成田からホノルルまで行き6.5時間、帰りは7.5時間。いずれも夕食?と軽食が出る。
UAのビジネスクラスの機内食をずらり。
行きの洋食
行きの和食
行きの朝食
帰りの洋食
この厚さ、ただし柔らかい。
帰りの和食
帰りの軽食
以上、ずらずら並べてみると、ブロイラー状態だったことが分かる。
長々とハワイ旅行報告、失礼しました。
次回からは通常通り、読書感想などをお送りします。
成田からホノルルまで行き6.5時間、帰りは7.5時間。いずれも夕食?と軽食が出る。
UAのビジネスクラスの機内食をずらり。
行きの洋食
行きの和食
行きの朝食
帰りの洋食
この厚さ、ただし柔らかい。
帰りの和食
帰りの軽食
以上、ずらずら並べてみると、ブロイラー状態だったことが分かる。
長々とハワイ旅行報告、失礼しました。
次回からは通常通り、読書感想などをお送りします。
宿泊したホテル。立派に見えるでしょう。
海だって見えます。
ベランダからで、パーシャル・オーシャンビューだけど。
スライス・オーシャンビューと言う方が良いかな。
ダイヤモンドヘッドも見え、ガーデンビューです。
トイレのドアを一杯開けたら、つまみが掴めなくなって、開けられなくなってしまった。
フロントに電話して、“Please send someone…” と言わねばとか、摘み出すって何というのだろうとか英作文を必死で 作っていると、
動いた!
一気に、難問解決。
突然ですが、ハワイで見かけた鳥をご紹介。
なんで鶏が公園を歩いているの?
別の公園だが、雄鶏もいるでよお~。
真似したくなるように、首を前後に振って歩く鳥。
派手な鳥も、
地味な鳥もいた。
次回(11)は機内食。ながなが続けたが、次回でハワイ旅行は最後。
ハワイでのお勧めのレストランを2軒ご紹介。
一つは、ロイヤル・ハワイアンセンタB館3階、HISの隣り、
うどん専門店の「Tsuru Ton Tan」
鶏うどん 13ドル
このデカ丼。
刺身セット 24ドル
豪華絢爛。
日本でも人気の店だそうだが、水を硬水から軟水に変える機器、出汁、器などを日本から持ち込んでいるという。
もう一つは、2310クヒオ通りの「MARUKAME丸亀うどん」。レアレアトロリー緑の5番「インターナショナル・マーケットプレイス」すぐ。
こちらでも人気店で、ランチ時はこの行列。
外人さんの方が多い。おっと失礼、私たちが外人でした。
入ると店内で、見せつけるように、製麺していた。
順番に並んで、温かい/冷たい、太い、並など麺を選び、受け取ってからトッピングを選ぶ。
ネギや揚げ玉はご自由に。
わたしは、温玉うどんに、マッシュルーム・アスパラの天ぷらと、コロッケをトッピング。
相方は、温玉うどんに海老天を追加。
合計16ドルと少しで、安くておいしくて、気楽。
ハワイに来たら何と言っても和食でしょう!
