都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
定期講座「国宝 第4回 雪舟〜狩野派へ」が開催されます
[定期講座「国宝 第4回 雪舟〜狩野派へ」]
日時:6月30日(日) 13:30~15:30
会場:一ツ橋センタービル12階 千代田区一ツ橋2-4-6(小学館本社ビル裏)
講師:山下裕二先生
参加費:2500円
教材:ニッポンの国宝100「第17号 智積院 楓図・桜図/妙喜庵待庵」、第26号「室生寺/洛中洛外図 舟木本」付き
講座の概要は上記の通りです。美術史家で、明治学院大学教授の山下裕二先生をお迎えし、「雪舟〜狩野派へ」をテーマに講演いただきます。なお山下先生は、小学館の「ニッポンの国宝100」の監修も務められています。
[山下裕二先生プロフィール]
明治学院大学教授。1958年広島県生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学大学院修了。日本美術全般に関する研究、執筆、講演、展覧会プロデュースなどに携わる。著書に『室町絵画の残像』『岡本太郎宣言』、赤瀬川原平との共著に『日本美術応援団』など。小学館刊行『日本美術全集』(全20巻)の編集委員を務める。
会場は神保町駅近くの小学館本社ビル裏、一橋センタービルの12階です。参加費は一人当たり2500円で、事前申込制となります。定員は200名で、上限に達し次第、受付終了となります。
【神社仏閣めぐりの講座】 『各回200名限定!じっくりたっぷり学びが深まる 定期講座「国宝」 教材2冊付き!』(クラブツーリズム)

講演に際しては、小学館の「ニッポンの国宝100」の第17号「智積院 楓図・桜図/妙喜庵待庵」と、第26号「室生寺/洛中洛外図 舟木本」が無料で配布されます。

「週刊 ニッポンの国宝100」
http://www.shogakukan.co.jp/pr/kokuhou100/
国宝応援団twitter:https://twitter.com/kokuhou_project
国宝応援プロジェクトFBページ:https://www.facebook.com/kokuhouproject/
定期講座「国宝」は、既に「奈良の世界遺産 法隆寺・東大寺」(3月21日)、「京都 王朝文化の輝き~平等院と三十三間堂」(4月21日)、「東山御物の美~銀閣寺と紅白芙蓉図を中心に」(5月27日)と3回開催されてきました。講師はいずれも橋本麻里さんでした。
今回から山下先生にバトンタッチされたようです。以降も全6回を予定し、様々な国宝を題材にした講座を行っていきます。

山下裕二先生をお迎えしての「定期講座 国宝 第4回 雪舟〜狩野派へ」。前回と同様、「ニッポンの国宝100」が二冊ついての講座です。雪舟や狩野派に関しての、専門的でかつ楽しいお話を聞ける良い機会となりそうです。
講座の申し込みなどは下記リンク先をご参照下さい。
【神社仏閣めぐりの講座】 『各回200名限定!じっくりたっぷり学びが深まる 定期講座「国宝」 教材2冊付き!』(クラブツーリズム)
「週刊ニッポンの国宝100」(@kokuhou_project) 小学館
内容:国宝の至高の世界を旅する、全50巻。国宝とは「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」(文化財保護法)国宝を知ることは、日本美術を知ること。そして、まさに日本のこころを知る旅だともいえます。「週刊 ニッポンの国宝100」では、現在指定されている1108件の中からとくに意義深い100点を選び、毎号2点にスポットを当てその魅力を徹底的に分析します。
価格:創刊記念特別価格500円。2巻以降680円(ともに税込)。電子版は別価格。
仕様:A4変形型・オールカラー42ページ。
「長谷川利行展 七色の東京」 府中市美術館
「長谷川利行展 七色の東京」
5/19~7/8

府中市美術館で開催中の「長谷川利行展 七色の東京」を見てきました。
1891年に京都で生まれ、30歳にして上京し、二科展で評価されるも、定居がなく、簡易宿泊所などを転々とした画家、長谷川利行(1891〜1940)は、ほぼ一貫して東京の街や市井の人々の姿を描き続けました。
一例が「浅草停車場」で、たくさんの人で集う駅の構内を、素早く、うねるような筆触と、強い色彩で表していました。人々の姿は黒で描く一方、駅の中は、白、ないしグレーを基調としていて、柱や電灯には朱や緑などの多様な色彩が見られました。
「酒売場」は、同じく浅草の神谷バーの店内が舞台で、大勢の人々が酒を飲む光景を描いていました。天井は高く、階段などは赤い線で象られていて、特に柱の太く重ねた黒い線が目を引きました。店内には多数の色が混じっていて、人々の表情をはっきりと伺うことはできませんが、勢いのある筆や激しい色彩は、まるで酒場の喧騒を伝えているかのようでした。

