hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

原田ひ香『三千円の使いかた』を読む

2022年10月31日 | 読書2

 

原田ひ香著『三千円の使いかた』(2018年4月25日中央公論新社発行)を読んだ。

 

東京・十条に住む御厨家の3代、4人の女性が主役の6編の連作短編集。
20代で独身の妹・美帆、3歳の佐帆を子育て中の5歳上の姉・真帆、50代も折り返しに差し掛かった母・智子、70代の祖母・琴子が当面する「お金の問題」。
タイトルは「三千円の使いかた」だが、単なるケチケチ話ではない。

 

第1話 三千円の使いかた

「三千円の使いかた」というタイトルは、当時中学生の妹・御厨美帆に祖母の琴子が言った「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」という言葉から。「言葉とおりの意味だよ。三千円くらいの少額のお金で買うもの、選ぶもの、三千円ですることが結局、人生を形作っていく、ということ」と説明した。
美帆は祐天寺に一人暮らしてIT関連会社に勤めて1年、それなりに満足していた。丁寧に指導してくれた44歳で優秀な小田街絵さんが首になり、このままで良いのか、疑問が膨らむ。恋人の長谷川大樹に不満を語っても、「そんなもんじゃない」と真剣に考えてくれない。やがて美帆は郊外に中古の一軒家を買うために着実にお金を貯めようと決心する。姉の真帆は、固定費の見直しと小さなお金を貯めていくことが大切だと言った。

第2話 73歳のハローワー

琴子には一千万円の貯金がある。しかし、あの世に持っていけないから使いましょう、というのと、お金がどれだけあっても不安だから節約しなくちゃ、という相反した言葉が、同じ口から出てくるのが老人というものだ。息子の和彦の嫁の智子からの誘いでおせち料理を教えて、5千円をもらった。それが刺激になって働き口を探し始めた。

第3話 目指せ、貯金一千万

真帆は同い年の消防士の井戸太陽と23歳で結婚し、仕事を辞めたとき、友達は大丈夫と思ったという。

第4話 費用対効果

今年40歳の小森安生は若いれなに迫られているが、安生にはくっついたり離れたりで10年になるライターのきなりがいる。きなりは元証券ウーマンの真帆に会って今後の生活設計で盛り上がる。きなりは安生に「私たちも子供ほしくない?」と……。しかし、……。

第5話 熟年離婚の経済学

家のことは何もしようとしない和彦に、退院してまだ本調子でない智子は不安を募らせ、今後のことを相談にFP(ファイナンシャルプランナー)を訪れる。

第6話 節約家の人々

美帆と結婚する予定の翔平に550万円の奨学金の借金があることが判明した。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

もちろん小説なのであるが、お金を貯めるための実用書の面もある。現実的な状況設定の中で、お金を少しずつ貯めるための考え方に説得力があり、具体的提案になるほどと思う。
特に姉のやりくりは、やりすぎと思うくらいがっちりしていて感心した。迷う妹や、あきらめがある祖母が、ともかく出来ることはやろうという意気込みに「いいじゃない」と思う。

子供と配偶者のいる女性にとってもっとも大切なものは、子供、家の経済とともに自分自身の生きがいであることに納得させられるだろう。

 

原田ひ香の略歴と既読本リスト

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10月(2)の花

2022年10月29日 | リタイヤ生活

 

10月17日に届いた花。

 

茎1本に花一輪のカーネーションと、数輪のスプレーカーネーション。

薄紫のリンドウ、白く小さな蕾がチラチラするクジャクソウ。

 

下の方の枝、花は花瓶の中にもぐってしまうので摘み取られたクジャクソウは、小さな花瓶に移されて、3日後には花が咲く。

 

さらに、2週間経った10月(1)の花もすっかり少なくなったが、一部がまだ生きながらえている。

 

カーネーションとスプレーカーネーションは花だけ見ても区別がつかない。ともかくいっぱい。

17日の朝10時。

 

17日の夜20時。10時間でけっこう開いている。

 

リンドウの朝10時。

 

夜20時。翌朝には閉じ気味になったので、「花は夜開く」

 

