hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

久木綾子『見残しの塔』を読む

2012年05月31日 | 読書2

久木綾子著『見残(みのこ)しの塔 周防国五重塔縁起』文春文庫ひ25-1、2012年1月文藝春秋発行、を読んだ。

裏表紙にはこうある。
時は室町中期。宮大工を志願して九州の隠れ里から出奔した青年・左右近(さうちか)。一方、若狭の国から母を尋ねて旅に出たのは、新田義貞の血を引く清らかな姫・初子(はつこ)。国宝・瑠璃光寺五重塔建設に賭ける番匠たち、・・・


500年以上前、若き宮大工が周防国(現山口県)の瑠璃光寺で、五重塔建立という夢を叶える。一方、南北朝の戦いに敗れた新田一族末裔の娘の母を求める旅がからむ。

初出:「文芸山口」2004~2007年連載、新宿書房2008年9月刊



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

登場人物が多く、話が複雑だ。幾つもの話が絡んでいる。宮大工・左右近との絡みが少ない初子の話は別の小説にして、左右近に絞った方がよかったと思う。

人名や大工道具などの事物の名前が当時のまま(?)で書かれており、頭に入りにくい。当時の宮大工の工具、工法などよく調べ、おそらく時代考証などもきちんとしているのだと思うが、一方で読みにくくしているのも事実だ。

しかし、何よりも驚くのは、作者の年齢だ。
若き日に同人誌で活動していた久木氏は、伴侶を亡くして70歳になったとき、山口市にある瑠璃光寺五重塔を見て、その瞬間、塔を作った人たちの物語を書こうと思ったという。さらに「此のふでぬし弐七」と番匠(大工)が墨書した国宝の巻斗(板)に出会い、左右近という若者を心の中に誕生させた。
?
解説に櫻井よしこ氏が書いている。
久木氏は取材に14年、執筆におよそ4年、さらに1年を推敲に費やし、89歳のとき、世に問うた。
この本を書くため、保存修理中の岡山県の五重塔に東京から通い、宮大工に1年弟子入りし、月一度新幹線で姫路に通い中世史の講座を5年間受けめ、80歳でパソコンを習い始めた。



久木綾子(ひさぎ・あやこ)
1919年東京生まれ。
1940年比叡山で1年修業後、松竹大船撮影所報道部勤務
1945年結婚
1990年(70歳)文学に戻る決心をして、勉強、取材開始
2008年(89歳)本書出版で作家デビュー
2010年(91歳)『禊の塔 羽黒山五重塔仄聞』


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五木寛之『下山の思想』を読む

2012年05月28日 | 読書2

五木寛之著『下山の思想』幻冬舎新書240、2011年12月幻冬舎発行、を読んだ。

裏表紙にこうある。
・・・再生の目標はどこにあるのか。再び世界の経済大国をめざす道はない。敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を思い描くべきではないか、と。・・・


「おわりに」にはこう書かれている。
私は必ずしも暗い気持ちで下山の時代を見ているわけではない。むしろ必死で登山をしている時よりも、はるかに軽い気持ちで下山について語っているつもりだ。のびやかに明るく下山していくというのが、いまの私の、いつわらざる気持ちだ。


最終章「ノスタルジーのすすめ」は、昔話で、本書の趣旨からは外れている。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

私のように最初からあきらめている人にはスイスイと読める。題名が誇大で、思想ではなくエッセイだ。通勤電車の20分の往復で読めてしまう。

ネットでの評判を見ると、年寄の書で、若い人には害毒のある書との評がある。
国全体はあきらかに経済的に下り坂なことは否定しがたい。しかし、国家全体のアウトプットはゆっくり下がっても、大きな図体の中の無駄を省き、効率的にすれば、考えられないほどのメリットが生まれるはずだ。これからは規模の拡大より高効率だ。社会の細かいところまで充実した仕組みが備わっているのが成熟国家というものだ。
その中で若い人や上昇志向の人はチャレンジすればよいし、疲れた人や年寄は下山を楽しめば良い。

