都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」 資生堂ギャラリー
資生堂ギャラリー
「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」
3/6-3/29

資生堂ギャラリーで開催中の「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」を見てきました。

地下へ向かう階段途中、唐突にあるのは一本の止まり木です。何故にギャラリーにあるのでしょうか。そう漠然と思いながら、さらに先へと進んでみました。

するとメインのフロアもいつもと様子が異なっています。というのもまず受付のカウンターからして展示室内に設置されているのです。さらに傘立てやパンフレットや冊子類を置くラックの上にも、何やら「作品」が置かれていました。

また床面に散るのは色とりどりのスーパーボール。そしてともかく目立つのは材木、木の枝です。木製の台のようなものを支持体にして上へ上へとのびる。途中で組み合わされた枝の束は時に巣のようにも見えます。一部は傘立てにも差し込まれていました。

結論から言うと止まり木は鳥のためのもの。何と一羽のムクドリが放し飼いにされています。
1980年に宮城県で生まれ、東京造形大学大学院造形研究科の修士課程を修了した作家、狩野哲郎。「既製の様々な事物や自然物を本来の文脈から切り離し、新しい風景を生み出す」。(ギャラリーサイトより。一部改変。)いわゆる「ファウンド・オブジェクト」(解説シートより)を取り扱っているそうです。
「ファウンド・オブジェ」(現代美術用語辞典/artscape)
それにしても先に「作品」と書きましたが、ともかく多種多様な素材が用いられているのも興味深いところ。ガラスや陶器、電灯、カゴにポール、食器、はたまたリンゴなどの果物まであります。そしていずれも本来的な用途を思わせるようでいて、必ずしもそうではない。一体見ているものが、既製品のままのものなのか、作家の手によって生み出されたのか。その区別すら曖昧でもあります。

「鳥に限らず、動物たちはそれが自然物であるか人工物であるかの区別の前に、自分によってどういう価値があるのかの認識を日々行っているはずです。」(解説シートより)
それも作家の狙いの一つなのかもしれません。人間にとっては取るに足らないようなモノでも、鳥にとっては重要なアイテムでもある。どこか楽し気な風景に映るのも不思議なところです。まるで作品の一つ一つが遊具のようでもある。ムクドリのためのプレイパークとでも言えるかもしれません。

ただムクドリ、たまたま私の見た時間帯がそうだったのか、天井付近に止まっては動かず、全く降りてきません。人を警戒しているのかもしれませんが、何やら悠然と観客たちを見下ろしている。そうした印象も受けました。
えさや水の入ったお皿、それに鳥かごも置かれています。また当然ながら時々フンをするようです。係の方が頃を見計らって床に落ちたフンを掃除していました。

鳥を見て、鳥に見られる。有機体がインスタレーションに介入しては景色を変化させます。また機会を伺っては再度出向こうと思いました。
なお今年度の第9回アートエッグは本展で終了します。
審査員により選定される「shiseido art egg賞」は4月下旬にWEBサイト上で発表されるそうです。

【第9回 shiseido art egg 展示スケジュール】
川内理香子展 1月9日(金)~2月1日(日)
飯嶋桃代展 2月6日(金)~3月1日(日)
狩野哲郎展 3月6日(金)~3月29日(日)
3月29日まで開催されています。
「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」 資生堂ギャラリー
会期:2月6日(金)~3月1日(日)
休廊:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
注)写真は全て「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」会場風景。撮影が出来ました。
「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」
3/6-3/29

資生堂ギャラリーで開催中の「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」を見てきました。

地下へ向かう階段途中、唐突にあるのは一本の止まり木です。何故にギャラリーにあるのでしょうか。そう漠然と思いながら、さらに先へと進んでみました。

するとメインのフロアもいつもと様子が異なっています。というのもまず受付のカウンターからして展示室内に設置されているのです。さらに傘立てやパンフレットや冊子類を置くラックの上にも、何やら「作品」が置かれていました。

また床面に散るのは色とりどりのスーパーボール。そしてともかく目立つのは材木、木の枝です。木製の台のようなものを支持体にして上へ上へとのびる。途中で組み合わされた枝の束は時に巣のようにも見えます。一部は傘立てにも差し込まれていました。

結論から言うと止まり木は鳥のためのもの。何と一羽のムクドリが放し飼いにされています。
1980年に宮城県で生まれ、東京造形大学大学院造形研究科の修士課程を修了した作家、狩野哲郎。「既製の様々な事物や自然物を本来の文脈から切り離し、新しい風景を生み出す」。(ギャラリーサイトより。一部改変。)いわゆる「ファウンド・オブジェクト」(解説シートより)を取り扱っているそうです。
「ファウンド・オブジェ」(現代美術用語辞典/artscape)
それにしても先に「作品」と書きましたが、ともかく多種多様な素材が用いられているのも興味深いところ。ガラスや陶器、電灯、カゴにポール、食器、はたまたリンゴなどの果物まであります。そしていずれも本来的な用途を思わせるようでいて、必ずしもそうではない。一体見ているものが、既製品のままのものなのか、作家の手によって生み出されたのか。その区別すら曖昧でもあります。

「鳥に限らず、動物たちはそれが自然物であるか人工物であるかの区別の前に、自分によってどういう価値があるのかの認識を日々行っているはずです。」(解説シートより)
それも作家の狙いの一つなのかもしれません。人間にとっては取るに足らないようなモノでも、鳥にとっては重要なアイテムでもある。どこか楽し気な風景に映るのも不思議なところです。まるで作品の一つ一つが遊具のようでもある。ムクドリのためのプレイパークとでも言えるかもしれません。

ただムクドリ、たまたま私の見た時間帯がそうだったのか、天井付近に止まっては動かず、全く降りてきません。人を警戒しているのかもしれませんが、何やら悠然と観客たちを見下ろしている。そうした印象も受けました。
えさや水の入ったお皿、それに鳥かごも置かれています。また当然ながら時々フンをするようです。係の方が頃を見計らって床に落ちたフンを掃除していました。

鳥を見て、鳥に見られる。有機体がインスタレーションに介入しては景色を変化させます。また機会を伺っては再度出向こうと思いました。
なお今年度の第9回アートエッグは本展で終了します。
審査員により選定される「shiseido art egg賞」は4月下旬にWEBサイト上で発表されるそうです。

【第9回 shiseido art egg 展示スケジュール】
川内理香子展 1月9日(金)~2月1日(日)
飯嶋桃代展 2月6日(金)~3月1日(日)
狩野哲郎展 3月6日(金)~3月29日(日)
3月29日まで開催されています。
「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」 資生堂ギャラリー
会期:2月6日(金)~3月1日(日)
休廊:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
注)写真は全て「第9回 shiseido art egg 狩野哲郎展」会場風景。撮影が出来ました。
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「ルーヴル美術館展 日常を描く」 国立新美術館
国立新美術館
「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」
2/21~6/1

国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」のプレスプレビューに参加してきました。
フランスの誇る世界最大級の美術館ことルーブル美術館。いわゆる絵画をメインとした展覧会が東京で行われるのは、2009年の国立西洋美術館(17世紀ヨーロッパ絵画)以来のことです。
ずばり今回のテーマはタイトルの如く風俗画。17世紀中葉から19世紀中葉の西洋において、「写実的で、逸話的で、見慣れた光景を描く作品」(リリースより)、すなわち風俗画がどのように展開したのか。それを以下の6つのテーマから整理する内容となっています。
プロローグ1:「すでに、古代において…」風俗画の起源
プロローグ2:絵画のジャンル
第1章:「労働と日々」ー商人、働く人々、農民
第2章:日常生活の寓意ー風俗描写を超えて
第3章:雅なる情景ー日常生活における恋愛遊戯
第4章:日常生活における自然ー田園的・牧歌的風景と風俗的情景
第5章:室内の女性ー日常生活における女性
第6章:アトリエの芸術家
さてチラシも公式サイトも相当のフェルメール推し、確かに初来日となる「天文学者」は大きな見どころですが、何もフェルメールの言わば一点豪華主義の展覧会というわけではありません。

クエンティン・マセイス「両替商とその妻」 1514年 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
まずはクエンティン・マセイスです。作品は「両替商とその妻」。必ずしも画家は有名とは言えないかもしれませんが、絵は実に面白いもの。両替商の夫妻、夫は机上へ無造作に積まれた金貨を手にしてながら天秤で量っています。少し身を乗り出しながら見やるのが妻です。手元の本は祈祷書。にも関わらず、心は既にそこにありません。いわゆる高利貸しへの告発、ないしは人間の虚栄心への寓意を描いたとも言われています。
注目すべきは画中に夫妻以外の人物が描かれていることです。一目では見つからないかもしれません。まず分かりやすいのは手前の鏡、部屋の別の方にあるであろう窓の傍に一人の男がいることを確認出来ます。さらには後方です。書類や本、果物などの並ぶ棚の右手にはドアがある。そこにも何やら忙しげに話す二人の人物が描かれているのです。
いわゆる客でしょうか。私は図版でしか知りませんが、ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」を思い出しました。(実際にマセイスは手本にしたそうです。)鏡面やドアによって拡張する絵画空間、まるで謎解きのようでもありました。

