「田中智 ミニチュアワールド」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「田中智 ミニチュアワールド Face to Face もっとそばに」 
4/27〜5/27



食べ物や雑貨などのミニチュアを制作するアーティスト、田中智の初めての個展が、銀座のポーラミュージアムアネックスにて開催されています。



おせち料理と鏡餅が、お正月のおめでたい雰囲気を生み出していました。重箱には煮物やかまぼこ、そしてイクラなどがたくさん詰められ、鏡餅にはミカンものっていて、干菓子も並んでいました。実に精巧なミニチュアで、写真のみでは本物と見間違うかもしれません。しかし写真だけではスケール感が分かりません。それでは一体、どれほどのサイズなのでしょうか。



カップラーメンと指先を比較して驚きました。ご覧の通りの小ささです。いずれも本物の12分の1スケールで、田中が素材の選定から行い、全て手作業で作り上げました。



通常の小物であれば、おおむね1週間、またドールハウスの規模であると、数ヶ月から1年ほどはかかるそうです。まさかこれほど小さなミニチュアとは思いもよりませんでした。



「江戸前寿司が出来るまで」と題したコーナーで、作品の制作プロセスを辿ることが出来ました。まず田中は、木材を切り出し器を作り上げ、次いで粘土を伸ばし、お米の元を切り出します。それを丸め、シリコンで型を取り、樹脂粘土で複製したのち、シャリを作りました。さらに寿司ネタの原型から複製へと進み、紙テープで軍艦巻きを作ったり、寿司ネタを着色するなどして、江戸前寿司を仕上げました。最後は、粘土が柔らかいうちにシャリに乗せ、形を整えては接着させたそうです。途方もない労力ではないでしょうか。



コンビニのパンセットからお弁当、オムライスプレートにたこ焼き、はたまたクリスマスロールケーキと多彩で、いずれも完成度が高く、まさに美味しそうな作品ばかりでした。



ディスプレイも洗練されていて、いわゆるスイーツだけでなく、シューストアやオープンバスのカフェなど、ジオラマ的な展開があるのも魅力的でした。そもそも田中はドールハウスを購入した際、欲しいミニチュアが売っていなかったため、自作したことが、作品制作の切っ掛けでもあったそうです。



粘土、プラスチック、紙、木など、素材も様々ですが、作品を前にしても、何で作られているか分かりません。それほどまでに質感に優れていました。



紫陽花や朝顔の鉢植えも精巧でした。花の開きや葉の向き、それに蔓なども実に細かく作られています。これぞ超絶技巧と言えるかもしれません。



会場に因み、POLAショップのミニチュアカウンターも登場していました。驚くべき再現度ではないでしょうか。



場内は盛況でした。撮影も可能です。


5月27日まで開催されています。

「田中智 ミニチュアワールド Face to Face もっとそばに」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:4月27日(金)〜5月27日(日)
休館:会期中無休
料金:無料
時間:11:00~20:00 *入場は閉館の30分前まで
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )