東京で生まれて30年暮し、東京の周囲を数年回り、横須賀で15年。そして、横浜のはずれに住んで13年。息子が独立し、今月家を出て行き夫婦二人になって、また東京へ住むことにした。
一軒家よりマンション
ウサギ小屋とはいえ現在の一軒家は夫婦二人には広すぎる。リビングと寝室があれば良いし、多くてももう一間あれば十分だ。階段を上がる2階など面倒なだけだ。それに一軒家は何かと手入れが必要で、年寄りにはきつい。管理人のいるマンションが良い。
購入より賃貸し
体が十分動かなくなっても、息子の世話にはなりたくないので、いずれはケアー付き老人ホームにでも入りたいと二人とも思っている。それまでの10年程度?をどこで暮らすかという話だ。いずれにせよ、将来はどういうことになるか不確定要素が多く、マンションを購入することはやめて、賃貸マンションを探すことにした。最近マンション価格が下がり始めているらしいし、もともと便利なところのマンションを買う金もない。
現在の家は売れるものなら売りたいが、誰かに貸せたらそれでも良い。マンションの家賃をいくばくか補えるだろう。
どこに住むか
1,2カ月、何回か滞在したことのあるオーストラリアのパースやカナダのバンクーバーは、気候の良い季節を過ごすのは良いが、冬は雨が多く陰鬱だ。また、移住するとなると、病院や、地元に溶け込めるかが心配だし、いずれ日本に戻ることになるだろう。それにそもそも移住ビザをとることが難しい。
退職前、私は将来、田舎に住んで畑仕事でもやりたいと思っていた。奥さんにそれとなく話すと、良い返事がない。目では、「田舎へ移るならあなただけ行ってください」と言っている。なさけないことに、あわてて、「いや、まあ、ちょっとどうかな、と思ってね」とごまかす。
奥さんのご希望は、東京の便利なところにあるマンションだった。いや、もちろん私も本当はそうでした。
なにしろ、一般的調査結果だが、「
妻は退職後、夫と一緒にいる時間が増えることを喜んでいない」に書いたように、夢を追う男性に対し、女性は現実的だ。サン・テグジュペリの「愛は、たがいを見つめ合うことにではなく、同じ行く手をともに見すえることにある」との言葉どおりに、いたしかたない、同じ方向を向きましょう。私が。
二人とも、東京の西の方で育ったので、東京でも、北や東や南の方は土地勘がなく、なんとなく住もうという気になれない。かといって、若い頃ウロチョロした人込みの都心部は、郊外暮らしが長くなり、もはや頭が痛くなってしまう。そもそも、ふところが耐え切れない。
結局、奥様の実家の近くで探すことになった。
マンション探し
奥様が毎日のようにインターネットで探したが、ぴったりのところはなかなかない。
先日不動産屋へ行って、いろいろな物件を紹介してもらった。買物、環境などの場所、新しさ、セキュリティ、広さ、家賃、日当たりなどの条件の優先順位を決めないとなかなか絞れない。結局、地図と見取り図などで絞った4つの物件を不動産屋の車で回った。最後のまあまあという物件で即決した。奥様が。
駅まで歩くと20分位なのが辛いがバスもあり、繁華街までは10分程度で歩ける。築3年ほどで新しい。敷地内には鍵でドアを開けて管理人の前を通り、もう一つのドアを鍵で開けて入るというようにセキュリティはまず安全だ。多少狭いが、3年の定期借家なので、相場より安い。日当たりは良くないが、我慢できる程度だろう。
まあしばらく住んでみて、我々や義母の健康状態、息子の家庭の状況などにより、また考え直せばよい。一瞬先はわからない年寄りは刹那的で良い?
契約
マンションの賃貸契約にあたって、退職して年金と不動産収入しかない私は、家賃保証会社に年金支払い通知書の写しを送り、所定の金を支払わねばならなかった。その上、息子に保証人になってもらう必要があるとは、なんとなく惨め。
引越
そんなわけで、まだ引越し日は決めていないが、住居面積が半分になることもあり、しばらくは大幅に荷物を整理し、捨てないといけない。諸手続きもあり、エネルギーが必要で、このブログも休みがちになるだろう。
東京から横須賀へ引越したときは、「
とんだ引越し」に書いたがひどかった。朝10時に来るはずの引越屋が4時に来て、荷物を降ろし引越しが終わったのが夜中の2時。今回の引越しは簡単に済ませたいものだ。
あたらしい地域、家での生活は楽しみでもあるが、この歳で若干の不安もある。とくに、家の中の何処にあるか、物を探すことが多い昨今、引越して物の配置が大幅に変わったあとで、混乱が続くのではないだろうか。一生懸命探しているうちに、何を探しているのか忘れそうだ。