hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

ケーキ店 “a tes souhaits!” へ

2019年06月30日 | 食べ物

 

東京女子大学前の交差点すぐの地元では有名なケーキ店、「アテスウェイ」に行った。

2012年4月以来のご無沙汰です。

 東女での6回の公開講座に通うついでにケーキを買って帰った。講座の方がついでという人もいますが。

 

場所は東女の筋向い。

 

アテスウエイとは、フランス語で 

 

 と書き、オーナー・シェフの川村さん、がフランスで働いていたときにくしゃみするとスタッフが” à  tes souhaits! ”(願い事が叶いますように!)とかけてくれた言葉からとったそうです。

 

英語だと、“God Bless (you) ! ” (神の祝福を!)です。私は、「あっ」と思ったときにはタイミングを逃してしまって、一度も言ったことがないのですが。

 

私の一番のお勧めはこれです。なにしろフワフワで、どんな時も思わずニヤニヤしてしまいます。

 

 

その他、こんなケーキがずらりと並んでいます。

 

 

ガラスのカップに入ったケーキも。

 

 

マカロンもマジウマです。

 

 

毎週金曜日、6回も通ったので、もちろん東女にですが、こんな風にあれこれ選ぶのに苦労しました。

 

 

すぐ隣にはアイルクリームとショコラの店があります。

 

 

一応お隣にもご挨拶して、フィナンシェなどお買い上げしました。

 

 

一体どれくらいカロリー摂取したことやら。

 

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Public Kitchen閉店

2019年06月28日 | 食べ物

 

井の頭通り沿い、吉祥寺南病院駐車場向いにあるPUBLIC KITCHEN cafe 吉祥寺店。

兵庫県丹波の有機農園が直営するお店で、土日には女性が並んでいて人気の店だったが閉店した。

 

ドアには張り紙。

 

 

何回も入って、何回も閉まっていて入れなかった店だ。残念!

 出産で休んで、そして赤ちゃんを抱きながらお店を切り盛りしていた。

何回も長期休業しながら女性たちに支持されて、土日には店先には列ができていた。儲かったとも言えないだろうが、いろいろな人に愛された店だった。事情は知らねども、別の場所で頑張って欲しい。いや、そうに違いない!


2015年の1月9月2016年5月27日に紹介 

  

 

 

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柚木麻子『マジカルグランマ』を読む

2019年06月26日 | 読書2

 

柚木麻子著『マジカルグランマ』(2019年4月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

いつも優しくて、穏やかな「理想のおばあちゃん」(マジカルグランマ)は、もう、うんざり。夫の死をきっかけに、心も体も身軽になっていく、75歳・正子の波乱万丈。

若い頃に女優になったが結婚してすぐに引退し、主婦となった正子。
映画監督である夫とは同じ敷地内の別々の場所で暮らし、もう五年ほど口を利いていない。
ところが、75歳を目前に先輩女優の勧めでシニア俳優として再デビューを果たすことに!
大手携帯電話会社のCM出演も決まり、「日本のおばあちゃんの顔」となるのだった。
しかし、夫の突然の死によって仮面夫婦であることが世間にバレ、一気に国民は正子に背を向ける。
さらに夫には二千万の借金があり、家を売ろうにも解体には一千万の費用がかかと判明する。

亡き夫に憧れ、家に転がり込んできた映画監督志望の杏奈、
パートをしながら二歳の真実ちゃんを育てる明美さん、
亡くなった妻を想いながらゴミ屋敷に暮らす近所の野口さん、
彼氏と住んでいることが分かった一人息子の孝宏。
様々な事情を抱えた仲間と共に、メルカリで家の不用品を売り、
自宅をお化け屋敷のテーマパークにすることを考えつくが――

「理想のおばあちゃん」から脱皮した、
したたかに生きる正子の姿を痛快に描き切る極上エンターテインメント!! 「週刊朝日」連載の書籍化

 

題名の「マジカルグランマ」は、理想的ステレオタイプのおばあさんの意味。

 

正子:「尾上まり」の名で脇役活躍。現在旧姓の本名「柏葉正子」で一時「ちえこばあちゃん」としてブームに。

紀子ねえちゃん:正子あこがれの先輩大女優

浜田壮太郎:正子の夫の映画監督。正子は4年間口をきいていない。

孝宏:正子の息子。パートナーは行政書士の清野(せいの)。

設楽(したら):脇役専門のシニア俳優派遣事務所経営。

陽子:正子の幼馴染。街で唯一の映画館の一人娘。

間島明美:裏に住む武の嫁。娘は真美。

田村杏奈(あんな):壮太郎のファンで映画監督志望。正子の家に同居。

野口:妻のけいこさんが亡くなってからゴミ屋敷に。

 

初出:「週刊朝日」2018年5月~2019年2月に連載。

 

 

柚木麻子の略歴と既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

優しく穏やかなおばあちゃん(マジカルグランマ)が、突如目覚めて思い切った行動を起こす物語。前半は着々と新しいおばあちゃんへの道を進んでいくのだが、後半一気にハチャメチャに突っ走る。「ちょっとどうなのよ、それ」と言いたくなることが増え、『ランチのアッコちゃん』も著者も好きだが、この作品で直木賞はあげないで欲しいと思ってしまう。

 

 

「好書好日」の著者インタビュー  

 

なぜ70代の女性を書いたかと聞かれて。

でも、なぜかエンタメの世界で描かれるお年寄りって、和服を着ていませんか? 私は和服を着ているお年寄りってあんまり見たことがないんですよ。エンタメの中で自分のことを「わし」と呼ぶおじいさんも多いけれど、私は実際には会ったことがありません。そろそろフィクションで描かれるお年寄りのイメージをアップデートしてもいいのでは、と思うようになりました。