17日、一番上だけ開いて、あとはまだ蕾のクジャクソウ。

 

結局最後まで、咲きそうで咲かない蕾のままのソリダコ。

 

ユキヤナギというと、春に弓状になった枝に雪が積もったように白い小さな花が連なっているのを思いだしますが、秋は紅葉を楽しむようで、葉がハラハラと落ちてきます。

 

10日ほど経って、前回の青いリンドウを一緒にしました。青い方が元気。

 

もちろん、10月3日に届いた花たちも少なくなってしまったが、一か月近く頑張っています。

 

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散歩道・井の頭公園

2022年10月27日 | 散歩

 

井の頭公園の東端にある三角公園。木を切り倒した跡があった。

 

なぜ切り倒したのか? よく見ると、切断面の一部が腐っているように見える。昔、二俣川のこども自然公園の桜の林が大幅に刈り込まれていて、わざわざ「こちらの桜は……のため、造園業者によって刈り込まれました」といった趣旨の案内が出ていた。「桜を切るとはなんたることか! 桜切るバカ、梅切らぬバカということを知らぬのかね!」との怒ったおじいさんからのお叱りが公園事務所に殺到したとの噂を聞いた。(噂の主は私ですが)

 

定点観察地点、ひょうたん橋からの井の頭池。

 

メインの七井橋通りからの入口でなく、野外ステージの隣にあるパープル通りからの入口。いつのことだったか、車いすでも入れるようにゆるやかな坂に改造されたのだ。

 

おなじみの七井橋からの井の頭池。ただただ静か。朝10時2分。

 

いせやの隣のスタバの屋外席には外人さんが座っているだけで犬は居ぬ。この外人さん、完璧な日本語で注文していた。出入りの大きい顔であんな日本語を聞くと、落ち着かない。

 

店内も壁際に朝からパソコンを開いて居座る若者数名だけでガラガラ。

 

私はコーヒー、相方はラテ。マグカップでショート(小さいサイズ)にしたのに、残せない私はガボガボ。戦後育ちのサガなのだ(戦中派ではない! 戦中生まれだけど)。

 

10時半まで待って丸井に寄って、疲れたのでムーバス(コミュニティ・バス)で帰った。

 

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お久しぶりです

2022年10月26日 | 日記

 

我が家のベランダからの絶景(?)を近くのマンションの屋上工事の枠組みが塞いでいた

10月20日、工事が終わり、我がベランダから富士山が見えた。といっても薄青一色にぼやけて、冠雪も見えなかった。

 

好天、澄み渡る今日、10月26日。ふもと近くまで白一色の富士山が見えた。

 

にっくき高級マンションの屋上の設置物が邪魔だし(にっくきは設置物に係ります)、送電線も味気ないが、直に目で見るときには邪魔者は消えてしまう。

窓枠によじ登って、背伸びしてみれば、丹沢の山々を従えた富士山が見えるのだ。

「おひさしぶりです」

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桜井美奈『殺した夫が帰ってきました』を読む

2022年10月25日 | 読書2

 

桜井美奈著『殺した夫が帰ってきました』(小学館文庫、サ40-1、2021年4月11日小学館発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。
その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。男はたしかに茉菜の夫・和希だった。しかし、茉菜が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、間違いなく殺したはずで……。
秘められた過去の愛と罪を追う、心をしめつける著者新境地のサスペンスミステリー!

 

プロローグ

茉菜が夫を崖から突き落す。

 

第一章

アパレルメーカーで商品企画・デザイン担当として働く茉奈は28歳になっている。取引先に勤務する穂高がストーカーになって茉奈の自宅にまで押しかける。危うい所を追い返してくれた男は茉奈の夫の和希と名乗り茉菜の家に上がり込んだ。茉奈の記憶でもその顔は和希に間違いなかった。夫の双子なのだろうか? 和希は過去の記憶を一部なくしていた。警察に通報出来ない茉菜は和希と一緒に暮らすこととなった。かつての和希は暴力的な男だったが、乱暴な面はまったく見られなかった。

茉菜が母親から虐待された子供時代の回想譚が挿入される。

 

第二章

茉菜は和希が警察官姿の修斗と友達らしく話をしているを見かけた。オトリ捜査?

