hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

米澤穂信『本と鍵の季節』を読む

2019年08月31日 | 読書2

 

米澤穂信著『本と鍵の季節』(2018年12月20日集英社発行)を読んだ。

 

集英社の宣伝サイトの内容紹介は以下。

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。

そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕! 

 

このサイトの「著者からのメッセージ」には米澤さんの(達筆でもなく、味のある字でもない)色紙がある。

 

「913」

高校2年の堀川次郎と同級生の松倉詩門が、3年生女子の元図書委員・浦上に頼まれて自宅のダイヤル式金庫の解錠番号を推理してほしいと頼まれる。おじいさんの遺した開かずの金庫だという。ヒントはおじいさんは彼女に「大人になったらわかる」と言ったことだけ。金庫のある部屋には本棚があった。

 

「ロックオンロッカー」

堀川と松倉は割引券につられて、美容室で連れ理髪する。ビニールバッグが渡され、店長は、「お荷物はロッカーにお預けください」、「貴重品は、必ず、お手元にお持ちください」と言った。なぜ、わざわざ?

 

「金曜日に彼は何をしたのか」

1年生の図書委員・植田登に頼まれて、既に何度か停学処分を受けている兄の昇(しょう)のアリバイ証明に挑戦する。学校の窓ガラスが割れていて、テスト問題を盗もうとしたに違いないと疑われているのだ。話そうとしない兄はその時間、どこに行っていたのか。

 

「ない本」

3年生の香田が自殺した。同じ3年生の長谷川が香田が最後に読んでいた本を探しに図書室に来た。香田は死ぬ何日か前に図書館の本を読んでいて、便箋みたいなものがそばにあったのを長谷川は見たという。

 

「昔話を聞かせておくれよ」
ある男の残した物の隠し場所を推理する。たどりたどって図書館の除籍本(リサイクル本)を見つける。

宝物が見つからないなら、それは楽しい昔話に興じたに過ぎない、‥‥しかしもし、万が一、本当にそれが見つかってしまったら? もう昔話では済まされない。

 

「友よ知るなかれ」

駐車場のほこりをかぶったバンは誰が駐車料を払い続けていたのか? ある男とは誰か? 解決編。

 

 

初出:「小説すばる」2012年1月号、~、2018年9,10月号。「友よ知るなかれ」は書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

ちょっと甘めの四つ星。

 

語り手(の堀川)が読者代表で、相方(の松倉)の名推理に感心しきりというホームズ物のような一般的な構成でなく、共に優れた探偵役という珍しい形。書きにくいのではと余計なことを考えてしまう。素直に人の言うことを受け止める堀川と、常に裏を考える松倉の考え方の違いで、それぞれの推理の違いを作っていく構成が珍しいが、多少差が少なく苦しい。
小説の主人公としては素直過ぎて面白味のない堀川に比べ、松倉は多少ひねくれたところがあり、アウトロー的で、面白味を醸し出している。というか、なんとか醸し出そうとしている。

この本のタイトル「本と鍵の季節」は、「本」と「鍵」が色々な所でキーになっているのだが、「季節」というのはぴんと来ない。ちなみに、表紙などにある英語でのタイトルは“The Book and The Key”。

 

 

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。金沢大学文学部卒業。
大学卒業後、2年間だけという約束で書店員をしながら執筆を続ける。
2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞受賞しデビュー。
2011年、『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞

2014年、『満願』で山本周五郎賞受賞

その他、『遠まわりする雛』、『さよなら妖精』、『春期限定いちごタルト事件』、『愚者のエンドロール』、『儚い羊たちの祝宴』、『王とサーカス』、『犬はどこだ』、『ボトルネック』、『インシミテル 』、『遠まわりする雛』、『ふたりの距離の概算』、など

 

 

振り仮名付きの難しい漢字

「雪冤」:せつえん。罪の無実を明らかにして、身の潔白を示すこと。

 

 

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菘(すずな)でランチ

2019年08月29日 | 食べ物

 

7月は珍しくディナーだったが、今回は、菘(すずな)でランチ。

 

土曜日のせいなのか、昼時はほぼ満員。別室の大テーブルも、隣の席もおば(あ)さんの絶間ない声。

 

私しは「天ぷら御膳」

 

天ぷらもあっさり、サクサクと揚がっていて、美味。陶器の蓋の中は白身魚などの煮物。

 

相方は、「菘御膳」 

 

二人で3千円と少々なら、「ランチいいじゃない!」

 

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野上祐『書かずに死ねるか』を読む

2019年08月27日 | 読書2

 

野上祐著『書かずに死ねるか 難治がんの記者がそれでも伝えたいこと』(2019年2月28日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