 

自宅をお化け屋敷にする発想

最初は、正子が自分で事務所を作って芸能界を席捲していく話を考えていたんです。でもその頃、保育園に40個落ちたりと大変で。家事と育児と執筆に追われ、家と無認可保育園の往復をするだけで、街から出ない生活を送っていたんです。芸能界の話を書こうにも取材に出かけることができなかった。それで、この小説も正子が家の周囲から出ない話になりました。

「マジカル」について

正子が気づくのは、自分は世間が求める「マジカルグランマ(=理想のおばあちゃん)」を演じていた、ということです。作中でも言及されますが、白人が作ったフィクションの中で、黒人が白人にとって都合よく献身的な存在として描かれることを指す「マジカルニグロ」という言葉がヒントになっている。

「マジカル女性作家」:「女性の作家は辛い恋愛をして孤独を噛みしめて、それを読者に差し出せ」「幸せになっちゃ終わりだ」

「マジカル女性編集者」:お酒の席では豪快に飲んで、セクハラを受けても動じないことを求められてしまう。

「マジカル書店員」:収入のことは度外視して、残業もいとわずに好きな本のために捧げるイメージ。

 

 

 

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果実園リーベルでランチ

2019年06月24日 | 食べ物

東急吉祥寺3階の「武蔵野マルシェ」にあるフルーツパーラー「果実園リーベル」でランチした。

 

11時半までモーニングサービスが人気なので行列ができていて、敬遠していた。

ふと見ると、ジャスト11時半前で空いていて、さっそく入店。

 

 ショーケースには果物と、果物を使ったケーキが並ぶ。

 

 

私めは、「茄子とブロッコリーのビーフカレー」1180円

 

 

フルーツサラダとドリンク付きだ。

 

 

ナスとブロッコリーがたっぷり入っている。カレーはとくに辛くなく多少物足りない。ビーフは吉野家風で小さく薄いが、けしてかみ切れるわけではない。でも、味は良い。(変な言い方!)

 

相方は、モーニング。パンは極薄にスライスしてあり、美味。ドリンク付きで880円はコスパ良好。

 空いていればまた入りたい店だ。

 

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高田郁『花だより みをつくし料理帖 特別巻』を読む

2019年06月22日 | 読書2

 

高田郁『花だより みをつくし料理帖 特別巻』(時代小説文庫た19-20、2018年9月8日角川春樹事務所発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

澪(みお)が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。店主・種市とつる家の面々を廻(めぐ)る、表題作「花だより」。澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋燕(しゅうえん)」。澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!

 

2014年に大団円を迎えた完結した「みをつくし料理帖」シリーズ。著者の作家生活10周年の記念作品としてまさかの続編「花だより」が刊行された。

 

 

「花だより ―愛し浅蜊佃煮」

江戸の料理屋「つるや」の店主、74歳の種市が占いで来年の桜は見られないと告げられた。人気戯作者・清右衛門、版元の坂村堂と、看板婆の「りう」が連れだって大坂の澪に会いに行く。

 このメンバーの東海道道中が面白くないわけがない。種市のぼやきぶり、清右衛門のわがままぶり、怒りぶり、律儀さが懐かしく楽しくなる。

 

「涼風あり ―その名は岡太夫」

昔、澪が慕っていた小松原(小野寺数馬)の妻となった乙緒(いつを)。父の教えを守り、まったくの無表情を貫く乙緒は、嫁いで6年、嫡男も授かり、義母かつて澪と夫が想いあっていたいたことを知り、悩む。

謎の言葉、岡太夫とは?

 

「秋燕 ―明日の唐汁」

澪の幼馴染で、江戸で絶大な人気を誇った「あさひ太夫」だった野江は、大洪水で失われ「高麗橋淡路屋」を再建させた。再建時の約束、3年以内に男の店主を立てるという期限が迫っていた。しかし、野江は命を捨てて野江を助け出してくれた「又次」を忘れられない。

 ここで初めて、野江と又次の出会い、「あさひ太夫」になった経緯が語られる。「又次」かっこよすぎ!野江も。

野江のせりふ。「このおひとに指一本触れてみなはれ」「この顔に傷をつけて、売り物にならんようにしますで」

契れば叶う男女の情、というのではなかった。抜き身の刃の上を歩いて生きてきた者同士、吉原という地獄で巡りあい、互いを生きる理由としたのだった。

 

月の船を漕ぐ 病知らず

 澪は大坂で「みをつくし」という料理屋をやっていたが、大家の代替わりで店を閉じることになる。夫の源斉は流行の疫病ころりの治療で疲れ果て、無力感と過労で倒れ、月も星も無い闇夜の海で船を漕いでいる夢を見る。

 しばらく源斎だけの料理人となった澪だが、一向に食欲が出てこない。源斎の母に子どもの頃の好物を訊ねた澪の手紙への返事に大きな封書が届く。そして…。

 

「巻末付録 澪の料理帖」

「特別付録 みをつくし瓦版」

 

 

本書は時代小説文庫(ハルキ文庫)の書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

みをつくし料理帖シリーズのファンなら必読の書だ。この本を読まなければ、シリーズは完結しないのだから。シリーズを読んでいない人は、これを機会に一巻から読んで欲しい。

 

完成した各キャラクターが生き生きと動き出し、弾むように話が進む。野江の太夫時代の話も感動的だし、野江も又次も、任侠映画のようにかっこよすぎだ。

 