「カフェ・パウリスタ」 1928年 東京国立近代美術館
ほぼ独学で絵をはじめた長谷川は、上京後、関東大震災に遭い、焼け跡をさまよいました。一時、京都へ戻るものの、数年して再び上京し、日暮里へ移りました。そして、多くの労働者の集う下町を絵に描き留め、靉光や麻生三郎とも交流し、二科展では樗牛賞を受賞しました。しかし、生活は荒れていて、毎夜に酒場やカフェに入り浸っては、酒を飲む日々が続きました。

「夏の遊園地」 1928年 個人蔵
「夏の遊園地」が魅惑的でした。舞台は荒川遊園地で、電柱や樹木の立ち並ぶ中、遊園地ののぼり旗がはためいていました。青く白い雲に覆われた空は明るく、建物の朱や茶色、樹木の緑、それに地面のオレンジや青などが、まさに七色に輝いていました。速描きの長谷川は、多くの作品を現場で制作していて、完成品を売り歩いては、宿代や飯代、それに酒代に替えていました。

「針金の上の少女」 1928年 個人蔵
人物も重要なモチーフでした。「針金の上の少女」は、浅草六区や三河島にあったサーカス小屋の少女をモデルとしていて、得意げに両手でポーズをとる姿を、ダイナミックに描いていました。絵具は厚く、まるでチューブから直接ひねり出したかのようでした。
「岸田国士像」は、二科展で好評を得た作品で、黒いスーツに身を包み、肩を落としては、何やら怪訝そうな表情で前を見据える岸田国士の姿を、やはり厚い絵具で表現していました。長谷川は、美術評論家である矢野文夫の紹介により、岸田の肖像を制作しました。しかし、何かと金をせびる長谷川に、岸田は辟易していて、ほかの仲間にも、絵を押し売りするような行為をしていたそうです。ただ一方で、誰にも好かれる性格だったとする証言も残されています。
その矢野文夫を描いた肖像も出展されていました。青を基調とした色彩の中、白い顔をした矢野の半身が朧げに浮かび上がっていて、人物と地の部分が半ば溶け合うような不思議な感触を見せていました。
近年に再発見された作品に目がとまりました。それが「水泳場」で、震災の復興事業として、隅田公園内に作られたプールで遊ぶ人の姿を描いていました。中央がプールで、右上のジャンプ台から飛び込む人の様子を、大勢の人々が見届けていました。プールの水は緑色を帯びていて、青い空にも緑が混じり、筆触しかり、自由な色彩感覚も伺えました。

「伊豆大島」 1937年 愛知県美術館(木村定三コレクション)
長谷川の理解者の1人に、画商の天城俊彦がいました。天城は新宿に画廊を構え、2年間の間に14回もの長谷川の個展を開催しました。さらに1937年には新宿の木賃宿へ引っ越させ、絵を描かせるなどして、長谷川の制作をサポートしました。また長谷川は、この年に先の矢野文夫と大島へ旅行に出かけ、島の風景を描きました。確かに孤高の画家と言われていますが、当然ながら全て一人で活動していたわけではありませんでした。
風景は「残像」(解説より)とも指摘されるように、いずれも捉え難く、色彩や線にのまれ、いつしか消えていくかのような錯覚に囚われるかもしれません。その意味では、まるで夢の中を覗き込むかのようでもあり、どこか刹那的でもありました。

「白い背景の人物」 1937年 個人蔵
「白い背景の人物」は、もはや幻夢的と言えるのではないでしょうか。人物とあるように、5人の人影の頭部こそ見えるものの、あとは全て白や水色の地に線が揺れるのみで、一体、何が描かれているのか判然としません。長谷川を「全く独特な線描の持ち主」(解説より)と評する言葉もあるそうですが、その最たる作品と呼べそうです。なお本作は展覧会の準備中に発見されました。

結果的に胃を患っていた長谷川は、1940年に路上で倒れ、その後、誰の看取りもなく、東京市養育院で亡くなりました。時に49歳のことでした。またスケッチなどの所持品も焼却されてしまいました。

「ノアノアの少女」 1937年 愛知県美術館(木村定三コレクション)
一見、荒々しい作品ながも、独特な哀愁も感じられ、女性などを描いた人物画からは、どこか画家のモデルに対する人懐っこい視点も思えなくはありません。風景と人物を通して、昭和初期の揺れ動く東京の息吹が、ひしひしと伝わってきました。

最後に展示替えの情報です。会期中、一部の作品が入れ替わります。
[長谷川利行展 七色の東京](出展リスト)
前期:5月19日(土)〜6月10日(日)
後期:6月12日(火)〜7月8日(日)
出品は計140点超にも及び、代表作はもちろん、小品やガラス絵なども網羅していて、不足はありませんでした。実に18年ぶりの大規模な回顧展でもあります。
[長谷川利行展 巡回スケジュール]
碧南市藤井達吉現代美術館:7月21日(土)~9月9日(日)
久留米市美術館:9月22日(土)~11月4日(日)
足利市立美術館:11月13日(火)~12月24日(月・祝)

