hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

ジュンパ・ラヒリ「見知らぬ場所」を読む

2010年06月29日 | 読書2
ジュンパ・ラヒリ著、小川高義訳「見知らぬ場所」Unaccustomed Earth、2008年8月、新潮クレスト・ブックス、新潮社発行を読んだ。

表紙裏にはこうある。(改行を追加した)
母を亡くしたあと、旅先から葉書をよこすようになった父。仄見える恋人の姿。ひとつの家族だった父娘がそれぞれの人生を歩む切なさ(「見知らぬ場所」)。
母が「叔父」に寄せていた激しい思いとその幕切れ(「地獄/天国」)。
道を逸れてゆく弟への、姉の失望と愛惜(「よいところだけ」)。
子ども時代をともにすごし、やがて遠のき、ふたたび巡りあった二人。その三十年を三つの短編に巧みに切り取り、大長編のような余韻を残す初の連作「ヘーマとカウシク」。
――名手ラヒリがさまざまな愛を描いて、深さ鮮やかさの極まる、最新短編集。フランク・オコナー国際短篇賞受賞作。


ニューヨーカー等に書きつがれた全8編の短篇集。


私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)

ストーリー展開の面白さや、感動的な話に惹かれる人にはお勧めできない地味な小説だ。
ラヒリの小説は、とくに大きなドラマがあるわけではない。ただ、丹念に普通の人の細かい事柄が書き継がれ、静かな世界が築かれていく。米国にあって、故国インドへの里帰りを繰り返し、異文化の狭間で苦しむ一世世代。そこから成長しインドから遠くなっていく二世世代。両者の差異と微妙なあつれきなどを丹念に描く。

視点ががらりと変わることが多い。例えば、父の視点から見ていたのが、次に娘の視点に変わったりする。連作で主人公が変わる小説は最近多いが、一つの短編の中で何回か主人公、視点が変わるのは珍しい。しかし、人の気持ちがしっかり描けているので、混乱することなく、多面的に人間関係が浮かび上がる。
表紙裏のヘラルド・トリビューンの書評はいう。
ラヒリが造型する人物には、作家の指紋が残らない。作家は人物の動きに立ち会っているだけのようだ。人物はまったく自然に成長する。


『停電の夜に』は、米国でのインド人のとまどいを哀切とユーモアをもって描いて、魅せられた。この作品では、さらに次の世代の話になってそのおもむきは薄れ、舞台もヨーロッパなど世界にひろがりつつある。

「ベンガル系の人は、・・・医師や弁護士、科学者になってあたりまえ」とあるように、出てくる人が皆、勉強ができてエリートだ。だからこそ、脱落者が話題になるという世界は正直狭すぎると思う。ラヒリの小説は全部、といっても3冊、読んできたが、次の新たな展開はあるのだろうか。



ジュンパ・ラヒリJhumpa Lahiri は、1967年ロンドン生れ。両親はカルカッタ出身のベンガル人。幼少時に渡米し、ロードアイランド州で育つ。大学・大学院卒。
1999年「病気の通訳」でO・ヘンリー賞受賞。
同作収録のデビュー短篇集『停電の夜に』でPEN/ヘミングウェイ賞、ニューヨーカー新人賞、さらに新人としてはきわめて異例のピュリツァー賞ほかを独占。
2004年、初の長篇小説『その名にちなんで』、映画化。
『見知らぬ場所』は『停電の夜に』以来9年ぶり、待望の第二短篇集。第四回フランク・オコナー国際短篇賞を満場一致で受賞する。
現在、夫と二人の子どもとともにNY在住。




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道尾秀介「球体の蛇」を読む

2010年06月28日 | 読書2


道尾秀介著「球体の蛇」2009年11月、角川書店発行、を読んだ。

webKADOKAWAでのこの小説のあらすじ はこうだ。

1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込んだままでいる。

乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。彼女に激しく惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きするようになる。しかしある晩、思わぬ事態が私を待ち受けていた……。

狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことの出来ないあやまち。矛盾と葛藤を抱えながら成長する少年を描き、青春のきらめきと痛み、そして人生の光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。



webKADOKAWAにちょっととぼけた顔の著者がこの小説について動画で語っている。初めてミステリーでない、つまりトリックを入れないで書いた小説だと。そして、この本自体が球体の蛇なのだと。

