都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「大ラジカセ展」 PARCO MUSEUM
PARCO MUSEUM
「日本発 アナログ合体家電 大ラジカセ展」
12/9~12/27
1968年、日本のアイワの発売した「TPR-101」こそ、世界で初めてのラジカセでした。
まさに日本発、ラジカセ大集合です。家電蒐集家の松崎順一氏のコレクションから選ばれた100台超のラジカセが一堂に会しています。
冒頭にただ一台、恭しく鎮座するのが、アイワの「TPR-101」でした。上部にスイッチが並び、パネル前面左にカセット、そして右に音やラジオのツマミが付いています。音声はその下の部分から出るのでしょうか。一目見て、誰もがカセットと分かるようなスタイルです。早くも完成されています。全てはここから始まりました。
面白いのはカセットのスタイルをいくつかに分類していることです。例えば「スタンダード」。それこそアイワの「TPR-101」に派生するパネルデザインです。大小は様々。中には持ち運ぶのに随分と大きなラジカセもあります。ラジカセは家電でありながら、日用品とも言えるかもしれません。まさに一家に一台。展示品を持っていたという方も多いのではないでしょうか。
より身近なのが「カジュアル」です。ラジカセ市場の成熟期は1980年代です。その頃、主に女性をターゲットにしたラジカセが開発されました。
コマーシャルも外人の女性を起用。家電は男性という当時の常識を打ち破ったものだったそうです。カジュアル系ラジカセは比較的小型です。しかしハイスペック。機能は充実しています。これが意外にも男性にもヒットしました。
サンヨーの「MR-WU4mk3」がかつて我が家にあったことを思い出しました。真っ赤です。カセットはAとBの2面。ラジオもAMとFMの双方に対応しています。ステレオでオートリバースとあります。オートリバースはもはや死語になりつつありますが、カセットが巻き終わると、自動的に再生、ないし録音を行う装置です。にわかに懐かしく思いました。
「チープ&キュート」はどうでしょうか。「カジュアル」と同様の1980年代の展開です。デザイン性重視されます。時に海外デザイナーによる様々な家電が流行しました。
ラジカセも同様です。各社は独自のコンセプトを元にモダンデザインラジカセを発表。先頭を走ったのがソニーとサンヨーでした。
同時にラジカセ業界は戦国時代に突入。安さを売りにするメーカーも現れましす。目立つためには意表を突くデザインも求められたのでしょう。何とUFOを模したラジカセもありました。
一方でマニア向けのラジカセも登場します。「ビックスケール」です。文字通りに大きい。特にスピーカーが巨大化しています。おそらくは迫力のあるサウンドが聞こえたことでしょう。カラオケ用にも重宝されたそうです。価格は10万円前後。端的に高い。高級オーディオならぬ高級ラジカセがあったとは知りませんでした。
その派生型とも言えるしれません。「多機能系」です。オーディオ性能を高めたラジカセやテレビなどの外部装置を付けたラジカセが発売されます。
サンヨーの「KBX-7」は何と鍵盤付きです。演奏した音を鳴らしたり録音することが出来たのかもしれません。実にマニアックです。何故に一体化にこだわったのでしょうか。多機能ここに極まれりといった感さえあります。
ラジカセのもう一つの主役はカセットテープです。CDやMD時代以前、誰もがカセットへお気に入りのアーティストらの楽曲を録音しては楽しみました。
会場では各界のクリエーターのカセットテープコレクションを展示。カセットにまつわるエピソードなども紹介しています。
アーティストの小町渉はカセットに絵をつけています。これぞ完全なるオリジナルです。他イラストレーターの永井博やみうらじゅんらのコレクションがありました。
カセット体験コーナーでは実際にラジカセを動かすことも可能です。ヘッドホンで音を聞くことが出来ます。よく考えればカセット自体知らないという若い方がいても不思議ではありません。
ラジカセの楽園こと「大ラジカセ展」。懐かしくもあり、どこかわくわくするような気持ちで見入りました。
12月27日まで開催されています。
「日本発 アナログ合体家電 大ラジカセ展」 PARCO MUSEUM(@parco_art)
会期:12月9日 (金) ~12月27日 (火)
休館:会期中無休。
時間:10:00~21:00
*入館は閉館の30分前まで。
*最終日は18時閉場。
料金:一般500円 、学生400円、小学生以下は無料。
*「PARCOカード・クラスS」を提示すると無料。「PARCOカード」は半額。
住所:豊島区南池袋1-28-2 池袋パルコ本館7階
交通:JR線、西武池袋線、東武東上線、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線池袋駅東口より徒歩1分。