マリヌス・ファン・レイメルスウァーレに基づく「徴税吏たち」 16世紀 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
また同じく硬貨をモチーフに取り込んだレイメルスウァーレ(に基づく)の「徴税吏」しかり、オスターデの「書斎で仕事をする商人」に「魚売りの舞台」、それに一号館での回顧展も懐かしいシャルダンの「買い物帰りの召使い」なども目を引きました。風俗画にはありとあらゆる職業が描かれている。そう捉えても差し支えないかもしれません。

右:ジャンドメニコ・ティエポロ「大道商人」、または「抜歯屋」 1754-1755年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
左:ヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」 1627年 油彩、カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
しかしながらその職業は現代と役割が必ずしも同じというわけではありません。ホントホルストの「抜歯屋」、当然ながら歯医者を想像してしまいますが、ここに描かれているのは何とえせ師です。何でも当時は医療行為と見なされず、街角ででたらめに抜歯する者がいたそうです。しかも痛みに耐える患者を見物する観客からスリを働こうとする人物の姿まで描かれています。端的に歯を抜くという行為が示された一枚に、何と不穏なドラマが隠されているのでしょうか。

ル・ナン兄弟「農民の食事」 1642年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
さて日常を描く風俗画、何も主題は労働に限りません。
上の構成にも示されるように、男女の恋愛から女性たちのプライベート、そして芸術家自身の創作活動なども描かれています。また一見、歴史画のようでも、風俗描写の際立つ作品や、先のマセイスの作品と同様、そこに寓意、象徴的な意味を託したものなど、実に多岐に渡ります。
うち私が印象深かったのは女性、第5章における「室内の女性」です。

右:フランソワ・ブーシェ「オダリスク」 1745年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
例えばブーシェの「オダリスク」です。イスラムの後宮の女性を描いたもの、いわゆる東方趣味に基づく作品ですが、ともかくは否応無しに大きく描かれた臀部を見ざるを得ません。ちょうど画面の真ん中です。顔よりも、そして裸体よりも、全てはまず臀部に集中しています。もはや甘い官能性云々を超えたフェティシズムすら感じさせる一枚、女性にも全く恥じらいがありません。一説ではブーシェの妻をモデルとしたとも考えられているそうです。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「鏡の前の女」 1515年頃 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
ティツィアーノの「鏡の前の女」も充実していました。ブロンドの長い髪を手で束ねては男の方を見やる女性。肩を露にした姿、左手を香水の瓶にのばしています。何やら女性に語りかけようとする男とは如何なる関係なのでしょうか。良く見ると両手で前後に鏡を持っています。前髪と後ろ髪、それを彼女に見せようとしているのかもしれません。
画家が本作を描いた頃、ヴェネツィアでは麗しき女性を描いた美人画が流行していたそうです。もちろんこの女性も美しい。肌は真っ白に輝いています。ただどこか力強くも見えないでしょうか。迫力ある作品でした。
フェルメールの「天文学者」は会場順路半ば、第2章の「日常生活の寓意」のセクションにありました。

ヨハネス・フェルメール「天文学者」 1668年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
いわゆるキャリアの後期、円熟期に制作された一枚、キャンバスに記されたサインの様子から、同じく男性を主役とする「地理学者」と一対を成す作品として描かれたとも言われています。
既に語り尽くされた感もある名作です。改めて一瞬の出来事を人物や事物のみならず、光や空気感までを切り取って描いた画家一流の表現力には大いに感心させられますが、やはり気になるのは、天球儀をはじめとした絵画上の言わば小道具です。
例えば背景にある絵画、何やら薄暗くてよく分かりませんが、これはモーゼの物語が描かれているそうです。そして手前の本は天文学の書、また白い物体は天体の角度を測る器械だとか。書に関しては既にオランダの学者の著作であることが分かっていて、何ページ目を開いているのかまで特定されているそうです。驚きました。
分厚いガウンは日本の上着とも言われています。手前の布地には画家特有の仄かな白いハイライトが書き込まれていますが、その数はかなり少ない。後期の様式を思わせるものがあります。

左:ピーテル・デ・ホーホ「酒を飲む女」 1658年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
なおフェルメールと同時代、デルフトやアムステルダムで活動したホーホの「酒を飲む女」など、17世紀オランダ風俗画がある程度展示されているのも嬉しいところです。

レンブラント・ハンメンスゾーン・ファン・レイン「聖家族、または指物師の家族」 1640年 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
構成はあくまでもテーマ別ということで、年代や地域毎の変遷を追いにくい面はありますが、ルーブルのコレクションで見る風俗画の面白さ。そもそもこれほどまとめて風俗画を見られる機会は滅多にありません。さすがに充足感はあります。出品は約80点です。(工芸7点含む)予想以上に粒ぞろいという印象を受けました。
さて知名度の高いルーブル美術館展、しかもフェルメールとあらば、人気が出ないはずもありません。
初日から盛況と聞きましたが、以降、かなり早い段階で混雑してくるのではないでしょうか。毎週金曜の夜間開館なども狙い目となりそうです。

「ルーヴル美術館展 日常を描く」会場風景
なお今回の主催の日本テレビとルーブル美術館は、2018年より4年に1度、全5回のルーブル美術館展を開催することで合意したそうです。(本展はそれに先立つ展覧会でもあります。)半ばシリーズ化するルーブル展。今後の展開にも期待出来るのではないでしょうか。
[ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 巡回予定]
京都市美術館:2015年6月16日(火)~9月27日(日)

「ジュニアガイド」が名探偵コナンでした。何故にコナンという気がしないではありませんが、国立新美術館のミニパンフレットなりジュニアガイドはいつもさり気なく出来が良いもの。今回も面白い切り口で案外楽しめます。一度、手にとってみては如何でしょうか。

「ルーヴル美術館展 日常を描く」会場入口
6月1日まで開催されています。
「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」 国立新美術館(@NACT_PR)
会期:2月21日(土)~6月1日(月)
休館:火曜日。但し5/5(火)、26(火)は開館。
時間:10:00~18:00
*毎週金曜日、及び5/23(土)、24(日)、30(土)、31(日)は20時まで開館。
*4/25(土)は22時まで開館。
料金:一般1600(1400)円、大学生1200(1000)円。高校生800(600)円。中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金
*3/18(水)~4/6(月)は高校生無料観覧日(要学生証)。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」
2/21~6/1

国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」のプレスプレビューに参加してきました。
フランスの誇る世界最大級の美術館ことルーブル美術館。いわゆる絵画をメインとした展覧会が東京で行われるのは、2009年の国立西洋美術館(17世紀ヨーロッパ絵画)以来のことです。
ずばり今回のテーマはタイトルの如く風俗画。17世紀中葉から19世紀中葉の西洋において、「写実的で、逸話的で、見慣れた光景を描く作品」(リリースより)、すなわち風俗画がどのように展開したのか。それを以下の6つのテーマから整理する内容となっています。
プロローグ1:「すでに、古代において…」風俗画の起源
プロローグ2:絵画のジャンル
第1章:「労働と日々」ー商人、働く人々、農民
第2章:日常生活の寓意ー風俗描写を超えて
第3章:雅なる情景ー日常生活における恋愛遊戯
第4章:日常生活における自然ー田園的・牧歌的風景と風俗的情景
第5章:室内の女性ー日常生活における女性
第6章:アトリエの芸術家
さてチラシも公式サイトも相当のフェルメール推し、確かに初来日となる「天文学者」は大きな見どころですが、何もフェルメールの言わば一点豪華主義の展覧会というわけではありません。

クエンティン・マセイス「両替商とその妻」 1514年 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
まずはクエンティン・マセイスです。作品は「両替商とその妻」。必ずしも画家は有名とは言えないかもしれませんが、絵は実に面白いもの。両替商の夫妻、夫は机上へ無造作に積まれた金貨を手にしてながら天秤で量っています。少し身を乗り出しながら見やるのが妻です。手元の本は祈祷書。にも関わらず、心は既にそこにありません。いわゆる高利貸しへの告発、ないしは人間の虚栄心への寓意を描いたとも言われています。
注目すべきは画中に夫妻以外の人物が描かれていることです。一目では見つからないかもしれません。まず分かりやすいのは手前の鏡、部屋の別の方にあるであろう窓の傍に一人の男がいることを確認出来ます。さらには後方です。書類や本、果物などの並ぶ棚の右手にはドアがある。そこにも何やら忙しげに話す二人の人物が描かれているのです。
いわゆる客でしょうか。私は図版でしか知りませんが、ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」を思い出しました。(実際にマセイスは手本にしたそうです。)鏡面やドアによって拡張する絵画空間、まるで謎解きのようでもありました。