著者はこのシリーズをもう書くことはないと明言している。「みをつくし瓦版」で「続編の予定は?」の質問に対し、「名残惜しいのは私も同じですが、この特別巻ののちは、皆さまのお心の中を、澪たちに住まいとさせてくださいませ。」と書いている。

残念だが、「ありがとうございました」とお礼を言いたい。こんな本に、こんな著者に出会えて幸せだった。

 

高田郁(たかだ・かおる)

1959年、兵庫県宝塚市生れ。中央大学法学部卒。
1993年、川富士立夏の名前で漫画原作者としてデビュー。高田郁は本名。
2006年、短編「志乃の桜」
2007年、短編「出世花」(『出世花 新版』、『出世花 蓮花の契り』)

2009年~2010年、『みをつくし料理帖』シリーズ『第1弾「八朔の雪」、第2弾「花散らしの雨」、第3弾「想い雲」

2010年『 第4弾「今朝の春」

2011年『 第5弾「小夜しぐれ」

『 第6弾「心星ひとつ」』

2012年『 第7弾「夏天の虹」』

みをつくし献立帖

2013年『 第8弾「残月」』

2014年『第9弾「美雪晴れ』『第10弾「天の梯」

2016年『あきない世傳 金と銀 源流篇』、『あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇』、『あきない世傳 金と銀 三 奔流篇

 

その他、『 ふるさと銀河線 軌道春秋』『銀二貫』『あい 永遠に在り

エッセイ、『晴れときどき涙雨

 

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伊与原新『月まで三キロ』を読む

2019年06月20日 | 読書2

 

伊与原新著『月まで三キロ』(2018年12月20日新潮社発行)を読んだ。

 

地球惑星科学の博士課程修了という著者の、「折れそうな心に寄り添う」温かい短編6篇。連作集ではないが、いずれも、大切なものを失い、心が壊れた人がほっと息をつく話で、じんわりくる短編が並ぶ。

 

 

「月まで三キロ」

独立して立ち上げた会社が倒産、妻・祐未と離婚、母が急逝し、父親の介護がきつくなり、タクシーに乗った男は行き先を富士山の樹海と告げる。運転手は下見だというこの男に、「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ」と、山奥へと誘う。

 

地球と月が生まれた40憶年以上前、両者の距離は今の38万キロの半分以下で、地球から見える月の大きさは、今の六倍以上だった。すごい迫力だっただろう。しかも、太古の月はくるくると回転しており、表も裏もすべて地球から見えた。今でも月は一年に3.8センチずつ地球から遠ざかっている。

こんなことを教えてくれるタクシーの運転手の正体は? なぜ月にこだわるのか? 最後に辛い過去が。

 

案内されたところには道路の案内標識があった。そこには確かに「月 3km」とあった。なぜ?

 

この表題作は新潮社のこの本の紹介HPの中の「特設」で全文公開されている。

 

 

「星六花」

「降水確率0パーセントというのは、絶対に雨が降らないという意味ではないんですよ」と気象庁に勤める奥平は言う。美彩、岸本と4人での合コンの席でのことだ。富田千里は、どうせわたしなんて、今さらがつがつ婚活しても、と思っていたら40歳寸前、独身になっていた。

千里は想いをつのらせるが、奥平は……。

「星六花」は、40種類ある雪の結晶の一つで、6本の針が等方に伸びているシンプルな結晶。

 

 

「アンモナイトの探し方」

中学受験と両親の不仲で、不調をきたし、円形脱毛症となった小学生・朋樹は、川原でアンモナイトの化石を探す戸川と出会う。皮肉を言っていた朋樹はやがて無心でハンマーで石を叩き、アンモナイトを探すようになる。

 

 

「天王寺ハイエイタス」

自家製のかまぼことさつま揚げを売る「笹野かまぼこ店」を継がざるを得なくなった弟・健と、京大出の研究者の兄・優(まさる)。昔ギタリストだった哲おっちゃんは、長年ため込んだレコード、雑誌、楽器を毎年港に捨てていた。

ハイエイタスとは、地球温暖化による気温上昇が一時的に停滞する現象。

 


「エイリアンの食堂」

母親・望美を4年前に亡くした田辺鈴花は不眠症で、父親・謙介は鈴花を連れて深夜のドライブに出かけることが多い。

謙介が経営する「さかえ食堂」に毎日現れる女性を、小学三年の鈴花は、「プレアさん」とひそかに呼んでいる。ブレアさんは、月曜から金曜まで5種類の定食を同じローテーションで3ヶ月食べている。鈴花は彼女はプレアデス星人だと信じている。


ブレアさんはは近くにある高エネルギー加速器研究機構で働いている素粒子物理学の研究者で、名前は本庄聡子だった。

突然食堂を訪れなくなったブレアさんが、久しぶりに来て、母親を癌で亡くした鈴花に、「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」という。「体の原子のほとんどは、長くて数年で入れ替わる。…今わたしの中にある水素は、昔、他の誰かが使っていた水素かもしれない。わたしが使っていた水素は、きっといつか他の生き物が使う。わたしが死んだあとも、繰り返し繰り返し、ずっと」。

 

 

「山を刻む」

子どもたちや、夫からも感謝されない専業主婦を誠実に勤めてきた女性は、ついに決断し、あの人に電話する。

 

 

伊与原新(いよはら・しん)の略歴と既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき)(最大は五つ星)

 

科学の話に果てしないロマンを感じる私には、理系の面白いうんちくと、底知れぬ悲しみが結びついて、心を深く打たれた。

科学と人の悲しみが自然と交錯し、独特の世界が創られる。理系好き、アンチ理系にかかわらず、静かに楽しめる何か不思議な話が並んでいる。

 