カリヒのnicos’s pier 38ニコス・ピア38でランチした。
オレンジのレアレアが店の前で止まる。
帰りの時、停留所の看板がないないと探したが、写真の右端の黒い棒がそうだった。
目の前が桟橋
レストランはこちら。
中は、フードコート風で気楽な雰囲気。
日本語メニューも用意されていたが、量がわからないので二人分でこれだけ。
マグロは美味しかったが、量が少なすぎた。
「ロコモコは?」とレジで聞いたら、隣りのフィッシュ・マーケットへ続く隣りへのドアを教えてくれた。
外からは緑の屋根のところから入る。
中には魚の切り身や、ロコモコが並ぶ。注文してレストランで食べることもできるようだ。
食事後、桟橋をブラブラ。
次回は、(9)ツルトンタン
新しくダウンタウンやカリヒに延びたオレンジのレアレア・トロリーは見どころを回る観光トロリーだ。
ロイヤル・ハワイアンセンタからアラモアナセンタを経て30分から40分間隔で周回する。
この日も快晴。
アラモアナセンタにはユニクロが出来ていた。
ワードシアターには、お土産を安く買えるスーパーのホールフーズマーケットがある。
ダウンタウンに入り、ハワイ州庁舎(イオラニ宮殿側)を通り、
アロハタワーを遠くに見て、
ビショップ・ミュージアム入口で止まる。
後から調べたら、ここいろいろあって、ここ結構楽しそう。
途中で見かけた工事監視の人。トロリーのガイドに女性によると、工事現場には必ず警官を配置しなけらばいけない規則があって、警官のいいアルバイトになっているという。時給1.2万円とはにわかに信じがたいが。
正月はにぎわうというハワイ出雲大社
街でところどころで見かけた自転車の駐輪場所。
カカアコには各所でウォールアートが。
次回は、(8)ニコスピア
半日観光の最後はパールハーバー。
前2回の旅行では避けていた場所だが、78年も前の真珠湾攻撃は歴史上の出来事として捉えようと考え、訪れることにした。
公園は入場無料だが、大きな荷物は持ち込めず、警戒は厳しい。各種パネルがずらりと並んでいる。
太平洋の要塞
嵐の前の平和
そして、突然の攻撃。
第二派攻撃
被害を受けた(沈没した?)船舶の紹介パネルが並ぶ
一例。沈没潜水艦USS Sealion (SS-195)
「絶対に忘れないぞ」との決意
“I will never forget. Radioman Therd Class Warren Verhoff, USS Keosanqua ”
米軍の魚雷。意外と大きい。
アリゾナの錨
戦艦ミズリー。船に乗って訪れることができる。
次回は、(7)ダウンタウン。
半日観光の後半、ホノルル空港近く、H1沿いにあるモアナルア・ガーデンに行った。ここには日立のCMで有名な「日立の樹」がある。日立製作所が金を出していたが、増額交渉がもめて、入園者から5ドルの入園料をとることになったという。
公園に何本もの同じ種類の木がある。
この木は、モンキーポッド(アメリカネムノキ)で、樹齢約30年、幅約40m、高さ25m。
木の下は涼しく日ざしが強く、日陰は涼しいハワイでは好まれる。
花も咲いていた。
駐車場の脇に、スクランブルエッグ・ツリー
前回のハワイ旅行報告で紹介したのだが、太陽が真上にくるので、例えば駐車場に置いたペットボトルの影がなくなる。これをLahaina Noon ラハイナ・ヌーンという。
今回も、駐車している車の影がほとんどないように見えた。
次回(6)はパールハーバー。
半日観光で主にオアフ島東海岸を巡る。
ハナウマベイは復旧工事か何かがあって崖の上からも見ることができないという。
前回のハワイ旅行でも環境保全のため、崖の上から見るだけだった。その前は、31年前の1988年、海中に立っている足を魚がつついていて、人に慣れきっている魚に驚いたものだった。
これが証拠写真????
むなしく、近くの駐車場でトイレ休憩
山の中腹も住宅が一杯。
崖が迫る。
すぐ近くの「ハロナ潮吹き穴」へ。
棒が立っているところなのだが、潮の具合か、潮吹かず。
31年前は確かに吹いていた。
眺めは良い。
ドライバーの人が言っていた。「(南東の)モロカイ島は見えることがあるが、ラナイ島(?)まで見えるのは珍しい」と。
マカプウビーチパーク??
どこで撮った写真だかわからなくなったので、ストリートビューで東海岸をたっぷりドライブして、ようやく見つけた「クアロア・リージョナル・パーク」
クアロア・ランチ(牧場)
馬に乗れます。
小さな恐竜が檻に入れられていた。銘板には、ジュラシック・バレーとある。
ここがジュラシックパークの撮影現場のひとつらしい。
次回(5)は、日立の樹
HISのLeaLea(レアレア)トロリーの各ルートの起点ともなっているロイヤル・ハワイアンセンタ。
東側の入口
中庭を上から見ると緑一杯。
2階の連絡通路から見上げると、
中にはショップが一杯。女性の連れにとっては危険地帯。
ハワイアンキルトのお店。日本人女性向けのカワイイ柄も多いが、お値段が!
