中国人はうるさくしゃべり、マナー悪く、謝ることもない。それは一般的に事実か、そうだとすれば何故かを調べた本だ。
立場は冷静、中立で、日本在住の中国人や関係者にヒアリングし、当事者の言い分や日本人の苦言を収集している。たとえば、中国人が40%以上を占める埼玉県川口市の団地では、中国人たちは朝から晩まで大声で騒ぐ。立小便や、大便までするという。650の中国人世帯中、自治会費を払っているのは1軒のみ。
著者は騒がしさの背景を「すべてにおいて「勝つ」ことが大切な中国人にとって「大きな声」は重要なアイテムなのだ」と語る。その他、古くからの慣習や、面子を重んじる気質、拝金主義思想、共産党独裁などから説明しようしている。
吉田隆(よしだ・たかし)
1956年生まれ。1979年からハンガリー国立エトヴェシュ・ロラーンド大学に国費留学。社会主義政策を学びチェコや東ドイツなど東欧諸国を回り社会主義の問題点を朝日新聞に寄稿。帰国後出版社勤務。その後、講談社『FRIDAY』記者として、中国人妻殺人事件や中国人との結婚問題を取材。中国人ネットワークを生かして中国の社会問題や李登輝台湾総統問題についても執筆。
私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)
本書は特に差別的な立場では書かれておらず、大方の日本人が、大部分の中国人について感じていることを列挙している。しかし、既に感じていることを改めてくどくど述べられても読み飛ばすだけだ。
海外でインド人街を作ることが多いインド人を、私はうるさく感じることはないが、中国人の集団はうるさいと感じことが多い。中国語が発音上うるさく感じるためもあるだろうが、中国人街の乱雑ぶり、公徳心、公共心のなさには正直うんざりする。
本書ではその原因を、「激しい争い社会では大きな声が必須」などとしているが、従来から言われてきたことで本当にそれだけかと疑問を持ち、結局、国民性で片付けるほかなくなってしまっている。国際化の波のなかで今後中国人が洗練されることを期待するしかない。
中国の高圧的外交策には私も日本人の一人としていかがなものかと思う。しかし、独裁体制故にこそ、反日教育された国民に配慮せざるを得ない面も多いのだと思う。日本としては、その身勝手ぶりを国際社会に上手に効果的に訴え、結局損になることを知らしめる必要がある。