マリヌス・ファン・レイメルスウァーレに基づく「徴税吏たち」 16世紀 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
また同じく硬貨をモチーフに取り込んだレイメルスウァーレ(に基づく)の「徴税吏」しかり、オスターデの「書斎で仕事をする商人」に「魚売りの舞台」、それに一号館での回顧展も懐かしいシャルダンの「買い物帰りの召使い」なども目を引きました。風俗画にはありとあらゆる職業が描かれている。そう捉えても差し支えないかもしれません。

右:ジャンドメニコ・ティエポロ「大道商人」、または「抜歯屋」 1754-1755年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
左:ヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」 1627年 油彩、カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
しかしながらその職業は現代と役割が必ずしも同じというわけではありません。ホントホルストの「抜歯屋」、当然ながら歯医者を想像してしまいますが、ここに描かれているのは何とえせ師です。何でも当時は医療行為と見なされず、街角ででたらめに抜歯する者がいたそうです。しかも痛みに耐える患者を見物する観客からスリを働こうとする人物の姿まで描かれています。端的に歯を抜くという行為が示された一枚に、何と不穏なドラマが隠されているのでしょうか。

ル・ナン兄弟「農民の食事」 1642年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
さて日常を描く風俗画、何も主題は労働に限りません。
上の構成にも示されるように、男女の恋愛から女性たちのプライベート、そして芸術家自身の創作活動なども描かれています。また一見、歴史画のようでも、風俗描写の際立つ作品や、先のマセイスの作品と同様、そこに寓意、象徴的な意味を託したものなど、実に多岐に渡ります。
うち私が印象深かったのは女性、第5章における「室内の女性」です。

右:フランソワ・ブーシェ「オダリスク」 1745年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
例えばブーシェの「オダリスク」です。イスラムの後宮の女性を描いたもの、いわゆる東方趣味に基づく作品ですが、ともかくは否応無しに大きく描かれた臀部を見ざるを得ません。ちょうど画面の真ん中です。顔よりも、そして裸体よりも、全てはまず臀部に集中しています。もはや甘い官能性云々を超えたフェティシズムすら感じさせる一枚、女性にも全く恥じらいがありません。一説ではブーシェの妻をモデルとしたとも考えられているそうです。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「鏡の前の女」 1515年頃 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
ティツィアーノの「鏡の前の女」も充実していました。ブロンドの長い髪を手で束ねては男の方を見やる女性。肩を露にした姿、左手を香水の瓶にのばしています。何やら女性に語りかけようとする男とは如何なる関係なのでしょうか。良く見ると両手で前後に鏡を持っています。前髪と後ろ髪、それを彼女に見せようとしているのかもしれません。
画家が本作を描いた頃、ヴェネツィアでは麗しき女性を描いた美人画が流行していたそうです。もちろんこの女性も美しい。肌は真っ白に輝いています。ただどこか力強くも見えないでしょうか。迫力ある作品でした。
フェルメールの「天文学者」は会場順路半ば、第2章の「日常生活の寓意」のセクションにありました。

ヨハネス・フェルメール「天文学者」 1668年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
いわゆるキャリアの後期、円熟期に制作された一枚、キャンバスに記されたサインの様子から、同じく男性を主役とする「地理学者」と一対を成す作品として描かれたとも言われています。
既に語り尽くされた感もある名作です。改めて一瞬の出来事を人物や事物のみならず、光や空気感までを切り取って描いた画家一流の表現力には大いに感心させられますが、やはり気になるのは、天球儀をはじめとした絵画上の言わば小道具です。
例えば背景にある絵画、何やら薄暗くてよく分かりませんが、これはモーゼの物語が描かれているそうです。そして手前の本は天文学の書、また白い物体は天体の角度を測る器械だとか。書に関しては既にオランダの学者の著作であることが分かっていて、何ページ目を開いているのかまで特定されているそうです。驚きました。
分厚いガウンは日本の上着とも言われています。手前の布地には画家特有の仄かな白いハイライトが書き込まれていますが、その数はかなり少ない。後期の様式を思わせるものがあります。

左:ピーテル・デ・ホーホ「酒を飲む女」 1658年 油彩/カンヴァス ルーブル美術館 絵画部門
なおフェルメールと同時代、デルフトやアムステルダムで活動したホーホの「酒を飲む女」など、17世紀オランダ風俗画がある程度展示されているのも嬉しいところです。

レンブラント・ハンメンスゾーン・ファン・レイン「聖家族、または指物師の家族」 1640年 油彩/板 ルーブル美術館 絵画部門
構成はあくまでもテーマ別ということで、年代や地域毎の変遷を追いにくい面はありますが、ルーブルのコレクションで見る風俗画の面白さ。そもそもこれほどまとめて風俗画を見られる機会は滅多にありません。さすがに充足感はあります。出品は約80点です。(工芸7点含む)予想以上に粒ぞろいという印象を受けました。
さて知名度の高いルーブル美術館展、しかもフェルメールとあらば、人気が出ないはずもありません。
初日から盛況と聞きましたが、以降、かなり早い段階で混雑してくるのではないでしょうか。毎週金曜の夜間開館なども狙い目となりそうです。

「ルーヴル美術館展 日常を描く」会場風景
なお今回の主催の日本テレビとルーブル美術館は、2018年より4年に1度、全5回のルーブル美術館展を開催することで合意したそうです。(本展はそれに先立つ展覧会でもあります。)半ばシリーズ化するルーブル展。今後の展開にも期待出来るのではないでしょうか。
[ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 巡回予定]
京都市美術館:2015年6月16日(火)~9月27日(日)

「ジュニアガイド」が名探偵コナンでした。何故にコナンという気がしないではありませんが、国立新美術館のミニパンフレットなりジュニアガイドはいつもさり気なく出来が良いもの。今回も面白い切り口で案外楽しめます。一度、手にとってみては如何でしょうか。

「ルーヴル美術館展 日常を描く」会場入口
6月1日まで開催されています。
「ルーヴル美術館展 日常を描くー風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」 国立新美術館(@NACT_PR)
会期:2月21日(土)~6月1日(月)
休館:火曜日。但し5/5(火)、26(火)は開館。
時間:10:00~18:00
*毎週金曜日、及び5/23(土)、24(日)、30(土)、31(日)は20時まで開館。
*4/25(土)は22時まで開館。
料金:一般1600(1400)円、大学生1200(1000)円。高校生800(600)円。中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金
*3/18(水)~4/6(月)は高校生無料観覧日(要学生証)。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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「円空・木喰展」 そごう美術館
そごう美術館
「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」
2/7-3/22

そごう美術館で開催中の「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」を見てきました。
江戸の異なる時代、ともに全国を渡り歩いて仏像や神像を彫り続けた円空(1632-1695)、そして木喰(1718-1810)。意外にも首都圏では初めて両者の彫像をまとめて紹介する展覧会です。
作品は円空仏90体、木喰80体ほど。初出の像のほか資料も含みます。かなりのボリュームがありました。(出品リスト)

円空「普賢菩薩」 円空美術館 岐阜県岐阜市
冒頭は円空です。三体の「十一面観音菩薩」が並びます。背の高い仏様、いずれも笑みを浮かべています。身体は平べったい。うち特に大きな菩薩像(津市真教寺)は飛鳥仏に似ているとの指摘もあるそうです。確かに笑みは神秘的でもある。十一面観音で天衣を垂らす唯一の作例と言われているそうです。
さて時に荒い鑿や鉈の跡を残す円空仏、中でも一際異彩を放つ作品がありました。それが「護法神」(志摩市少林寺)です。
キャプションに「抽象性」との言葉がありましたが、もはやそれすら超越しているのではないかと思うほどに謎めいてもいます。切り出した木の幹をそのまま立てたような姿は、もはや一体どのような像が彫られているのかすら分かりません。
「薬師如来/阿弥陀如来」(三重郡菰野町明福寺)も目を引きました。二つの如来が像の表と裏に彫られています。薬師は現世、阿弥陀は来世を示します。つまり両面仏です。すくっと立っていました。

円空「不動明王」 個人蔵 岐阜県関市
「不動三尊」から「不動明王」(日光市清瀧寺)も力強いのではないでしょうか。特に光背の火焔に迫力があります。朽木をそのまま利用して立体感を出しています。
円空は32歳頃に造像をはじめ、約30年間で12万体もの像を作ったと考えられています。現存するのは5386体ですが、北海道から四国、九州まで分布するものの、うち愛知に3000体、そして円空の生まれた岐阜に1600体余が残されているそうです。

