都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「デザインの解剖展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」
2016/10/14〜2017/1/22
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」を見てきました。
株式会社明治の5つの製品が、デザインはおろか、ありとあらゆる角度から徹底的に解剖されています。
トップバッターはきのこの山です。1975年発売の言わずと知れたロングセラー。傘の部分がチョコ、軸の部分がクラッカーのチョコスナックです。文字通りにきのこの形をしています。
まずはパッケージです。ついでネーミングのほか、外箱の開け方、原材料、はたまた内袋のグラフィックと続きます。何もデザインの観点にとどまりません。
2点目は明治ブルガリアヨーグルトです。実のところ、私も毎日食べている製品です。常に冷蔵庫に入っていますが、それもやはり解剖。容器の形、材質、組み立て、外蓋、内蓋の構造、そのグラフィック、さらには味覚に関してのコクなどについて紹介しています。
例えば容器の材質です。ヨーグルトの容器といえばプラスチック製が主流ですが、明治ブルガリアヨーグルトは紙製。これはヨーグルトの発酵に使われる乳酸菌の性質に由来するそうです。一般的なヨーグルトはビフィズス菌です。酸素を嫌います。よって酸素を通しにくいプラスチックが使われます。一方で明治ブルガリアヨーグルトの菌はブルガリア菌とモラフィス菌です。ともに酸素の有無に関わらず生育が可能です。それゆえに通気性のある紙でも問題ありません。
ちなみに明治ブルガリアヨーグルトが発売されたのは1973年。当初のパッケージは牛乳パックだったそうです。1981年に現在の平たい四角錐台に改められました。
それにしても凄まじいのがキャプションです。ご覧のように極めて充実。実際のところ会場冒頭に「文章が多く、全部読むととても時間がかかります。」との断りがあるくらいです。いわゆる要約を記した短い文章も用意されていますが、主役はもはや解説と言っても良いのではないでしょうか。一つ一つ、製品について実に丁寧に説明しています。
きのこの山、明治ブルガリアヨーグルトに次ぐのが、明治ミルクチョコレート、明治エッセルスーパーカップ、そして明治おいしい牛乳でした。
明治ミルクチョコレートの発売は戦前の1926年。日本で初めて工業生産されたミルクチョコレートです。外装のデザインは6度変更されたものの、ロゴのみのスタイルは一貫して踏襲されました。
明治エッセルスーパーカップには僅かにナトリウムが含まれています。1個あたり31mg。食塩に換算すると0.23gです。その塩辛味がむしろアイスの甘味を引き出します。
明治おいしい牛乳では出荷用のクレートなども出展。もちろん解説に重きが置かれているとはいえ、21_21 DESIGN SIGHTならではの立体展示も何点かありました。巨大きのこの山やスーパーカップの断面模型、さらにおいしい牛乳の巨大模型なども目を引くのではないでしょうか。
テラダモケイを用いた「製品に関与する人たち」の展示模型が秀逸です。一つの製品には多く人が関わり、また多くのプロセスを経ていることが分かります。
明治おいしい牛乳を積み木で遊べるブースが一際人気でした。気軽に楽しめる仕掛けも抜かりありません。
私は平日の日没後に観覧したために混雑とは無縁でしたが、土日を中心に待機列が発生しているそうです。多い日では入場までに60分程度かかることもあります。時間に余裕をもってお出かけ下さい。
2017年1月22日まで開催されています。
「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2016年10月14日(金)〜2017年1月22日(日)
休館:火曜日。年末年始(12月27日〜1月3日)。
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
料金:一般1100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」
2016/10/14〜2017/1/22
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」を見てきました。
株式会社明治の5つの製品が、デザインはおろか、ありとあらゆる角度から徹底的に解剖されています。
トップバッターはきのこの山です。1975年発売の言わずと知れたロングセラー。傘の部分がチョコ、軸の部分がクラッカーのチョコスナックです。文字通りにきのこの形をしています。
まずはパッケージです。ついでネーミングのほか、外箱の開け方、原材料、はたまた内袋のグラフィックと続きます。何もデザインの観点にとどまりません。
2点目は明治ブルガリアヨーグルトです。実のところ、私も毎日食べている製品です。常に冷蔵庫に入っていますが、それもやはり解剖。容器の形、材質、組み立て、外蓋、内蓋の構造、そのグラフィック、さらには味覚に関してのコクなどについて紹介しています。
例えば容器の材質です。ヨーグルトの容器といえばプラスチック製が主流ですが、明治ブルガリアヨーグルトは紙製。これはヨーグルトの発酵に使われる乳酸菌の性質に由来するそうです。一般的なヨーグルトはビフィズス菌です。酸素を嫌います。よって酸素を通しにくいプラスチックが使われます。一方で明治ブルガリアヨーグルトの菌はブルガリア菌とモラフィス菌です。ともに酸素の有無に関わらず生育が可能です。それゆえに通気性のある紙でも問題ありません。
ちなみに明治ブルガリアヨーグルトが発売されたのは1973年。当初のパッケージは牛乳パックだったそうです。1981年に現在の平たい四角錐台に改められました。
それにしても凄まじいのがキャプションです。ご覧のように極めて充実。実際のところ会場冒頭に「文章が多く、全部読むととても時間がかかります。」との断りがあるくらいです。いわゆる要約を記した短い文章も用意されていますが、主役はもはや解説と言っても良いのではないでしょうか。一つ一つ、製品について実に丁寧に説明しています。
きのこの山、明治ブルガリアヨーグルトに次ぐのが、明治ミルクチョコレート、明治エッセルスーパーカップ、そして明治おいしい牛乳でした。
明治ミルクチョコレートの発売は戦前の1926年。日本で初めて工業生産されたミルクチョコレートです。外装のデザインは6度変更されたものの、ロゴのみのスタイルは一貫して踏襲されました。
明治エッセルスーパーカップには僅かにナトリウムが含まれています。1個あたり31mg。食塩に換算すると0.23gです。その塩辛味がむしろアイスの甘味を引き出します。
明治おいしい牛乳では出荷用のクレートなども出展。もちろん解説に重きが置かれているとはいえ、21_21 DESIGN SIGHTならではの立体展示も何点かありました。巨大きのこの山やスーパーカップの断面模型、さらにおいしい牛乳の巨大模型なども目を引くのではないでしょうか。
テラダモケイを用いた「製品に関与する人たち」の展示模型が秀逸です。一つの製品には多く人が関わり、また多くのプロセスを経ていることが分かります。
明治おいしい牛乳を積み木で遊べるブースが一際人気でした。気軽に楽しめる仕掛けも抜かりありません。
私は平日の日没後に観覧したために混雑とは無縁でしたが、土日を中心に待機列が発生しているそうです。多い日では入場までに60分程度かかることもあります。時間に余裕をもってお出かけ下さい。
2017年1月22日まで開催されています。
「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2016年10月14日(金)〜2017年1月22日(日)
休館:火曜日。年末年始(12月27日〜1月3日)。
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
料金:一般1100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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