7月8日まで開催されています。おすすめします。
「長谷川利行展 七色の東京」 府中市美術館
会期:5月19日(土)~7月8日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~17:00
*入館は閉館の30分前まで
料金:一般900(720)円、大学・高校生450(360)円、中学・小学生200(160)円。
*( )内は20名以上の団体料金。
*府中市内の小中学生は「学びのパスポート」で無料。
場所:府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
交通:京王線東府中駅から徒歩15分。京王線府中駅からちゅうバス(多磨町行き)「府中市美術館」下車。
「コーネリア・トムセン展〜Stripes and Structures II 」 加島美術
「コーネリア・トムセン展〜Stripes and Structures II 」
6/2~6/16

加島美術で開催中の「コーネリア・トムセン展〜Stripes and Structures II 」を見てきました。

「WS-Nr.31」 2014年
1970年に旧東ドイツのルドルシュタットに生まれ、マイセン窯の絵付師として働いたコーネリア・トムセンは、大学卒業後、画家としてデビューし、ニューヨークを拠点に活動して来ました。
そのトムセンの加島美術での2度目の個展が、「Stripes and Structures II 」で、近作を中心とした油彩画、水彩画、それに銅版を支持体にした作品が展示されていました。

「Stripes Nr.55+45+56」 2013年
トムセンの作品の特徴を端的にあげるとすれば、1にも2にもストライプにありました。ご覧のように、会場を飾るのは縦縞の絵画で、青を主に基調とした線が、実に密に引かれていました。線の太さは一定ではなく、まちまちで、よく見ると中には塗り残しの白、すなわち余白が用いられていることも分かりました。

「Stripes Nr.55+45+56」(部分) 2013年
一見、極めてミニマルで、無機質に映るかもしれませんが、線には極めて細微な揺らぎもあり、特に水彩に至っては、隣り合う色が混じっては、滲み出ているような箇所もありました。実際にトムセンは線を引く際、手を固定する自作の器具こそ用いるものの、全て自らの手で描いているそうです。

「Stripes Nr.41」 2012年
トムセンが作品に表現したのは、「自然や人為によって構築された景観」(解説より)でした。中でも最も海をモチーフとしていて、青は海から抽出した色だと語っていました。言い換えれば、海の青はトムセンの手を介して、抽象世界へと落とし込まれました。

「Stripes Nr.132」 2018年
「私は自身が触れてきた自然世界をそのまま描くのではなく、喚起しようとしているのです。」 コーネリア・トムセン
近年は、さらに多様な色を取り込んでいて、銅版の油彩画にも挑戦しています。そこでも塗り残しを用い、銅の色彩を作品に表していました。

「Stripes Nr.132」 2018年 ほか
色自体は濃く、強いものの、思いの外に薄塗りなのか、表面はほぼフラットと言っても差し支えありません。絵具の質感云々よりも、色の生むリズミカルなパターンに魅せられました。

マイセンの絵付師から画家へ転身し、自然を抽象に表現したコーネリア・トムセン。和室空間にも作品は良く映えて見えました。
6月2日(土)より「コーネーリア・トムセン展〜Stripies and StructuresⅡ〜」を開催します。ニューヨークで活躍中のアーティスト。日本で2回目の個展となる本展では、本邦初公開となる作品も含めて約30点の作品が展示されます。6月16日まで。入場無料です!詳細はこちら→ https://t.co/NuQLrLpDO7 pic.twitter.com/PHLR3STfbJ
— 加島美術 / Kashima Arts (@Kashima_Arts) 2018年5月25日
会期中無休です。6月16日まで開催されています。
「コーネリア・トムセン展〜Stripes and Structures II 」 加島美術(@Kashima_Arts)
会期:6月2日(土)~6月16日(土)
休館:会期中無休。
時間:10:00~18:00
料金:無料。
住所:中央区京橋3-3-2
交通:東京メトロ銀座線京橋駅出口3より徒歩1分。地下鉄有楽町線銀座一丁目駅出口7より徒歩2分。JR線東京駅八重洲南口より徒歩6分。
「藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」 目黒区美術館
「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」
4/14~6/10

目黒区美術館で開催中の「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」を見てきました。
日本からフランスへ渡り、エコール・ド・パリの代表的な画家として知られる藤田嗣治は、1920年以降、戦後にかけても数多くの挿絵本を制作しました。