木喰「十二神将」 西光寺 新潟県柏崎市
一方で60歳を過ぎてから仏像を制作したのが木喰です。93歳で亡くなるまで2000体余の像を作ります。うち約720体が今も残っています。(新潟282体、山梨89体の順。)
確認される唯一の普賢様です。それが「普賢菩薩」(諏訪郡富士見町法隆寺)。象の上にはまるでもみ手をするように手をあわす菩薩の姿が象られています。彫の跡でしょうか。木目のようなうねりが全身に刻まれています。
円空同様、地域の人々に信仰されてきた仏像、色々な意味で民衆に近しい存在であったことを伺い知れる作品がありました。例えば「秩父三十四所観音菩薩」と「自身像」(長岡市金毘羅堂)です。
というのも特に「自身像」の身体や顔の部分が相当に摩耗していますが、これは昔、何と子どもたちがお堂から出してソリとして遊んでいたからだとか。顔がすり減って完全にのっぺらぼうになっています。
また「薬師如来」(柏崎市個人蔵)のお堂にはたくさん小石が置かれていることで知られています。と言うのもその石で病気の患部を擦ると治癒するという謂れがあり、その後に礼として年齢分の小石を供える風習があるからだそうです。
最晩年、現存する最後の像である「阿弥陀如来」(諏訪郡下諏訪町慈雲寺)も胸を打ちます。いつもの笑みをたたえながらも、どこか達観した様を見せているかのような仏様。記録によればこの翌年、木喰は91歳まで仏像を彫っていたとも伝えられています。

木喰「子安観音菩薩(立木仏)」(部分) 光明寺 愛媛県四国中央市
円空と木喰、造形は時に対比的で、時代も異なり、木喰が円空仏を見たという確かな証拠も残されていません。
しかしながら両者の仏像や神像に見られる何とも言い難い親密さ。ともに市井の人々に親しまれた仏像です。愛おしいという言葉は相応しくないかもしれませんが、彼らの「微笑み」に囲まれていると、こちらも思わず笑みをこぼしてしまう。そのような展示でもありました。
立派な図録が販売されていました。図版はもちろん、論考や解説も充実しています。保存版になりそうです。
[円空・木喰展 巡回予定]
山梨県立博物館:3月28日(土)~5月18日(月)
松坂屋美術館:6月13日(土)~7月12日(日)
岡山県立美術館:7月17日(金)~8月23日(日)
作品の何割かは露出展示です。まさに目と鼻の先で仏像の魅力を味わうことが出来ました。
「円空と木喰ー微笑みの仏たち/ToBi selection/東京美術」
3月22日まで開催されています。
「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」 そごう美術館
会期:2月7日(土)~3月22日(日)
休館:そごう横浜店の休日に準じる。
時間:10:00~20:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:大人1000(800)円、大学・高校生800(600)円、中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階
交通:JR線横浜駅東口よりポルタ地下街通路にて徒歩5分。
「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」
2/7-3/22

そごう美術館で開催中の「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」を見てきました。
江戸の異なる時代、ともに全国を渡り歩いて仏像や神像を彫り続けた円空(1632-1695)、そして木喰(1718-1810)。意外にも首都圏では初めて両者の彫像をまとめて紹介する展覧会です。
作品は円空仏90体、木喰80体ほど。初出の像のほか資料も含みます。かなりのボリュームがありました。(出品リスト)

円空「普賢菩薩」 円空美術館 岐阜県岐阜市
冒頭は円空です。三体の「十一面観音菩薩」が並びます。背の高い仏様、いずれも笑みを浮かべています。身体は平べったい。うち特に大きな菩薩像(津市真教寺)は飛鳥仏に似ているとの指摘もあるそうです。確かに笑みは神秘的でもある。十一面観音で天衣を垂らす唯一の作例と言われているそうです。
さて時に荒い鑿や鉈の跡を残す円空仏、中でも一際異彩を放つ作品がありました。それが「護法神」(志摩市少林寺)です。
キャプションに「抽象性」との言葉がありましたが、もはやそれすら超越しているのではないかと思うほどに謎めいてもいます。切り出した木の幹をそのまま立てたような姿は、もはや一体どのような像が彫られているのかすら分かりません。
「薬師如来/阿弥陀如来」(三重郡菰野町明福寺)も目を引きました。二つの如来が像の表と裏に彫られています。薬師は現世、阿弥陀は来世を示します。つまり両面仏です。すくっと立っていました。

円空「不動明王」 個人蔵 岐阜県関市
「不動三尊」から「不動明王」(日光市清瀧寺)も力強いのではないでしょうか。特に光背の火焔に迫力があります。朽木をそのまま利用して立体感を出しています。
円空は32歳頃に造像をはじめ、約30年間で12万体もの像を作ったと考えられています。現存するのは5386体ですが、北海道から四国、九州まで分布するものの、うち愛知に3000体、そして円空の生まれた岐阜に1600体余が残されているそうです。

木喰「十二神将」 西光寺 新潟県柏崎市
一方で60歳を過ぎてから仏像を制作したのが木喰です。93歳で亡くなるまで2000体余の像を作ります。うち約720体が今も残っています。(新潟282体、山梨89体の順。)
確認される唯一の普賢様です。それが「普賢菩薩」(諏訪郡富士見町法隆寺)。象の上にはまるでもみ手をするように手をあわす菩薩の姿が象られています。彫の跡でしょうか。木目のようなうねりが全身に刻まれています。
円空同様、地域の人々に信仰されてきた仏像、色々な意味で民衆に近しい存在であったことを伺い知れる作品がありました。例えば「秩父三十四所観音菩薩」と「自身像」(長岡市金毘羅堂)です。
というのも特に「自身像」の身体や顔の部分が相当に摩耗していますが、これは昔、何と子どもたちがお堂から出してソリとして遊んでいたからだとか。顔がすり減って完全にのっぺらぼうになっています。
また「薬師如来」(柏崎市個人蔵)のお堂にはたくさん小石が置かれていることで知られています。と言うのもその石で病気の患部を擦ると治癒するという謂れがあり、その後に礼として年齢分の小石を供える風習があるからだそうです。
最晩年、現存する最後の像である「阿弥陀如来」(諏訪郡下諏訪町慈雲寺)も胸を打ちます。いつもの笑みをたたえながらも、どこか達観した様を見せているかのような仏様。記録によればこの翌年、木喰は91歳まで仏像を彫っていたとも伝えられています。

木喰「子安観音菩薩(立木仏)」(部分) 光明寺 愛媛県四国中央市
円空と木喰、造形は時に対比的で、時代も異なり、木喰が円空仏を見たという確かな証拠も残されていません。
しかしながら両者の仏像や神像に見られる何とも言い難い親密さ。ともに市井の人々に親しまれた仏像です。愛おしいという言葉は相応しくないかもしれませんが、彼らの「微笑み」に囲まれていると、こちらも思わず笑みをこぼしてしまう。そのような展示でもありました。
立派な図録が販売されていました。図版はもちろん、論考や解説も充実しています。保存版になりそうです。
[円空・木喰展 巡回予定]
山梨県立博物館:3月28日(土)~5月18日(月)
松坂屋美術館:6月13日(土)~7月12日(日)
岡山県立美術館:7月17日(金)~8月23日(日)
作品の何割かは露出展示です。まさに目と鼻の先で仏像の魅力を味わうことが出来ました。

3月22日まで開催されています。
「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」 そごう美術館
会期:2月7日(土)~3月22日(日)
休館:そごう横浜店の休日に準じる。
時間:10:00~20:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:大人1000(800)円、大学・高校生800(600)円、中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階
交通:JR線横浜駅東口よりポルタ地下街通路にて徒歩5分。
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「UENO WELCOME PASSPORT」が発売されます
いよいよ来週末、3月14日(土)に開業が迫った上野東京ライン。宇都宮線、及び高崎線が東海道線と相互直通運転を開始。またこれまで上野止まりだった常磐線が品川駅まで乗り入れるなど、首都圏、東京を南北に繋ぐ新しい路線が開通します。

その開業を記念した博物館と美術館の共通入場券です。「UENO WELCOME PASSPORT」が発売されます。
[共通入場券 UENO WELCOME PASSPORT]
販売および利用期間:2015年3月14日(土)~5月31日(日)
*限定30000部、売切次第販売終了
販売場所:各館の窓口及びエキュート上野、浅草文化観光センター 他
販売価格:1000円(税込)
利用対象館:東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館
「UENO WELCOME PASSPORT」が利用出来るのは上野公園にある3つの国立の博物館と美術館。つまり東京国立博物館と国立科学博物館、そして国立西洋美術館です。
「UENO WELCOME PASSPORT」@上野観光連盟公式サイト
対象はいずれも常設展(東博は総合文化展)です。3月14日(土)~5月31日(日)の期間中、それぞれの3館の常設展を各館1回限り観覧出来ます。
料金は税込み1000円です。各館の窓口、及びエキュート上野、浅草文化観光センターなどで購入することが出来ます。
ちなみに3館の常設の通常料金は、東博620円、科博620円、西美430円の計1660円。それをパスポートは1000円で入場可能です。端的に660円お得ということになります。