母親の愛人、義兄に犯されていた16歳の茉奈の回想がが挿入される。

 

第三章

「オマエが殺した」という手紙が茉菜に届く。宮城県警から和希の白骨死体が山中で発見されたと連絡を受け、刑事の西垣から追求を受けるが、結局事故死として処理される。茉菜は16歳の頃に住んでいた岩手へ行き、そこで和希と出会い、和希は佑馬と……。

茉菜が20歳の頃、東京に出て来て店で友達になった寧々がDV夫のために流産してしまった回想の挿入。

 

最終章

和希が本当の夫と思い込む理由など、伏線が回収される。しかし、不明のままの点も残るラストとなる。

 

 

文庫書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

前半は、じれったいほどゆっくりと丁寧に進む。一方で、和希の登場が早すぎる。もっと和希を殺した怖れに苛まれる生活を描きこんでから、そこへ突然の和希登場で、驚くといった展開の方が良かったと思う。

 

最終章の謎の解明は、好いじゃないと思ったのだが、茉奈の心理描写がほとんどされていないし、感動を盛り上げる描写もないんで、今一つ盛り上がらない。

 

題材は面白いのに、はっきり言って一時流行った携帯小説並の執筆技術。私が書き直してあげたいくらい??
冴えてる題名に騙された。

 

 

桜井美奈(さくらい・みな)

1975年生れ、新潟県在住。

2012年第19回電撃小説大賞受賞し翌年同作『きじかくしの庭』で作家デビュー。

以後、新作発表が途絶えていた。

2017年以降、『嘘が見える僕は、素直な君に恋をした』、『塀の中の美容室』『さようならまでの3分間』『幻想列車 上野駅18番線』などを発表。

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10月(1)の花

2022年10月23日 | リタイヤ生活

 

10月3日に届いた花

 

青いリンドウが2本、デンファレが数本と、

 

ワレモコウが一本、葉だけのルスカスが2本。

 

デンファレは、デンドロビウム系の洋ラン。

 

リンドウは日本の古くからある花だが、中国名で「竜胆」と書く苦い薬だったらしい。

 

 

ワレモコウ(吾亦紅)。

すぎもとまさとの「吾亦紅」という歌があった。母の墓参りでワレモコウが風に揺れるという歌詞だ。

吾亦紅って、自分で「私も紅」と言っているのだが、お前さんは紅じゃなくて褐色だよ。高浜虚子も「吾も亦(また) 紅なりと ひそやかに」と言ってるじゃない。一茶だって「吾亦紅  さし出て花の つもり哉」と散々ばかにしてるよ。

 

下の方の切り取ったデンファレももったいなくて、器に並べた。

 

2日後、まだデンファレの花は上の方は咲かずに下の方だけだ。

 

リンドウは先端部花が幾重にも咲いて、頭でっかち。

 

近くで見ると、ワレモコウって、やわらかい松ぼっくりみたい。

 

2週間後、デンファレの先端部の花は待ちきれないとカットしてすっきり。

 

 

 

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「CAFÉ & WEDDING 22」でランチ

2022年10月21日 | 食べ物

吉祥寺の中道通りから3本目の西三条通りを北に入り、右側。グラニコビルの地下1階にある「CAFÉ & WEDDING 22」でランチした。

 

中道通りを中心にぶらぶらとランチ処を探して、もうどこでもいいやとなって、「CAFÉ & WEDDING 22」と変わった名前のカフェ?の案内を見つけて、ここにすることに。ただ、一階入り口には立て看板がずらり。どれがどれやらさっぱり。ともかく地下へ降りてみる。

 

昼の12時なのに、なんだか夜の雰囲気。もう何も怖くない我々はともかく入ってみる。

 

中に入ると、「結婚式のできるカフェ」のコンセプトとおりの会場といった雰囲気。

「他のカフェにはない開放感と落ち着いた」との宣伝とおりと言うか、少々寂しげな雰囲気。

 

壁には結婚式の映像が投影されている。

 

私はガーリックチキン。

 

相方はオーバーライス??

