都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「半蔵門ミュージアム」へ行ってきました
東京都千代田区一番町にある「半蔵門ミュージアム」へ行ってきました。

「半蔵門ミュージアム」
https://www.hanzomonmuseum.jp
同ミュージアムは、宗教法人真如苑の仏教美術品を公開するための施設で、今年の4月19日にオープンしました。

半蔵門の名が示すように、最寄駅は東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅でした。4番出口の階段を上がり、左へ折れると、すぐに入口がありました。まさに駅の真上でした。
ミュージアムはビルの地下1階から3階に位置していて、1階がエントランスとギャラリー、ついで地下1階に展示スペースがあり、2階にマルチルームとラウンジ、3階にシアターとホールがありました。1階と2階は階段で行き来可能で、ほかはエレベーターでの移動でした。

*エントランス(1階)
まず観覧に際し、受付にて入館証をいただく必要がありました。入館証を首にかけ、ロッカーに荷物を預け、エレベーターで地下1階へと向かいました。まだ新しいビルゆえか、全てが真新しく、清潔感に溢れていて、係の方も実に丁寧に接して下さいました。なお建築は、奈良国立博物館の「なら仏像館」の改修や、伊勢神宮の「せんぐう館」を手がけた、栗生総合計画事務所の栗生明氏が設計しました。

*地下1階展示室
「神聖な御堂をイメージ」(解説より)とする地下展示室は1室で、「ガンダーラの仏教美術」、「祈りの世界」、「特集展示 神護寺経と密教の美術」の順に展示が続いていました。薄暗がりの中、諸仏や美術品が照明により鮮やかに浮かび上がっていて、一部を除くと、ほぼ露出で展示されていました。
ガンダーラ仏は全部で8体並んでいて、ブッダの出家などの場面を3層のアーチ状に彫り起こした「出城」や、同じくブッタの瞑想する姿を表した「帝釈窟説法」などに魅せられました。後者では印を結ぶブッタとともに、孔雀や鹿などの小動物なども見られました。

*地下1階展示室
続くのが「祈りの世界」で、ハイライトとも言うべき、重要文化財の「大日如来坐像」が展示されていました。必ずしも運慶と確定していないものの、仏師の作の可能性が高く、力感漲る造形や、溌剌とした作風は、運慶作と同定された円成寺の「大日如来坐像」を連想させる面がありました。ちょうど、腰から背中のあたりに照明が当たっているからか、さも後光が差すかのように金色の光が滲み出していて、何度か目にした仏像ではあるものの、今までで最も美しく見えました。
「大日如来坐像」とあわせて、「祈りの世界」を構成していたのは、覚仙の「両界曼荼羅」と、醍醐寺の普門院の旧本尊として伝わる「不動明王坐像」でした。1706年の作である「両界曼荼羅」の色彩は美しく、大日如来の図像も細かに描かれていました。また「不動明王坐像」の迫力も、並々ならぬものが感じられました。

「紺紙金字一切経(神護寺経)仏説意経および経帙」 平安時代・12世紀
ラストが「特集展示 神護寺経と密教の美術」で、平安時代の「神護寺経」をはじめ、室町時代の「不動明王像」や「愛染明王像」、そして室町時代の「真言八祖像」などの6点の仏教絵画などが一堂に展示されていました。
また椅子式の牀座に座る弘法大師を写した「弘法大師像」も、堂々とした姿を見せていました。出展は全部で20件超ながらも、いずれも優品で、見応えは十分でした。
さて地下の展示室を鑑賞したのちは、エレベーターで2階へ上がり、マルチルームへと向かいました。ここでは「大日如来坐像」をはじめとした、主に運慶仏の納入品についての写真パネル展示が行われていて、各仏の内部を写したX線写真やスコープ画像を見ることが出来ました。またラウンジでは、日本美術に関する雑誌や書籍が用意されていて、手にとって閲覧することも可能でした。

*シアター(3階)
最後の3階のシアターでは、「大日如来坐像と運慶 祈りと美、そしてかたち」が上映中でした。おおよそ18分の映像で、日本への仏教の伝来を辿りつつ、運慶が「大日如来坐像」の造仏に際して用いた技法などを紹介していました。総じて解説もナレーションも分かりやすく、仏像への理解を深めるのにも相応しい内容と言えるのではないでしょうか。
シアターは完全入れ替え制で、原則、途中での入退場が出来ません。シアターの向かいに、控え室に当たるホールがあり、そこで待っていると、係の方が上映時間について案内して下さいます。
内観写真(*印)はパンフレットより引用しました。館内の撮影は一切出来ません。

なお「特集展示」に関しては3~4ヶ月に1回、内容が入れ替わります。次回は「信仰の絵画」(8/1~11/11)を予定しているそうです。一方で「大日如来坐像」は常設です。東京では唯一、運慶作とされる仏像を常に鑑賞出来るミュージアムでもあります。
この内容で入場は無料です。シアターの鑑賞に際しても料金は一切かかりません。

「半蔵門ミュージアム」は、2018年4月19日にオープンしました。
「半蔵門ミュージアム」
休館:月・火曜日。
*月曜・火曜が、祝日や振替休日にあたる場合も休館。
*年末年始(12月29日~1月4日)。
*ほかに臨時休館日あり。
時間:10:00~17:30
*入館は17時まで。
料金:無料。
住所:千代田区一番町25
交通:東京メトロ半蔵門線半蔵門駅4番出口(地上1階)左すぐ。東京メトロ有楽町線麹町駅3番出口より徒歩5分。

「半蔵門ミュージアム」
https://www.hanzomonmuseum.jp
同ミュージアムは、宗教法人真如苑の仏教美術品を公開するための施設で、今年の4月19日にオープンしました。