派手だけでなくセンスの良い素敵な柄が多く、孫娘の顔がチラチラし、ここでついに捕まった。写真は柱の広告。
「Malie Kai」というチョコレートのお店。
オアフ島ノースショア産の稀少カカオチョコレート専門店。
包装、バッグなどカワイイ満載。
次回(4)は、オアフ島東海岸
カラカウア通り、ワイキキビーチのランドマーク、デュークカハナモク像。
オリンピック水泳の金メダリストで偉大なサーファー。
ハワイでおなじみの「ABCストアー」。ハワイ、グァムなどに70店以上あるという。
ワイキキでざっと数えると17店。お世話になっております。
店のおばさんによると、ここが本店だそうだ。
インターナショナル・マーケットプレイスに入ってみた。
建物の囲まれた巨樹。
右下のポーズをとる女性に気づきました?
若い人でも日本人にはとれないポーズ。
気付かれないよう、こっそりパチリ。
男の子の隠れ家風。店の2階から行くことができる。
それにしても、幹が見えない。
カラカウア通りに戻ると、クヒオ王子像。
ハワイ王朝の王子で後に米国議会のハワイ準州代表。
こんな人も車も多い通りの脇で、こんな大樹。
地中で根を伸ばすより、枝から根を下ろす方が大きくなれるのだろうか。
わたしの好きなモアナサーフライダー。
古いホテルなので、実際泊まるよりも外から眺めている方が良いと思う。
きっとあのブドウ、すっぱいに違いない。
次回(3)は、ロイヤル・ハワイアンセンタ
ハワイには前回が2011年7月だから約9年ぶり。
2019年5月6日、暇な年寄らしく10連休の最後の日に日本をたった。
このいかにも“外国な光景”。当たり前だけど。
お得意の手前の上に枝を配した構図。やりすぎだけど。
だいぶ歩いて、ようやくダイアモンドヘッドが見えて来た。
これぞワイキキ。若い女性が見当たらないけど。
邪魔なシェラトンワイキキ(?)
こんなところにわざとらしくボートをとめるなんて、わたしにはできない。恥ずかしくて??
次回はカラカウア通り
辻村深月著『傲慢と善良』(2019年3月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。
宣伝文句は以下。
婚約者が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる―。作家生活15周年&朝日新聞出版10周年記念作品。圧倒的な“恋愛”小説。
坂庭真実(まみ)は、ストーカーが先に自宅に入っている、助けて!と西澤架(かける)に電話するところから始まる。その電話を契機として真実は架の部屋で一緒に住むことになり、迷っていた架はようやく真実にプロポーズする。そして2か月ほどたったある日、家に帰ったらそこには真実は居なかった。
架けるは必死に探し続け、義母の坂庭陽子、姉の岩間希実(のぞみ)、大学の親友・大原に連絡するが手がかりがつかめない。
架は父が始めたイギリスの地ビールを扱う会社を、父の急死で33歳で引き継いだ。それから6年、なんとか仕事も順調にいっていた。モテ男の架は、せかされての結婚に踏み切れずに、結局恋人三井亜優子(アユ)に去られてしまった架は、いまだに引きづっていた。アプリで婚活しても、これまでの恋愛のような楽しさが感じられず、就活のように感じてしまい、結婚に踏み切れないでいた。そんな中、出会ったのが真実だった。
女友達に「あの子と結婚したい気持ち、今、何パーセント?」と聞かれ、架は「――七十パーセントくらいかな」と答えた。
結婚相談所の小野里が言う。
「(婚活がうまくいかない人は)皆さん、謙虚だし、自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。」
「(相手に対してよく言う)ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です。」
「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、“自分がない”ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」
初出:「週刊朝日」2017年3月3日号~2018年2月16日号
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
414ページという大部なわりに内容が薄い。前半の架が真実を探す下りもトロイのだが、真実の姿を消したあとの話も長い割にあまり意味がない。週刊誌の連載で読むのは良いが、単行本でまとめて読むとダルイ。