「詩数篇」 1919年 ラ・ベル・エディション社
藤田の挿絵本のデビュー作は、1919年に描かれた「詩数篇」でした。早くも同じ年、サロン・ドートンヌに出展した6点が全て入選し、画家としての高い評価を得ていました。またこの頃のヨーロッパは、挿絵本の隆盛の時代で、「稀少性の高い挿絵本は愛書家らの収集の対象」(解説より)と化していました。結果的に1920年代に、藤田の挿絵本は30冊以上も出版されました。
その「詩数篇」も冒頭に出展されていました。作者はフランス文学者の小牧近江で、藤田とはパリで交友を持っていました。全16ページの作品で、藤田は12の挿絵を提供し、210部のエディションで制作されました。
「ポーゾル王の冒険」に目が引かれました。フランスの耽美派の詩人、ピエール・ルイスによる作品で、古代ギリシャの架空の国を舞台としていました。藤田は本作に、馬に乗る王や妖艶な女性など、28点の挿絵を描きました。
挿絵は木版に銅版を問いません。猫を背に自画像を示したのが、「スペードの犬」で、何やら得意気に頬へ指を当てては、ポーズを構える自身の姿を表していました。また小説家のジッドの批評や論文などを収録した「アンドレ・ジッド」では、険しい様子でやや横を向く小説家の姿を描いていました。
その名も「フジタ」は、初の本格的な作品集で、藤田は作品図版とともに、女性の肖像などの5点のエッチングを描きました。またキキの自伝である「キキ回顧録」では、マン・レイが表紙にキキの姿を写し、キスリングや藤田も絵を提供しました。あわせて藤田がキキの全身像を鉛筆で描いた、「裸婦(キキ・ド・モンパルナス)」も出展されていました。
1929年に刊行された「中毒に就いて」が力作でした。アヘンを題材とした作品で、著者のジュール・ボワシエールはインドシナへ渡り、同作を著しました。藤田は、中国風の服を着た男や、仏像の前にいる僧侶など、東洋的なモチーフの挿絵を描きましたが、実際に同地へ行ったことはありませんでした。既存の図版などを援用して制作したのかもしれません。
日本を題材とした挿絵もありました。その1つが「芸者のうた」で、座敷で唄う俗謡を、フランス語に翻訳していました。ここに藤田は三味線を弾く芸者など、28の挿絵を描きました。

「日本昔噺」 1923年 アベイユ・ドール社
「日本昔噺」は挿絵だけでなく、編集や翻訳も藤田が手がけました。元は、江戸後期から明治に刊行された菊池容斎の「前賢故実」で、古代から南北朝へと至る600名弱もの人物を時代を追って肖像化し、略伝を付けた作品でした。また、芭蕉と9名の俳人の句をフランス語に訳した、「芭蕉とその弟子のハイカイ」にも、藤田は挿絵を描きました。ともかくフランス時代の藤田は、人気を反映していたのか、実に旺盛に挿絵を制作していました。
1933年に帰国すると、日本でも挿絵の仕事を多数に引き受けました。初の国内でのエッセイ集として知られるのが、「巴里の横顔」で、パリでの風景や生活について記していました。なお本作では、執筆と挿絵の全てを藤田が務めました。
1935年には「婦人之友」の1年間の表紙を担当しました。フランスの1年を描いた作品で、ピレネーやノルマンディー、さらには雪のモンマルトルなどを色彩豊かに描きました。その一方で、当時の内閣情報部による国策グラフ誌、「写真週報」では、基地に爆撃機が並ぶ光景などを表していました。かの時代の状況もあるのか、戦時色の濃い作品も少なくありませんでした。

藤田嗣治「書簡(フランク・シャーマン宛て)1949年3月31日」 目黒区美術館
(旧シャーマン・コレクション)
戦後、1949年に日本を去った藤田は、一時、ニューヨークに滞在していたことがありました。その時の様子を伝える貴重な資料であるのが、GHQの民政官であり、コレクターでもあったフランク・シャーマンに宛てた書簡集でした。シャーマンは、先立つ1946年に画家を訪問し、交友を深め、渡米にも尽力した人物でもありました。
書簡には多数のスケッチとともに、日常の様子を記したテキストが付されていて、ニューヨークでの生活の光景を垣間見ることが出来ました。手紙だけに、かなりプライベートな記述で、中にはアイロンを購入したことや、フランス絵画のコレクションを観覧したこと、またメトロポリタン美術館で声をかけられたことなどが記されていました。
1950年に再び渡仏し、1955年にフランス国籍を取得したのちも、挿絵本の制作をやめることはありませんでした。ジャン・コクトの「海龍」は、戦前にコクトーが世界一周旅行に出た際、日本でのエピソードをまとめた作品で、そもそも藤田はコクトーの来日時に、ともに夜の歓楽街を歩いたり、相撲を観戦するなどして案内しました。そして戦後、出版された同作においても、25点の挿絵をつけました。ともかく流麗な線描が目を引く作品で、中でも和装の女性の黒髪の美しさには見惚れました。
アルベール・フルニエの小噺集、「しがない職業と少ない稼ぎ」も目立っていたかもしれません。子どもたちが床屋や仕立屋、それに左官に帽子職人など、パリの様々な職人を演じていて、藤田が晩年に多く取り上げたモチーフを挿絵に取り込んでいました。

