スタンレー・パークStanley Parkは、バンクーバーのダウンタウンの北西に隣接して半島状に突き出ている。405ヘクタール、日比谷公園の25倍の広さがある。中には、水族館などもあるが、大部分は森林である。
1888年カナダの総督だったStanley卿の名を公園の名前とした。周囲約10kmをぐるりと回る遊歩道と自転車道が整備されていて、昨年は外周を自転車で一周した。昨年の暴風雨でおおくの大木が倒れ北側は通行禁止になっている。
ダウンタウンからStanley Parkへは、Pender St.を走る市バス19番に乗り、Stanley Park Loop Bayで下車すればバンクーバー水族館近くまで行ける。
自転車に乗る場合は、手前のGeorgia St.がDenman St.と交差する前で降りる。Denman St.沿いには、昨年借りたSpokes、今年借りたDenman Bike Shop、Bayshore Rentals、Bike & Rollerblade Rentalsなど多くのレンタル・バイク屋がある。
Denman Bike Shopの料金表は下の通りで、ヘルメットと鍵を貸してくれる。借りるときに保証のためにクレジットカードの提示を求められた。支払いは現金でないとだめのようだ。我々が借りたのは二人乗りのTandem(縦連結)だ。
写真の勇姿はズボンの裾がサドルに引っかからないように足首に輪ゴムを巻いているので、そこだけが(?)おかしい。
二人乗り自転車は息の合わない二人でもそれほど難しくはない。もっとも、我々の場合は、Tandemといっても、後ろは奥様で、実質1馬力である。たまに後ろが漕ぐと背中を押されたように進む。カーブを切るときに車体が長いので後ろの車輪が引っかかって一度、坂を登ったので、へたって止まる時に支えきれずにそのまま横にと、2度しか(?)転倒しなかった。
自転車では公園を反時計回りにまわる。Coal Harbourを右手に走り出し、停泊しているヨットの向こうの山はMount Seymourだろうか。500mほど走ると左側にInformationがある。ここで”Stanley Park map and guide”をもらおう。旅行案内書にはない細かい道や、園内無料シャトルバスFree Shuttle Bus
の停泊所の情報が載っている。
Free Shuttle Busは夏期(6月下旬から9月下旬)のみ運行され、14のバス停を巡る。
ダウンタウンのガラス張りの高層ビルを見ながら走ると1kmたらずでRoyal Vancouver Yacht Clubのかっこよい建物がある。Coal Harbourには、ヨットを格納する家のようなものが並ぶ。
白い帆を張ったようなCanada Placeも見える。
Informationでもらったガイドには以下のようにあった。
「昨年2006年12月15日の暴風雨でStanley Parkは大きな被害を受けた。1割以上になる45ヘクタールの森が平地になってしまい、人気だった海岸線2kmが破壊された。しかし、この部分を除いて回復し、利用できるようになっている」
立て看板には、火事の危険性が低いとの表示の下に、「Lions Gate BridgeとThird Beachの間の海岸線は閉鎖」との表示があった。
1.5kmほど進んだところからすこし内に入ると、先住民の部族ごとにRed Cedarに彫られたトーテムポールTotem Polesがある。
2kmで、もっとも東端の小さな灯台のあるBrockton Point に着く。ここからの眺めはすばらしい。対岸の山になった黄色いものは硫黄である。日本で大量の消費していた紙(パルプ)を漂白するのに輸出しているが、エコの普及で輸出量が減って溜まっているらしい。
獅子がLions Gate Bridgeをにらんでいるところを過ぎ、4.5kmほどのところに来ると、海岸線には進めないようになっている。ここで、少し登ったところで判断の分かれ目になる。一つは安全に右に曲がり、来た方向へ森の中を戻る道で、もう一つは右は行き、あくまで北端の眺めが最高のProspect Pointを目指し険しい山道を登る道だ。
ここまで平坦で順調だったので甘く見て、山道に入った。それほど急ではないが、二人乗りを1馬力では長く続くときつい。腿の筋肉がやられて、止まろうと思ったが自転車を支えきれず横倒しになった。子供たちがぐんぐん自転車で登っていくのを横目にして自転車を引いて歩き出した。あちらこちらで、巨木が根こそぎ倒れている。
ようやく、Lions Gate Bridgeへの道をまたぐところに出た。Prospect Pointはもう少しだ。
Prospect PointにはCaféもある。自転車を柱にロックして、見晴台へ行く。足元に広がるBurrard Inlet、Lions Gate Bridge、向こう岸のNorth Vancouver、そして北の山々。帰りは下りだし、元気が出てきた。
樹齢800年とも1000年とも言われるHollow Treeの傍と通り過ぎ、おまちかねの人気のコンチネンタル料理のセコイヤ・グリルSequoia Grillに到着した。
スープはボウルでなくカップということだったので、Mushroom Soupを2つ頼み、Fish and Chipsを2人でシェアーするとオーダーした。スープは良かったが、次に出てきたのが、大きな輪切りの魚。Chipsは後から出てくるかと思い二人で食べ始めたが、どうも注文が伝わらなかったようだ。レシートにはLunch Fishとメニューにはない名前が書いてあった。これも、あれも、まあよくあること。複雑で、絶妙の味のスープに免じて、チップは標準の15%とした。
結局、ほぼ公園を一周し昼飯を食べてバイクのレンタル屋に戻ったが、4時間もかからず、$26なり。最後に現金で支払い、控えていたクレジットカード番号の紙を返してくれた。