政治記者の著者は、43歳のとき、膵臓がんが見つかった。それは切除できなければ、1年後の生存率は10%以下ともいわれる「難治がん」の一つだ。 本書制作中の2018年12月末に亡くなるまで3年に及ぶ闘病中に見えた・考えた「患者」を取り巻く日々のことや政治への視点を記した連載コラムを書籍化。ウーマンラッシュアワー・村本大輔氏との対談、 漫画家・宮川サトシ氏による描き下ろし漫画、配偶者のコラムなども収録。

 

知り合いが検査をやると即断できなかったと知って。

検査を尽くしたのに早期発見できなかった人の無念さも知ってほしい。確かに、検査を尽くさない自由は、ある。だが大切な人を思ってもなお、その自由を使いますか。(2018年3月10日)

 

セーブしているが仕事も続けている配偶者、野上氏は普段から名前ではなくてこう呼んでいる、のコラム

…人工肛門にもだいぶ振り回されています。最初は痛々しくて見るのもつらかったですし、…本当に世話が焼ける存在だと思っていました。でも「Pちゃん」と名前をつけて世話を焼いているうちに、不思議なことにだんだんかわいく思えてくるんですよね。野上はそう思っていないみたいなんですけれど。

 

新聞記者としては命の重さに鈍いほうだったかもしれないという野上氏はいう。

その私が、がん患者になって実感したのが「戦争はいけない」ということだった。……

医療の現場では、生きようとする患者のために、実に多くの医療者が力を尽くしている。それだけに……。

 

ラジオから流れてきた。

「変えられることは変えましょう。変えられないことは受け入れる努力をしましょう」

膵臓がんと長く共存するのは期待できないし、切除できなかったから完全に治ることはない。多くのがん患者のように、「生きるか死ぬか」で悩んだり、再発をおそれたりするまでに至らない。その病状からどんな治療をして、限られた時間をどう使うのか、考えることはいくらでもある。自然と意識は「変えられること」に集中していった。

 

そして、参考文献などがならんだ最後にページにこうある。

著者の野上祐氏は、本書制作中の2018年12月28日に死去しました。

 

 

野上祐(のがみ・ゆう) 
1972年、東京都生まれ。96年に朝日新聞入社、仙台支局、沼津支局、名古屋本社・社会部、報道センターを経て東京本社・政治部に。その後、福島総局で次長(デスク)として働いていた2016年1月、膵臓がんの疑いを指摘され、翌月手術。闘病しながら執筆を続けていたが、2018年12月28日に死去。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

死に至る病の闘病記としては、暗くならずに書かれているのがすばらしい。最後まで記者魂を輝かせて亡くなった。

 

日記風なのでしかたないのだが、全体としてはまとまりがなく、苦痛が収まる間に書いたのだろ、話がぽんぽん飛ぶ。


配偶者のコラムがあまりにも淡々と、静かに書かれていて、より一層深く悲しみが伝わってきた。

目次

【第一章】 がんと私の2年10カ月

■漫画「野上くんと配偶者さん」1
■コラム 配偶者として 1

【第二章】 難治がん患者として生きる
■漫画「野上くんと配偶者さん」2
■コラム 配偶者として 2

【第三章】 がんが見せてくれた景色

■漫画「野上さんと配偶者さん」3
■コラム 配偶者として 3

【第四章】 それでも伝えたいこと
 ■コラム 配偶者として 4

ウーマンラッシュアワー村本大輔×野上祐対談 「言わずに死ねるか! 」

 

 

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荒川裕子『もっと知りたい ラファエル前派』を読む

2019年08月25日 | 読書2

 

荒川裕子『アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい ラファエル前派』(2019年3月30日東京美術発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

伝統的な西洋美術に対抗して生まれた新しい芸術「ラファエル前派」、その革新性と次世代への影響を平易に解説する入門書。図解や年表、ブックリストなども充実させる一方、作品を拡大してヴィジュアル的に見せ、画集としても楽しめる。

 

この本は、そもそも名前からしてわかりにくいラファエル前派の歴史、メンバーの絵画を紹介する大判のほぼ画集だ。

ウィキペディアの「ラファエル前派」項にはこうある。

ラファエル前派(ラファエルぜんぱ、Pre-Raphaelite Brotherhood)は、19世紀の中頃、ヴィクトリア朝のイギリスで活動した美術家・批評家(また時に、彼らは詩も書いた)から成るグループである。19世紀後半の西洋美術において、印象派とならぶ一大運動であった象徴主義美術の先駆と考えられている。

 