初出「野性時代」2009年3月号―8月号


私の評価としては、★★★★★(五つ星:是非読みたい)

おそらく初めての五つ星だと思う。面白くて久しぶりに深夜まで読みふけってしまった。年上の人に憧れる少年の気持ち、苦しい想い。次々と起こる悲劇。何段もの意外性の階段を登り、最後の最後でも「本当にそうなの?」と気持ちが揺れる。ただし、いつもは読後一晩以上おいてから感想を書くのに、返却期限ギリギリで、興奮したままこの文章を書いているので、本当に五つ星か、迷いもある。

心の弱さにより秘密にしていたことがさらに次の悲劇を生む。悲劇の原因が人によって異なって認識され、真実は最後の最後まで2様に解釈でき、読者に任された謎で終わる。登場人物が怖い人と思っていたら、実は、とか、ある面から見た人が、違う面から見るとまた別、といったふうに、多層に、多面的に描かれている。

球体の蛇というタイトルは、大きなものを飲み込んだ蛇ということなのだが、いろいろ考えさせられる。


道尾秀介の略歴と既読本リスト

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伊藤比呂美「女の絶望」を読む

2010年06月27日 | 読書2

伊藤比呂美著「女の絶望」2008年9月、光文社発行を読んだ。

伊藤しろみ(比呂美)が新聞連載の身の上相談をもとに書いた本。相談者は10代から60代まで主に女性。悩みは、夫婦のセックス、恋愛、不倫や離婚、さらに更年期、介護の問題などなど。
両親はもちろん、自分も、夫も老いてきたしろみさんが、「更年期の女」の絶望を、あからさまに、しかし気品を保ちながらユーモラスに江戸訛りで語る。泥沼の離婚を繰り返し、両親介護のため在住のカリフォルニアと熊本を行き来し、詩や小説を書き、様々な経験をしたしろみさんが語る。

しろみさんの答えがまた、具体的で実践的でありながら、深い諦観と親身な愛に基づいている。なかでもお得意分野は、セックスだ。あからさまに詳細に答える。こんなこと本当に新聞に書いたのだろうか。

タイトルは「女の絶望」で、たしかに絶望しているのだが、あきらめ、諦観、開き直りから、明るく、女としての共感に満ちみちている。中年女性はもちろん、男性にもお勧めだ。

「休日など二人でどこかへ出かけて、疲れて帰ってきたときに、自分が立ち上がってお茶をいれる奴隷根性に絶望しています。それをごくあたりまえの事のようにのほほんとしている夫のことも憎たらしくてたまりません」(投書)
ね、ここですよ。絶望、と。(しろみ)

夫のことですが、いまだに、あたしから見りゃ、ふるいつきたくなるようないい男なんですけども、ええ、他人からみれば、ふるい落としたいような爺さんとしか見えませんな。そのくらいのことはわかるだけの、客観的な目が養われてきたってえことです。

女は男からのメールを待つことがたやすく人生の中心になっちゃうし、どうも、男はならないようなんです。・・・会える喜びよりも、会えない時間ののたうちまわらるような苦しみ。・・・

うちの亭主が、ソバカスはかわいいといってんだから、ああ、ソバカスがあってもよかったなあと思えば、いいんですよ。・・・ところが、どうゆうわけか、そうは思えない。・・・
キレイになりたいというその欲望は、まさにわが内にあり。
キレイとは、つれあいである夫の目ではなくて、男の目ですらなくて、よその女の目を基準につくられているのだという真理を、発見しました。


初出:「小説宝石」2007年5月号―2008年4月号

伊藤 比呂美(いとうひろみ)は、1955年東京生まれ。詩人、小説家、エッセイスト。カリフォルニア在住。青山学院大学文学部卒業。
1978年『草木の空』で現代詩手帖賞受賞。
1993年『家族アート』で三島由紀夫賞候補、
1998年「ハウス・プラント」で芥川龍之介賞候補、
1999年「ラニーニャ」で芥川龍之介賞候補、野間文芸新人賞受賞。
2006年『河原荒草』で高見順賞受賞。
2007年『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞受賞。2008年、紫式部文学賞受賞。
西日本新聞で人生相談「万事OK」を連載中。
主な著者、『おなかほっぺおしり』『伊藤ふきげん製作所』『人生相談万事OK』『日本ノ霊異(ふしぎ)ナ話』『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