ミステリとしても、ラブストーリーとしても中途半端。
アラサーの男性の結婚に迷う気持ちや、婚活で判断に苦渋する男女の気持ちはよく書けている。
八つ当たりぎみだが、真実(まみ)と、架(かける)という名前はどうかと思う。「真実」は「じんじつ」と読み間違えるし、「架」は読みにくい。
内舘牧子著『男の不作法』(幻冬舎新書522、2018年11月30日幻冬舎発行)を読んだ。
裏表紙にはこうある。
本人はごく普通に取った行動が、他人を不愉快な気持ちにさせることがある。上司の前では低姿勢だが部下には横柄な男、忖度し過ぎて自分の意見をはっきりと言わない男、もはや自分の時代ではないのに後進に道を譲らない男など。それらは本人の価値を大きく下げる行為で、いつしか取り返しがつかない事態を招く。本書で紹介するのは、著者の経験や、多くの男女から聞き集めた不作法譚をもとに、知らないと致命傷になる男性ならではの不作法の数々。
『女の不作法』を同時刊行。
以下、30項目の男の不作法を切る
上に弱く下に強い/真面目をバカにする/時間を守らない/過剰に自慢話する/間接的に自慢する/ジジバカを垂れ流する/自分の意見を言わない/薀蓄(うんちく)を傾ける/公衆道徳を守らない/家族を守る覚悟がない/食べ方のマナーが悪い/過剰にプライドが高い/マザコンを隠さない/妻や恋人以外の女性をほめる/「〇〇に似てる」と言う/カッチリと割り勘にする/得意げに下ネタを言う/ダジャレを連発する/若い者に譲らない/プレゼントの意味をくめない/無記名で強くでる/空疎な言葉を並べる/「まずい」のタイミングをくめない/(笑)などを乱用する/「らしくなさ」を演出する/「事実をいってるだけ」/××じゃないからわからない/思い出話に燃える/ドレスコードを無視する/相手の地元を悪く言う。
30年近く経って「上に弱く下に強い」人は消えていない。中には人気を博している人もいる。どちらを取るか、不作法か、世間は勧善懲悪ばかりでないと覚悟するか、己が決めるしかない。
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?)(最大は五つ星)
実際にこんなひどい男がいるか?と思う例が並ぶ。年上の私が言うのもなんだが、著者は時代からずれかけている。例えば、今どきあからさまな自慢話を長々とする男性はほとんどいないだろう。はっきり言う人にズバッと言われておしまいになるのでは? 著者の住む社会では、それほどあからさまに押しが強くないと生き残れないのだろうか。
私も気を付けなければと思ったのは、「ジジババを垂れ流す」かな? 笑い話として孫の話しをすることがあるが、孫自慢に聞こえているのだろう。
「食べ方のマナーが悪い」で、「バイキングで皿一杯に、和洋中をテンコ盛りにする」は、やるかな。だって、3回に分けて取りに行くのは面倒だもの。このぐらい許して欲しい。
「カッチリと割り勘にする」も相手にもよるが、ありだと思う。無理に来てもらった場合でなければ、女性や年下の人におごるというのも、現代では微妙ではある
内館牧子(うちだて・まきこ)
1948年秋田県生まれ。脚本家。武蔵野美術大学卒業。東北大学大学院修士課程修了。
1993年第一回橋田賞、2011年モンテカルロ・テレビ祭で三冠を受賞。
2000年より女性初の横綱審議委員会審議委員に就任し、10年に任期満了により退任。
2011年4月東日本大震災復興構想会議委員に就任
著書『義務と演技』、『終わった人』、『すぐ死ぬんだから』、『女の不作法』、本書『男の不作法』など。
辻村深月著『噛みあわない会話と、ある過去について』(2018年6月12日講談社発行)を読んだ
何気なく話した日常の会話が、まったく気づかなかったのだが、相手にとっては厳しい刃物となっていて、大人になってからその事実を突きつけられるという薄気味悪い短編4編。
「講談社BOOK倶楽部」に「本屋大賞受賞後第一作!」との宣伝がある。
「ナベちゃんのヨメ」
大学時代、コーラス部で女子部員と仲が良く、女子の中でも違和感がなかった“男をかんじさせない男友達”ナベちゃん。女子に近かったが、男子としては遠くに思われてしまった。卒業して7年、その彼が結婚するという。「ナベちゃんの嫁がヤバいらしい――という噂が立つ。」。そして、部活仲間が集まった席で紹介されたナベちゃんの婚約者は、ふるまいも発言も、どこかズレていた。戸惑う私たちに追い打ちをかけたのは、ナベちゃんと婚約者の信じがたい頼み事で――?