なお目黒区美術館は、コレクションの形成に際し、シャーマンの旧蔵品をまとめて収蔵していたそうです。よって一部に、旧蔵品である、藤田の油彩や陶芸も出展されています。シャーマンと目黒の縁があってからこその、藤田展と言えるかもしれません。
今年、没後50周年を迎えた藤田嗣治に関しては、7月末より東京都美術館でも大規模な回顧展が予定されています。
「没後50年 藤田嗣治展」(東京都美術館)
会期:7月31日(火)~10月8日(月・祝)
http://foujita2018.jp
明日から目黒区美術館で始まる展覧会「没後50年 藤田嗣治 本のしごと」。戦前のフランスで発行された藤田の挿絵本、1930〜40年代の日本での出版物や、戦後フランス移住後の大型豪華本の挿絵など、藤田の本にまつわる仕事を多数紹介。友人に送った葉書や絵手紙なども出品されています。会期は6/10まで。 pic.twitter.com/7e8txw0l4D
— 美術の窓 (@bimado) 2018年4月13日
挿絵本や資料の数は膨大で、想像以上にボリュームのある展覧会でした。時間に余裕をもってお出かけ下さい。

間もなく会期末です。6月10日まで開催されています。なお目黒展終了後、ベルナール・ビュフェ美術館(6/23〜10/30)、および東京富士美術館(2019/1/19〜3/24)へと巡回します。
「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」 目黒区美術館(@mmatinside)
会期:4月14日(土)~6月10日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~18:00
*入館は17時半まで。
料金:一般1000(800)円、大高生・65歳以上800(600)円、小中生無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
住所:目黒区目黒2-4-36
交通:JR線、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線目黒駅より徒歩10分。
2018年6月に見たい展覧会~岡本神草・江戸の悪・エッシャー
5月の展覧会では、まず2人の画家の回顧展、高山辰雄と長谷川利行展が印象に残りました。また三井記念美術館の「大名茶人・松平不昧」も、不昧に関した茶道具をかなり網羅していて、実に見応えのある内容となっていました。畠山記念館でも不昧展が開催中(6/17まで)だけに、あわせて見ておきたいところかもしれません。
目黒区美術館の「藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」も充実していました。藤田が渡仏後から晩年至るまで手がけた挿絵を多く出展していて、ともかくジャンルも内容も多様でかつ幅広く、いかに藤田が器用な画家であるかを改めて知ったような気がしました。また油彩や陶芸の作品も一部に参照していて、挿絵を中心にした画業の展開も、時間を追って辿ることが出来ました。
既に終了したものの、東京国立博物館の「名作誕生ーつながる日本美術」の後期展示も、さすがの名品揃いで感心しました。会期末が迫っても、館内には余裕があり、なかなか東京で見る機会の少ない「風俗図屏風」も、じっくりと鑑賞することが出来ました。
6月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」 町田市立国際版画美術館(~6/17)
・「鈴木其一の四季花鳥図屏風と景徳鎮窯のちいさな五彩」 東京黎明アートルーム(~6/30)
・「ターナー 風景の詩」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~7/1)
・「夢二繚乱」 東京ステーションギャラリー(5/19~7/1)
・「風間サチコ展 ディスリンピア2680」 原爆の図丸木美術館(~7/8)
・「はじめての古美術鑑賞 漆の装飾と技法」 根津美術館(~7/8)
・「岡本神草の時代展」 千葉市美術館(~7/8)
・「内藤正敏 異界出現」 東京都写真美術館(~7/16)
・「うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界」 泉屋博古館分館(6/2~7/16)
・「人麿影供900年 歌仙と古筆」 出光美術館(6/16~7/22)
・「江戸の悪 PARTⅡ」 太田記念美術館(6/2~7/29)
・「ミラクル エッシャー展」 上野の森美術館(6/6~7/29)
・「生誕120年 中村忠二展」 練馬区立美術館(6/22~7/29)
・「大正モダーンズ~大正イマジュリィと東京モダンデザイン」 日比谷図書文化館(6/8~8/7)
・「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」 DIC川村記念美術館(~8/26)
・「名作展 ベストセレクション 龍子記念館の逸品」 大田区立龍子記念館(~8/26)
・「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」 原美術館(6/16~9/2)
・「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」 国立新美術館(~9/3)
・「悪人か、ヒーローか」 東洋文庫ミュージアム(6/6~9/5)
・「ゴードン・マッタ=クラーク展」 東京国立近代美術館(6/19~9/17)
・「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」 東京都庭園美術館(6/30~9/17)
・「ミケランジェロと理想の身体」 国立西洋美術館(6/19~9/24)
ギャラリー
・「output! artput!」 Shibamata FU-TEN Bed and Local(6/8~6/10)
・「コーネーリア・トムセン展」 加島美術(6/2~6/16)
・「近くへの遠回り―日本・キューバ現代美術展」 スパイラルガーデン(6/6~6/17)
・「青秀祐展」 eitoeiko(6/9~6/30)
・「第12回 shiseido art egg 冨安由真展」 資生堂ギャラリー(6/8~7/1)
・「田中里奈展」 アートフロントギャラリー(6/15~7/1)
・「八木夕菜 NOWHERE」 ポーラ・ミュージアム・アネックス(6/15~7/8)
・「土屋信子 30 Ways To Go To The Moon」 SCAI THE BATHHOUSE(~7/14)
・「今津景 Measuring Invisible Distance」 山本現代(6/9~7/14)
・「宮永愛子展 life」 ミヅマアートギャラリー(6/20~7/21)
・「絵と、 vol.2 藤城嘘」 ギャラリーαM(6/16~8/10)
・「ふるさとの駄菓子―石橋幸作が愛した味とかたち」 LIXILギャラリー(6/7~8/25)
表紙を飾る「口紅」も大変に目を引くのではないでしょうか。千葉市美術館にて、日本画家、岡本神草の回顧展が開催されます。

