駅下車徒歩13分。東武東上線・東京メトロ有楽町線成増駅北口2番のりばより増17系統「高島平操車場」行き、「区立美術館」下車。
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