デザインにも注目です。少し凝っていて実際のパスポート風。赤い表紙の小冊子です。また中には入国審査を模したスタンプラリーのコーナーもあります。オリジナルプレゼントの特典も付いているそうです。

さらにパスポートを購入すると「上野双六名所絵」なる江戸双六を模した周遊マップもいただけます。こちらも楽しめるのではないでしょうか。
発売開始は開業日の3月14日(金)。利用期間は5月末日までと1ヶ月半あります。つまりお花見の時期やGW中も利用出来るわけです。そういえば東博では3月17日(火)より上野で一番ゆったり花見も出来る「博物館でお花見を」の企画も始まります。(4月12日まで)
「博物館でお花見を」@東京国立博物館
2015年3月17日(火) ~2015年4月12日(日)
パスポートは限定30000部です。先着順での販売。売切れ次第終了となります。
また上野では5月9日(土)~5月24日(日)の間、「国立博物館の日」を記念し、博物館や美術館をはじめ、周辺の13の施設や商店で様々なイベントを開催。その期間もパスポートの利用が出来ます。
「上野ミュージアムウィーク」 *追って情報が更新されると思います
2015年5月9日(土)~5月24日(日)
実は私、かつて常磐線のユーザーでした。その意味でも緑や青の電車が品川まで行く「上野東京ライン」の開業が待ち遠しいもの。出来れば当日は「上野東京ライン」に乗って上野駅へ向かい、パスポートを購入。その後は界隈の美術館へ繰り出そうと思っています。

今年の「博物館に初もうで」開催時の東京国立博物館
日本屈指の美術館・博物館の集積地である上野ですが、こうした共通パスポートの設定は、意外にも初めてだそうです。
東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館の共通入場券、「UENO WELCOME PASSPORT」は、3月14日(土)から発売されます。

その開業を記念した博物館と美術館の共通入場券です。「UENO WELCOME PASSPORT」が発売されます。
[共通入場券 UENO WELCOME PASSPORT]
販売および利用期間:2015年3月14日(土)~5月31日(日)
*限定30000部、売切次第販売終了
販売場所:各館の窓口及びエキュート上野、浅草文化観光センター 他
販売価格:1000円(税込)
利用対象館:東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館
「UENO WELCOME PASSPORT」が利用出来るのは上野公園にある3つの国立の博物館と美術館。つまり東京国立博物館と国立科学博物館、そして国立西洋美術館です。
「UENO WELCOME PASSPORT」@上野観光連盟公式サイト
対象はいずれも常設展(東博は総合文化展)です。3月14日(土)~5月31日(日)の期間中、それぞれの3館の常設展を各館1回限り観覧出来ます。
料金は税込み1000円です。各館の窓口、及びエキュート上野、浅草文化観光センターなどで購入することが出来ます。
ちなみに3館の常設の通常料金は、東博620円、科博620円、西美430円の計1660円。それをパスポートは1000円で入場可能です。端的に660円お得ということになります。

デザインにも注目です。少し凝っていて実際のパスポート風。赤い表紙の小冊子です。また中には入国審査を模したスタンプラリーのコーナーもあります。オリジナルプレゼントの特典も付いているそうです。

さらにパスポートを購入すると「上野双六名所絵」なる江戸双六を模した周遊マップもいただけます。こちらも楽しめるのではないでしょうか。
発売開始は開業日の3月14日(金)。利用期間は5月末日までと1ヶ月半あります。つまりお花見の時期やGW中も利用出来るわけです。そういえば東博では3月17日(火)より上野で一番ゆったり花見も出来る「博物館でお花見を」の企画も始まります。(4月12日まで)
「博物館でお花見を」@東京国立博物館
2015年3月17日(火) ~2015年4月12日(日)
パスポートは限定30000部です。先着順での販売。売切れ次第終了となります。
また上野では5月9日(土)~5月24日(日)の間、「国立博物館の日」を記念し、博物館や美術館をはじめ、周辺の13の施設や商店で様々なイベントを開催。その期間もパスポートの利用が出来ます。
「上野ミュージアムウィーク」 *追って情報が更新されると思います
2015年5月9日(土)~5月24日(日)
実は私、かつて常磐線のユーザーでした。その意味でも緑や青の電車が品川まで行く「上野東京ライン」の開業が待ち遠しいもの。出来れば当日は「上野東京ライン」に乗って上野駅へ向かい、パスポートを購入。その後は界隈の美術館へ繰り出そうと思っています。

今年の「博物館に初もうで」開催時の東京国立博物館
日本屈指の美術館・博物館の集積地である上野ですが、こうした共通パスポートの設定は、意外にも初めてだそうです。
東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館の共通入場券、「UENO WELCOME PASSPORT」は、3月14日(土)から発売されます。
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「ガブリエル・オロスコ展」 東京都現代美術館
東京都現代美術館
「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」
1/24-5/10

東京都現代美術館で開催中の「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」を見てきました。
この展覧会に関心を持つ切っ掛けは、今まさにアップしたチラシの図版、中でも上の車のイメージでした。
赤いクラシックカーでしょうか。左右のヘッドライトの間隔が随分と狭い。良く見るとハンドルが中央にあります。一人乗りなのかもしれません。とは言え、このように奇妙な車が世にあるのでしょうか。ひょっとするとミニチュアかもしれない。色々と漠然とした疑問が思い浮かびました。
ようは私自身、オロスコの名を知ったのも、作品を見たのも、この日が初めてだったわけです。
館内の撮影が出来ました。

「La DS カーネリアン」 2013年
結論から述べると実際の車でした。タイトルは「La DS」、車種はシトロエンです。しかしながら単純に車をそのまま展示しているわけではありません。オロスコの手が加わっています。つまり車を「三分割しては真ん中を取り除き、丁寧に貼り合わせた」(解説シートより)。言ってしまえば車の真ん中の部分が切り取られているのです。だからこそ幅が狭い。おそらく本来は4人乗りかもしれませんが、前後2人乗りの車に作り変えられています。

「La DS カーネリアン」 2013年
「オロスコは、路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり、それらにほんの少し介入してかたちを変えたりして作品に転換します。」 *オロスコ展WEBサイトより
1962年にメキシコで生まれたアーティスト、ガブリエル・オロスコ。近年ではMoMAやテートなどでも個展を開催。今回のMOTでの展示が日本で初めての個展だそうです。
「介入してかたちを変える」(*上サイト引用より)。それは丸石のシリーズも同様かもしれません。

丸石のシリーズ
木の台に置かれた丸石。一見、自然の石をそのまま重ねたようにも思えますが、実は石に一度、オロスコが幾何学的なパターンを描き、職人に彫らせる。それを再度行います。結果的にその作業を5回ほど繰り返したそうです。

丸石のシリーズ
自然の石へオロスコが介入し、そこに職人の手が加わる。元来の石へ生命が吹き込まれたかのようでもあります。その意味でも既成、あるいは自然のモノを「作品に転換」(*上サイト引用より)、再構築という言葉が相応しいのかもしれません。
卓球台を利用した作品がありました。ずばり「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」です。

「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」 1998年 金沢21世紀美術館
一面に広がる卓球台、しかしその姿はやはり普通ではありません。ご覧のように2台の卓球台が十字にクロスしています。言わば2ペアでも遊戯可能。そして中央には何と蓮池です。本物の水がはられていました。

「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」 1998年 金沢21世紀美術館
参加型ということで、実際にラケットを手にして遊べますが、これがすこぶる難しい。すぐにピンポンが池に落ちてしまうか、遠くへ飛ばそうと意識し過ぎては、台を大きく超えてしまいます。通常の卓球の技術だけではうまくいきません。

「アトミスト(原子論者たち)」 1996年
卓球台の向こうに見えるのが「アトミスト」と題された平面のコラージュです。新聞のスポーツ欄の写真を元にしています。スポーツ選手と無数の円が重なります。またピンポンの球と呼応しているのでしょうか。アトミストというタイトルは古代ギリシャ哲学者の「原子」、すなわちアトムについての議論から取られているそうです。

「ベンチレーター」 1997年
ほかにはオロスコがインド旅行で触発されて制作した「ベンチレーター」や、「サムライツリー」なる円をモチーフとした絵画などもあります。先のシトロエンのイメージからするとまた異なった作品ばかりですが、それもオロスコの制作なり関心の在り処が多方面に渡るゆえのことかもしれません。

「猫とスイカ」 1992年
私としては最初の展示室の写真の旧作が一番魅惑的に思えました。というのもここにはまさしく「何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見」(*上サイト引用より)が分かりやすい形であるからです。日常の風景の中に潜んだ意外性のある場面をオロスコが巧みに写真で切り取ります。赤瀬川原平の「路上観察活動」を彷彿させるような面白さがありました。