女性はもちろん、男性にも読んでもらいたいが、セックスの話があからさまなので、毛嫌いする人はいると思う。更年期なんてまだまだ遠い話で、「そんな年になったら男なんて関係ないじゃない」と思っている若い女性も読んでみるとよい。人生そして人というものは思ったよりも深いものだということがわかると思う。

これだけドロドロした世界を女性たちは泳いでいるのか。私は、この本を読んで、女性に生まれなくて良かったとあらためて思った。



目次
  出囃子 カルメン前奏曲
卯月―ふうふのせつくす
皐月―おんなのぜつぼう 五月晴れ
水無月―子ゆえのやみ 長雨梅雨時
文月―みをこがす 梅雨明け前
葉月―へいけいのこころえ 暑い
長月―ちうねんきき
神無月―みんなのしつと 夏が過ぎた
霜月―りこんのくるしみ
師走―これから 冬
睦月―おおきくなつたら
如月―えろきもの 春めいて
弥生―さいごはかいご 梅か桜か




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バンクーバーのウエッジウッド・ホテルのレストランへ

2010年06月26日 | バンクーバー


バンクーバー・ダウンタウンの845 Hornby St.に小さいがクラシックなウエッジウッド・ホテルWedgewood Hotelがある。
倒産と伝えられた陶器で有名な英国のWedgewoodとは関係ないらしい。ギリシャ系の人が経営する家族的なホテルだ。宿泊したことはないが、昼飯は食べたことがある。今回も、夕飯は高そうで敬遠し、昼に入ってみた。

Hornby St.から入った1階にはバーに並んでラウンジがある。内装も趣があり、落ち着いた雰囲気だ。





暖炉の傍らに案内される。まわりはホテルの宿泊客のようで飛び込みの客はいない。



出てきたパンに、煎餅のように薄く、固く焼いたものが出てきた。Listel Hotelのレストランで出てきたものと似ている。



紅茶はプランジャーで、コーヒーも呑みきれないほどのポットで出てきた。



頼んだものは、・・・料理名を忘れた。どんなものが出てくるか、名前だけではわからないので、いや、メニューの意味もわからないので、いつも危険分散のため二人で違うものを頼む。






味は美味だし、雰囲気も良く、ランチ4,600円ならお勧めでし

た。


メニューはこちら
(英語)



レストランの隣のホテル入口が騒がしいのでのぞくと、結婚式。ドレス姿のお嬢様方がたくさんで豪華。







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奥様が読んでいた怖い本

2010年06月24日 | 読書2
遅れてきたヤマトナデシコの奥様がこっそり読んでいた本を覗くと、百世瑛衣乎(ももせえいこ)著「いい妻、リセット宣言」2007年12月、共同通信社発行だった。

読み終わった本をこっそりのぞくと、まえがきにこうあった。

妻だから、母だからというワクをはずして、イキイキとした自分を取り戻したい・・・それは多くの妻が心の奥で感じていることかもしれません。
その気持を大切に、夫の定年という生活の変化を前向きにとらえて、妻の役割をリセットしてみませんか?
・・・
単純に言いますと、夫は仕事から解放されて自由になるのに、妻は家事や夫の束縛がふえてしまうのです。


男性改造のスペシャリストの著者による、夫の自立を促し妻が自由を取り戻すための秘訣満載という本だ。

ひとつだけ引用。
アンケートによれば、
夫は「ほとんどやらない現状」ながら「もう少し家事をしなくては」という意識があり、妻は「手伝ってほしい」と思う反面、「あまり男性に入り込まれたくない」とも考えています。


目次
第1章 いま、定年後の夫婦関係とは?
第2章 夫の定年で何が変わる? どう変わる?
第3章 夫の生活自立度を高めよう!
第4章 血液型別アプローチと、失敗回避法
第5章 夫の外出力アップと、人生設計を快適に
付録:妻の定年妻力検定/いい妻リセット段位/
定年後がハッピーになる 妻のための十カ条/夫のための十カ条