 

ホットティーとホットコーヒー

 

二人で2,640円なら特に不満はない。

2週間後に聞いたら、相方は「スパイシーだったことしか覚えていない」とのこと。私は全く。

店内が広いので、打ち合わせたいことがある時などには便利かも。

 

 

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Café & Meal MUJIでランチ

2022年10月20日 | 食べ物

 

吉祥寺丸井7Fの無印良品の売場の一角にある「Café & Meal MUJI」でランチした。

昨年3年前に続いて3回目だ。相変わらず子ずれのママさんなど女性がほとんどだ。

 

まずは、入口右にあるアルミの席札を店内のテーブルに置いて席を確保する。

プレートに載せる品数、3品(900円)+メイン(ごはんとみそ汁)か、4品(1000円)+メインを選び、

 

店内のカウンターに並ぶ品物を見ながら前に進み、カウンター内の店員さんに指示して、一つ一つのデリを皿に載せてもらう。ドリンクやデザートも追加できる。

カウンターの端まで行って、レジで金を払い、コーヒーなどすべて揃ったら、お盆を持って席に着く。

 

面倒ではあるが、品物を選べるのは良いが、年寄りの私でも一品の量が少なく、物足りない。量より品数というコンセプトなのだろう。

 

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堂場瞬一『誤ちの絆』を読む

2022年10月19日 | 読書2

 

堂場瞬一著『誤(あやま)ちの絆』(講談社文庫と55-21、2022年8月10日講談社発行)を読んだ。

 

講談社BOOK倶楽部の内容紹介(本書裏表紙)にはこうある。

加害者家族に、支援は必要か?
支援課の新たな挑戦が始まる――。

累計85万部突破の大人気シリーズ、新ヒロイン・柿谷晶による新章開幕!

被害者とその家族だけでなく、加害者家族も支援対象に。
新たな任務に取り組むべく、名を改め発足した「総合支援課」。
新生支援課に捜査一課から異動してきた柿谷晶には、秘密があった。
それは、彼女自身が加害者家族であるということ――。
警察小説の最前線、新ヒロインによるシーズン2開幕!
〈文庫書下ろし〉

 

調布の河川敷で乱闘があり、都立でベストスリーに入る進学校・多摩中央高校の3年生・日下健が刺殺され、血まみれで歩いていた同学年の高梨英人が確保された。所轄は東多摩署。

 

被害者や加害者の家族を支援する「総合支援課」に捜査一課から異動したばかりの柿谷晶が、少年事件課から来た秦香奈枝と共に現場に様子見に行かされた。

 

加害者の父親・コンビニオーナーの高梨拓実が脳梗塞で入院し、自宅兼コンビニに「人殺し」と落書きされ、ネットでも不穏な情報が書き込まれるようになった。英人と同じ高校で1歳下の弟・高梨陽平が一人になってしまったので晶などが駆け付けるが、陽平は何故か心を開かない。

進学校の生徒同士が乱闘などするのか、英人は犯人か? 陽平が親友・安田律にケガをおわせたリ、逆に襲われ入院するなど混迷は拡大する。

 

柿谷晶は、直情的で、上司を上司とも思わず、言葉もきつく、熱意のあまり、加害者支援という仕事の範囲が確定していない新しい分野の中で、捜査そのものに加わろうとして、刑事部門の反発を買う。

 

 

「警視庁・総合支援課」

柿谷晶:捜査一課から異動したばかり。空手有段者の兄・道郎は殴りかかってきた相手を倒し死亡させた。

三浦亮子:課長、若本:係長。45歳、村野:主力メンバーだったが熱心過ぎて消耗し、総務係に異動。

「東多摩署」

宮間:刑事課・課長、大河原:生活安全課・少年係長、長身女性の小野真佳

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

柿谷晶という猪突猛進型、直情型でで、誰に対しても遠慮がなく、口が悪い女性警察官が爽快ではある。加害者支援という仕事の枠取りが決まっていない新しい分野での真っ直ぐに突っ走る姿に、それは無理だろうと思いながら、つい応援したくなる。