良く知っていた作者と作品

ジョン・エヴァレット・ミレイ:「オフィーリア」、

ダンテ・ガブリエル・ロセッテティ:「受胎告知」、「白日夢」(ジェインがモデル)、「ベアタ・ベアトリクス」(シダルがモデル)

ウィリアム・モリス:「美しきイズー」(まもなく結婚するジェーンがモデル、「モダンデザインの父」と呼ばれ彼の唯一のイーゼル画)

ウィリアム・ホルマン・ハント:「良心の目覚め」「雇われ羊飼い」(モデルのアニー・ミラーを巡りロセッティと確執)

エドワード・バーン=ジョーンズ:「黄金の階段」

ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス:「ヒュラスとニンフたち」

 

 

荒川裕子(あらかわ・ひろこ)
神奈川県藤沢市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。

法政大学キャリアデザイン学部教授。専門はロマン主義からヴィクトリア朝までを中心とするイギリス美術史。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

解ったようでよく解らないラファエル前派を、絵画への考え方、その変遷、個々人の違いなど説明があり、解り易く、部分クローズアップなどによる絵画解説も具体的だ。

 

理論的指導者ラスキンが詳細な自然描写を求めたので、ロセッティ以外のラファエル前派のメンバーは、草花などはやたら細密な描写で、遠景まで詳細に描きこむ手法をとる。私には奇異な感じさえする。

 

中心人物のロセッティが詩人でもあり、絵画に物語性が色濃く刻まれている。その上、モデルを巡るメンバー間のどす黒いスキャンダルもあって、その絵画は下世話な興味をそそる。

 

私は従来から物語性のあるラファエル前派が好きで、なかでも特にロセッティに惹かれていた。というか、正直言えば、妻シダルと、ロセッティの弟子・ウィリアム・モリスと結婚したジェーンとの三角関係が気になり、それを頭に置いて、ロセッティの絵を眺めると、複雑な思いのたけが絵から浮かび上がってくるのだ。

 

シダルはロセッティの代表作『ベアタ・ベアトリクス』(シダルの死を悼んで描いた)や、ミレーの代表作『オフィーリア』(川に横たわり流れていく女性の精密な絵で、樹木希林が扮した絵を見たことがある)や、ハントのモデルも務めた女性。

ロセッティは、人妻となってしまったジェーンに対しても思いが強く度々モデルとした。病弱で神経質なシダルはこれを悩み、女児の死産のあって結婚2年目に薬で自殺した。それでもロセッティは絵画制作を続けて評判を得たが、人妻への思慕と妻への罪悪感にさいなまれて心身を病み、晩年は酒と薬に溺れた。うーん! 背徳の蜜が絵画にあやしいきらめきをいやます。

 

 

 

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江国香織『神様のボート』を読む

2019年08月23日 | 読書2

 

江国香織著『神様のボート』(新潮文庫え10-9、2002年7月1日新潮社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子"。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの"“神様のボートにのってしまったから"――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。

 

野島葉子:桃井先生と婚姻6年目、離婚を切り出すと桃井先生からの唯一の条件は「東京から出ていくこと」。「あのひと」と出会い、恋に落ち、草子を産む。「あのひと」が消えた後、葉子は桃井先生と別れて幼い草子と東京を離れ、「あのひと」が見つけてくれることを期待して放浪の旅に出る。

 桃井先生:葉子の元夫。音大の主任教授で葉子が卒業してすぐに結婚。身体的接触は手を繋ぐだけだった。

 あのひと:草子のパパ。葉子とダブル不倫していたが、借金で姿を消した。そのとき、「必ず戻ってくる。そして必ず葉子ちゃんを探し出す、どこにいても」と語った。

 野島草子(そうこ):葉子と「あのひと」の娘。背骨が「あのひと」そっくり。ママはパパとの旅の話をするが、私は知っている。本当は…。

 

あとがきで江国香織は言う。

小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています。

 

この作品は1999年7月新潮社より刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

ロードムービーのように、色々な街を通り、いろいろな人に出会うが、彼らは常に過ぎ去る人々に過ぎない。母・葉子と娘・草子が通り過ぎる街での生活、桃井先生と「あのひと」・パパとの思い出がメインだ。そして街を過ぎ、時の経過とともに、幼かった草子も成長し、やがて大好きなママの夢想の世界から‥。

 

「あのひと」は本当に存在したのだろうか、疑問にも思える。だとすると、草子に父親は桃井先生ということになってしまうのだが。

 

 