半蔵門の名が示すように、最寄駅は東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅でした。4番出口の階段を上がり、左へ折れると、すぐに入口がありました。まさに駅の真上でした。
ミュージアムはビルの地下1階から3階に位置していて、1階がエントランスとギャラリー、ついで地下1階に展示スペースがあり、2階にマルチルームとラウンジ、3階にシアターとホールがありました。1階と2階は階段で行き来可能で、ほかはエレベーターでの移動でした。

*エントランス(1階)
まず観覧に際し、受付にて入館証をいただく必要がありました。入館証を首にかけ、ロッカーに荷物を預け、エレベーターで地下1階へと向かいました。まだ新しいビルゆえか、全てが真新しく、清潔感に溢れていて、係の方も実に丁寧に接して下さいました。なお建築は、奈良国立博物館の「なら仏像館」の改修や、伊勢神宮の「せんぐう館」を手がけた、栗生総合計画事務所の栗生明氏が設計しました。

*地下1階展示室
「神聖な御堂をイメージ」(解説より)とする地下展示室は1室で、「ガンダーラの仏教美術」、「祈りの世界」、「特集展示 神護寺経と密教の美術」の順に展示が続いていました。薄暗がりの中、諸仏や美術品が照明により鮮やかに浮かび上がっていて、一部を除くと、ほぼ露出で展示されていました。
ガンダーラ仏は全部で8体並んでいて、ブッダの出家などの場面を3層のアーチ状に彫り起こした「出城」や、同じくブッタの瞑想する姿を表した「帝釈窟説法」などに魅せられました。後者では印を結ぶブッタとともに、孔雀や鹿などの小動物なども見られました。

*地下1階展示室
続くのが「祈りの世界」で、ハイライトとも言うべき、重要文化財の「大日如来坐像」が展示されていました。必ずしも運慶と確定していないものの、仏師の作の可能性が高く、力感漲る造形や、溌剌とした作風は、運慶作と同定された円成寺の「大日如来坐像」を連想させる面がありました。ちょうど、腰から背中のあたりに照明が当たっているからか、さも後光が差すかのように金色の光が滲み出していて、何度か目にした仏像ではあるものの、今までで最も美しく見えました。
「大日如来坐像」とあわせて、「祈りの世界」を構成していたのは、覚仙の「両界曼荼羅」と、醍醐寺の普門院の旧本尊として伝わる「不動明王坐像」でした。1706年の作である「両界曼荼羅」の色彩は美しく、大日如来の図像も細かに描かれていました。また「不動明王坐像」の迫力も、並々ならぬものが感じられました。

「紺紙金字一切経(神護寺経)仏説意経および経帙」 平安時代・12世紀
ラストが「特集展示 神護寺経と密教の美術」で、平安時代の「神護寺経」をはじめ、室町時代の「不動明王像」や「愛染明王像」、そして室町時代の「真言八祖像」などの6点の仏教絵画などが一堂に展示されていました。
また椅子式の牀座に座る弘法大師を写した「弘法大師像」も、堂々とした姿を見せていました。出展は全部で20件超ながらも、いずれも優品で、見応えは十分でした。
さて地下の展示室を鑑賞したのちは、エレベーターで2階へ上がり、マルチルームへと向かいました。ここでは「大日如来坐像」をはじめとした、主に運慶仏の納入品についての写真パネル展示が行われていて、各仏の内部を写したX線写真やスコープ画像を見ることが出来ました。またラウンジでは、日本美術に関する雑誌や書籍が用意されていて、手にとって閲覧することも可能でした。

*シアター(3階)
最後の3階のシアターでは、「大日如来坐像と運慶 祈りと美、そしてかたち」が上映中でした。おおよそ18分の映像で、日本への仏教の伝来を辿りつつ、運慶が「大日如来坐像」の造仏に際して用いた技法などを紹介していました。総じて解説もナレーションも分かりやすく、仏像への理解を深めるのにも相応しい内容と言えるのではないでしょうか。
シアターは完全入れ替え制で、原則、途中での入退場が出来ません。シアターの向かいに、控え室に当たるホールがあり、そこで待っていると、係の方が上映時間について案内して下さいます。
内観写真(*印)はパンフレットより引用しました。館内の撮影は一切出来ません。

なお「特集展示」に関しては3~4ヶ月に1回、内容が入れ替わります。次回は「信仰の絵画」(8/1~11/11)を予定しているそうです。一方で「大日如来坐像」は常設です。東京では唯一、運慶作とされる仏像を常に鑑賞出来るミュージアムでもあります。
明日開館の「半蔵門ミュージアム」。運慶作とされる《大日如来坐像》を中心に、真如苑が所蔵する仏教美術の数々が展示されます。『週刊ニッポンの国宝100』第30号でも密教美術をご紹介しましたが、曼荼羅や経典なども落ち着いた空間でゆったり鑑賞できます。なんと入場無料! #国宝100 pic.twitter.com/7L5jpNPYno
— 国宝応援団 (@kokuhou_project) 2018年4月18日
この内容で入場は無料です。シアターの鑑賞に際しても料金は一切かかりません。

「半蔵門ミュージアム」は、2018年4月19日にオープンしました。
「半蔵門ミュージアム」
休館:月・火曜日。
*月曜・火曜が、祝日や振替休日にあたる場合も休館。
*年末年始(12月29日~1月4日)。
*ほかに臨時休館日あり。
時間:10:00~17:30
*入館は17時まで。
料金:無料。
住所:千代田区一番町25
交通:東京メトロ半蔵門線半蔵門駅4番出口(地上1階)左すぐ。東京メトロ有楽町線麹町駅3番出口より徒歩5分。
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