いい妻、リセット宣言のHP



百世瑛衣乎(ももせえいこ)は、1959年広島県生まれ。広告制作会社勤務の後、独立。フリーのコピーライター歴約20年。38歳で高齢出産、娘を抱えて働くシングルマザー。ブログ:この地球の同じ時間を*百世のカフェ・ルーチェ



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

多くの夫は、思い描いていた待ちどうしい定年後に、思いもかけずに奥さんの嫌な顔を見て、無意識の長年の悪行に思い至り唖然とする。

定年前の夫、あるいは定年初心者の夫に読んでもらいたい本だ。妻には当然すぎることばかりだろう。私が思うに、妻があらためてリセットしなくても、夫は迷惑そうな妻の顔を見れば、どういう状況か判断できる。そこで、冷たくリセット宣言は逆効果だ。すべて穏便に進めたい。いや、そうありたい。あるべきだ!

定年後5年となる私は、そのへんのところは十分認識済で、改善も進行中?だ。奥様によれば、私めの濡れ落ち葉度は軽度とのご判定だった。そんな私には、この本には当然のことのみが書かれていて学ぶことは少ない。ただ、実行が進行中?なだけだ。

しかし、ぴったりのことも幾つかある。
中でもまず、「12時ちょうどに昼ごはんを食べたがる病」は、あなたにとって大きなストレスでしょう。
「なんでそんなに急ぐのよ、別にピッタリじゃなくてもいいじゃない」と感じる妻。
なぜ夫が12時ピッタリに食事をしたがるかというと、会社で食事時間が決まっていたためなんです。

私も、まあ今では、12時1分過ぎると、茶碗を叩いて不満を表明なんてことはない。台所にまっさきに立って、なにやら始めるそぶりで、それとなく食事の支度を促すまでに進歩した。



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バンクーバーのカナダラインに乗る

2010年06月23日 | バンクーバー


バンクーバーには従来からWaterfrontから出て南東に行く地下鉄(下図の青と黄土色の線)があった。さらに、オリンピックに向けて同じWaterfrontから出るカナダライン(下図の青線)が建設された。カナダラインは途中で空港へ行く線と、リッチモンドRichmondへ行く線に別れる。



地下鉄の入口は日本と同じようなものだ。写真はWaterfront駅。



チケットを買わずに駅に入れるし、電車にも乗れるが、突然検札が来て罰金をとられるので、必ず駅の券売機でまずチケットを買う。行き先の駅のゾーンZoneを上の地図で確かめる。



大人Adultと年寄(障碍者)Concessionで料金が違う。1から3ゾーンの料金の下のボタンは、DayPassとあり一日券だ。右端は回数券など。
気がつかなかったが、下に表示言語を選ぶボタンがあり、日本語のボタンが見える。



回数券などは使い始めるときにValidatorという機械に通し有効化する。



Validatorには、「FareDealer(券売所=7-11など)で買ったFareSavers(回数券)やDayPasses(一日券)は初めて乗車するときに有効化(validate)しなければならない。
券売機で買った切符とDayPassesは買った日が有効な日です。」と書いてある。



空港へ行く人は、駅でチェックインもできる。



新しいので当然、ホームも電車も明るく清潔だ。



表示もわかりやすく、Richmond-Brighouse行きが3分後に来て、空港行きが7分後、10分後にRichmond-Brighouse行きが来るとの表示だ。



「車内は、真ん中の棒が4本に分かれている以外、とくに日本と変わった点はない。



「空調されているので窓は緊急のときだけ開けること」とある。その下に、「Safety & Security」とあり、「危険なときには下の黄色い部分を押してください」といったようなことが書いてあったと思う。



Richmond の中心のRichmond Centreという大きなモールがあるところが、Richmond-Brighouseという終点だ。



終点なので、線路は行き止まり。



電車は来た線路と反対側に出て行く。



途中Fraser川を渡るところの線路はこんな風だった。




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東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」を読む