とくに良かったのは、「月まで三キロ」

死を求めている男が、通りすぎてしまった男から、月に関する蘊蓄(うんちく)を聞く。何の関係もない理系の話と人の悲しみが、対比し、寄り添いあう不思議。鮮やかだ。

 

他も良いのだが、もう一つ上げれば「エイリアスの食堂」だ。

極小の素粒子の研究が宇宙研究に繋がっていると知ったときの感動を思い出させてくれた。ストーリーも良いのだが、初歩的ではあるが素粒子の話も楽しく読める。理系のポスドクの雇用の不安定さにも心が痛む。

 

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スコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読む

2019年06月18日 | 読書2

 

スコット・ギャロウェイ著、渡会圭子訳『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(2018年8月9日東洋経済新報社発行)を読んだ。

 

宣伝は以下。

GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)は、この20年ほどで世界のあり方を大きく変えてきた。この激変を予言した著名教授が断言する、次の10年を支配するルールとは。
米国発、22カ国で続々刊行のベストセラーがついに日本上陸!


アマゾン

消費者の自宅に商品を届けるラスト・ワンマイルのインフラに巨額の資金を投入した。これを可能にしたのが、による巧みなストーリーテリングで「地球上最大の店舗」の夢を語り、多くの個人投資家たちは利益でなくビジョンと成長に気前よく投資するのだ。

アマゾンは歴史的低金利で金を借り、並外れて高額な配送コントロール・システムに投資した。ネットショッピングと宅配によって買い物の手間を減らし、小売業の市場を独占。顧客がつけるレビューによって宣伝のコストを減らして流通に専念する。

 

野菜や肉は店で直接買いたいという消費者が多く、ホールフーズを買収し、配送拠点、返品場所とした。

 

アマゾンの時価総額は4,329億ドル、ウォルマートは2,276億ドル、ターゲット304億ドル……。小売業界が横ばいのなか、アマゾンの2016年の収益は290億ドルに増加した。アマゾンの必要な従業員数は少ないので7万人分の雇用が破壊されたことになる。

 

アップル

1999年、スティーブ・ジョブズはアップルに戻るとすぐ派手な店舗アップルストアを出した。時代遅れの戦略と言われた店舗展開はアップルをテクノロジー企業から高級ブランドへ転換させ、製品を高級品へ押し上げた。宗教的な熱狂的なファンをもち、低コストの製品をプレミアム価格で売っている。アップル製品は「イノベーティブな人」が持つとのイメージを確立した。

 

フェイスブック

普及率と使用率でいえば人類史上もっとも成功している企業だ。世界人口75億人のうち、12億人が毎日フェイスブックとの関わりをもっている。個人が発信している膨大な情報を、フェイスブックは所有しているわけである。

調査会社の調査結果によれば、あなたが「いいね」をつけた150件がわかれば、そのモデルはあなたのことを配偶者より理解できる。300件になれば、あなた自身よりあなたのことを理解できる。

 

2012年、フェイスブックは、社員13人の写真共有アプリ・インスタグラムを10億ドルで買収した。

 

フェイクニュースは頭の痛い問題だ。「我々は自分自身で真実の判定者にはなれない」と主張したが、非難は収まらなかった。そこで、ユーザーの通告があれば、判定ソフトにかけて「真偽に疑問あり」というラベルを付けることまでは実施した。

 

フェイスブックもグーグルも「我々をメディアと呼ばないでくれ。我々はプラットホームだ」と主張している。

 

グーグル

グーグルの製品はただ一つ、検索エンジンしかない。しかし、シンプルなホームページと、検索は公平で広告主の意向に左右されないという点が支持されている。他の市場にむやみに移行しそうもなく、創業者たちは感じが良い。グーグルのモットーは “Don’t be evil”。

 

検索は人目につかないところで行われるので、世界中のすべての情報をこっそり集めている。そして、グーグルは現代人の知識の源で、全知全能の神だ。使われるほどに価値を増す。毎日20億人がグーグルを使うことで、日々検索の精度は向上している。

 

著者の考える次のライバル企業

それぞれ難題を抱えてはいるが、アリババ、テスラ、ウーバー、ウォルマート、マイクロソフト、リンクトレイン(職探しのためのフェイスブック)、エアビーアンドビー(Airbnb ホテル業界のウーバー)他

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

話は分かりやすい。翻訳も読みやすいし、多分原文も明快なのだろう。しかし、400頁を超える大部である必要はない。冗長な部分をそぎ落とす作業を行っていない。例えば、著者が役員をしていたというニューヨークタイムズでの経営陣との論争は、主題とはまったく関係ないのに突然挿入されている。

 

何となくは感じていたがGAFAの経営法、特徴は明快に書かれていて、面白い。複数個所に出てきて、それぞれ冗長ぎみではあるが。

 

少数の企業が圧倒的な市場支配力を持っている危険性はこの本を読んで確かに感じられる。4社ともに、目立たないように、控え目な役割に限定しているように見せてはいるのだが。

論拠は明快に見えるが、とくに数字で示されているわけではなく、客観性が欠け、決めつけに過ぎない。リスクの最大点である顧客から得た膨大なデータをGAFAがどう使用しているかについて、はっきりと具体的に指摘していない。

 

スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)

ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。
連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としてL2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業。ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピューターなどの役員も歴任。


2012年、クレイトン・クリステンセン、リンダ・グラットンらとともに「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出。
Youtubeで毎週公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇るほか、
TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions(アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」は200万回以上閲覧された。