「島の中の島」 1993年
また一方で、オロスコが手を加えて何らかの事象を起こしているのも興味深いところです。また日常なのかトリックなのか。その辺の境界も曖昧になっています。
シトロエンの印象が強烈ではありますが、美術館では日本初となるオロスコの個展。なかなか全体像を掴むのは難しいのも事実でしたが、少なくともその多様な制作の一端を知ることが出来ました。
東京都現代美術館が3月18日に開館20周年を迎えます。
「3月18日(水)開館20周年記念特別企画のおしらせ」@東京都現代美術館
オロスコ展への提携企画はありませんが、当日は「MOTコレクション」(常設)が無料で見られるほか、20周年の記念ボールペンのプレゼントがあるそうです。
「過去の展覧会」@東京都現代美術館
記憶が定かではありませんが、私が最初にMOTへ行ったのは2002年のルイス・バラガン展のことだと思います。
以来、現在まで8割方の展覧会を見ているつもりですが、その中では横尾忠則、サムフランシス、田中一光、榎倉康二、イサム・ノグチ、大竹伸朗、川俣正、そしてデマンド展などが未だ強く印象に残っています。特にイザム・ノグチやデマンドは私の中でも一期一会となる素晴らしい展覧会でした。

東京都現代美術館内、菅木志雄作品
また近年のテーマ性を高めた常設の活動も目を引きます。さらなる次の10年、20年へ向けて現代美術館がどう展開するのか。これからも足繁く通いながら応援したいです。
「ガブリエル・オロスコ 内なる複数のサイクル/フィルムアート社」
5月10日まで開催されています。
「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」 東京都現代美術館(@MOT_art_museum)
会期:1月24日(土)~5月10日(日)
休館:月曜日。但し5/4は開館。5/7は休館。
時間:10:00~18:00。*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1100(880)円 、大学生・65歳以上800(640)円、中高生600(480)円、小学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可。「菅木志雄展」、「未見の星座展」との2、3展セット券あり。(観覧料一覧)
住所:江東区三好4-1-1
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩13分。
「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」
1/24-5/10

東京都現代美術館で開催中の「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」を見てきました。
この展覧会に関心を持つ切っ掛けは、今まさにアップしたチラシの図版、中でも上の車のイメージでした。
赤いクラシックカーでしょうか。左右のヘッドライトの間隔が随分と狭い。良く見るとハンドルが中央にあります。一人乗りなのかもしれません。とは言え、このように奇妙な車が世にあるのでしょうか。ひょっとするとミニチュアかもしれない。色々と漠然とした疑問が思い浮かびました。
ようは私自身、オロスコの名を知ったのも、作品を見たのも、この日が初めてだったわけです。
館内の撮影が出来ました。

「La DS カーネリアン」 2013年
結論から述べると実際の車でした。タイトルは「La DS」、車種はシトロエンです。しかしながら単純に車をそのまま展示しているわけではありません。オロスコの手が加わっています。つまり車を「三分割しては真ん中を取り除き、丁寧に貼り合わせた」(解説シートより)。言ってしまえば車の真ん中の部分が切り取られているのです。だからこそ幅が狭い。おそらく本来は4人乗りかもしれませんが、前後2人乗りの車に作り変えられています。

「La DS カーネリアン」 2013年
「オロスコは、路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり、それらにほんの少し介入してかたちを変えたりして作品に転換します。」 *オロスコ展WEBサイトより
1962年にメキシコで生まれたアーティスト、ガブリエル・オロスコ。近年ではMoMAやテートなどでも個展を開催。今回のMOTでの展示が日本で初めての個展だそうです。
「介入してかたちを変える」(*上サイト引用より)。それは丸石のシリーズも同様かもしれません。

丸石のシリーズ
木の台に置かれた丸石。一見、自然の石をそのまま重ねたようにも思えますが、実は石に一度、オロスコが幾何学的なパターンを描き、職人に彫らせる。それを再度行います。結果的にその作業を5回ほど繰り返したそうです。

丸石のシリーズ
自然の石へオロスコが介入し、そこに職人の手が加わる。元来の石へ生命が吹き込まれたかのようでもあります。その意味でも既成、あるいは自然のモノを「作品に転換」(*上サイト引用より)、再構築という言葉が相応しいのかもしれません。
卓球台を利用した作品がありました。ずばり「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」です。

「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」 1998年 金沢21世紀美術館
一面に広がる卓球台、しかしその姿はやはり普通ではありません。ご覧のように2台の卓球台が十字にクロスしています。言わば2ペアでも遊戯可能。そして中央には何と蓮池です。本物の水がはられていました。

「ピン=ポンド・テーブルーゲーム」 1998年 金沢21世紀美術館
参加型ということで、実際にラケットを手にして遊べますが、これがすこぶる難しい。すぐにピンポンが池に落ちてしまうか、遠くへ飛ばそうと意識し過ぎては、台を大きく超えてしまいます。通常の卓球の技術だけではうまくいきません。

「アトミスト(原子論者たち)」 1996年
卓球台の向こうに見えるのが「アトミスト」と題された平面のコラージュです。新聞のスポーツ欄の写真を元にしています。スポーツ選手と無数の円が重なります。またピンポンの球と呼応しているのでしょうか。アトミストというタイトルは古代ギリシャ哲学者の「原子」、すなわちアトムについての議論から取られているそうです。

「ベンチレーター」 1997年
ほかにはオロスコがインド旅行で触発されて制作した「ベンチレーター」や、「サムライツリー」なる円をモチーフとした絵画などもあります。先のシトロエンのイメージからするとまた異なった作品ばかりですが、それもオロスコの制作なり関心の在り処が多方面に渡るゆえのことかもしれません。

「猫とスイカ」 1992年
私としては最初の展示室の写真の旧作が一番魅惑的に思えました。というのもここにはまさしく「何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見」(*上サイト引用より)が分かりやすい形であるからです。日常の風景の中に潜んだ意外性のある場面をオロスコが巧みに写真で切り取ります。赤瀬川原平の「路上観察活動」を彷彿させるような面白さがありました。

「島の中の島」 1993年
また一方で、オロスコが手を加えて何らかの事象を起こしているのも興味深いところです。また日常なのかトリックなのか。その辺の境界も曖昧になっています。
シトロエンの印象が強烈ではありますが、美術館では日本初となるオロスコの個展。なかなか全体像を掴むのは難しいのも事実でしたが、少なくともその多様な制作の一端を知ることが出来ました。
東京都現代美術館が3月18日に開館20周年を迎えます。
「3月18日(水)開館20周年記念特別企画のおしらせ」@東京都現代美術館
オロスコ展への提携企画はありませんが、当日は「MOTコレクション」(常設)が無料で見られるほか、20周年の記念ボールペンのプレゼントがあるそうです。
「過去の展覧会」@東京都現代美術館
記憶が定かではありませんが、私が最初にMOTへ行ったのは2002年のルイス・バラガン展のことだと思います。
以来、現在まで8割方の展覧会を見ているつもりですが、その中では横尾忠則、サムフランシス、田中一光、榎倉康二、イサム・ノグチ、大竹伸朗、川俣正、そしてデマンド展などが未だ強く印象に残っています。特にイザム・ノグチやデマンドは私の中でも一期一会となる素晴らしい展覧会でした。

東京都現代美術館内、菅木志雄作品
また近年のテーマ性を高めた常設の活動も目を引きます。さらなる次の10年、20年へ向けて現代美術館がどう展開するのか。これからも足繁く通いながら応援したいです。

5月10日まで開催されています。
「ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル」 東京都現代美術館(@MOT_art_museum)
会期:1月24日(土)~5月10日(日)
休館:月曜日。但し5/4は開館。5/7は休館。
時間:10:00~18:00。*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1100(880)円 、大学生・65歳以上800(640)円、中高生600(480)円、小学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可。「菅木志雄展」、「未見の星座展」との2、3展セット券あり。(観覧料一覧)
住所:江東区三好4-1-1
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩13分。
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「未見の星座〈コンステレーション〉」 東京都現代美術館
東京都現代美術館
「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」
1/24-3/22

東京都現代美術館で開催中の「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」を見てきました。
この展覧会では、世界にばらまかれた点と点の「つながり」を発見し、新たな「星座」をつかまえようとする作家たちの試みを紹介します。*公式サイトより
作品や表現を通して、異なる場所や他者との関係などを問い直そうとする現代アーティストたち。出展は以下の7名でした。
[出品作家]
淺井裕介
伊藤久也
大凬のぶゆき
太田三郎
北川貴好
志村信裕
山本高之