「岡本神草の時代展」@千葉市美術館(~7/8)
明治27年に神戸に生まれた岡本神草は、当初、新南画風の作品を手がけていましたが、大正の初期から舞妓などを夢二風に描き、その後、濃厚でかつ官能性を帯びた美人画などを制作しました。さらに、菊池契月に師事し、さらなる展開を見せようとしたものの、38歳の若さで急逝しました。
7/8まで開催の「岡本神草の時代展」、神草は完成作が少ないため下図や素描が多く出品されています。展覧会は若かりし頃の素描からはじまります。今の季節にぴったりの菖蒲は17歳頃に描かれたもの。大正期の神草の作品からは想像もつきませんが、この技術の確かさに後年の作品が支えられているのです。 pic.twitter.com/WO4COWFZ1c
— 千葉市美術館 (@ccma_jp) 2018年6月2日
その神草の大規模な回顧展です。そもそも活動期間が短く、残された完成作は決して多くありませんが、今回は現存する代表作を全て出品した上、素描や下図を参照し、神草の画業の全般を辿ります。またあわせて同時代に活動した、師の菊池契月をはじめ、甲斐庄楠音や福田平八郎などの京都画壇の作品も観するそうです。出展作も実に約170件に及びます。(一部に展示替えあり。)
なお展覧会は京都国立近代美術館からの巡回です。千葉市美術館が東日本唯一の会場でもあります。
6月は「悪」に注目です。太田記念美術館にて「江戸の悪 PARTⅡ」が行われます。

「江戸の悪 PARTⅡ」@太田記念美術館(6/2~7/29)
これは、今も昔も人々を「魅了」(チラシより)する「悪」を、江戸の浮世絵より紹介する展覧会で、盗賊や侠客、そして悪の権力者や妖術使いなど、多様に描かれた「悪」のイメージを紐解いていきます。2015年に開催されたPART1を、よりパワーアップした内容になるそうです。
オオカミの皮をかぶった高砂勇見之助。鬼滅の刃の伊之助のルーツであるかのような扮装です。合巻『児雷也豪傑譚』を題材とした歌舞伎の一場面。藤橋の上で主人公の児雷也、盗賊の夜叉五郎と三すくみになっています。原宿の太田記念美術館にて開催中の「江戸の悪 PARTⅡ」展にて6/27まで展示中。 #悪展 pic.twitter.com/pRpiBDvvza
— 太田記念美術館 (@ukiyoeota) 2018年6月3日
また6月は多分野連携展示として、「悪」をテーマとした展覧会が、都内各地の博物館や画廊で開催されます。それぞれの「悪」を巡り歩くのも面白いかもしれません。

多分野連携展示「悪」
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/special/2018/edonoaku/event.html
「悪人か、ヒーローか Villain or Hero」 東洋文庫ミュージアム(6/6~9/5)
「惡-まつろわぬ者たち」 國學院大學博物館(6/1~8/5)
「HN【悪・魔的】コレクション~evil devil」 ヴァニラ画廊(5/30~7/1)
「悪を演やる-舞台における悪の創造(仮)」 国立劇場伝統芸能情報館(6/2~9/24)
「悪を演やる-落語と講談」 国立演芸場演芸資料展示室(4/1~7/22)
夏にかけて最も人気を集める展覧会になるかもしれません。上野の森美術館で、20世紀の「奇想の版画家」(チラシより)、エッシャーの回顧展が開催されます。