渡会圭子(ワタライ ケイコ)
翻訳家。上智大学文学部卒業。

主な訳書に、ロバート・キンセル/マーニー・ペイヴァン『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』、マイケル・ルイス『かくて行動経済学は生まれり』(以上、文藝春秋)、エーリック・フロム『悪について』(ちくま学芸文庫)などがある。

 

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黒川伊保子『妻のトリセツ』を読む

2019年06月16日 | 読書2

 

黒川伊保子著『妻のトリセツ』(講談社+α新書 800-1 A、2018年10月18日講談社発行)を読んだ。

 

「はじめに」

夫から申し立てた離婚動機で急上昇(第2位)は、精神的虐待だ。具体的には、

いつもイライラしている、口調がキツイ、いきなりキレる、急に怒り出す、何をしても怒られる、口をきかない、無視する、夫の分だけ家事をしない、人格を否定するような言葉をぶつけてくるといった妻の言動を指す。

 

「第1章 辛い記憶「ネガティブトリガー」を作らない

女性脳は、体験記憶に感情の見出しをつけて収納しているので、一つの出来事をトリガーにして、その見出しをフックに何十年分もの類似記憶を一気に展開する能力がある。…(例)「つわりがひどくてふらふらだった私に、あなたなんて言ったか覚えてる?」(そのときの子供は既に30代)

 

女性脳の、最も大きな特徴は、共感欲求が非常に高いことである。「わかる、わかる」と共感してもらえることで、過剰なストレス信号が沈静化するという機能があるからだ。…逆に共感が得られないと一気にテンションが下がり、免疫力も下がってしまうのだ。

 

「第2章 ポジティブトリガーの作り方」

プロセス指向型で、成果よりも「これまでの道のり」に意識が集中する女性脳にとって記念日は、記憶の芋ずるを引きずり出す気満々の日。

 

男性脳は、「一番」と言われるのが好き。…しかし、女性脳が好きなのは、唯一無二。…「君が一番きれいだ」などと言いがちだが、比べる対象がいるだけで、女はなんとなく不愉快な気持ちになる。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

かなり女性側の一方的言い分だが、話は明快でわかりやすい。わが身に照らして、残念ながらかなり説得力もある。ただ、内容は、『女の機嫌の直し方』+αだ。

 

女性脳と男性脳については、専門家からそんな大きな違いはないと指摘されているが、読者は物理的差などどうでもよいので、それぞれ、女性と男性と読み替えればいいだけの話だ。

女性はこうこうと、決めつける箇所も多いが、話を分かりやすく、明快にするために、新書レベルではしかたない。

 

この本を読んで改めて感じ入ったのは、女性はややこしいということ。

まず、女性は、相手を思いやる能力が高い。女性は、「相手を大切に思い、関心があれば、察することはできるでしょうに」という。ところが男性は察することは苦手だ。愛の深さとは無関係だ(と思う)。

 

女性は、相手をおもんばかり、まず自分の意見は抑えて、相手に賛成し……など、要するに言ってることと思っていることが違うことが多い。「そんなの当たり前じゃない。言ってることと思ってることが同じ人なんていないでしょ」と言う。これには、単純な男性はついていけません。ちゃんと、裏まではっきり説明してください。男性は表をぼんやり見ているだけなんですから。

 

なじられても、ともかく真摯に謝る。それしかない。男性は理由や原因を言い募りがちだが、それを言ってはだめだという(p11)。

これは男性には辛い。我慢し、謝ることができるとしたら、その女性をいとおしいと思っていて、「なじる人は傷ついている」と知っているからだろう。ということは、女性はここまでひどいことをしても、まだ謝ってくれるのは、本当に私を愛してくれているのだと感じるために、むごい仕打ちをしているのだろうか?

理不尽と思われるこの本のようなことに従うのは、男性にとっては厳しい。しかし、そうしなければ平和は訪れないのならば、愛する男性はそうせざるを得ない。この本は、その女性をいとしく思うという前提での話なのだ。 愛は厳しい!

 

 

 

黒川伊保子(くろかわ・いほこ) 
1959年長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家。

奈良女子大学理学部物理学科卒業。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて、人工知能(AI)の研究開発に従事。

2003年(株)感性リサーチを設立、同社代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発し、マーケティング分野に新境地を開学した感性分析の第一人者。

年間100回を超える講演・セミナーを行う。

著書に『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』 (新潮新書) 、『恋愛脳』『夫婦脳』『家族脳』(新潮文庫)、『日本語はなぜ美しいのか』(集英社新書)、『「ぐずぐず脳」をきっぱり治す! 』(集英社)、『キレる女 懲りない男――男と女の脳科学』(ちくま新書)、『英雄の書』(ポプラ社)、『女の機嫌の直し方』など。

 

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Embassy でランチ

2019年06月14日 | 食べ物

 

Embassyでランチと言っても、大使館でのランチではない。

都立大学駅、学芸大学駅から徒歩10分のスイング碑文谷(ゴルフ練習場)内のカルフォルニア料理店 Embassy Cafe & Diningでのランチだ。

 

さすが「碑文谷」のゴルフ練習場、駐車場にはどう見ても手が届かない車が並ぶ。

レンが造りの重厚な建物の入口を入り、左手がレストラン。

レジ横の壁にはホップな(死語?)看板が。

 

 

平日のランチ時のせいか、若い女性たちで一杯。有機アイスティー付きでランチは1,000円からと安くて雰囲気が良いのが女性を集めるのだろう。平日ランチではサラダビュッフェを650円で追加できるようだ。

 

私は、評判の「やわらかビーフの特製黒カレー」。野菜たっぷりで、黒カレーが独特のおいしさ。コーヒーを追加して1600円くらいだったと思う。

 

 

多少高めだが、雰囲気も含め、「たまにはいいじゃない」。

 

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松尾貴史『違和感のススメ』を読む

2019年06月12日 | 読書2

松尾貴史著『違和感のススメ』(2019年2月28日毎日新聞出版発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

権威を疑う! 多数派を疑う! 
もの言うタレント、松尾貴史の辛口社会派エッセイ。
立川志の輔との特別対談を収録!!