年間3万人を超える自殺者が注)が最近12年間続いている社会は病んでいる。



五木寛之(いつき・ひろゆき)
1932年9月30日(石原慎太郎と同じ)、福岡県生まれ、旧姓松延。
生後まもなく朝鮮に渡り、1947年に終戦で日本へ引揚げる。
早稲田大学第一文学部露文学科入学、中退。
PR誌編集者、放送作家、作詞家、ルポライターなど。
1965年の岡玲子と結婚して親戚の五木姓を名乗る。ソ連・北欧へ新婚旅行に行く。
1966年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞
1967年「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞
1976年「青春の門・筑豊編」で吉川英治賞
その他『大河の一滴』『親鸞上・下』『人間の関係』『ふりむかせる女たち』『人間の運命
昔々、トリローグループ(「三木鶏郎をご存知ですか?」)で「日本盛は良いお酒」「日石灯油でポッカポカ」などCMソングの作詞をした。その後も「愛の水中花」などの作詞もしている。
妻の五木玲子は露文科の同窓生だが、後に医師となった。近年、版画を製作し、「他力」など五木寛之の作品の挿画として用いられている。



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姫野友美『男はなぜ急に女にふられるのか?』を読む

2012年05月26日 | 読書2
姫野友美著『男はなぜ急に女にふられるのか?』角川oneテーマ21、2007年10月角川書店発行、を読んだ。

初めから最後まで男と女の違い、スレ違いが満載。
まえがきはこう始まる。
「先日風邪を引いて、だいぶ熱が高かったので『ちょっと具合がわるいんだけど・・・』と主人に訴えたんです。そうしたら、返ってきた言葉が『じゃ、オレの夕飯どうするんだ』・・・。私、耳を疑いました。信じられます? ウチの主人にとっては私の体調よりも自分の晩ご飯のほうが大切なんですよ」

女の思考回路は他者と共感することを最優先する。もし、娘だったら「大丈夫?熱は?今日のご飯何か買ってきてあげようか。何が食べたい?」などとなるだろう。一方、男の思考回路は、何らかのトラブルが生じたらどう解決をしようかと動くので、妻を心配していないわけではないが、当然のように上の反応になるのだ。

女はバケツ、男はザル
カップルの間で何かしらの感情のトラブルが生じたとき、男はその場しのぎでトラブルから逃れようとするが、女はそのトラブルを不快な記憶としてため込んでしまう傾向が強い。・・・
ザルがそうやって呑気に面倒事を通過させていると、バケツのたまった不平不満はいつの間にかとんでもない事になる。やがて、・・・
女の感情記憶に時効はない。


女はプチサプライズがお好き
今まで放っておいた罪滅ぼしのためにと、高級レストランに誘っても、女は喜ばない。着ていく服、靴がないし、そもそも高くてもったいないなどと文句を言う。女はワンランク上のレストランなどプチサプライズが好きなのだ。

メールは女にとって「会話」、男にとっては「手紙」
女はメールの返事がないと、話しかけが無視されたように感じる。男は手紙のようにすぐ返事しなくとも暇な時に返事すればよいと考える。

弱みを女は利用し、男は隠す
女にとって弱みを見せることは相手に共感してもらうための手段のひとつである。男は自分の弱みを相手に握られることは致命的な事態を招きかねないので、ふたを閉めて見られないようにして話す。


姫野友美(ひめの・ともみ)
医学博士、心療内科医、ひめのともみクリニック院長。日本薬科大学漢方薬学科教授。
静岡県生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。テレビでコメンテーターとしてもおなじみ。



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

長年夫婦していれば、何となくわかっていることではあるが、女性と男性の違いがこれほど明快に示されれば納得するしかない。著者は、大脳生理学など持ちだしてその差の由来を説明しているが、どちらが正しいでもないだろうから、どちらか一方に合わせるのは無理だろう。歩み寄るしかないのだ。別れるわけにはいかないのだから、いや、一緒に居たい(痛い)のだから。

鈍感な私めも、対策は不十分でも、十二分に理解はできていて、5年ほど前にもこんなブログを書いている。
犬も食わない夫婦喧嘩というものを、してみんとてするなり



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タモリ『新版 タモリのTOKYO坂道美学入門』を読む。

2012年05月24日 | 読書2

文・写真 タモリ『新版 タモリのTOKYO坂道美学入門』2011年10月講談社発行、を読んだ。

タモリには休日になるとデジカメを持って東京の坂道を求めて歩きまわる趣味がある。タモリ撮影のお気に入りの坂道の写真と、坂道の由来、周辺の坂道や、5つ星でのタモリの坂道実力判断が載っている。
引き続き次ページには、古地図や、お散歩ルート、お立ち寄りSPOTも載せて、散策のお供にしたり、馴染みの地域なら「そうそうあの坂は結構キツイ」など読むだけでも楽しめる。港区13、文京区8、目黒区6など地域に多少の偏りがあるが37の東京の坂を紹介している。