「(ナベちゃんのことを女たちは、)仲のいい男友達、でも本当は恋愛がしたいということを知ってた、私はそれから目を背けてただけ」
「パッとしない子」
美術教師の美穂は、国民的アイドルグループの一員として有名人になった高輪佑(たすく)をかって教えていたことがある。佑がTV番組の収録で美穂の働く小学校を訪れる。事務員の前野に「その頃から輝いていました?」と聞かれて、美穂の記憶では「あの子、ぱっとしない子だったんだよね」と答える。ただ一つ、「運動会の入場門をまっ黒に塗ったらだめですか」と聞いてきた彼に、美穂は「いいよ」と答え、彼が笑顔になったのを覚えていた。久しぶりの再会で、佑は美穂にもっと話たいという。そして、その話は……。
「ママ・母」
27歳の私は、最初に赴任した小学校で親しくなったスミちゃん(住吉亜美)から引越しの手伝いを頼まれた。アルバムを見ながらスミちゃんの昔話を聞いていると、保護者会で出会った真面目で一生懸命な竜之介くんのお母さんの話になる。お母さんは「子どもにはちゃんと親は親、子どもは子ども、という考え方を早い段階からわからせてきました。……」と、自分は絶対正しいとばかり他の保護者のことを批判する。
スミちゃんは、その子育てが正解かどうかは、成長した子どもが大人になってから親の子育てを肯定できるかどうかで判断できると話はじめ、スミちゃんの母親の話に代わっていって……。不快な違和感が忍び寄り、不思議な現象が起きる。
「早穂とゆかり」
県内情報誌のライターをしている湯本早穂(さほ)は、塾を経営しカリスマ教育者としてTVのコメンテーターでもある小学校の同級生・日比野ゆかりに取材することになる。
メガネで暗く、運動神経もなく、友達もいなかったゆかりは子ども時代を秘密にしていると早穂は感じていた。たいして気にもしないでゆかりをいじめていた早穂と、そのことをしっかりと根に持っていたゆかり。ゆかりの復讐がじっくりと徹底的に始まる。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
静かに、当たり前だと思って日常を過ごしていたのに、突然昔の事実が持ち込まれ、徐々に陰険な復讐にさらされる。悪意と違和感、後味の悪い不気味さ満載。
楽しむために小説を読む私には、この類の話は落ち着かない。
私は悪口は言わないようにしているが、冗談で人をからかったことはあるし、そんなこと、しょっちゅうあるような気もする。また、過去たいして考えもせずふと口にしたことで、他の人を傷つけたことがこれまでの人生で何度もあったのだろう。大した意味もない軽い言葉が、相手に大きな傷を負わせた可能性はある。
でも、この話のように、私は相手から強い悪意を感じたことはない。私はそんなことあまり気にしない性なのかもしれないが。
この小説の中で、いじめられたと感じた相手側の言い分が、一方的な見方だと読み取れる部分もあり、あまりにっも強い悪意を相手に浴びせる態度にも、反感を持ってしまった。
著者自身が昔いじめられていたのではないかと推察しているが、その恨みを小説を書くことで晴らしている気もする。しかし、一方的ではなく、物事の両面を感じさせるように書かれているのは、さすが小説家。
幸田真音著『人工知能』(2019年3月4日PHP研究所発行)を読んだ。
本の宣伝文句は以下。
中学生の頃から悪さばかりしてきた、新谷凱。いつも行き当たりばったりの人生を送ってきた彼が、唯一興味を持てたもの―それは「人工知能」の世界だった。携帯電話会社でのアルバイトや電気機器メーカーでの企画開発などを経て、AIに携わる仕事に就いた凱。その企業で彼は、ある事件の捜査に協力することになる。その事件とは、自動運転技術が搭載された試験中の車が、人を轢いたというものだった…。人気経済小説家が描く、衝撃のサスペンス!