ある時は政権に、ある時は大手メディアに、またある時は世の中の流行に......。
この国のあらゆる"しっくりこない" に松尾貴史が物申す。
毎日新聞別刷『日曜くらぶ』連載中の「松尾貴史のちょっと違和感」からの選りすぐりコラム集。

 

立川志の輔との特別対談収録

 

イギリスのジャーナリスト、ジョージ・オーウェルの「ジャーナリズムとは報じられたくないことを報じるものだ。それ以外は広報に過ぎない」という言葉は、報道記者の皆さんも重々承知のことだろうし。

 

「人類は皆アフリカ系地球人」

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」チャップリン

 

政権批判

●反日と誹られて ●「一億総活躍」」と言われても ●違和感だらけの森友問題 ●国難は彼自身 

 

ネット右翼へ反論

●ツイッター炎上という「黙らせ方」  ●違う考えを持つ人への匿名の暴力

 

社会風潮への反感

●コンビニ年齢認証のばかばかしさ ●ポイントカードの憂鬱 

 

言葉への違和感

●「この後、スタッフがおいしくいただきました」 ●テレビでの"業界用語" 多用の謎 ●ニュースでしか聞かない「のようなもの」 ●「半端ない」は「適切ない」!?

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

私は、松尾さんの主張には99%賛成で、当然のことだと思うのに、そう取らない人がいることの方が信じられない。しかし、皮肉を効かせたこの書き方では、進歩的(死語?)な人はそうだそうだと留飲を下げ、逆に右翼、普通の人(??)は反感を募らせるだけで、建設的な議論には進まないと思う。

 

それにしても、政治的意見が時の政権と同じだとしても、政権側・権力におもねることことを恥と思わない人にはあきれる。谷村新司が自民党大会で熱唱するとは、情けない。

また、政権批判をする人に対し、匿名でえげつない個人攻撃するネット右翼は卑怯者だ。

 

ところで、極端なことをいうとリベラルなのは年寄ばかりという現状では、ネット右翼は「何もしなくてもあと20年ほど経てば左翼は自然消滅する」と考えているのではなかろうか。ちょうど、我々が若者だったときに、「あと何十年かするば、当然社会党政権になるが、少しでも早めたい」と考えていたように。

 

 

松尾貴史(まつお・たかし)
1960年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、「折り顔」作家など、幅広い分野で活躍。東京・下北沢にあるカレー店「般゜若(パンニャ)」店主。『季刊25時』編集委員。

著書に、『東京くねくね』(東京新聞出版局)、『なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門』(PHP研究所)、『折り顔』(リトルモア)ほか。

 

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香山リカ『皇室女子』を読む

2019年06月10日 | 読書2

 

香山リカ著『皇室女子 “鏡”としてのロイヤル・ファミリー』(2019年2月8日秀和システム発行)を読んだ

 表紙裏にはこうある。

1.「努力ではどうにもならないことがある」と気づけない。
2.やっぱり「婚家より実家が頼り」に思える。
3.「私事より義務優先」を次の世代にも求めてしまう。
4.「子どもはまだ?」がタブーでないなんて。
5.自分の「痩せすぎ」を自覚できない。
6.「ふつうの生活」が一番むずかしい。
7.「子どもが自分の思い通りにならない」ことに愕然とする。

……etc.

皇室のやんごとなき女性たちの苦悩も、

私たち、同じニッポン女性の苦しみなのだ!

以上の1.と2.は雅子さま、3.は美智子さま、4.は現上皇、5.は愛子さま、6.と7.は雅子さま、かな?

 

雅子さまは、1999年頃、突然飛び出してきた人のフラッシュにさらされ、フラッシュを使った撮影に恐怖心を抱くようになった。

雅子さまは「努力ならいくらでもできる」が、「努力ではどうにもならないことにはどうやって立ち向かえばよいかわからない」というタイプなのだと思う。

 

1993年、「週刊文春」が「昭和天皇が愛した皇居自然林が丸坊主」と美智子妃を非難。美智子さまは「長年、言いたくても言えないことがあった」という状況から、「心因性失声」の症状が現れた。

 

レジリエンスとは、「厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見出すことができる」性質で、その人のもともとの“心の強さ、しなやかさ、復元力”が、逆境に立たされたとこの“打たれ強さ”に関係している。美智子さまにはレジリエンスがあり、雅子さまにはない。

 

1999年、雅子さまご懐妊をことこまかに朝日新聞が報じた。流産に終わったのだが、宮内庁内部でもごく限られた人間しか知らないことが朝日にスクープされ、雅子さまは周囲への不信感が募り、心を閉じるようになった。

 

メディアでも称賛されていた紀子さまが女官たちに厳しいなどとバッシングされるようになっていった。また、眞子さま、佳子さまの皇族らしくない行為も悩みの種となり、小室圭さんの件で完全に逆風になった。雅子さま、愛子さまが元気になるにつれ、立場は逆転した。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