太田三郎「バードネットー世界はつながっている」 2004年 撮影:岡部信幸
冒頭、いきなり星座でした。とは言え、何もプラネタリウムがあるわけではありません。切手です。太田三郎の「バードネット」は使用済の切手をバードネット、つまり防鳥用のネットで繋げたもの。切手がさも星座を描くように宙吊りになっています。切手が星、ネットの紐が星座の軌跡なのでしょうか。下から見上げると確かに星空を眺めているような気にさせられます。
美術館の内部へ潜入しました。北川貴好のインスタレーション、「境界を超え舟は巡回し、東京都現代美術館は現れる。」です。展示は回廊状です。観客は細い通路を進みます。両側には約50~60センチほどの木製の台がありました。水面を模しているのかもしれません。そして随所にはモニター。良く見ると、普段は入ることの出来ない美術館のバックヤードが映っています。

北川貴好「アカリノラウンジ 長者町の光」 2010年 (参考図版)
舟が館内の奥深くへと入りこむような映像が展開しました。まるで迷路です。次々とドアをあけては、中へ、さらに中へと進みます。まるで観客自身が舟の乗組員になっているかのようです。
ふと展示室を見やればサインシステムも記されていました。舟が巡る様は水路の街、木場という土地の記憶を手がかりにしたのだそうです。美術館の内部空間を展示室に現出させる仕掛け。現実の展示室とバーチャルの美術館内部、さらに土地の歴史や記憶が交差します。浅草のアサヒ・アートスクエアで見た「フロアランドスケープ」を思い出しました。探検隊になった気分を味わえるのではないでしょうか。
「北川貴好:フロアランドスケープ」 アサヒ・アートスクエア(はろるど)
志村信裕の2点の映像インスタレーションも感じ入るものがあります。

志村信裕「Dress」 2012年
「Dress」では天井からたくさんの細いリボンを吊るし、そこに映像を投影。まさに七色に光るカーテンです。眩しい光が展示室に満たされました。
一方「fountains」は床面での展開です。木の湯桶が置かれています。すると波打つ水の映像が現れました。また木漏れ日のような光も差し込みます。ちなみに「Dress」に映されたのは美術館の近辺、小名木川と隅田川が合流する地点の夕景だそうです。これらも昔は重要な水路として利用されていました。
湯桶もおそらくはかつて界隈に点在した銭湯のイメージを取り込んだものでしょう。北川同様、やはり美術館付近の水の歴史を組み入れています。清澄という土地の記憶に配慮しての作品、なかなか魅惑的でした。
ラストは泥絵でお馴染みの浅井裕介です。(浅井の展示室のみ撮影が出来ました。)

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
長さ20メートルはあるという展示室を埋め尽くしたのは実に多種多様な生き物の姿。常に変化して増殖するモチーフは一つとして同じものがありません。

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
素材は泥絵とあるように全て土です。しかもいずれも浅井自身が集めたという土、中には美術館の近隣の土も用いられているそうです。

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
魑魅魍魎、それでいてどこか可愛らしい生き物たちの響宴。まるで鳴き声や話し声が聞こえてくるかのように賑やかです。いつもながらに楽しめました。
なお今回は「地域とつながるプログラム」として、美術館外で作品や展示する取り組みもなされています。

開館20周年プログラム「地域とつながるプログラムマップ」
事前申込が必要なプロジェクトもありますが、伊藤久也や浅井裕介は深川資料館通りの商店で一部の展示を行っています。またスタンプラリー付きのプログラムマップも配布されていました。帰りは資料館通りを歩いてみるのも良さそうです。

「gift_lab GARAGE LOUNGE & EXHIBIT」
なお余談ですが、清澄白河駅近く、清洲橋通り沿いに「gift_lab GARAGE LOUNGE & EXHIBIT」がオープンしました。
建物は清洲寮1階、築80年の建物をリノベーションしたカフェ&ギャラリーです。
「デザインユニットgift_が清澄白河に新拠点 カフェ&ギャラリーショップをオープン」(Fashionsnap.com)
中は広くありませんが、ミニショップのほか、手軽にコーヒーや軽食などをいただけるスペースもありました。なお今後はライブやワークショップなども予定されているそうです。また立ち寄りたいと思います。

浅井裕介「あつまって はなれていく」 2015年
3月22日まで開催されています。
「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」 東京都現代美術館(@MOT_art_museum)
会期:1月24日(土)~3月22日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~18:00。*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1100(880)円 、大学生・65歳以上800(640)円、中高生600(480)円、小学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可。「菅木志雄展」、「ガブリエル・オロスコ展」との2、3展セット券あり。(観覧料一覧)
住所:江東区三好4-1-1
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩13分。
「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」
1/24-3/22

東京都現代美術館で開催中の「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」を見てきました。
この展覧会では、世界にばらまかれた点と点の「つながり」を発見し、新たな「星座」をつかまえようとする作家たちの試みを紹介します。*公式サイトより
作品や表現を通して、異なる場所や他者との関係などを問い直そうとする現代アーティストたち。出展は以下の7名でした。
[出品作家]
淺井裕介
伊藤久也
大凬のぶゆき
太田三郎
北川貴好
志村信裕
山本高之

太田三郎「バードネットー世界はつながっている」 2004年 撮影:岡部信幸
冒頭、いきなり星座でした。とは言え、何もプラネタリウムがあるわけではありません。切手です。太田三郎の「バードネット」は使用済の切手をバードネット、つまり防鳥用のネットで繋げたもの。切手がさも星座を描くように宙吊りになっています。切手が星、ネットの紐が星座の軌跡なのでしょうか。下から見上げると確かに星空を眺めているような気にさせられます。
美術館の内部へ潜入しました。北川貴好のインスタレーション、「境界を超え舟は巡回し、東京都現代美術館は現れる。」です。展示は回廊状です。観客は細い通路を進みます。両側には約50~60センチほどの木製の台がありました。水面を模しているのかもしれません。そして随所にはモニター。良く見ると、普段は入ることの出来ない美術館のバックヤードが映っています。

北川貴好「アカリノラウンジ 長者町の光」 2010年 (参考図版)
舟が館内の奥深くへと入りこむような映像が展開しました。まるで迷路です。次々とドアをあけては、中へ、さらに中へと進みます。まるで観客自身が舟の乗組員になっているかのようです。
ふと展示室を見やればサインシステムも記されていました。舟が巡る様は水路の街、木場という土地の記憶を手がかりにしたのだそうです。美術館の内部空間を展示室に現出させる仕掛け。現実の展示室とバーチャルの美術館内部、さらに土地の歴史や記憶が交差します。浅草のアサヒ・アートスクエアで見た「フロアランドスケープ」を思い出しました。探検隊になった気分を味わえるのではないでしょうか。
「北川貴好:フロアランドスケープ」 アサヒ・アートスクエア(はろるど)
志村信裕の2点の映像インスタレーションも感じ入るものがあります。

志村信裕「Dress」 2012年
「Dress」では天井からたくさんの細いリボンを吊るし、そこに映像を投影。まさに七色に光るカーテンです。眩しい光が展示室に満たされました。
一方「fountains」は床面での展開です。木の湯桶が置かれています。すると波打つ水の映像が現れました。また木漏れ日のような光も差し込みます。ちなみに「Dress」に映されたのは美術館の近辺、小名木川と隅田川が合流する地点の夕景だそうです。これらも昔は重要な水路として利用されていました。
湯桶もおそらくはかつて界隈に点在した銭湯のイメージを取り込んだものでしょう。北川同様、やはり美術館付近の水の歴史を組み入れています。清澄という土地の記憶に配慮しての作品、なかなか魅惑的でした。
ラストは泥絵でお馴染みの浅井裕介です。(浅井の展示室のみ撮影が出来ました。)

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
長さ20メートルはあるという展示室を埋め尽くしたのは実に多種多様な生き物の姿。常に変化して増殖するモチーフは一つとして同じものがありません。

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
素材は泥絵とあるように全て土です。しかもいずれも浅井自身が集めたという土、中には美術館の近隣の土も用いられているそうです。

浅井裕介「全ての場所に命が宿る」 2011/2015年
魑魅魍魎、それでいてどこか可愛らしい生き物たちの響宴。まるで鳴き声や話し声が聞こえてくるかのように賑やかです。いつもながらに楽しめました。
なお今回は「地域とつながるプログラム」として、美術館外で作品や展示する取り組みもなされています。

開館20周年プログラム「地域とつながるプログラムマップ」
事前申込が必要なプロジェクトもありますが、伊藤久也や浅井裕介は深川資料館通りの商店で一部の展示を行っています。またスタンプラリー付きのプログラムマップも配布されていました。帰りは資料館通りを歩いてみるのも良さそうです。