「日本発 アナログ合体家電 大ラジカセ展」
12/9~12/27
1968年、日本のアイワの発売した「TPR-101」こそ、世界で初めてのラジカセでした。
まさに日本発、ラジカセ大集合です。家電蒐集家の松崎順一氏のコレクションから選ばれた100台超のラジカセが一堂に会しています。
冒頭にただ一台、恭しく鎮座するのが、アイワの「TPR-101」でした。上部にスイッチが並び、パネル前面左にカセット、そして右に音やラジオのツマミが付いています。音声はその下の部分から出るのでしょうか。一目見て、誰もがカセットと分かるようなスタイルです。早くも完成されています。全てはここから始まりました。
面白いのはカセットのスタイルをいくつかに分類していることです。例えば「スタンダード」。それこそアイワの「TPR-101」に派生するパネルデザインです。大小は様々。中には持ち運ぶのに随分と大きなラジカセもあります。ラジカセは家電でありながら、日用品とも言えるかもしれません。まさに一家に一台。展示品を持っていたという方も多いのではないでしょうか。
より身近なのが「カジュアル」です。ラジカセ市場の成熟期は1980年代です。その頃、主に女性をターゲットにしたラジカセが開発されました。
コマーシャルも外人の女性を起用。家電は男性という当時の常識を打ち破ったものだったそうです。カジュアル系ラジカセは比較的小型です。しかしハイスペック。機能は充実しています。これが意外にも男性にもヒットしました。
サンヨーの「MR-WU4mk3」がかつて我が家にあったことを思い出しました。真っ赤です。カセットはAとBの2面。ラジオもAMとFMの双方に対応しています。ステレオでオートリバースとあります。オートリバースはもはや死語になりつつありますが、カセットが巻き終わると、自動的に再生、ないし録音を行う装置です。にわかに懐かしく思いました。
「チープ&キュート」はどうでしょうか。「カジュアル」と同様の1980年代の展開です。デザイン性重視されます。時に海外デザイナーによる様々な家電が流行しました。
ラジカセも同様です。各社は独自のコンセプトを元にモダンデザインラジカセを発表。先頭を走ったのがソニーとサンヨーでした。
同時にラジカセ業界は戦国時代に突入。安さを売りにするメーカーも現れましす。目立つためには意表を突くデザインも求められたのでしょう。何とUFOを模したラジカセもありました。
一方でマニア向けのラジカセも登場します。「ビックスケール」です。文字通りに大きい。特にスピーカーが巨大化しています。おそらくは迫力のあるサウンドが聞こえたことでしょう。カラオケ用にも重宝されたそうです。価格は10万円前後。端的に高い。高級オーディオならぬ高級ラジカセがあったとは知りませんでした。
その派生型とも言えるしれません。「多機能系」です。オーディオ性能を高めたラジカセやテレビなどの外部装置を付けたラジカセが発売されます。
サンヨーの「KBX-7」は何と鍵盤付きです。演奏した音を鳴らしたり録音することが出来たのかもしれません。実にマニアックです。何故に一体化にこだわったのでしょうか。多機能ここに極まれりといった感さえあります。
ラジカセのもう一つの主役はカセットテープです。CDやMD時代以前、誰もがカセットへお気に入りのアーティストらの楽曲を録音しては楽しみました。
会場では各界のクリエーターのカセットテープコレクションを展示。カセットにまつわるエピソードなども紹介しています。
アーティストの小町渉はカセットに絵をつけています。これぞ完全なるオリジナルです。他イラストレーターの永井博やみうらじゅんらのコレクションがありました。
カセット体験コーナーでは実際にラジカセを動かすことも可能です。ヘッドホンで音を聞くことが出来ます。よく考えればカセット自体知らないという若い方がいても不思議ではありません。
ラジカセの楽園こと「大ラジカセ展」。懐かしくもあり、どこかわくわくするような気持ちで見入りました。
12月27日まで開催されています。
「日本発 アナログ合体家電 大ラジカセ展」 PARCO MUSEUM(@parco_art)
会期:12月9日 (金) ~12月27日 (火)
休館:会期中無休。
時間:10:00~21:00
*入館は閉館の30分前まで。
*最終日は18時閉場。
料金:一般500円 、学生400円、小学生以下は無料。
*「PARCOカード・クラスS」を提示すると無料。「PARCOカード」は半額。
住所:豊島区南池袋1-28-2 池袋パルコ本館7階
交通:JR線、西武池袋線、東武東上線、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線池袋駅東口より徒歩1分。
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