 

警察内部組織の軋轢は、警察小説のメインテーマだが、被害者・加害者家族支援という警察庁らしくない分野の仕事で、どこまでやるのか、捜査陣との関係はどうするのか、など確かに難しい問題だなと思った。

なお、実際の警視庁には「犯罪被害者ホットライン」という窓口はあるが、加害者を憎む警察に「加害者家族支援」の体制があるとは思えない。

また、警視庁の3年後の目標が女性12%という状態で、登場する警察官があの人もこの人も女性というのは現実離れしているのでは? 支援業務だから女性というのも、小説とはいえ、どうなの?

 

 

堂場瞬一の略歴と既読本リスト

 

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ワークマン女子は大混雑、東急吉祥寺店5階のリニューアルオープン

2022年10月16日 | 日記

 

というか、パソコンとプリンターが調子悪く、頭に来ていて、ネットでざっとあたってみたが、半導体不足で何か月待ちなどと出てくるので、エイや!と吉祥寺に出掛けた。いつものヨドバシカメラと思ったが、家電量販店のノジマがオープンした筈だと吉祥寺東急を覗いてみることにした。

 

空いているうちに手早く買物を済ませようと、いつものように開店直前に東急に着くと(今日10月4日から10時開店)入口に多くの人が待っている。そういえば、5階がリニューアルして、ノジマの他に、#ワークマン女子/ワークマンシューズ、スリーコインズ、ABCマートがオープンしたのだった。

品のない店ばかり入って、次はドン・キホーテかと思う。「これがあの憧れの、夢のある百貨店なのか?」と思ってしまう。

 

開店と同時に人がなだれ込み、波が収まってからエスカレータに乗ると、右側を駆け上る人が続く。ともかくノジマに入り、20分ほど説明を聞いて、まあどれも大差はないなと、翌日届くと言うPCとプリンターを購入。

プラプラとワークマン女子を覗くと、レジに並ぶ長蛇の列。殺気立つ空気に恐れおののいて退散。

 

ワークマンには一度入ったことがある。頑丈そうな作業着などが並び、どれも安い。買うものはないなと一回りしたところでズボンのベルトを見つけた。880円とバカ安。隣に2本、同じ様なベルトがある。値札を見ると、88円! 何度見ても88円。即、ご購入。型落ちだろうが、傷物だろうが、迷うことはない。

「3割引きよ! 買わなきゃ損よ!」とのたまう相方に、「買わないのが10割引きだ」と、わけのわからないことを言ってにらまれている私も、9割引きには勝てない。

 

これがそのベルト。普段着にはこれで充分。長さも充分あってまだまだ余裕があるのも嬉しい。

 

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9月(2)の散歩

2022年10月15日 | 散歩

 

この季節(9月28日)、あちらでもこちらでも漂う芳香。こんもりしたキンモクセイ(金木犀)。

 

大木すぎて花が良く見えない。

 

拡大撮影して、確しかにキンモクセイだ。花は、小枝にモクモクと串団子状。

 

キンモクセイの大木が並んでいる。

 

確かに団子状の花が見える。

 

こちらは花盛り。

 

こちらは葉と葉の間に花のかたまりが。

 

ムクゲ。白の中に薄紅色が混じっている。

 

こちらは全部、薄紅色。

 

9月30日、例年通り、畑の隅にヒガンバナ(彼岸花、曼殊沙華)。地面からいきなり茎が立ち上がり、花が咲き、秋の終りに葉が出てくると聞いた。すいません、花が終わったら見向きもしないので、気がつきませんでした。

 

白いヒガンバナも華やかでいいね。

 

「ハイビスカス rasa-sinensis」との名札があった。

 

Googleレンズは「タマスダレ」と申しております。

 

ヒャクニチソウ(百日草)?

 

日が当たって、葉っぱのくせに(差別だ!)鮮やか。Googleレンズは「コリウス」と申しております。

 

「デュランタ」とのお告げ。

 

モチノキ科のソヨゴの添え竹にまたがっているのは? 本物?