2010年06月21日 | 読書2

東浩紀著「クォンタム・ファミリーズ」2009年12月、新潮社発行を読んだ。

2007年、小説家で、西洋思想史を専門とする大学教員でもある葦船往人(あしふねゆきと)はある日、彼の娘だという人物からの電子メールを受け取る。それは2035年の世界に暮らす彼の娘からのものだというのだが、彼にはそもそも娘はいない。
翌春、米国へ呼び出され、帰国すると別世界に入り込んでいる。空港のゲートでは、幼年時代のその娘が、妻と並んで出迎えていた。そこには「ぼくの知らない人生の痕跡があった」。
この世界には存在しなかった家族が、交流できないはずなのに量子(クォンタム)コンピュータのネットワークによって相互干渉する。並行世界に生きる家族が、時空の垣根を越えて交錯し、壊れた家族の絆を取り戻そうとする量子家族クォンタム・ファミリーの物語。
三島由紀夫賞受賞作品。



量子力学の多世界解釈では、並行する世界が併存しているが、並行世界間は互いに干渉することがなく、連絡のとりようがない。
しかし、この作品では、2020年代に「ネットワークと並行世界の関係が公的に認められ」、別世界との通信が始まることになっている。我々は一応、なるほどと言って読み進めるしかない。



東浩紀(あずま ひろき)は、1971年東京都生まれ。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。1993年批評家としてデビュー
1998年『存在論的、郵便的』でサントリー学芸賞受賞
2006年東京工業大学世界文明センター特任教授
2010年この本『クォンタム・ファミリーズ』で三島由紀夫賞受賞
著書に『動物化するポストモダン』『ゲーム的リアリズムの誕生』『キャラクターズ』(桜坂洋と共著)など多数。

本作品は、「新潮」に2008年5月号から2009年8月号に掲載されたものを大幅加筆修正、改題したものだ。



私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)

批評家東浩紀が単独で書いた初の小説で、三島由紀夫賞受賞ということで読んでみたが、最初からカントだ、ヘーゲルだと出てきて、やたらと難しい哲学の話になる。読み飛ばしながら進むと、量子力学の話になる。このあたりは、私は興味があり多少わかったような気になっているところなので、ふむふむと読む。しかし、
「2023年に、量子回路の数がある閾値を超え、ネットワークの直径が閾値を超え、かつ特殊なタイプの経路が出現すると命題空間全体が量子的に発散してしまう。」

と言ったあたりから、もっともらしく、あやしげになり、やがて、量子脳計算科学なるものが持ち出され、互いに干渉することがないはずの並行世界間がネットと通じてつながることになる。

こんな調子の話を、それでどうしたと読み進んで行くことは可能なのだが、登場人物が何十年かずれている世界間を移動し、名前も変わったりして、それを何回か繰り返すと、もう話の流れを追って行く気力をなくす。



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静かなる井の頭公園を抜けて

2010年06月20日 | 日記
年間550万人が訪れる井の頭公園も、小雨降る火曜日昼過ぎは人影もまばら。池にはボート一台もなし。






と思ったら、カモが3羽と遠くに1台。



公園を抜けて神田川沿いを歩く。井の頭公園駅から広場を過ぎると、橋がある。



川べりに自生しているのはカキツバタだろうか。



橋の下にもぐってみると、カモ?が。しばらく眺めていたが、何を考えているのか、じっと動かない。



橋の上に出て、井の頭公園側を眺める。土日には、飛び回り、ザリガニを取る子どもたちの声が賑やかなのだが。ひとり石づたいに川を渡っても、虚しく、奇妙な静けさが不気味だ。



川辺のガクアジサイをしばらく眺めてから、気をとりなおしてまた歩き出す。




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高田郁「みをつくし料理帳」を読む

2010年06月19日 | 読書2
高田郁著「みをつくし料理帳」の「八朔の雪」(2009年5月)「花散らしの雨」(2009年9月)「想い雲」(2010年3月)いずれもハルキ文庫、角川春樹事務所発行を読んだ。

カバーの裏の内容紹介を引用する。

八朔の雪 みをつくし料理帖
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!


花散らしの雨 みをつくし料理帖
元飯田町に新しく暖簾を揚げた「つる家」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!


想い雲 みをつくし料理帖
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清石衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる屋」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に、働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾!