タモリの「よい坂」の条件は、
1. 勾配が急である
2. 湾曲している
3. まわりに江戸の風情がある
4. 名前にいわれがある         ことだそうだ。

「TOKYO★1週刊」2003年4月15日発売号~2004年9月14日発売号に連載したものを2004年10月単行本化し、加筆・修正、店舗情報入れ替えして新版発行。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

タモリマニア、坂道マニア、江戸情緒マニア、東京散策マニアなどマニア向けの本だ。また、都心に住んでいればバラパラ見ても楽しめる。

ずっと東京と、東京近郊に住む私は1/3位の坂を知っていたが、実際にもう一度歩いて見たくなった。
この本はiPhne&Androidアプリとして販売されているようで、散策に持ち歩くだけでなく、ブラタモリのように動画になればより実感が伴うだろう。

空いた時間を見つけて丹念に集めたフィールドワークの成果で、けっこう見事な写真術だ。全体構成や歴史や由来などライターの萩原はるな氏の手を借りたのだろうが、タモリの徹底した楽しみぶり、そして粋ぶりは見事だ。



タモリ 森田一義
1945年福岡市生まれ。早稲田大学中退。
1982年「笑っていいとも!」の司会を担当し、現在も継続、
某出版社(講談社であることはバレバレ)の元重役(山野勝氏)と設立した「日本坂道学会」(会員2名)の副会長。



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三浦しをん『格闘するものに◯』を読む

2012年05月22日 | 読書2

昨日の金環日食を見るのに専用のメガネを使ったが、子供の頃は、誰もが、煤を付けたガラスや、黒い下敷きを使って太陽を見ていた。これは60年ほど前の話だが、いつ頃から専用メガネを使うようになったのだろうか。少なくとも当時の子供たちは、みんな目を傷めたはずなのだがどうなっているのだろうか。



三浦しをん著『格闘するものに◯(まる)』新潮文庫み34-1、2005年3月新潮社発行、を読んだ。

藤崎可南子は、出版社で漫画雑誌の編集者目指して就職活動中。マイペースの就活は案の定苦戦するという就職活動小説で、三浦しをんのデビュー作だ。

藤崎家は政治家の家系だが、可南子も弟の旅人も2人とも政治家になるつもりはまったくなく、家庭でも悶着が絶えない。

K談社の就職試験会場で担当者が、「該当」を読めずに「カクトウするものに丸をしてください」と叫ぶシーンがあり、これが題名の由来。さらにK談社の面接官はニヤニヤしたりセクハラぎみだったり最低の態度だった。一方、集A社の面接官は真摯で主人公の漫画雑誌への提案を真剣に聞く。
(こんなにはっきり書いて良いのだろうかと思ったら、三浦さんは講談社(あっ!書いちゃった)から本を出していなかった)

重松清はと解説に、二十四歳という若さとまばゆい才能に圧倒されたと書き、この本の宣伝フレーズを「吾輩は女子大生である。内定先はまだない」と提案している。

初出:2000年4月草思社より刊行



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

最初に出てくる主人公が作り出した寓話や、特殊な家族関係、さらにおじいさんと脚で結ばれた関係とか、わざわざ特殊な話を持ちだしてくるのに違和感がある。

一方で、主人公の女子大生、可南子が幼すぎて、私のようなおじいさんには違和感がある。まあ、本当の女子大生もこんなもので、三浦さんはわざとそんな風に描いているのだろうが。

しかし、私自身の就職活動を思い出してみれば、充分子供だった。面接前の会社側の失礼な態度が頭にきて、面接時に喧嘩腰になってしまった。就職面接は、会社側が候補者を選ぶのだが、同時に学生が会社を選ぶ場でもあるのだという考え方だったのだ。しかし、そのままではどうしてもネガティブになってしまい上手く行かなかった。結局、面接での応答を楽しんでやろうという考えに変えてギリギリ最後の機会をものに出来た。

三浦しをんの略歴と既読本リスト








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金環日食が見えた

2012年05月21日 | 日記
ひどい写真ですが、ともかく金環日食です。7時36分



6時48分、右上からかけ始めました。




新聞読みながらベランダから撮りました。

53分



54分



7時22分



23分、火が輝っているのに暗くなり始めました。



そして、36分、金環日食です。



38分には右端が光始めました。



この直後、曇り始めて太陽は雲に隠れました。











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梨木香歩『西の魔女が死んだ』を読む

2012年05月20日 | 読書2

梨木香歩著『西の魔女が死んだ』新潮文庫な-37-2、2001年8月新潮社発行、を読んだ。
「西の魔女が死んだ」とその後のまいの物語「渡りの一日」を併録。

西の魔女が死んだ
中学に進んでまもなく登校拒否となってしまった少女まいは、田舎の祖母のところでひと月ほど生活することになる。祖母は英国生まれで、その家系が魔女の血筋だった。魔女は草木についての様々な知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す能力を持つ人だという。