 

排水溝の入口に「ここから雨が地中にしみこみます  ―浸透ます&浸透トレンチ管」

 

屋根の上のあれは何でしょう?

さすがのGoogleレンズ様も「電球」としか教えてくれませんでした。

 

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『シルバー川柳ベストセレクション』を読む

2022年10月13日 | 読書2

 

公益社団法人全国有料老人ホーム協会、ポプラ社編集部編『シルバー川柳ベストセレクション』(2021年11月1日ポプラ社発行)

 

2001年より公募された川柳の入選作20を含む88作が「シルバー川柳」として毎年刊行されている。本書は20周年を記念し、これまでの入選作400句の中から選りすぐりの100句の傑作を掲載。

今年の入選作は「有老協・シルバー川柳」。 このブログでも一つだけ紹介した(「シルバー川柳7」)

 

2001年~2008年

赤い糸 夫居ぬまに そっと切る    大垣久美子

いびきより 静かな方が 気にかかり  田中多美子

デパートで 買物よりも 椅子探し   渡辺一雄

(バンクーバーでショッピングにお付き合いし、くたびれてエアコンの吹き出し口に腰かけていると、男性が近づいて来て「いい所見つけたね。奥さんは買物中?」らしきことを話しかけてきた。そこで店内の小柄な相方を示しながら、“She isn’t tough without shopping.” と言ったら、男性は大笑いをして、並んで座ったことを思い出した。)

 

驚いた (惚)ホれると (惚)ボけるは 同じ文字  原好英

あの世では お友達よと 妻が言い   藤本明久

来世も 一緒になろうと 犬に言い   延沢好子

(大方のところ、年とって気弱になった男性はやさしくしっかりした妻に頼り切りとなる。「あの世でもまた一緒になろうな」と妻に言うが、妻の方は言葉を濁す。かっての女性は結婚した男性により、経済状態、生活様式などがほぼ決まってしまった。まあ良い人生だったかなと思っても、また違った人生も味わってみたいと思うのだろう)

 

2009年~2014年

中身より 字の大きさで 選ぶ本    西村嘉浩

(この本はめちゃ大きな字で、どなたも眼鏡なして読めます)

誕生日  ローソク吹いて 立ちくらみ 今津茂

(結婚して初めての相方の誕生日。初めてケーキ屋に入って小さな丸いケーキを買ったが、ローソクの本数を聞かれて、25本と言いそうになって、あわてて5本と言い直した)

アイドルの 還暦を見て 老いを知る  二瓶博美

(かってのアイドルはもはやTVなどにめったに出てこない。何かのときに登場した元アイドルを見て、止まっていた記憶のアイドルが急に老けた様子にショックを受ける。そして自分もそうだと思い知る)

 

2015年~2020年

やっと立ち 受話器を取れば 電話切れ 井堀雅子

チンをして 出すの忘れて 冷蔵庫   岩手のがよこ

(昼飯は私の当番で、といってもほとんど残り物配膳係に過ぎないが、チンすることはある。ところが、電子レンジの上に置いたままのものを食後に見つけることがよくある)

ルンバさえ 超えてる段に 足とられ  あーさまま

失言は 家庭内でも 命取り      おたやん

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき、 最大は五つ星)

 

「そうそう、あるある」、誰にでもあることだと改めて納得する。嫌な事、辛い事は笑い飛ばすのが一番。

 

でも若い人は読んでも無駄。頭で理解できても、実際に年取らないと分からないことばかり。

 

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9月(2)の花

2022年10月11日 | リタイヤ生活

 

9月19日に届いた花

 

 

白、ピンク、青白のトルコキキョウが8本、コスモス5輪の花と蕾、赤い玉のヒペリカム、モアモアした緑のアスパラペラ。

 

まだ蕾がちらほらしているうちが盛りなのだろう。

 

淡くはかなげで、あでやかさもあるコスモス。人気あるはずだ。

 

青で縁取りされた白いトルコキキョウ。

白いトルコキキョウ。

 

淡ピンクも。

 

つややかな赤色のかわゆいヒペリカム

 

引き立て役だけが伸び伸び。

 

2日後、ほとんどの花は開いたが、もはや勢いが感じられない。中年期のかげり?

