三浦しをん著「三四郎はそれから門を出た」ポプラ文庫、2010年4月、ポプラ社発行、を読んだ。
という「三浦しをん」さんの、ブックガイドが2/3、残りがエッセイだ。
雑誌、新聞に書いた書評などを集め、2006年にポプラ社から出版された本の文庫版だ。
著者は、文芸書はもちろん、専門とも言える漫画からあやしげな本まであらゆるジャンルの本を読んでいる。買った本を、待ちきれずに道で読みはじめて、路上駐車の車に激突したり、食事のメニューより先に食事中に読む本を吟味する著者は筋金入りの本好きだ。
題名は、著者が文学史の授業で夏目漱石の代表作を覚えるように言われたことから、それらを羅列したもの。
著者と中田英寿を崇拝する弟とのやりとり
「絶対ありえねえ」
とさんざんやりとりしてから、そばにいた母に話を振る。
「辛抱してちょうだい。家に憑く妖怪みたいなもんだと思って、たわごとは聞き流してればいいんだから」
仲のよろしいことで。ちなみに、写真を見ると、著者は(微妙に)美人で、けっして太っていない(ように見える)。
三浦しをんの略歴と既読本リスト
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)
本の紹介は行数が少なく、著者が面白がっているのは分かるが、読みたくなるほど内容が書いてあるわけではない。ただ、著者の考え方、人柄がにじみ出ている、というより湧き出しているのが面白い。まあ、笑いながら、ツッコミをいれながら楽しく読みたい本だ。
先日、『にっぽん 奇行・奇才逸話事典』で、古今亭志ん生が、
「関東大震災の折、グラッときたとたん、彼は「東京中の酒が地下に吸い込まれる!」と思い、あわてて酒屋へとびこんだ。酒屋のほうは逃げ支度に懸命で「いくらでも持ってってくれ!」という。そこで、ちゃっかり2升も飲み、ついでに両手に1本ずつぶらさげて外に出ると、地面は揺れているわ、酔いはまわるわで、もうフラフラ。」
との話を引用した。
志ん生の娘、美濃部美津子の『おしまいの噺』には、
とこの本にはあるという。まあ、いまさらどちらでも良いのだが。
著者が古本屋で働いていたとき、こんなものを本の“しおり”がわりにする人がいるのかと驚いた。
本の帯や、挟まれていた新刊などの広告が多い。(これはわかる)
それらを細かく裂いては、読み止めるたびに挟む人がいる。10数ページごとに点々と挟まっている。(不精しないで、前に挟んだものは取れ!)
事務用クリップ、ティッシュペーパー、お札。
(何で? あきれる)
ページの端を折る人もいる。
(私はこれが嫌いで、図書館の本でも神経質にいちいち延ばしている)
ひどいのは、猫の毛、爪、陰毛、鼻くそがあったという。
(考えられない。本がなければ生きていけない。しかし、こんな人に本を読む資格はない。)
私は、ポストイット(付せん)を横にして貼って、読み進めるとずらして行く。注目したところには縦に貼っておいて、読み終わったあとに、もう一度読み返し、このブログを書く。
ちなみに、剥がしたポストイットは付かなくなるまで再使用する。計算してみたら、1枚約1円、結構高い。安売りで買うテッシュは1枚0.13円だから、私もテッシュを裂いて使おうかな。もちろん、再利用して??