「さあ、今、我が人生の最大の出発にきた」 草間彌生美術館

草間彌生美術館
「さあ、今、我が人生の最大の出発にきた」
4/1〜8/31



草間彌生美術館で開催中の「さあ、今、我が人生の最大の出発にきた」を見てきました。

前衛芸術家、草間彌生の作品を公開するために設立された草間彌生美術館は、2017年10月、新宿区弁天町にオープンしました。

主に年2回の展覧会で、草間コレクションを紹介していて、今年の4月からは、1950年代の初期作と、現在、制作中の「わが永遠の魂」を展示した、「さあ、今、我が人生の最大の出発にきた」が行われています。


「草間彌生美術館」外観

美術館の最寄駅は、都営大江戸線の牛込柳町駅で、駅東口を外苑東通りを北向きに6〜7分歩くと、白く、丸みを帯びた建物が左手に見えて来ました。それが草間彌生美術館でした。

ちょうど1階部分の窓には、白い水玉のドットが広がっていて、建物右側が入口でした。周囲は、ほぼ住宅地と呼んで差し支えありません。


「エントランスとショップ」(1階)

美術館の施設は、1階から5階にあり、1階はエントランスとショップ、2、3、4階に展示室があり、5階には草間に関する資料を閲覧できるブラウジングルームと、屋外展示スペースがありました。


「館内階段」(やや急でした。)

館内は一方通行で、原則、1階から順に階段で、2、3、4、5階へとあがる必要がありました。そして下りのみ、エレベーターを使用することが出来ました。(車椅子はこの限りではありません。)

やや細い階段をあがると、2階のフロアでは、1950年代に草間が制作した、比較的小さなグワッシュの作品が、20点ほど展示されていました。いずれも「創作活動の出発点」(解説より)とされる、故郷の松本で描かれた作品で、時に微細なドットが、まるでネットのように広がっていました。


参考図版「我が永遠の魂」 *「草間彌生 わが永遠の魂」(2017年、国立新美術館)での展示風景。草間彌生美術館で撮影した写真ではありません。

続いて3階へ進むと、2012年以降、近年にまで描かれた最新の絵画シリーズ、「わが永遠の魂」が、計16点並んでいました。一昨年、国立新美術館で開催された個展でも大いに注目された作品で、120号の正方形の大きなキャンバスに、人の顔や目、それに動物などの具象的なモチーフと、抽象的なパターンを描きこんでいました。

実に色彩鮮やかであり、またモチーフも多様で、まるで絵自体が有機物としてうごめき、増殖を繰り返しているかのようでした。実にエネルギッシュで、常に旺盛に創造する草間の世界を、体感的に味わえるかもしれません。

4階はインスタレーション、「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」の展示スペースでした。


「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」 2017年

作品は1点のみで、おおよそ2分間の入れ替え制でした。暗室に入ると、黄色く光を放つかぼちゃが、小さなボックスに収められていて、鏡の効果により、無限にかぼちゃの広がる光景を見ることが出来ました。


「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」 2017年

言うまでもなく、草間にとってのかぼちゃは特別なモチーフであり、これまでも多くの作品にも登場して来ました。


「無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく」 2017年

かぼちゃは、まるで呼吸をするように、光の点滅を繰り返していました。その光景は美しいというよりも、神秘的で、いつしか無心で眺めては、写真を撮っている自分に気がつきました。


「ブラウジングルーム」(5階)

5階のブラウジングルームでは、草間の著書、ないし過去の展覧会のカタログを手にとって閲覧することが出来ました。


「Starry Pumpkin」 2015年

その奥へ抜けると、唯一の屋外展示スペースに、巨大なかぼちゃ、「Starry Pumpkin」が置かれていました。表面は、金色のモザイクが広がり、ピンク色の水玉で彩られていました。


「Starry Pumpkin」 2015年

ちょうどこの日は荒天であったため、かぼちゃにも雨がざんざんと降っていました。鑑賞スペースにこそ、屋根があるものの、かぼちゃの上には何もありません。また天候によっては、屋外展示室をクローズする場合もあるそうです。



エレベーターもトイレも水玉仕様でした。さすがに徹頭徹尾、草間仕様で作られています。

草間彌生美術館 公式オンラインチケット
http://www.e-tix.jp/yayoikusamamuseum/

最後に美術館に関する情報です。草間彌生美術館は、日時指定の予約・定員制です。当日券の販売は一切ありません。

木曜日から日曜日、および祝日の開館日のうち、1日4回、各90分、定員70名の入れ替え制になっています。私は、6月23日(土)の15時半から17時の回で観覧して来ました。



最大90分間ほどの鑑賞時間がありますが、ワンフロアは思いの外に狭く、作品自体も必ずしも多くはないため、60分もあれば十分に楽しめるかもしれません。

チケットの入手は容易とは言えません。定員を絞っているゆえに、発売後、土日を中心に、かなり早い段階で、予定枚数が終了してしまいます。既に、7月、8月分のチケットは全て完売しました。

原則、毎月1日、朝10時に、翌々月分のチケット販売が、オンラインで開始されます。9月は全館休館のため、次の展覧会がはじまるのは10月です。よって10月分のチケットの発売開始時間は、8月1日の朝10時です。お間違いのないようにご注意ください。



外国のお客さまが目立ちました。海外での草間の人気も現しているのか、実際に来館者の半数近くは外国人で占められているそうです。

1階と4階、5階の撮影が可能でした。2階と3階は出来ません。



8月31日まで開催されています。

「さあ、今、我が人生の最大の出発にきた」 草間彌生美術館
会期:4月1日(日)〜8月31日(金)
 *前期:4月1日(日)〜6月17日(日)、後期:6月21日(木)〜8月31日(金)
休館:月・火・水曜日。
時間:11:00~17:00
入場時間:11 : 00〜12:30、12 : 30〜14:00、14 : 00〜15:30、15 : 30〜17:00
 *全4回の完全入替制。 
 *各回の入場は入場時間後30分まで。
料金:一般1000円、小学・中学・高校生600円、未就学児無料。
住所:新宿区弁天町107
交通:都営大江戸線牛込柳町駅東口から徒歩約6分。東京メトロ東西線早稲田駅出口1から徒歩約7分。
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