江國香織(えくに・かおり)小説家、児童文学作家、翻訳家、詩人。
1964年東京生まれ。父はエッセイストの江國滋。
目白学園女子短大卒。アテネ・フランセを経て、米国のデラウェア大学に留学。
1987年「草之丞の話」で小さな童話大賞
1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞受賞。
1992年「こうばしい日々」で産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞、「きらきらひかる」で紫式部文学賞
1999年「ぼくの小鳥ちゃん」で路傍の石文学賞
2002年「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞
2004年「号泣する準備はできていた」で直木賞
2007年「がらくた」で島清(しませ)恋愛文学賞
2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞
2012年『犬とハモニカ』で川端康成文学賞
2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞 を受賞。
その他、『ウエハースの椅子』、『金平糖の降るところ』、『抱擁、あるいはライスには塩を』 
約25冊の長編小説、10冊のエッセイ本、12冊の短編集、12冊の絵本、4冊の詩集、約75冊の童話を翻訳

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増崎英明、最相葉月『胎児のはなし』を読む

2019年08月21日 | 読書2

 

増崎英明、最相葉月『胎児のはなし』(2019年2月4日ミシマ社発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

経験していない人はいない。なのに、誰も知らない「赤ん坊になる前」のこと。

超音波診断によって「胎児が見える」ように――。新時代の産婦人科界を牽引した「先生」に、生徒サイショーが妊娠・出産の「そもそも」から衝撃の科学的発見、最新医療のことまで全てを訊く。全人類(?)必読の一冊。

出産経験のある人も、ない人も、男性も――読んで楽しくて、ためになる!

 

出産予定日の推定に以前は最終月経日を用いたが、今は参考に使うのみ。胎児の大きさは妊娠20週ぐらいまでは個体差がなくグラフに乗る。そこで超音波で大きさを測って妊娠何週かを判断し、予定日を決める。

 

胎児のいる子宮は完全に密室。胎児は体内からでる上皮やおしっこなどを全部飲み、腸の中にためる。そして、生まれた時にまとめて緑色のうんちとして一気に出す。

 

22週を超えたら胎児は子宮から出ても生きていけるから、日本では22週を超えたら中絶できないという法律がある。昔は28週だった。今は1年に17万人くらい中絶する。

 

母体血を用いた胎児の染色体検査NIPTは妊娠10週目からできる。陽性の場合は15,6週から可能な羊水検査で確認する。陽性だと9割の夫婦は中絶する。

染色体異常が増えていくカーブを見ると、だいたいダウン症の子を出生する可能性が1%になるのが39歳か40歳。卵子はひと月に千個ずつ減るので、妊娠率も下がってくる。

 

逆子は、帝王切開で脳障害児が激減したデータが出てから、今ではほぼ100%帝王切開。全体でほぼ10~20%ぐらいが帝王切開。

母体死亡率は、1950年頃は約600分娩に1(毎年3千人)だったが、今は3万分の1(毎年50人)ぐらい。赤ん坊の周産期死亡率は、1950年頃は1/20で、今は1/200。

周産期とは妊娠22週から出生後7日未満までの期間で、母体・胎児や新生児に重大な事態が発生しやすい期間。

 

 

増崎英明(ますざき・ひであき)
1952年佐賀県伊万里市生まれ。1977年長崎大学医学部卒。1999年~2000年にロンドン大学へ留学。2006年より長崎大学医学部産婦人科教授。2014年より長崎大学理事・病院長。日本産科婦人科学会理事、日本人類遺伝学会理事、日本生殖医学会理事、日本産科婦人科内視鏡学会常務理事、日本産科婦人科遺伝診療学会理事長などを歴任、産婦人科の世界をリードしてきた。著書に『密室』『密室II』(以上、木星舎)、『動画で学べる産科超音波』(メディカ出版)など。2018年長崎大学名誉教授に就任。

 

最相葉月(さいしょう・はづき)
1963年生まれ。兵庫県神戸市出身。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、精神医療などを取材。著書に、『絶対音感』『星新一 一〇〇一話をつくった人』『セラピスト』(以上、新潮文庫)、『青いバラ』(岩波現代文庫)、『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』(岩波新書)、『れるられる』(岩波書店)、『理系という生き方 東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』(ポプラ新書)、『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)、『辛口サイショーの人生案内』(以上、ミシマ社)など。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

子供の頃、ずらりと一面に並んだ水子地蔵を不思議に思って母親に聞き、水子を悼んだものと知った。「生まれなかったのになんでそんなにいつまでも悲しむのか」と思った記憶がある。さらに、わりと最近のことだが、おなかの子の超音波写真をいかにも愛おしそうに見せてくれた若い女性にちょっとおどろいたこともあった。

そんな私が胎児について思い入れもなく、知っていることは多くなかった。この本で多く教えられた。

 