「ミラクル エッシャー展」@上野の森美術館(6/6~7/29)
世界最大級のエッシャー・コレクションを誇るイスラエル博物館の作品で構成する展覧会で、科学、聖書、技法、人物といった8つのキーワードからエッシャーの作品の魅力を追いかけていきます。意外にも東京では、約12年ぶりの大規模なエッシャー展でもあります。
【who is escher?】1941年、エッシャー43歳。オランダのバールンに移転し晩年まで定住します。曇りや雨の多いバールンの気候はどうやら彼と相性がよかったようです。作品制作に没頭した結果、代表作の多くはここで制作されています。展覧会、まさに梅雨入りと共に開幕です。《ベルヴェデーレ》1958年 pic.twitter.com/pCjM6dCsrA
— ミラクル エッシャー展 (@escher_ten) 2018年5月31日
何かと地名度も高く、人気のあるエッシャーのことです。また美術館自体のキャパシティも小さいこともあり、早々から混み合う可能性も十分に考えられます。なるべく早い段階で行く予定です。
それでは少し遅くなりましたが、今月もどうぞ宜しくお願いします。
「JAGDA新人賞展2018 金井あき・花原正基・福澤卓馬」 クリエイションギャラリーG8
「JAGDA新人賞展2018 金井あき・花原正基・福澤卓馬」
5/24~6/26

1983年に創設され、若手のグラフィックデザイナーを表彰する「JAGDA新人賞」も、今年で36回目を迎えました。
2018年の新人賞を受賞したのは、金井あき、花原正基、福澤卓馬の3名でした。その各デザイナーの活動を紹介する展覧会が、銀座のクリエイションギャラリーG8で開催されています。

冒頭は、コクヨでショップのアートディレクションや、空間サイン計画を手がける金井あきでした。2014年には空間にメッセージを描く椅子「HELLO CHAIR」にて、コクヨデザインアワードの社内特別賞を受賞しました。

ライススタイルショップのパッケージ、「THINK OF THINGS」や、デザイン賞のツール「KOKUYO DESIGN AWARD」などが目を引くかもしれません。

続くのは、1979年に福岡で生まれ、資生堂の宣伝部に入社後、企業広告などのアートディレクションを行う花原正基でした。資生堂に関したポスターやパッケージ類などが、所狭しと展示されていました。

ラストが1981年に東京で生まれ、デザイン会社ドラフトで、自社ブランド「D-BROS」の商品開発を手がけながら、他の企業の広告のディレクションも行う福澤卓馬でした。

ここで目立っていたのは、キリンの生茶の体験施設「おちゃのいろは by namacha」のグラフィックでした。これは2017年の7月に、東京の明治神宮前に期間限定で開設されたお茶のミュージアムで、「知るとお茶は、楽しくなる。」をコンセプトに、お茶に関する様々なデモンストレーションが実施されました。

中ではインタラクティブにお茶を知るコーナーや、お茶の試飲、さらには生茶のサンプリングなどがなされたそうです。おおよそ1年近く営業したのち、今年の5月をもって閉館しました。

「JAGDA新人賞」の受賞式は、6月29日に新潟で開催される、「2018年度JAGDA通常総会会場」にて行われます。また新人賞展も、東京展終了後、大阪、新潟、熊本、愛知、滋賀へと巡回します。
#JAGDA新人賞展2018本展の開催に合わせて、特設サイトをご覧いただけます。展覧会概要や受賞者、会場で販売している作品を紹介しています。画面内を動くレンズの仕掛けにも注目です。https://t.co/7WceQzY5Q2#creationgalleryg8 pic.twitter.com/6gZczF2hp8
— クリエイションギャラリーG8 (@g8gallery) 2018年5月31日
入場は無料です。撮影も出来ました。6月26日まで開催されています。
「JAGDA新人賞展2018 金井あき・花原正基・福澤卓馬」 クリエイションギャラリーG8(@g8gallery)
会期:5月24日(木)~6月26日(火)
休館:日・祝日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
交通:JR線新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩3分。
「半蔵門ミュージアム」へ行ってきました

「半蔵門ミュージアム」
https://www.hanzomonmuseum.jp
同ミュージアムは、宗教法人真如苑の仏教美術品を公開するための施設で、今年の4月19日にオープンしました。

半蔵門の名が示すように、最寄駅は東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅でした。4番出口の階段を上がり、左へ折れると、すぐに入口がありました。まさに駅の真上でした。
ミュージアムはビルの地下1階から3階に位置していて、1階がエントランスとギャラリー、ついで地下1階に展示スペースがあり、2階にマルチルームとラウンジ、3階にシアターとホールがありました。1階と2階は階段で行き来可能で、ほかはエレベーターでの移動でした。

*エントランス(1階)
まず観覧に際し、受付にて入館証をいただく必要がありました。入館証を首にかけ、ロッカーに荷物を預け、エレベーターで地下1階へと向かいました。まだ新しいビルゆえか、全てが真新しく、清潔感に溢れていて、係の方も実に丁寧に接して下さいました。なお建築は、奈良国立博物館の「なら仏像館」の改修や、伊勢神宮の「せんぐう館」を手がけた、栗生総合計画事務所の栗生明氏が設計しました。