まいが始めた魔女修行は、何事も自分で決めること。そのため、野苺でジャムをつくり、鳥小屋の卵を収獲したり、足で踏んで洗濯したりと、自然の中で規則正しい生活をするうちにまいの心は癒されていく。
まいが「おばあちゃん大好き」というと、祖母は「アイ・ノウ」と微笑む。

渡りの一日
その後のまいとちょっと変わった親友のショウコの一日。



梨木香歩(なしき・かほ)
1959年生れ。同志社大学卒。英国留学。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学書受賞
『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞受賞
『家守綺譚』で本屋大賞3位
『沼地のある森を抜けて』でセンス・オブ・ジェンダー賞大賞、紫式部文学賞受賞
『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門受賞
エッセイ『春になったら苺を摘みに



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

小中学生向けだろう、読みやすい。しかし、大人も十二分にさわやかで、しんみりできる。
木々に囲まれた田舎の生活が爽やかで、美しく描かれ、人間本来の生活を思わせる。まいの気持ちも見事に描かれ、女の子に人気の小説であることは納得できる。
また、「おばあちゃん」の一言一言が、単純だが味わい深い。結局、人は一人なのであり、決めるのは自分自身なのだが、だからこそ寄り添う人の温かい一言や、思いやりに助けられるのだ。



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松浦寿輝『花腐し』を読む

2012年05月18日 | 読書2

松浦寿輝著『花腐し(はなくたし)』2000年8月講談社発行、を読んだ。

平成12年度上期の芥川賞受賞作「花腐し」と、受賞後第1作の「ひたひた」の2編が収められている。

花腐し
同棲していた女性を事故で亡くした事を10数年も引きずっている中年男栩谷(くれたに)が主人公で、場所はコリアンタウン新宿・大久保の場末。彼は友人に経理を任していたデザイン事務所が倒産寸前とわかり、莫大な借金を抱える。借金主から頼まれてボロアパートに居座る伊関に立ち退きを迫る。
栩谷は、幻覚を生むキノコを栽培しネットで売っている伊関と、人生の下り坂同士で酒を飲む仲になってしまう。

そうか、とだけ呟いて黙ってしまった俺の冷たさに祥子はきっとひどく傷ついたのだ。あの「そうか」、一つをきっかけに俺たちの関係は腐りはじめたのだ。腐って、腐って、そして祥子は死んで、俺の方もとうとうこんなどんづまりまで来てしまったということなのだ。

「40代も後半に差し掛かって、多かれ少なかれ腐りかけていない男なんているものか。とにかく俺の会社は腐ったね。すっかり腐っちまった」「いやらしいにおいをたてて」
伊関が呟く。「ウツギの花も腐らせるってね。さみだれっていうか、今日みたいな雨のことを言うんだろ。春されば卯の花腐し・・・って、万葉集にさ」


ひたひたと
埋立地でかっての遊廓、洲崎を、少年時代の記憶をたどりながらカメラマンの榎田は歩く。いつの間にか少年に戻り、さらに娼婦ナミと暮らすトラック運転手になっている。

初出:「群像」2000年5月号
本作品は、講談社により文庫化されている。



松浦寿輝(まつうら・ひさき)
1954年東京都出身。小説家・詩人で東大のフランス語教授。
1996年『折口信夫論』で三島由紀夫賞
2000年『知の庭園』で芸術選奨、『花腐し』で芥川賞
2005年『あやめ 鰈 ひかがみ』で木山捷平文学賞、『半島』で読売文学賞/小説賞
2009年『吃水都市』で萩原朔太郎賞受賞。
その他『川の光』など。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

全体としては古風で、なぜ芥川賞なのか分からない。よく雰囲気を出しているといえば言えるし、好きな人も中にはいるのだろうが。

けだるく、やるせなさが横溢する。場所が、コリアンタウンの場末のボロアパートや、運河の堤防脇のかって遊郭だったさびれた町。主人公はしがない中年男。ただ、チラッと登場する女性は悲しい運命だが、やさしい心の持ち主でちょっと救われる。

なぜ、主人公の名前が、「栩谷(くれたに)」という聞きなれない名前なのだろうか? そもそも「栩」という字を私は知らなかった。辞書で調べると、「栩」はブナ科のクヌギの意味とある。「栩栩然」(くくぜん)とは、「ふわふわするさま」とにあり、このあたりから名付けたのか??