胎児について、詳しく書かれた本は少ないと思う。ライターと産婦人科医との対話形式なので読みやすい。質問者の最相さんにけっこう知識があるので、内容は高度なのだが、解り易い。しかし、倫理面の議論は少なく、技術の話ばかりだ。私には、そのほうが、明快ですっきりと読めた。

 

増崎医師は、ざっくばらんな性格のようで、対談形式であることもあり、「そんな言い方して良いの?」と思う点もあったが、公式見解が並ぶよりよほど良い。

 

 

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ローズマリー・マカーニー『すごいね! みんなの通学路』を読む

2019年08月19日 | 読書2

 

文:ローズマリー・マカーニー、訳:西田佳子『(世界に生きる子どもたち)すごいね! みんなの通学路』(2017年7月7日)を読んだ。

 

世界各国の通学路風景を収めた30枚足らずの写真と数行の説明の絵本です。

 

世界のさまざまな地域の子どもたちは、どんな通学路を、どうやって学校に通っているのでしょうか?
通学バスで(アメリカ)、歩いて、川を歩いて渡って、ボートで(カンボジア)、空中のロープをたぐって(コロンビア)、ロバ(中国)、犬ぞり(カナダ)に乗ったりして通っています。

自分の机を運んで行ったり、飲み水の入ったたらいを頭に乗せて通っている子どももいます。


転落したら間違いなく死んでしまう崖ぎわの通学路(中国)、高い崖にかかった垂直な20段ものはしごを荷物をぶら下げながら登る通学路(中国)、ワイヤーを2本渡しただけの橋をサーカスのように渡る通学路(フィリピン)。自分の子どもや孫には通わせたくない通学路もあります。

でも、この本の最後は

どんなに大変でも、子どもたちは通います。だって、みんな、学校が大好きだから。

とあって、子どもたちの一杯の笑顔で終わります。

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき)(最大は五つ星)

 

大人も、子どもたちにも読んで、いや眺めてもらいたい本です。

 

なぜこんな厳しい通学路を無理して子どもたちは学校へ通うのでしょうか? 

災害の跡の通学路、危険極まりない通学路など。しかし、伝わってくるメッセージは明るく、元気一杯です。

「学ぶのは楽しい」「友達に会える」 懸命に学校へ通う子どもたちのひたむきさ、楽しそうな様子に、勇気を、そして元気をもらえる本です。

 

 

Rosemary McCarneyローズマリー・マカーニー
カナダの国連大使および軍縮小会議の常任代表者。国際NGOプランの一員であるプラン・カナダの前代表。女の子の権利を守り、貧困から救うプランのグローバルキャンペーン「Because I am a girl(私は女の子だから)」を立ち上げたメンバーの一員であり、国連の「国際ガールズ・デー(10月11日)」制定にも尽力した。
主著に、世界的ベストセラー「マララさんこんにちは」(西村書店)がある。

 

西田佳子(にしだ・よしこ)
翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業。

主な訳書に、クロンビー「警視シリーズ」、モンゴメリー『赤毛のアン』(西村書店)、『マララさんこんにちは』

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映画『天気の子』を見る

2019年08月17日 | 行楽

 

映画『天気の子』を見た。

 

君の名は。」の新海誠監督の長編アニメーション。

離島を出て家出し、東京にやって来た高校生、16歳の帆高。金がなくなり、食べるものも無くなったとき、オカルト雑誌のライター助手に雇われる。天候がおかしくなり、連日雨が振り続ける中、帆高は小学生の弟と2人きりで暮らす陽菜に出会った。18歳だという。

彼女は祈ることで狭い地域だが晴れにできる能力があった。二人はこの能力で商売することを思いつき‥‥。

声の出演は、帆高が醍醐虎汰朗、陽菜が森七菜。そのほか小栗旬、本田翼、倍賞千恵子ら。「君の名は。」に続いて川村元気が企画・プロデュース。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

近年の異常気象に、大昔の天気を変える巫女を登場させた設定に、ユニークというより違和感、無理やり感がぬぐえなかった。

結局、「世界を自分たちが変えてしまった」と悩んだり、「世界より彼女だと突っ走る」のが美しいとは??

 

最初の30分ほどは雨のシーンが多く、黒っぽいコンクリートばかりで、陰惨で暗いシーンが続く。雨が止んだ時の晴れ間の美しさが思ったほどでなかった。

 

本田翼の声なかなかよかったと思うのだが、最近の下手くそ記事は何についてだったのかな?

 

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ランチはウナギ

2019年08月15日 | 食べ物


今日のランチは一人だけなので思い切ってウナギ!