シリーズ第1弾の「八朔の雪」は、「歴史・時代小説ベスト10」、「最高に面白い本大賞!文庫・時代部門」、「R-40本屋さん大賞第一位」を獲得した。
本作はハルキ文庫への書き下ろしだ。
また、澪(みお)とは通りやすい水路のことで、「澪つくし」とは水路を示す杭のことで「澪標」と書く。



高田郁(たかだかおる)は兵庫県宝塚市生れ。中央大学法学部卒。
1993年、川富士立夏の名前で漫画原作者としてデビュー。
2006年、短編「志乃の桜」で北区 内田康夫ミステリー文学賞区長賞受賞。
2007年、短編「出世花」で小説NON短編時代小説賞奨励賞受賞。



私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)

ともかく面白い。さまざまな困難、妨害を受けながら料理を工夫していく話なのだが、料理に興味がない私は、料理の内容は読み飛ばしたが、面白くてついつい読みふけってしまった。
ともかく美人と決まっている主人公の女性が、下がり眉とあだ名されるように美人でないもの良い。

すくなくとも江戸時代には、関西と江戸がこんなにも料理法、食材が異なっていたのかと驚いた。吉原の話もよく出てくるが、著者はよく調べていて丹念な描写ぶりに感心する。

問題が起こり、もうだめだと思われる状況から、工夫し、仲間の協力も得て逆転する。一冊の本の中でこれが波のように繰り返される。大きな流れでなく、小波が繰り返される手法は漫画的で、連続ドラマ的である。また、少数の悪人以外の人がみなやさしさに溢れる人物であるなど、多少類型的で漫画的(差別的?)である。
しかし、料理に対する思い入れ、料理人としての一途な想いが良く書けていて、ともかく面白い。

最近はこれはと思う人は、漫画や、ライトノベル出身の人が多い。才能ある人は皆、元気な漫画などへ行ってしまうのだろう。時代は変わった。

幼馴染の救出、元若旦那の行方、恋する人との進展などまだまだ大きな問題が残っていて、第4作以降が待ち遠しい。

巻末に主な料理のレシピがついている。




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バンクーバーのダウンタウンをぶらぶら(1)

2010年06月18日 | バンクーバー


オリンピックに向けて新しく出来たCanada LineのVancouver City Centre駅はデパートSEARSの下にある。



駅を出ると、紙を丸めたようなアートが。



道路の反対側には地下街Pacific Centre Mallの入口がある。



SEARSの北にはバンクーバー美術館があり、



オリンピックのカウントダウンは0を示したままだ。



Georgia St.とThurlow St.の角にシャングリ・ラ・ホテルが出来た。まあ、私には関係ないが。





そして、バーバリーBurberryが Fairmont Hotel Vancouverを見捨てて、シャングリ・ラに移った。





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桜庭一樹「私の男」を読む

2010年06月17日 | 読書2

桜庭一樹著「私の男」2007年10月文藝春秋発行、を読んだ。

25歳の独身男性「淳悟」に引き取られた両親を亡くした9歳の娘「花」。家族を持てなかった二人だけの壊れた家族、禁断の愛。ロリコンとファザコンの共存関係、近親相姦。

ひょろと背が高く姿勢が良いが、退廃的でどうしようもない無職の「淳悟」が興味をひく。一方、子供のときからどうしようもなく女である部分を持つ暗い「花」。彼女のおとうさんへの愛、そして上手い文章がドロドロした話を幾分和らげる。

始まりはこうだ。
私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。日暮れよりすこしはやく夜が降りてきた、午後六時過ぎの銀座、並木通り。・・・雨宿りしていたわたくしに、ぬすんだ傘を差しだした。その流れるような動きは、傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった。これは、いっそううつくしい、と言い切ってもよい姿のようにわたしは思った。


初出は、別冊文藝春秋2006年9月号―2007年7月号



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

「お好みで」としたが、こんなどろどろした小説を好む人は少ないだろう。ただ、頼り合った二人の独特の世界を描き切っているのは間違いない。
16歳上の男で、しかもお父さんに対し、「私の男」という言葉が女のすごさを際立たせる。作家の山田詠美が、黒人のパートナーが婦女暴行容疑で逮捕されたとき集まった記者に、「私の男が刑務所に入るくらいで騒がないでよ」といった趣旨の話をしたのを思い出した。