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飯田進『鎮魂への道』を読む

2012年05月16日 | 読書2

飯田進著『鎮魂(たましずめ)への道 無意味な死から問う戦争責任』1997年4月不二出版発行、を読んだ。この本は、「魂鎮への道―BC級戦犯が問い続ける戦争」として岩波現代文庫で再販されている(あとがき、解説以外はほぼ同じ)。

太平洋戦争中、ニューギニアへ送られた日本軍将兵が考えられないほど劣悪な環境、条件で戦うことを強いられ、現地の人々に残酷なことをして、そして大多数の将兵が死んでいった。奇跡的に生き残った著者自身も、命令とはいえ現地人を斬り、女子供を死に追いやったことを告白し、BC級戦犯として20年の刑に服し、そして今も苦しんでいる。

太平洋戦争全般に言えることではあるが、ニューギニアでの戦いも、どう見ても勝ち目のない戦いを面子のため無理に進め、しかも戦力を小出しにして悲惨な戦場を作り出した。
兵士たちは素手同然で飢えてなお突撃を繰り返した。そして多くの兵が飢えと疲労と疾病のため死んでいった。

飯田進(いいだ・すすむ)
1923(大正12)年京都府生まれ。昭和18年2月に海軍民政府・資源調査隊員としてニューギニア島へ。戦況が厳しくなってからは陸軍作戦部隊に情報要員として配属され戦闘にも参加。 敗戦後、BC級戦犯として重労働20年の刑を受ける。1950年(昭和25年)スガモ・プリズンに送還される。
現在(2011年)は、長男のサリドマイドによる薬害被害をきっかけに立ち上げた社会福祉法人「新生会」と同「青い鳥」の理事長。著書に『地獄の日本兵 ニューギニア戦線の真相』新潮新書など。



私の評価としては、★★★★★(五つ星:是非読みたい)(最大は五つ星)

ニューギニアでの日本兵の悲惨な戦いぶり、著者自身の関わった現地人殺人が描かれ、けして心地よい本ではない。しかし、戦争の記憶は彼方となり、語る人も少なく、伝えられる手段も限られている。
太平洋戦争を語る本はいくつかある。自分自身の罪も含め、真摯にあの戦いに向き合い正直に語っているこの本はお勧めだ。





戦死者への感謝
慰霊祭の祭文では、以下のフレーズが多いが、違和感を覚える。
勇戦敢闘して戦死したあなたがたの尊い犠牲のおかげで、今日の経済的繁栄と日本の国際的地位の向上がもたらされている


「勇戦敢闘して戦場のたおれた」:実際は百対一かそれ以上の軍事力の差があり、なすすべもなく殺されたというのが事実。また、大部分の兵士は飢え、疲労と疾病で気力体力が尽き果て惨めに死んでいった。勇戦果敢とはおよそ縁遠い死だった。

「あなたがたの尊い犠牲のおかげで、今日の経済的繁栄がある」:戦後の東西対立のなかで日本はアメリカのアジアの橋頭堡と位置づけられ、朝鮮戦争、ベトナム戦争で復興、成長した。

「日本の国際的地位の向上」:アジアに対する加害者意識は希薄。

私も戦死した方へ敬意は払うし、悼むことはもっと行われてよいと思う。しかし、彼等の死は結果的には無駄死に終わったとも思う。だからこそ悔しいのだ。南方で日本兵はけして降伏することなく砲弾の嵐の中を時代物の鉄砲を持って敵陣に突っ込んで行った。また、特攻隊で敵艦に突っ込んでいき、沖縄戦で徹底的に抵抗した。その結果、米兵を恐怖させ、本土上陸すると多大な犠牲が出ると思わせた。そんななかで、原爆が落とされたとも言える。腹立たしく、悔しいことだが、我々の悼むべき戦死にはそんな一面もあることを我々は正視すべきだと思う。


無謀な戦いの直接的責任者は誰か?
なぜこんな無謀な戦いを進めたのか?誰の責任なのか?著者は大本営参謀本部の責任だと主張する。

日本兵は、敵によるだけでなく、日本軍の参謀によって殺された、といって差し支えありません。

参謀本部はスタッフで、形式的には責任を問われず、位では上の現地軍を実質的に指導したのだ。なかでも服部卓四郎と辻政信は常に強硬論で多くの兵士を死なせたが、戦後も生き残り活躍していた。