「gift_lab GARAGE LOUNGE & EXHIBIT」
なお余談ですが、清澄白河駅近く、清洲橋通り沿いに「gift_lab GARAGE LOUNGE & EXHIBIT」がオープンしました。
建物は清洲寮1階、築80年の建物をリノベーションしたカフェ&ギャラリーです。
「デザインユニットgift_が清澄白河に新拠点 カフェ&ギャラリーショップをオープン」(Fashionsnap.com)
中は広くありませんが、ミニショップのほか、手軽にコーヒーや軽食などをいただけるスペースもありました。なお今後はライブやワークショップなども予定されているそうです。また立ち寄りたいと思います。

浅井裕介「あつまって はなれていく」 2015年
3月22日まで開催されています。
「未見の星座〈コンステレーション〉ーつながり/発見のプラクティス」 東京都現代美術館(@MOT_art_museum)
会期:1月24日(土)~3月22日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~18:00。*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1100(880)円 、大学生・65歳以上800(640)円、中高生600(480)円、小学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可。「菅木志雄展」、「ガブリエル・オロスコ展」との2、3展セット券あり。(観覧料一覧)
住所:江東区三好4-1-1
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩13分。
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3月の展覧会・ギャラリーetc
3月中に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「スサノヲの到来ーいのち、いかり、いのり」 DIC川村記念美術館(~3/22)
・「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」 そごう美術館(~3/22)
・「没後50年 小杉放菴」 出光美術館(~3/29)
・「FACE展2015」 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(~3/29)
・「VOCA展2015」 上野の森美術館(3/14~3/30)
・「海老原喜之助展ーエスプリと情熱」 横須賀美術館(~4/5)
・「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」 東京都庭園美術館(~4/7)
・「第18回岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館(~4/12)
・「笑う美術」 茨城県近代美術館(~4/19)
・「動物絵画の250年」 府中市美術館(3/7~5/5)
・「大ニセモノ博覧会 贋造と模倣の文化史」 国立歴史民俗博物館(3/10~5/6)
・「日常事変」 川口市立アートギャラリー・アトリア(3/14~5/10)
・「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」 サントリー美術館(3/18~5/10)
・「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」 水戸芸術館(~5/17)
・「インドの仏 仏教美術の源流」 東京国立博物館(3/17~5/17)
・「富山県立近代美術館コレクションから ピカソと20世紀美術」 東京ステーションギャラリー(3/21~5/17)
・「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」 国立西洋美術館(3/3~5/31)
・「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」 横浜美術館(3/28~5/31)
・「大アマゾン展」 国立科学博物館(3/14~6/14)
・「ボッティチェリとルネサンス フィレンチェの富と美」 Bunkamura ザ・ミュージアム(3/21~6/28)
・「マグリット展」 国立新美術館(3/25~6/29)
ギャラリー
・「パランプセストー重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き vol.7 青野文昭」 ギャラリーαM(~3/14)
・「富田菜摘 平成浮世絵ー役者舞台之姿絵」(3/2~3/20)
・「渡辺豪」 ARATANIURANO(~3/28)
・「第9回シセイドウアートエッグ 狩野哲郎」 資生堂ギャラリー(3/6~3/29)
・「名和晃平」 SCAI THE BATHHOUSE(3/7~4/18)
・「ポーラミュージアムアネックス展2015」 POLA MUSEUM ANNEX(3/13~4/26)
さてもう間もなく春の展覧会シーズン、まず楽しみなのは「グエルチーノ展」です。

「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」@国立西洋美術館(3/3~5/31)
グエルチーノといえば西洋美術館の「ゴリアテの首を持つダヴィデ」。その迫力のある描写は目を引くところですが、ほかの作品については殆ど見る機会もありません。それを今回はイタリアのチェント市立絵画館で網羅します。その数40点です。もちろん国内では初めての回顧展でもあります。
私を含めてファン待望の個展です。横浜美術館で「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」が始まります。

「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」@横浜美術館(3/28~5/31)
いわゆる「ドローイング・アニメーション」という手法で映像を制作しつづける石田。私が初めて作家の作品を見知ったのはMOTの常設展でのことでした。
美術館では初の大規模な個展だそうです。まるで魔術の如く展開する線描は今回何を物語るのか。大いに期待したいと思います。
マグリット展の開催がいよいよ今月末に迫ってきました。

「マグリット展」@国立新美術館(3/25~6/29)
都内では13年ぶりとなる回顧展。世界各地の美術館よりマグリット作品が130点も集結します。
「マグリット展」 記者発表会(はろるど)
[お知らせ]
「みちのくの仏像」展のチケットが若干枚数手元にあります。先着順にてお一人様一枚ずつ差し上げます。ご希望の方は件名に「みちのくの仏像展チケット希望」、本文にフルネームでお名前とメールアドレスを明記の上、拙ブログアドレス harold1234アットマークgoo.jp までご連絡下さい。(アットマークの表記は@にお書き直し下さい。)なお迷惑メール対策のため、携帯電話のアドレスからはメールを受け付けておりません。ご了承下さい。
「みちのくの仏像」 東京国立博物館(はろるど)
それでは今月も宜しくお願い致します。
展覧会
・「スサノヲの到来ーいのち、いかり、いのり」 DIC川村記念美術館(~3/22)
・「微笑みに込められた祈り 円空・木喰展」 そごう美術館(~3/22)
・「没後50年 小杉放菴」 出光美術館(~3/29)
・「FACE展2015」 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(~3/29)
・「VOCA展2015」 上野の森美術館(3/14~3/30)
・「海老原喜之助展ーエスプリと情熱」 横須賀美術館(~4/5)
・「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」 東京都庭園美術館(~4/7)
・「第18回岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎美術館(~4/12)
・「笑う美術」 茨城県近代美術館(~4/19)
・「動物絵画の250年」 府中市美術館(3/7~5/5)
・「大ニセモノ博覧会 贋造と模倣の文化史」 国立歴史民俗博物館(3/10~5/6)
・「日常事変」 川口市立アートギャラリー・アトリア(3/14~5/10)
・「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」 サントリー美術館(3/18~5/10)
・「山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ」 水戸芸術館(~5/17)
・「インドの仏 仏教美術の源流」 東京国立博物館(3/17~5/17)
・「富山県立近代美術館コレクションから ピカソと20世紀美術」 東京ステーションギャラリー(3/21~5/17)
・「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」 国立西洋美術館(3/3~5/31)
・「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」 横浜美術館(3/28~5/31)
・「大アマゾン展」 国立科学博物館(3/14~6/14)
・「ボッティチェリとルネサンス フィレンチェの富と美」 Bunkamura ザ・ミュージアム(3/21~6/28)
・「マグリット展」 国立新美術館(3/25~6/29)
ギャラリー
・「パランプセストー重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き vol.7 青野文昭」 ギャラリーαM(~3/14)
・「富田菜摘 平成浮世絵ー役者舞台之姿絵」(3/2~3/20)
・「渡辺豪」 ARATANIURANO(~3/28)
・「第9回シセイドウアートエッグ 狩野哲郎」 資生堂ギャラリー(3/6~3/29)
・「名和晃平」 SCAI THE BATHHOUSE(3/7~4/18)
・「ポーラミュージアムアネックス展2015」 POLA MUSEUM ANNEX(3/13~4/26)
さてもう間もなく春の展覧会シーズン、まず楽しみなのは「グエルチーノ展」です。

「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」@国立西洋美術館(3/3~5/31)
グエルチーノといえば西洋美術館の「ゴリアテの首を持つダヴィデ」。その迫力のある描写は目を引くところですが、ほかの作品については殆ど見る機会もありません。それを今回はイタリアのチェント市立絵画館で網羅します。その数40点です。もちろん国内では初めての回顧展でもあります。
私を含めてファン待望の個展です。横浜美術館で「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」が始まります。

「石田尚志 渦まく光 Billowing Light」@横浜美術館(3/28~5/31)
いわゆる「ドローイング・アニメーション」という手法で映像を制作しつづける石田。私が初めて作家の作品を見知ったのはMOTの常設展でのことでした。
美術館では初の大規模な個展だそうです。まるで魔術の如く展開する線描は今回何を物語るのか。大いに期待したいと思います。
マグリット展の開催がいよいよ今月末に迫ってきました。

「マグリット展」@国立新美術館(3/25~6/29)
都内では13年ぶりとなる回顧展。世界各地の美術館よりマグリット作品が130点も集結します。
「マグリット展」 記者発表会(はろるど)
[お知らせ]
「みちのくの仏像」展のチケットが若干枚数手元にあります。先着順にてお一人様一枚ずつ差し上げます。ご希望の方は件名に「みちのくの仏像展チケット希望」、本文にフルネームでお名前とメールアドレスを明記の上、拙ブログアドレス harold1234アットマークgoo.jp までご連絡下さい。(アットマークの表記は@にお書き直し下さい。)なお迷惑メール対策のため、携帯電話のアドレスからはメールを受け付けておりません。ご了承下さい。
「みちのくの仏像」 東京国立博物館(はろるど)
それでは今月も宜しくお願い致します。
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