 

ウナギになんとさらに豪華に牛肉追加。

 

  

「牛うな丼にシジミ汁と御新香」というやつで、すき家の看板メニューだ。

 

牛丼のように牛肉が丼一面にあって、その上にウナギが乗っているイメージでいたのだが、写真でわかるように、牛は左下にチョコっとあるだけ。

シジミは、結構数はたくさん入っているのだが、いつものように身をほじり出すのを「ハズキルーペ」なしでは絶望させるほど充分小さい。

 

ウナギは写真で見るように面積が大きく、期待を抱かせる。しかし、極薄!

いつもうなぎの皮は残すのだが、私の箸テクニックでは、薄すぎる身と皮の分離は困難。皮ごと食べた。ここで、「いつも」というのは、「うなぎ」に係るのではない。誤解を与えたとすれば、私の不徳の致すところで、「うなぎを食べるときがあれば、その時はいつも皮は残す」と、つつしんで訂正させていただきたい。

 

昔、実家が浜松にある知人から、丸のままのウナギを沢山いただいた。まず包丁で割いた。ここまでは順調だった。縫うように鉄の櫛をウナギに挿して焼こうと思ったのだが、鉄の櫛がウナギの皮をどうしても貫通しなかった。先端がとがった鉄の櫛でウナギの皮を突き破れないのだ。このとき以来、ウナギの皮の丈夫さに怖れを抱いて、以後、皮を残すようになったのだ。調理後の皮はとくに丈夫というものでもないのだが。

 

さんざ、好き勝手なこと書いたが、曲りなりにも「ウナギ」で、だいぶ曲がっていたとしても1000円で10円のおつりなら上出来だ。

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川村元気『百花』を読む

2019年08月13日 | 読書2

 

川村元気著『百花』(2019年5月15日文藝春秋発行)を読んだ。

 

この本を紹介する「文藝春秋BOOKS」にはこうある。

 

「あなたは誰?」
息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。
ふたりには忘れることのできない“事件”があったーー。
現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。

『世界から猫が消えたなら』『億男』『四月になれば彼女は』の著者、待望の最新刊!

【内容紹介】
大晦日、実家に帰ると母がいなかった。
息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。
それは母が息子を忘れていく日々の始まりだった。

認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。
ふたりで生きてきた親子には、どうしても忘れることができない出来事があった。
母の記憶が失われていくなかで、泉は思い出す。
あのとき「一度、母を失った」ことを。
泉は封印されていた過去に、手をのばすーー。

現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。
すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。

 

葛西泉:百合子の息子。レコード会社勤務。38歳。

葛西百合子:ピアノ教師をして一人で泉を育てた。現在生徒は美久一人。

葛西香織:泉と社内結婚した妻。妊娠中で休職中。

二階堂:百合子担当のヘルパー

観月:なぎさホーム所長。

大澤部長:泉の上司。田部井と噂がある。

田名部:泉の同僚の女性。

永井:泉の部下。

 

“百花”というタイトルは最後の以下から。

次々と打ち上る半分の花火。泉と百合子が過ごした家で咲いていた数百の花のように、それが美しかったということだけを記憶に残し、やがて消えていく。(p298)

 

取材協力リストの最後、奥付の前にこうある。

「最後にーー祖母・中河芳子へ心より感謝の意を表します。」

 

川村元気(かわむら・げんき)
1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。

2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出

2011年、優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。

2012年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表、諸外国で200万部突破。

2014年、絵本『ムーム』がアニメ映画化され、全世界32の映画祭にて受賞。

2018年、佐藤雅彦らと製作の初監督作品「どちらを」がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出。

先日見た映画「天気の子」のクレジットに「企画・プロデュース 川村元気」とあった。 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

明らかに認知症とわかるのに信じない息子。現実でもそうあり勝ちとは思うが、小説としては冒頭からかなりそんな記述が続き、少々ダルイ。徘徊の話は出てくるが、介護のドロドロ具合が描かれず、最後のホームも理想的で、「これってどうなの」と思う。

妻の香織がさらりとしすぎているし、焦点の母と息子以外は薄味で、全体としてきれいに流れていく

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タピオカ・ドリンクに挑戦

2019年08月11日 | 食べ物

いまどきのうら若き女性が好むというタピオカ・ドリンクをお爺もしてみんとてすなり。

 

パルコ吉祥寺B1の台湾ティーの店「Bull Pulu」で「黒糖タイガーミルクティー」をご所望。

 

 

Mサイズでもけっこう大きいので、二人で、これ一つ。

 

 

黒糖のジュースは程よい甘さだが、タピオカ自体はどうという味が無く、太めのストローからスッポン、スッポンと吸い上げて口に入って来た時の感覚と、モチモチした触感が珍しいだけ。まあ、あちゃこちゃで始めたし、もうすぐすたるでしょう。

でんぷん質を噛んでいるうちに、終戦後のスイトンの記憶がよみがえり、しばし涙??