地面にしゃがみこんだまま、草むらのトカゲを叩いて食べようとしていた兵隊の姿。丸い石かと見紛うばかりに、ごろごろと水辺に転がっていたしゃれこうべ。
小さなボロ船の輸送船にすし詰めにされ、辛うじて任地にたどり着くや否や、猛烈な砲爆撃を連日にわたって受け、たちまち食料が底をつき、そして彼等はそのような最後を遂げたのです。
どうしてそれらの死を美化することができましょうか。

私は、この参謀本部は今の官僚組織に当たると思う。責任をとらず、現場を知らず、しかも実質的実権を持っている。そんな組織は規模も権限も小さくすべきだ。

東京裁判
戦犯裁判は戦争当事国を除いた第三国の識者で裁判官を構成すべきで、東京裁判は正当ではないと著者は主張する。とくに、BC級戦犯裁判は日本軍の占領地域での勝者による裁判であり、復讐と憎悪が支配した。いたるところで、看守による虐待と拷問が行われた。


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林真理子『“あの日のそのあと”風雲録』を読む

2012年05月15日 | 読書2


林真理子著『“あの日のそのあと”風雲録 夜ふけのなわとび211』2012年3月文藝春秋発行、を読んだ。

文藝春秋の担当編集者からの一言

「週刊文春」の大好評連載である林真理子さんの「夜ふけのなわとび」、2011年分をまとめたエッセイ集です。AKB48と同じ服を着て踊ったり、例年通りの楽しい日々が、と思いきや、東日本大震災で暗転。放射能におびえ、無力感に苛まれつつも「自分にできることを」とチャリティーオークションを開催し、被災地で読み聞かせ会や特別授業を行い、そして銀座で前代未聞の「チャリティー・ママ・プロジェクト」を立ち上げます。壮麗な着物に身を包み、いざご出勤! 著者の行動力に感動し、元気が湧いてくる1冊です。



初出:「週刊文春」2011年1月13日号~2012年1月5・12号



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

なにしろ週刊誌の連載コラム記事だ。真理子ファン以外が、わざわざ買って読む本ではない。真理子さんは、自らミーハーだの、気が弱いだの言いながら、(品がない、頭悪いだの、そんなことは言ってない?)とんでもなく行動的で寝っ転がって読むには丁度良い。

さすが真理子さん、チャリティーといっても派手、ど派手。高級マンションにセレブを集めたパーティーに参加したり、銀座の一日ママになったり。

それにしても、旦那様にかしずいているかのように書いているが、旦那さんのことは、ケチだとか、口うるさいだのボロクソ。それでも、なんとなく誇りに思っていて、なついている雰囲気を漂わせているからよけいずるい。

日本の夫婦の幸福というのは、夫が朝早く出て、夜遅く帰り、妻にたっぷり自由を与えるという前提のもとに成り立っているのである。

林真理子の略歴と既読本リスト



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ランチタイムに

2012年05月14日 | 食べ物

先月、吉祥寺の末広通りに蕎麦屋が新装開店したので入って見た。手打ちうどん「麦畑」だ。



確かに麺は腰があって、というか年寄には固くて今ひとつ。味はまあ満足というところか。

入口右手でご亭主?が長い棒を使って麺を手打ちしていた。しかし、最初、袋から取り出した麺は直径30センチほどの厚い円盤で、それを外からは見えないテーブルの下の機械で50センチほどの円盤に伸ばしてからテーブルに乗せて手打ちしていた。かなり体重を乗せて力を入れて伸ばしていたので、ケチつける気もないのだが。


別の日に、「いぬがいるお店」で紹介した「カフェ&ダイニング BUD’s Kitchen」に入っ
てみた。



BUDくんは相変わらず人なつっこく、




おとなしい。



犬連れ、犬好きの溜まり場になっているようで、店内には3匹の連れ犬が。

食べたのはパスタとコーヒーのセットで、約千円。



こちらもアルデンテ。というか、当方が軟弱になっているのかも。



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三浦しをん『秘密の花園』を読む

2012年05月13日 | 読書2


三浦しをん著『秘密の花園』新潮文庫み34-4、2007年3月新潮社発行、を読んだ。

カトリック系名門女子高に通う17歳の3人の少女たちの青春小説。

幼い頃に受けた性的いたずらによるトラウマを抱え男子とうまく付き合えず、その上、母を亡くしてしばらく学校を休む那由多(なゆた)。周囲には無関心で冷静だが那由多には親しみを見せる翠(すい)。幼稚園から上がってきたお嬢様グループなのに那由多と翠の間に入り自分の居場所を見つけたいが疎外されがちな淑子(としこ)。