桜庭一樹(さくらばかずき)は、1971年島根県生れ。
女性である。コンピュータゲームシナリオ、ライトノベル、SF、ミステリー、一般小説など活動の場を広げてきた。午前中に執筆し、午後から1冊以上の本を毎日読むという。負けた。私のブログで数えてみたら、10ヶ月で133冊、ひと月13.3冊。約2日に1冊のペースだ。
1999年「夜空に、満天の星」でファミ通エンタテインメント大賞受賞
2007年『赤朽葉家の伝説』で吉川英治文学新人賞候補、日本推理作家協会賞受賞、直木賞候補。
2008年『私の男』で直木賞受賞。
2009年お笑い芸人の友野英俊と結婚。





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スタンレー公園

2010年06月16日 | バンクーバー

バンクーバーのWaterfrontのPender St.から19番のバスに乗って終点のスタンレー公園 Stanley Park へ行った。バスを降りると、円弧を繰り返す独特の走りを見せて黒いリスがお出迎え。



Coal Harbour の方へ歩いて行って、Staley Park Horse Drawn Tours、要するに観光馬車に乗る。





一人約3千円とバカ高い。超軽量級の奥様は前の二人を見て、「同じ値段じゃ納得できないわね」とつぶやく。



御者の女性が案内を兼ねているのだが、この女性、やたらと冗談を言って笑い、笑わせる。当方はただ気まずいだけ。Carrot Fund 人参基金と書いた箱があるが、とても入れる気にならない。



船の船庫?が並ぶ。スリムな女性が大股で歩いていく。



ダウンタウンの高層ビルを背景に長い足を延ばして女性が歩いていく。



カナダプレイスを背景にまたまた女性がさっそうと歩く。どうして、スリムでそんな必要がない人ばかりエキササイズしているのか?逆とは思えない。



トーテムポールが並ぶところで、コーヒー休憩。



入江の中程には、船や水上飛行機のための給油所が浮かぶ。



東端の灯台はパス。



対岸には日本向け硫黄の山。右端は製紙用チップ。



カモメのお宿のウエットスーツの女性像。



Lions Gate Bridgeが見えてきた。



バンクーバーは未だ貿易港として盛んに利用されているのだが、日本船の姿は今は昔で、韓国船、中国船のみ。



Rose Garden 近くのPark Dining Pavilionが終点。



帰りは歩いて美術館近くのコンドミニアムに帰った。


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林真理子「いいんだか悪いんだか」を読む

2010年06月15日 | 読書2


林真理子著「いいんだか悪いんだか」2010年4月、文藝春秋発行を読んだ。

林さんのいつものブログ風のエッセイ集だ。芝居見物、京都での優雅な遊び、有名人とのお付き合いなどセレブぶりを誇る嫌味たっぷりな話と、ダイエットなど自虐ネタを混ぜ、羨ましがらせたり、身近なところに降りてきて笑わせたりと上手ぶりをはっきする。

コンビニの店員さんが買った人の年齢ボタンを押す。自他共に若く見えることを誇る林さんが見ていると、店員はしっかり実年齢の50歳代のボタンを押す。ならばと、しっかり化粧して、服装にも気をつけて行ったが、やはり50代。意地になって、ヘアメイク後や、子連れでも寄ったが同じ。

青山の裏通りを歩いていた私は、心臓が止まりそうになった。向こうから村上さんが歩いてくるではないか、ジム帰りらしく、ショートパンツにTシャツを着ていらした。
「村上さん」
私の声は震えていたと思う、
「私、ハヤシと申します、あの、随分前に◯◯さんに頼んで、サインをいただいた者です」
「ああ、憶えていますよ」


(村上春樹は、文壇とのお付き合いが皆無だというし、作家の中でも別格のようだ。まあ、いつもの林さんのミーハーぶりを誇る話ではあるのだが)

みんなでカラオケに行ったところ、歌のうまい友人が朗々とラブソングを歌った。思わず聞きほれる女たち。その時、隣に座っていた女性(ヒトヅマ)が言った。
「こういう時、女が頭の中に浮かべるのは、絶対に夫じゃないよね」