 

向かいに「ステラおばあさんのクッキー」の店があった。吉祥寺アトレにこの店があったのは知っていたが、パルコにもあったとは。

クッキー好きの私は、味見程度だからと、ご購入を懇願。

 

帰宅してすぐに摘んでしまって、慌てて写真を撮ったので、2個欠け。相変わらずのドンガバチョ。

 

 

さすが、クッキー専門で店張るだけのことはある。味も、触感もクッキーの中では極上との評価が下った。

 

 

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橘玲『朝日ぎらい』を読む

2019年08月09日 | 読書2

 

橘玲著『朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論』(朝日新書971、2018年6月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

「明日は今日よりずっとよくなる」。

そういう希望がほんらいのリベラル。
私たちが、そう思えないのはなぜだろう。

朝日新聞に代表される戦後民主主義は、なぜ嫌われるのか。
今、日本の「リベラル」は、世界基準のリベラリズムから脱落しつつある。
再び希望をとり戻すにはどうすればいいのか?
現象としての“朝日ぎらい”を読み解いてわかった、未来に夢を与える新しいリベラルの姿とは。

 

本書は朝日新聞を批判するものではない。そういうのはネットや書店に氾濫している。

じつは、日本が右傾化しているのではなく、世界も日本も人々の価値観はリベラルになっている。それなのに「朝日ぎらい」が目立つのは、朝日新聞に代表される「リベラリズム」(戦後民主主義)が、グローバルスタンダードのリベラリズムから脱落しつつあるからだ。

 

本文冒頭「安倍政権はリベラル」とある。

若者にとっては、自民党や維新は変革を求めるリベラルで、共産党、民主は変革に抵抗する保守だと考えているという調査示される。変革しなければ生き残れない若者は、朝日などの日本のリベラルは既得権を守るばかりだと捉えている。

 

一方、「ネット右翼」のイデオロギーは保守=伝統主義とは関係はない。彼らが守ろうとしているのは日本の伝統や文化ではなく、「自分は日本人である」という、きわめて脆弱な「アイデンティティ」だけなのだ。したがって、中国や韓国から日本が批判されると、唯一の自分が大切に思うものが攻撃されたように感じて強い怒りを覚える。しかし、直接抗議できないので、国内で安全に叩ける敵が必要で、ヘイトデモや、朝日新聞叩きに専念する。

 

「日本のリベラル」は、「愛国」と「軍国主義」を同義として、依然として厳しく批判していて、生まれた国をなぜ愛せないのかと問われ、「反日」のレッテルを貼られることになった。諸外国では、リベラルな知識人でも「愛国リベラル(Patriotic Liberal)」はごく当たり前なのに。

 

現代のリベラリズムは、ひとは誰でも生まれながらにしてそれそれの「潜在能力(ケイパビリティ)をもっていると考える。…すべてのひとが自分の可能性を最大化できる社会が、グローバルスタンダードのリベラルが理想とするものだ。

 

著者は、「日本は未だに先進国の皮を被った前近代的な身分制社会だと」述べ、以下のように批判する。

日本の社会では「正規/非正規」「親会社/子会社」「本社採用/現地採用」などあらゆるところで「身分」が顔を出す。日本ではずっと、男は会社という「イエ」に滅私奉公し、女は家庭という「イエ」で子育てを「専業」にする生き方が正しいとされてきた。

自称リベラル人たちは、差別の温床のこの「日本的雇用」を守れと主張し、結果として差別に加担している。マスコミは男女格差を厳しく追及するが、マスコミ内のけして小さくない男女格差には触れない。

 

 

橘玲(たちばな・あきら)
1959年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宝島社の編集者を経て、作家。

海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。

2002年国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。

2006年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。

『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラー

『言ってはいけない残酷すぎる真実』(新潮新書)が48万部を超え新書大賞2017に。

著書多数

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき)(最大は五つ星)

 

細部まで賛成ではないが、基本的主張には納得した。

それにしても、自民党がリベラルとの感じ方にはショックだ。確かに日本のリベラルは革新的ではなく、憲法も、高齢者の権利も、正規雇用も守れと言うばかりだ。若者の未来への提言も少なく、見捨てられるばかりだ。それにしても、「断固改革」「骨太の」など口先ばかりで社会改革できていない自民党がリベラルとは!