女子高という狭い世界に閉じ込められ、一方では居心地の良さに浸り、周囲と普通(?)な距離感を保てず、痴漢に強烈に反撃したり、生まれなかった兄を名前で呼んだり、教師と恋愛したあげく失踪したりと、急に飛んだ行動に走る心理不安定な3人。

「中谷さんって冷たいのね」と言われて、彼女は思う。

彼女たちが基準にしているのは実は冷たさや温かさではなく、人当りがいいか悪いかという点だ。だがいくら自分にそう言い聞かせても、指先は動揺の温度を漂わせたままだ。



初出:2002年3月マガジンハウスから刊行



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

名門女子高の雰囲気、心理戦に興味のある人にはお勧めだ。作者三浦しをんが通った横浜雙葉が舞台なのだろう。えげつない話は出てこないが、キリスト教の説教、下からあがってきたお嬢様達との隔絶などしっかり書けている。

第一章の那由多と第三章の翠のキャラクターは興味がわくが、第二章の淑子はただ一途で面白みに欠ける。

『まほろ駅前多田便利軒』などで見せるユーモア、余裕ある記述ぶりはここにはなく、いかにも若書きといったふうに真面目さがそのまま出ている。ここを経て今の三浦さんがあるとの感を持った。

普通の小説では、最初に登場するときに、多少文章的に無理があっても、姓と名がふりがなつきで示される。ところが、この小説では名前だけで進んで、あとから姓が示されたり、翠の場合は、真ん中あたりではじめて「すい」とふりがなが示される。その時、みどりと誤って呼ばれるという設定はあるのだが、わかりにくい。

三浦しをんの略歴と既読本リスト





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白石一文『幻影の星』を読む

2012年05月11日 | 読書2

白石一文著『幻影の星』2012年1月文藝春秋発行、を読んだ。

博多の専門学校を中退後、居酒屋チェーンのバイト店員から今は東京で酒造メーカーの正社員となった熊沢武夫は25歳。「人もモノも自然も全部イリュージョンなんじゃないかな」とつぶやく年上でバツイチの堀江さんと不思議な恋愛をしている。ある日、郷里の母からの電話で自分のレインコートが地元のバス停に置き忘れられていたことを知らされる。しかし同じレインコートは現に自宅にもある。

諫早に戻って会社員をしながら、父の借金を肩代わりした社長と不倫を続け、夜はスナックで働く25歳の久美の話がからむ。彼女の携帯が10数年前にしか行ったことがない場所で発見されたのだ。

ふらつく時間と空間の混乱の中から、すべてはイリュージョンではないのかとの問いかけが続く。

初出「オール読物」2011年8月号~11月号



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

東日本大震災の映像を見て、非現実感に捕らわれた人が多いと思う。著者もその一人だったのだろう。しかし、物語というより、理屈っぽさが先に立ち、この世はイリュージョンとの話に素直に入り込みにくい。

他人の著書等を長く紹介するなどストーリー的には枝葉への入り込みが長い。(『ゾウの時間ネズミの時間』の著者本川達雄の『世界平和はナマコとともに』を5ページ、梅枝母智夫(架空作家)のエッセイ「どうせ絶滅の星」が6ページ、東京カテドラル聖マリア大聖堂など)。



白石一文(しらいし・かずふみ)
1958年福岡県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。
文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。
2009年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞
2010年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。
他に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『私という運命について』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『砂の上のあなた』『翼』など。


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“50 THINGS EVERY YOUNG GENTLEMAN SHOULD KNOW” を読む

2012年05月10日 | 読書2

John Bridges and Bryan Curtis “50 THINGS EVERY YOUNG GENTLEMAN SHOULD KNOW : What to Do, When to Do It, and Why” 2006年10月、Rutledge Hill Press
(英語の本を紹介するのは初めて。読みきったのも初めてかも。)

大人の紳士になるための50のマナーが示されている。内容は普通の大人には常識的な内容が多い。英文は易しく、私のような高校生レベルでも充分読める。

John Bridges :テネシー州のナッシュビル市のcultural affairsの前director。
Bryan Curtis:数冊の本の編集者。
両者は共同で数冊の本を書いている。



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

英語の勉強には良いのだが。


1. Saying “Please”
“Can somebody over there press nine?” ではなく、”Would someone press nine, please?”
(エレベーターで、「9階押して下さい」ではなく、「すみません、9階お願いします」)

