05年3月末に退職以来、今日まで約570日たったが、そのうち、オーストラリア・パース、カナダ・バンクーバー、マレーシア・ペナンの滞在日を合計すると約180日、海外滞在率32%、ほぼ1/3海外に居たことになる。したがって、ロングステイ先での典型的一日をどう過ごしているのか、この際整理してみたい。
朝は8時か9時ごろ起きる。朝飯は早く起きる奥様が用意してくれるパン、チーズ、果物、野菜、牛乳で軽く食べる。
たいていの日はあらかじめ決めた予定はないので、今日どこに行くかは、体調、気分、天候により、朝決める。部屋で過ごすか、散歩のみか、近所の買物のみか、cityへ行くか、近場の観光地か、遠出するか、そしてどこにするか決める。前の晩に予定することもあるが、行き先を朝の天候によって変えることも多い。
観光の行き先は各種情報誌や、インターネットで調べたり、人に評判を聞いたり、前回の経験もあわせて、幾つか候補地のリストを作っておくこともある。イベントの日が決まっているものはしかたないが、予約が必要なものも天候、体調などの様子をみて直前まで控え、予定はなるべく作らず自由度を持たせておく。満杯の予定表は退職生活には不要で、すこしでも気ままな生活を楽しみたい。
10時ごろアパートメントを出て、普通は2時か3時には帰ってくる。途中でも自在に変更する。昼飯はカフェなどで簡単にとる。帰り道に食材を買うことはあっても、時間はたっぷりあり、くたびれるので、2箇所、3箇所は回らない。帰ったらすぐデジカメの映像をパソコンに取り込む。きれいな景色はもちろん、何か面白そうなもの、話題になりそうなものはかまわずどんどん撮影する。たいてい、数十枚から100枚近くになる。奥様に、「ブログのために旅行している」と言われるわけである。
3時か4時には1時間くらい昼寝をすることも多い。就寝が12時、1時のせいもあるが、歳のせいで夕方になると肩が重くなり、集中力がなくなり、つい居眠りするようになった。そんな時は無理せず昼寝する。
4時、5時になると、近所をあれこれ探索するため、カメラを持って1時間ぐらいジョギングする。昼寝してジョギングというのも変であるが、苦しくなったら歩き、もの珍しい町並みを見て回るのがむしろ目的だ。帰ってシャワーを浴びる。たいていのところに風呂がないのがパースの弱点である。
6時になると、夕食の手伝いをする。下ごしらえはかなりな部分を、後片付けは主体的に、あとはご指示を得ながらお手伝いに徹する。本当はもっと主体的に、完全にある部分、あるいはある品を明確に分担するのが良いのだろうが、そこまでしたくないと言う気持ちがある。分担しているのでなく、お手伝いしているという気持ちなので、覚えが悪く、進歩がない。必死な気持ちがない英会話と同じだ。オーストラリアでは牛肉が安いが、いろいろな魚が手に入りにくい。それでも、肉と魚が半分づつ位いで、むしろ野菜や果物主体の夕食である。外食は年寄り向きでないので週1回くらいに押さえている。
夕食後は、パソコンでメールや、日本のニュースを30分たらずチェックする。TVは聞いていると、くたびれるのであまり見ない。
取り込んだ今日撮影の写真を眺め、ブログのストーリーを考え、必要な写真を特定フォルダにコピーし、ストーリー順に番号付けする。ざっと文章を書き流し、写真をトリミング、圧縮して保存する。今日の分はここまでにする。村上春樹が読者からのメールへの返事を書いて一日置いてから出すと聞いてから、たとえ読む人はわずかでも、私ごときがそのまま書き物を公開するのもどうかと思い一日置くことにしたのだ。
したがって、その後、昨日書いた分を取り出して、文章のおかしいところを直し、話を追加したりして、文章をアップし、間に写真を入れる。ここまでやるとたいてい11時、12時になってしまう。
ベッドに入り、膝の上にパソコンを乗せてRSSでお気に入りのブログの更新された分を眺めたり、パースに関する情報を得る。情報はたいてい英語なので、ポイントのところだけでも辞書を見て正確に理解しようとするので時間がかかる。就寝は1時ごろになることが多い。
こう書いてくると、日本に居ても、外国に居てもあまり変わらない一日を過ごしていることにあらためて自分でびっくりする。しかし、部屋は広く、最低限必要なものだけに囲まれシンプルな生活になっている。子どもも居ないのですべてが我々のスローペースで進むので、日本より開放感があり、よりのんびりしている。もちろん物珍しい風景、事物、ときどきではあるがオーストラリアの人とのコミュニケーションがあり、刺激的であることは間違いない。