 

トランプをはじめとする反知性派の乱暴な(極右?)政治家が各国で台頭してきているが、著者によれば、自国第一と主張するその勢力が各国で連携することは考えられない。一方でリベラル勢力は共通のベースがあるので、協力する可能性がある。それがリベラルの強みに成りうると言うのだが、各国との連携など形も見えない。

 

個々の主張は解り易く納得したが、記述は回りくどいところもあり、すっきりとしない。後半180ページから40ページほど、心理学の実験結果など論旨に直接関係ない記述が続き、飛ばし読みした。

 

 

メモ

今上天皇(現上皇)は、日韓ワールドカップ(2002年)開催に際して「桓武天皇の生母が百済の武寧(ぶねい)王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」と述べた。

 

自分の主張が正しいのは、自分が相手の立場になっても、その主張が正しいと納得できる場合だけだ。

 

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「トマトの花」でランチ

2019年08月07日 | 食べ物

 

吉祥寺の大正通りを入ってすぐの東急の筋向いに「トマトの花」という店が出来ていた。

「台湾カフェ月和茶(ゆえふうちゃ)」の隣りだ。 

 

 

 店先の看板の写真を見ると爽やかでヘルシー風と思って入ったのだが、このブログを書きながらネットで見ると、ラーメンの店のようで、昨年11月までは「セロリの花」という名前だったという。だまされた、というか勝手にだが。

 

店内も新しいせいかすっきりしている。テーブルの間隔が狭いが、吉祥寺では平均程度だろう。

 

私は、冷やしトマト麺の「チキンとベーコン 茄子のトマト麺 ガーリックトースト付き」950円(税込)

 

左の白いのは鶏肉で、右の白いのはチーズ。麺はたっぷりあって、私には十分。ただし、ソースが薄味に慣れた身には辛くて閉口。もちろん、元欠食児童は無理して完食。皿まで冷やしてあるので、夏は快適。

 

自家製ヨーグルトドリンク200円は、少々甘くて飲みやすい。

 

 

相方は、冷やしトマト麺の「野菜トマト麺」(ガーリックトーストなし)780円

 

ピリピリ辛くて口の中が火のようとおっしゃる方が若干一名。お流れを頂戴すると、ピリのピリもしないで、ごく普通。。

 

店内は圧倒的にハーレム状態であり、料理はもっとトマトのイメージが強く、ヘルシーと思っていたのだが、裏切られた。

 

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(財)矢野恒太記念会『日本のすがた2019』を読む

2019年08月05日 | 読書2

  

 

(財)矢野恒太記念会編集・発行『表とグラフでみる社会科資料集 日本のすがた2019 「日本国勢図会」ジュニア版 』(2019年3月1日 第50版発行)を読んだ。



宣伝文句は以下。

小学生高学年から中学生を対象にして、最新のデータにもとづいて編集された社会科資料集。日本の産業、経済、社会について、それぞれの分野の基本的な成り立ちや現在のすがたを、たくさんの統計表とグラフを使って、わかりやすく説明。また、国内の動きだけでなく、世界における日本の位置づけもわかるようにしている。

 

この本であらためて確認したいくつかの点。

 

・日本の土地利用では、森林が66%、農地が12%(まだ意外と多い印象)、宅地が4.7%。

 

・過疎地域は、全国の面積で60%、人口で8.6%、市町村数で48%。

 

・いろんなところで既に言われているが、国際残高は約880兆円(2018年度末)でGDPの2倍。

 

・工場数で一番多いのは、1~3人の極小工場で48%(176千工場)。

 

・発電エネルギー源は、火力が88%、水力が8.5%、新エネルギーは1.9%で、原子力は1.7%。

  

公益財団法人矢野恒太記念会

 

 私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?)(最大は五つ星)

 

「日本のすがた」という題名に、「日本のあるべき姿」が主張してあるのかも、と思って読んでみた。ただ、統計が並ぶだけだった。

まあ、パラパラ見るだけの本があってもよいのだが。

 

日本の現状データを中学以来久しぶりに眺めたのだが、表面的であり、問題点、例えば貧富の差などが浮かび上がってくることはなかった。

 

 

矢野恒太(やの・つねた)

1866年(慶応元年)現岡山市生まれ。日本生命に監査医として就職。共済生命、農商務省などを経て、1902年、日本初の相互会社第一生命を創立し、専務、社長、会長を歴任。

「日本国勢図会」を刊行。(公益財団法人矢野恒太記念会HPより)

 

 

 

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2019年7月の花

2019年08月03日 | リタイヤ生活

 

7月半ばに届いた花は、ひまわり5本が中心。

 

 

 

 よく見ると、リアトリスだって、上から次第に咲いていくのだ。

 

 

 

7月末に届いた花

 

 

 

 

 オレンジ2本と黄色3本のカーネーションと、2本のリンドウが色鮮やか。

 

 

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