中学、高校と主人公の新谷凱(がい)は、賢也、浩史など悪ガキと遊びまくり、授業をさぼっていた。親に無理を言って私立の嘉永大学付属高校へ進んだ。凱は要領よく、複雑な機能をすぐマスターし、携帯電話の新規顧客開拓のアルバイトに精を出し、授業はさぼり勝ち。内申ゼロ点で継続大学へ推薦されず、ともかく入れる大学の理工学部情報科学科に学び、コンピューターや人工知能の授業に魅了された。
大学で、清楚で頭脳明晰だが口の悪い藤堂知花と知り合いになる。知花は政権与党の重鎮で大手企業創業者の直系子孫でもある藤堂彌之助の孫娘だった。凱は英語力不足を実感して1年間、カナダへ語学留学する。
大学を卒業し、老舗の電気機器メーカー「エッジ」に就職し、研究開発部門に配属。「しゃべる掃除機」を提案して開発プロジェクトを任され、同期の坂口と頑張っていた。しかし、会社は倒産状態となり、プロジェクトは中止され、地方の工場に飛ばされる凱は退社。
失意でなんのやる気もしない中、先端人工知能論の授業をしていた外池(とのいけ)客員教授が、3年前にベンチャー企業・ATMを立ち上げ、参加しないかと誘われた。
高度な技術を持つ繁崎、佐伯ゆかりなどのスタッフ、営業担当取締役の太田垣などが集まっていて、凱は喜んで参加する。
凱は得意のしぶとさであるプロジェクトを成功させた後、自動運転のプロジェクトに参加し、ここから本題が始まる。
試乗運転中の事故が引き続いて2社で起こる。2件とも被害者は担当の役人だった。凱は警察の特別チームに加わり、小杉などと自動運転ソフトの解析に加わる。
幸田真音(こうだ・まいん)
1951年生まれ。米国系銀行や証券会社で外国債券セールスなどを務める。
1995年『小説ヘッジファンド』で作家デビュー
2000年『曰本国債』(上下)がベストセラー
2014年『天祐なり、高橋是清・百年前の日本国債』で新田次郎文学賞受賞
その他、『日銀券』『代行返上』、『バイアウト』『マネー・ハッキング』『あなたの余命教えます』『CC : カーボンコピー』など
本書は、月刊『』の2016年1月号~2018年9月号『しぶといやつ』を改題、加筆・訂正した。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
467ページと大部の割には、スイスイ読めるのだが、内容が薄い。
前半は新谷凱がいかに悪ガキで気ままに好き勝手したかと、いざという時にはバカ力を発揮するしぶとさぶりが延々と描かれる。後半に繋がらない部分も多く、人口知能がメインならもっと簡単にして欲しかった。
後半は、人工知能を使った自動運転に伴うミステリー。しかし「人工知能」については、どこにでも書いてある程度の内容で、軽い。
題名は、人工知能よりも、新谷凱のしぶとさぶりをメインテーマとして全体をまとめ、雑誌連載時の題名「しぶといやつ」とした方が面白く読めるだろう。
自動運転には五つのレベルがある。
レベル0(通常の運転)
ドライバーだけが車をコントロールする。
レベル1(運転支援)
アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作の内、一つだけ自動運転システムが行う。例えば、自動ブレーキによる衝突回避、あるいは走行車線をはみ出さないようにハンドル自動制御。
レベル2(部分運転自動化)
アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作の内、複数を自動運転をシステムが行う。例えば、車線変更など。
レベル3(条件付運転自動化)
アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をのすべてを自動運転システムが行う。緊急時にはシステムの要請でドライバーが対応。
レベル4(高度運転自動化)
高速道路や日常使用道路など限定領域で、すべてを自動運転システムが行い、ドライバーは操作に関与しない。
レベル5(完全自動化)(最終目標)
限定領域がなく、あらゆる場面で。ドライバー(?)は操作に関与しない。