*地下1階展示室
「神聖な御堂をイメージ」(解説より)とする地下展示室は1室で、「ガンダーラの仏教美術」、「祈りの世界」、「特集展示 神護寺経と密教の美術」の順に展示が続いていました。薄暗がりの中、諸仏や美術品が照明により鮮やかに浮かび上がっていて、一部を除くと、ほぼ露出で展示されていました。
ガンダーラ仏は全部で8体並んでいて、ブッダの出家などの場面を3層のアーチ状に彫り起こした「出城」や、同じくブッタの瞑想する姿を表した「帝釈窟説法」などに魅せられました。後者では印を結ぶブッタとともに、孔雀や鹿などの小動物なども見られました。

*地下1階展示室
続くのが「祈りの世界」で、ハイライトとも言うべき、重要文化財の「大日如来坐像」が展示されていました。必ずしも運慶と確定していないものの、仏師の作の可能性が高く、力感漲る造形や、溌剌とした作風は、運慶作と同定された円成寺の「大日如来坐像」を連想させる面がありました。ちょうど、腰から背中のあたりに照明が当たっているからか、さも後光が差すかのように金色の光が滲み出していて、何度か目にした仏像ではあるものの、今までで最も美しく見えました。
「大日如来坐像」とあわせて、「祈りの世界」を構成していたのは、覚仙の「両界曼荼羅」と、醍醐寺の普門院の旧本尊として伝わる「不動明王坐像」でした。1706年の作である「両界曼荼羅」の色彩は美しく、大日如来の図像も細かに描かれていました。また「不動明王坐像」の迫力も、並々ならぬものが感じられました。

「紺紙金字一切経(神護寺経)仏説意経および経帙」 平安時代・12世紀
ラストが「特集展示 神護寺経と密教の美術」で、平安時代の「神護寺経」をはじめ、室町時代の「不動明王像」や「愛染明王像」、そして室町時代の「真言八祖像」などの6点の仏教絵画などが一堂に展示されていました。
また椅子式の牀座に座る弘法大師を写した「弘法大師像」も、堂々とした姿を見せていました。出展は全部で20件超ながらも、いずれも優品で、見応えは十分でした。
さて地下の展示室を鑑賞したのちは、エレベーターで2階へ上がり、マルチルームへと向かいました。ここでは「大日如来坐像」をはじめとした、主に運慶仏の納入品についての写真パネル展示が行われていて、各仏の内部を写したX線写真やスコープ画像を見ることが出来ました。またラウンジでは、日本美術に関する雑誌や書籍が用意されていて、手にとって閲覧することも可能でした。

*シアター(3階)
最後の3階のシアターでは、「大日如来坐像と運慶 祈りと美、そしてかたち」が上映中でした。おおよそ18分の映像で、日本への仏教の伝来を辿りつつ、運慶が「大日如来坐像」の造仏に際して用いた技法などを紹介していました。総じて解説もナレーションも分かりやすく、仏像への理解を深めるのにも相応しい内容と言えるのではないでしょうか。
シアターは完全入れ替え制で、原則、途中での入退場が出来ません。シアターの向かいに、控え室に当たるホールがあり、そこで待っていると、係の方が上映時間について案内して下さいます。
内観写真(*印)はパンフレットより引用しました。館内の撮影は一切出来ません。

なお「特集展示」に関しては3~4ヶ月に1回、内容が入れ替わります。次回は「信仰の絵画」(8/1~11/11)を予定しているそうです。一方で「大日如来坐像」は常設です。東京では唯一、運慶作とされる仏像を常に鑑賞出来るミュージアムでもあります。
明日開館の「半蔵門ミュージアム」。運慶作とされる《大日如来坐像》を中心に、真如苑が所蔵する仏教美術の数々が展示されます。『週刊ニッポンの国宝100』第30号でも密教美術をご紹介しましたが、曼荼羅や経典なども落ち着いた空間でゆったり鑑賞できます。なんと入場無料! #国宝100 pic.twitter.com/7L5jpNPYno
— 国宝応援団 (@kokuhou_project) 2018年4月18日
この内容で入場は無料です。シアターの鑑賞に際しても料金は一切かかりません。

「半蔵門ミュージアム」は、2018年4月19日にオープンしました。
「半蔵門ミュージアム」
休館:月・火曜日。
*月曜・火曜が、祝日や振替休日にあたる場合も休館。
*年末年始(12月29日~1月4日)。
*ほかに臨時休館日あり。
時間:10:00~17:30
*入館は17時まで。
料金:無料。
住所:千代田区一番町25
交通:東京メトロ半蔵門線半蔵門駅4番出口(地上1階)左すぐ。東京メトロ有楽町線麹町駅3番出口より徒歩5分。
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