2018年5月に見たい展覧会〜琳派・夢二・長谷川利行〜

GWのお休みに入りました。いかがお過ごしでしょうか。

会期末を迎え、国立新美術館の「ビュールレ・コレクション」展が混んでいます。昼間の時間を中心に、約20分程度の待ち時間が発生していて、7日の最終日まで賑わいそうです。

4月に見た展覧会では、ガレの海の生き物に着目したポーラ美術館の「エミール・ガレ」、光琳と乾山の名品が集った根津美術館の「光琳と乾山」、そして江戸時代の知られざる絵師を網羅した千葉市美術館の「百花繚乱列島-江戸諸国絵師めぐり」などが印象に残りました。

それにまだ感想をまとめられていませんが、横浜美術館の「ヌード展」も、後半の現代美術への展開が充実していて、批評的でもあり、実に見応えのある展覧会でした。

それでは5月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「モダンアート再訪 ダリ、ウォーホルから草間彌生まで 福岡市美術館コレクション展」 埼玉県立近代美術館(~5/20)
・「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」 目黒区美術館(~6/10)
・「人間・高山辰雄展ー森羅万象への道」 世田谷美術館(~6/17)
・「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」 町田市立国際版画美術館(~6/17)
・「大名茶人・松平不昧」 三井記念美術館(~6/17)
・「集え!英雄豪傑たち 浮世絵、近代日本画にみるヒーローたち」 横須賀美術館(~6/17)
・「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容ーメタモルフォーシス」 パナソニック汐留ミュージアム(~6/24)
・「ターナー 風景の詩」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~7/1)
・「ガレも愛したー清朝皇帝のガラス」 サントリー美術館(~7/1)
・「夢二繚乱」 東京ステーションギャラリー(5/19~7/1)
・「風間サチコ展 ディスリンピア2680」 原爆の図丸木美術館(~7/8)
・「琳派ー俵屋宗達から田中一光へ」 山種美術館(5/12~7/8)
・「長谷川利行展 七色の東京」 府中市美術館(5/19〜7/8)
・「内藤正敏 異界出現」 東京都写真美術館(5/12~7/16)
・「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」 DIC川村記念美術館(~8/26)
・「名作展 ベストセレクション 龍子記念館の逸品」 大田区立龍子記念館(~8/26)
・「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」 森美術館(~9/17)

ギャラリー

・「小林耕平 あくび・指南」 山本現代(〜5/26)
・「鈴木ヒラク - 交通」 アートフロントギャラリー(〜5/27)
・「絵と、 vol.1 五月女哲平」 ギャラリーαM(~6/2)
・「山口藍展 今と古ゝに」 ミヅマアートギャラリー(5/9〜6/9)
・「ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(5/14~6/23)
・「平田晃久展 Discovering New」 TOTOギャラリー・間(5/24〜7/15)

5月は日本美術に注目です。まずは山種美術館にて「琳派ー俵屋宗達から田中一光へ」が開催されます。



「琳派ー俵屋宗達から田中一光へ」@山種美術館(5/12~7/8)

これは、宗達にはじまり、光琳、抱一のほか、鈴木其一、神坂雪佳など、山種美術館の所蔵する琳派コレクションを展示するもので、伝宗達の「槙楓図」が、修復後、初めて公開されます。


また御舟や福田平八郎、加山又造から田中一光へと至る、現代への系譜を追うのも特徴で、琳派ファンにはたまらない内容となりそうです。

都内での大規模な夢二展は久々かもしれません。東京ステーションギャラリーにて「夢二繚乱」がはじまります。



「夢二繚乱」@東京ステーションギャラリー(5/19~7/1)

「夢二繚乱」は、「東京駅で逢いましょう」をキーワードに、4つの章から夢二の画業を辿るもので、青年期の試作をはじめ、自伝小説の「出帆」の挿絵原画など、初公開の作品も展示されます。


出展は、龍星閣の創業者である澤田伊四郎氏が、千代田区に寄贈したコレクションで、全500点にも及ぶそうです。相当に見応えがあるのではないでしょうか。



「長谷川利行展 七色の東京」@府中市美術館(5/19〜7/8)

1891年に京都に生まれ、30歳を過ぎて上京した画家、長谷川利行は、都内各地を放浪しては、自由な筆触と明るい色彩にて都市風景を描きました。一時は画壇で評価されるものの、酒に溺れては、簡易宿泊所を転々とし、最後は路上で倒れ、亡くなりました。その長谷川の没後70年を期して行われるのが「長谷川利行展」で、近年、再発見された「カフェ・パウリスタ」や、約40年ぶりの公開となる「夏の遊園地」など、代表作140点が展示されます。


長谷川利行は、先だって板橋区立美術館で開催された「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」にも取り上げられていました。画家を再評価する1つの機会となるかもしれません。

それではどうぞ宜しくお願いします。
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