3. Saying “Excuse Me?”
何か悪いことをしていないのなら、”I’m sorry” と言う必要はない。
(欧米では”I’m sorry”は「すみません」ではなく「謝罪します」との感覚なのだろう)

4. Making an Apology
本当にあなたが悪いことをしたと思ったときに、”I’m sorry”と言おう。
「あなたが座ったソファーの上にポケットナイフを置いたままにして申し訳ありません」
「つばを吐いたら、風であなたの顔に飛んでしまって申し訳ありません」
「トイレットペーパーが無くなったのに新しいものを補充するのを忘れて申し訳ありません」
(前2つは、ぶん殴られても仕方ない例で、これに比べ3つ目は”I’m sorry”というほどのことなのだろうか)

12. Listening to and Taking to Adults
>You do
Remove your ear buds, turn down the television, or take a break from your video game when an adult wants to talk to you.
>You don’t
Say, “I’m busy now” or “Can’t you see I’m busy?” or “I’ll get back to you when I’m done”
(親は子供にこうして欲しいと願っているのに叶えられていないというボヤキに聞こえる)

A gentleman looks adults in the eye when he is talking to them.
(紳士は話しかけられたらきちんと目を見る。日本人には難しい。)

13. Shaking Hands
>You do
Wait for a lady to extend her hand to you before you offer to shake her hand.
>You don’t
Try to break her hand by grasping her hand too tightly.
(英国で女性と握手したとき、相手は指先だけで握ってきた)

15. Accepting a Gift You Don’t Like
16. Accepting a Gift You Like
17. Writing a Thank-You Note

18. Selecting a Gift
A gentleman puts some effort into presenting his gift. He does his best when it comes to wrapping them. If he is not good at folding paper and tying bows, he puts his presents in a gift bag.
(私は自分でラッピングなどしたことはないが、他家に回せるようにラッピングをきれいにはがすのは、さんざんやらされて上手になった)

A gentleman does not need to ask someone what that person wants for any special occasion. If he pays attention to the likes and dislikes of the people around him, he will already know the right thing to do.
(私にとっては相手が何を欲しがっているかを察するなんて至難の業だ。そんなことで愛情を計らないで欲しい。)

A gentleman does not give bad gifts to anyone. Not even his sister.
(妹はいじめて楽しむ存在らしい)

29. Using a Napkin
>You do
Put your napkin in your lap as soon as you sit down at the table.
(テーブルに付いたらすぐナプキンを膝に置く)
Put your napkin in your seat when you have to leave the table for any reason during the meal.
(食事中に席を外さざると得ないときにはナプキンを椅子に置く)
>why
The other people sitting at your table don’t want to look at your dirty napkin while they are trying to eat.
(あなたのテーブル座っている他の人が、食事中にあなたの使用済のナプキンを見たくないからだ)

40. Borrowing and Sharing
If a gentleman breaks something he has borrowed, he finds a way to replace it or to repair it.
A gentleman does not borrow anything that he can’t afford to replace or repair. He thinks twice before asking to borrow an expensive item.
(紳士は、代わりの物があるか、修理できる物以外は借りない)

Gloogle Books

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昭和記念公園へ(2)

2012年05月09日 | 行楽
昨日、中抜き報告した昭和記念公園の「こもれびの丘」から再開。

丘を登る途中でタラの芽を発見。これが、木で、



これが、タラの芽。天ぷらにすると美味しい。道のすぐ脇にあって良いのだろうか? さっき道路脇の植物を引っこ抜いてすぐビニール袋に隠したオバサンを見たばかり。じっと睨みつけただけしかできなかったが。



尺取虫が何匹もぶら下がっていて、私の帽子の上にも這っていた。



「花の丘」の上から東の方を眺める。





「花の丘」は別名「コスモスの丘」だが、今は赤いポピーがちらほらのみ。



麓の日本庭園へ。



東屋があり、



回りには色とりどりのボタンが。







一休みした東屋の中からも。



たくさん花を付けた株も。



別な東屋の前にはシャクナゲ?



前には池が広がる。



亀も日向ぼっこ。



ちょとした山奥の庵の趣きのある場所も。



日本庭園内には盆栽苑もある。床の間には壮大な五葉松。



「ひめしゃら」の株立ち



「真柏(しんぱく)」の懸崖



以下、いくつかの花をご紹介。

「コデマリ」の大株



花が大ぶりだと思ったら、看板に「オオデマリ」とあった。



地味な色だがクリスマスローズの群生(?)



ツツジはほとんど見なかった。



たいした花がなかったので、おまけ。



ただし、「花みどり文化センター」に展示されている瀬戸豊彦氏の作品だ。

そして、ここで休憩時の、コーヒーとケーキ、500円。



月曜日なので「昭和天皇記念館」もお休みだったし、こんどは多少混んでも、花が多く咲いているときに来よう。































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