週刊誌の新聞広告を見るだけの私も、皇室情報・スキャンダルを「そうそうそんなこともあった」と復習した。無責任なメディアのバッシング対象は、美智子さまから雅子さまへ、そして紀子さまへ移って行き、それに合わせた形のそれぞれの内部情報も都合よくリークされている。

外野からときどきチラチラみると面白いのだが、反論できない皇室女子はたまったものではないだろう。

 

皇室情報の扱いは公平、正確で、要領よく要約されているので、解り易い。内容は、精神科医としての見解はほとんどなく、メディア情報の要約にとどまっている。しかし、医師の見解など誰も欲していないので、これで良し。

そもそも「皇室女子の動向から一般女子が学ぶ」ことなど、なぜ必要なのだろう。身近にいくらでも例がごろごろしているのに。

 

 

目次

プロローグ ―― 雅子さまがいよいよ皇后になる日
第1の鏡 「女子も実力勝負」の時代に踊らされ
第2の鏡 婚家と実家のはざまで
第3の鏡 「夢見る頃」を過ぎてぶつかる壁
第4の鏡 「子どもはまだか」がタブーでないなんて
第5の鏡 育児にのめり込んでみたものの
第6の鏡 母の〝うつ″に子どもの〝いじめ″が重なって
第7の鏡 ただ〝ふつうに″生きたいだけなのに
第8の鏡 「親の心 子知らず」とは言うけれど
エピローグ ーー 日本女性の写し鏡としての〝皇室女子″

 

 

香山リカの略歴と既読本リスト

 

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5月の花

2019年06月08日 | リタイヤ生活

 

5月中旬は旅行で花のお届けは中止し、下旬の1回のみ。

 

しかし、これが豪華! 

 

ピンクのシャクヤクが4本、赤が1本。青いデルフィニウムに、黄色の小さな花が煙るソリダコ。

 

 1日で盛りとなり、

 

 

2日も経つと1本が加齢で……。

 

花の命は短くて……。

 

母の日に頂いた花は、豪華!

 

 

 

今月は艶やかな花に囲まれて、シアワセ。

 

5月はバラの季節。散歩中にあちらこちらで、苦労して育てただろうバラをタダ見。

 

 

雪が積もったような花を見上げる。

 

 

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島根みやげ「竹島ものがたり」

2019年06月06日 | 食べ物

 

竹島のカタチをしたまんじゅう「竹島ものがたり」をいただいた。

 

 

包み紙には、「島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地」と記されている。

 

まんじゅうは確かに写真で見た竹島の形をしている。

そこまでやるかという日の丸の楊枝が笑える。

 

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小和田哲男『知識ゼロからの国宝入門』を読む

2019年06月04日 | 読書2

 

小和田哲男監修『知識ゼロからの国宝入門』(2016年3月10日幻冬舎発行)を読んだ。

 

70あまりの国宝を、各、見開き2ページで、左半分は写真で、右ページに「国宝ココガスゴイ」、国宝名・成立年代・国宝指定年月・所在地、「国宝が解き明かす日本史」、「国宝の時代」と並べ、その国宝の魅力を時代背景とともに解説。さらに24の国宝について、各1/4頁づつ解説。

 

「国宝を紹介しながら、それぞれの国宝にまつわる物語を通して、古代・中世・近世、日本史の流れをつかもうという趣向である。」と「はじめに」にある。

 

現在、1100件近くの国宝が登録されている。1950年に7000件ほどに膨れ上がった国宝を「重要文化財」と変更し、とくに価値の高いものだけ「国宝」に指定した。指定されなかったものが「旧国宝」と称されることがある。

「正倉院正倉」自体は国宝だが、収納物は皇室に所有権があり、国宝には指定されていない。

 

都道府県別国宝保有数の第1位は東京都(276件)、2位は京都府(231)、3位は奈良県(199)、4位は大阪府(60)、以下、滋賀県、和歌山県、兵庫県、広島県と西国が並び、第9位神奈川県(18)、栃木県(17)と続く。0件なのは徳島県、宮崎県で、1件は北海道、秋田、新潟、富山、群馬、佐賀、熊本、鹿児島、沖縄だ。

 

『御堂関白記』は、世界的にも珍しい時の最高権力者・藤原道長の自身の日記であるが、誤字や脱字と、文法の間違いだらけ。当時の上級貴族の子息は親の引き立てで出世できたので、真剣に学問に励まなかった。誤りの訂正のし方からも道長の大雑把な性格が知れるという。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

国宝の写真をパラパラ見るには便利。

「ZOOM UP」で一部が拡大された写真が付加されているが、多面的な写真はなく、一面の外観が分かるのみで、詳細は知ることができない。一方で、その時代の中での国宝の位置づけは短文ながらよく説明されている。

「はじめに」にあるように、歴史の中での国宝たちを振り返るのには良いが、特定の国宝自体を知るには不十分。

 

 

小和田哲男(おわだ・てつお)

1944年、静岡市に生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。静岡大学名誉教授。専攻は日本中世史。文学博士。時代劇や大河ドラマの時代考証でも活躍。

 

 

目次

第1章         古代(縄文~飛鳥): 古代人の信仰を伝える国宝群
西ノ前遺跡出土土偶/七支刀(しちしとう)/金印/出雲大社本殿/高松塚古墳壁画 ほか

第2章 奈良時代: 政変に揺れた平城の歴史を彩る国宝群
『日本書紀』/阿修羅像/正倉院正倉 ほか

第3章 平安時代: 貴族社会に花開いた国風文化と国宝群
木造五大明王像/御堂関白記/中尊寺金色堂 ほか

第4章 鎌倉・室町時代: 武士が心を託した国宝群
平家納経/円覚寺舎利殿/慈照寺銀閣 ほか

第5章 近世: 乱世から泰平の世へうつろう時代を見守った国宝群
彦根城天守/東照宮/二条城二の丸御殿 ほか

 