初出「週刊文春」2009年1月―12月



私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)

いつもの林節で、面白く、気楽にさらりと読めるが、読んだ後、何も残らない。それで、「いいんだか、悪いんだか」。
私は、下にあるように、林さんの本はたくさん読んでいて、ことにエッセイはどれも同じようで、食傷ぎみだ。「こんなままで人生終わって良いんだろうか?」「別に。もともとそれほどのものでもないじゃん」自分で納得。


林真理子の略歴と既読本リスト




おまけに、この本にあったジョークを。
クリントン大統領とヒラリー夫人が、夫人の故郷を通りかかったとき、ガソリンスタンドの経営者が親しげに手を振る。
「昔のボーイフレンドよ」
「へえーよかったね。僕と結婚していなかったら、君はこの田舎町でガソリンスタンドやってる男の奥さんになっていたんだね」
「何言ってるのよ。私と結婚していたら、あの男が大統領になっていたのよ」



 


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Roedde House Museum

2010年06月14日 | バンクーバー

バンクーバーのWest End、Barclay Street 1415にあるRoedde House Museumに行った。バンクーバーはあらゆるところに行ってしまって、地元の人ももう案内するところがないと嘆くほどだが、住宅街にあるこの小さな博物館には、行ったことがなかった。もっとも、地元の人も知らないほどささやかな博物館で、ヴィクトリア朝の家屋と当時の中流の移民家族の日々の生活を再現している。



建物は、アン女王朝復古様式の後期ヴィクトリア朝のもので、市の最初の製本屋であるGustav Roeddeが家族のために1893年に建てたものだ。
火曜から金曜日の12amから4pm開館で、日曜日のお茶とツアーは2pmから4pmだ。
入場料は、火曜から金曜日は大人$5、日曜は$6だ。呼び込みをしていたおじさんは、我々が貧しそうに見えたのか、盛んに寄付でいいんだよと強調していた。オジサンの英語はゆっくりで分かりやすかった。



部屋に入ると、中流家庭とはいうものの、家具もなかなか立派で、ピアノもあった。



フローリングも当時のもので、なんとかいう木だと言ったような気がする。タペストリーもなかなかのものだ。



Roedde夫人は大変小柄な人でベッドも小さいと聞いたような気がしたが、日本人には普通だ。





幼児のゆりかごやオモチャがあったが、100年後の現在もたいして変わっていない。



この幼児用食事イスなどいまでも使えそうだ。



台所のストーブ兼コンロはカナダのプリンスエドワード島で見たものとよく似ている。



レコードプレーヤーもあった。といっても、レコードは丸い筒だ。おじさんが針を置いて手回ししてくれた。音は美しいとは言えないが、意外と明瞭だった。



3階に古い小物が展示してある。



Roeddeさんのパイプや、



レミントンRemingtonタイプライターや、



奥さんのドレス。



当時のバンクーバーの波止場の写真や、



Roeddeさんの家しかないバンクーバーのダウンタウン。



一階に降りて見た鹿の剥製は、Stanley Parkで、Roeddeさんが1906年に仕留めたものだという。




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ホテルのレストランで夕食

2010年06月13日 | バンクーバー

たまにホテルに泊まっても、ホテルに有るレストランは高いので食事することはまれだ。今回のバンクーバー旅行は8日間と短いので、コンドミニアムに泊まるときも外食だし、たまにはホテルのレストランで食べてみることになった。

Robson St.がさびれるあたりにあるThe Listel Hotel のレストランは、O doul’sという。





内部はクラシックな作りで、天体?を想像させるようなオブジェがある。



天井にもなにやら不思議な絵が。



メニューはこちら


まず出てきた先付け?は飛びついて食べてしまって、写真を撮るのを忘れた。



パンには、せんべいのようにパリパリしたものがあり、他の店でもよく出てくる。



Westcoast Seafood Chowderも、「ハ、写真!」と思ったときは、この状態。



さすがに(?)、貝は途中で気がついて写真をとる。



メインは、ちょっと食べただけで気づいた。





殻をはさんでつぶす道具だけではDungeness crab(バンクーバー名物)は食べにくい。



とろりとしたデザートは美味しかった。



以上、2人で81ドルはまあまあか。




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