付録 もっと知りたい日本史と国宝

 

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松尾豊『超AI入門』を読む

2019年06月02日 | 読書2

松尾豊、NHK「人間ってナンだ? 超AI入門」制作班編『超AI入門 ディープラーニングはどこまで進化するのか』(2019年2月25日NHK出版発行)を読む

 

表紙裏にはこうある。

人間のパターン認識をもとに開発されたディープラーニングは、現在、どこまで進化しているのか。

AIの仕組みや可能性についてやさしく解説しながら、人間の認知の本質、そして「人間とは何か」という問いに迫る。

 

人間のパターン認識をもとに開発されたディープラーニングは、現在、どこまで進化しているのか。AIの仕組みや可能性についてやさしく解説しながら、人間の認知の本質、そして「人間とは何か」という問いに迫る。

大きな反響を集めたEテレ人気シリーズ「人間ってナンだ? 超AI入門」のエッセンスに、ジェフリー・ヒントン(Google)、ヤン・ルカン(Facebook人工知能研究所)、2人のトップ研究者のインタビューを収載。

 

講義1:AIと人間の間で会話は成立するのか

講義2:脳とAI、違いはどこにあるのか
講義3:AIは芸術作品を生み出せるのか
講義4:AIロボットの実現はなぜ難しいのか
講義5:AIの画像認識技術で暮らしはどう変わるのか
講義6:AIと人間は融合するのか
インタビュー1:ジェフリー・ヒントン「ディープラーニング誕生までの道のり」
インタビュー2:ヤン・ルカン「人間のように学べるAIを目指して」

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

人間の思考とAIの仕組みの差や、AIの限界をやさしく解説している。ただ、AIの仕組みの説明は数式を全く使わないので、わかった気になるが、肝心な点がまったくわかっていないことに気が付く。例えば、20年ほど前にはやったニューラルネットワークとディープラーニングの差がどこにあるのかがわからない。当時のニューラルネットワークは3,4層であったし、入力データもそれほど多くなかった。コンピュータパワーの差で、量の圧倒的な差が質の転換をもたらしたということに過ぎないのだろうか

 

 

松尾豊(まつお・ゆたか)

2002年東京大学大学院博士課程修了。スタンフォード大学客員研究員。

2007年より東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻特任准教授。

 

 

以下、メモ。

 

講義1:AIと人間の間で会話は成立するのか
ディープラーニングのここでの定義:多階層のニューラルネットワークを用いた機械学習

技術手法には、画像認識で使われるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)とRNN(再帰型ニューラルネットワーク)がある。

RNNは、言語処理、音声認識で使われる時系列データの扱いに適している。例えば「こんにちは」と入力されると、「隠れ層」(中間層)の状態があいさつを済ませた後の状態へ変わり(再帰)、次に入力される情報へ以前と異なる(あいさつを済ませたのちの)対処をする。時系列で状態が引き継がれるが、長くなると最初の頃の入力の効果が弱まるので、改善したLSTM(長短期記憶)という方法がある。

 

チューリングテスト:部屋の外にいる人がチャットして、部屋の中の存在がコンピュータか人間か区別がつかなければ、そのコンピュータは知能を持っていると言える。

 

記号接地問題 シンボルグラウンディング

「ネコ」という言葉には、「ネコ」という言葉の表層(シニフィアン)と、「ネコ」という概念(シニフィエ)の両方が必要。これまでのAIは「ネコ」という表層の処理はできるが、概念に対応できないので言葉の意味理解ができなかった。現在、画像と言葉を結びつける研究が進んでいる。

 

講義2:脳とAI、違いはどこにあるのか
うつ状態に見られるやる気や喜びの喪失は、報酬に対する感受性が低くなった状態。

 

AIの活用は、たくさんのデータを使った「学習フェーズ」と、学習した結果を使って新しいデータ(未知の画像など)を分類する「推論フェーズ」に分かれる。

「推論フェーズ」

(1)画像入力、 (2)各画素の値が入力、 (3)値は入力層から幾層にも分かれて構成されているネットワークをたどって、個々のニューロンで値が計算される、 (4)最終的に出力層で値が計算され、ネコなのかそうでないのか判定

「学習フェーズ」

ネットワーク間をつなぐ線にはそれぞれ重みがあり、学習フェーズでその重みを「誤差伝搬法」(誤差の関数の微分を取って重みを更新する)で決める。

 

「過学習(オーバーフィット)」

学習データに適合しすぎて、そのデータでの正答率は高いが、それと異なるデータでは正答率が低くなる。丸暗記ではなく、うまく抽象化して、ポイントをつかんで、そのポイントと答えの関係を学ぶ「汎化性能」を上げる必要がある。

 

講義3:AIは芸術作品を生み出せるのか


講義4:AIロボットの実現はなぜ難しいのか
人間の知能は、環境を知覚しモデル化し、運動制御するループ(知覚運動系処理)の上に、何らかの言葉を聞いて意味・内容を理解し、言葉で返す記号系処理が載っている二階建てと仮定している。

 

講義5:AIの画像認識技術で暮らしはどう変わるのか

講義6:AIと人間は融合するのか
インタビュー1:ジェフリー・ヒントン「ディープラーニング誕生までの道のり」
インタビュー2:ヤン・ルカン「人間のように学べるAIを目指して」

 

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