 

首が折れてお辞儀してしまったコスモスは一輪挿しでリハビリ。道端のコスモスは細い茎を長く真っ直ぐ伸ばしていたのに。

 

21日には満開だったトルコキキョウ。

 

24日にはクチャクチャにしぼんでしまった。

 

花びらを切り取ってみると、花粉だらけ。これは、受粉して役目を終えたと判断した花がしぼんでしまったに違いないと独断した。

 

そこで、花屋さんのご推薦のおしべ(めしべ)を切り取ることとした。

庭に直植えの花にはこんな面倒なことはやっていないだろう。人間の都合でちょん切ってしまった花にはできる限り盛りを長く輝いていてもらわねばと世話してみたい。受粉が目的の花を妨げるという花にとっては暴挙なのだが。

せっかちな私は、まだ満開になっていないトルコキキョウを、

 

強引に真中を開いて、先の細いハサミでめしべを切り取った。

 

これが切り取っためしべ。

 

その結果は、……あっと言う間に花がしぼんで、やり方が悪かったのだろう、効果なしという尻切れトンボに終わった。

写真を出すのも恥ずかしい。

こんなネタで長く引っ張ってしまって、申し訳なし。

 

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日下力『中世尼僧 愛の果てに 『とはずがたり』の世界』を読む

2022年10月09日 | 読書2

 

日下力著『中世尼僧 愛の果てに 『とはずがたり』の世界』(角川選書501、2012年2月25日角川学芸出版発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

『とはずがたり』は、後深草天皇の御所で育った作者・二条が自らの愛の遍歴と、尼となって東国・西国を旅した様子を綴った自叙伝だ。宮廷内の複雑な男女関係を披瀝したためか、昭和25年に一般公開されるまで、宮内庁に秘蔵されていた。二条はなぜ自分の過去を書き残したのか? 読者を作品の中に引き込む劇的構成と、繰り返される言葉の効果を明らかにしながら、謎に包まれた『とはずがたり』の真相に迫る。

『とはずがたり』とは、「問われなくても話し出してしまう語り」の意味。

 

本書は、『とはずがたり』の従来の解釈に異を唱え、日記というより文学作品ととらえ、事実と創作部を区分けし、作者・二条の自身の考え、などについて新しい解釈を提案することを主な目的にしている。
したがって、本書は必ずしも時代順に書かれてはおらず、巻頭に3頁ほど『とはずがたり』の概要が書かれているが、著書そのものについて凡そ知っている方が読みやすい。
作者・二条が『とはずがたり』を執筆したのは晩年の49歳か50歳だ。したがって、例えば、本書の「第一章の執筆の動機」には、いきなり晩年の話が多く語られ、『とはずがたり』をまだ読んでいない人にはわかりにくい。

参考:佐々木和歌子訳『とはずがたり』(私のブログ)

 

後深草院二条(ごふかくさいんにじょう)(1258 ~ ?、鎌倉時代末期)は、美貌で、気位高く、強気。
父は大納言・久我雅忠。母(大納言の典侍(すけ))は四条隆親の娘で、後深草院の乳母であって、当時の慣例で成長後、性の手ほどきを担った。後深草院は典侍をひそかに慕っていたが、諦めて、その子(二条)の面倒をみて、愛した。

後深草院(ごふかくさいん)は、89代天皇。父・後嵯峨上皇の命により17歳で弟の亀山天皇に譲位し、後深草上皇となった。(これが原因で後深草天皇の「持明院統」と、亀山天皇の「大覚寺統」が争う南北朝時代となった)

 

 

本書の著者・日下氏は、多くの創作箇所があると具体的に指摘し、二条の意図を推測している。

 

また、二条がどのように後深草院を描いているかを分析している。院は、包容力を見せて彼女を愛し、ときとして突き放し、単なる女房として他の女性をわがものにするのに協力させ、恩ある人に二条を提供するなど冷たい仕打ちをした。そして、それらのことを二条はどのように思ったかを分析している。

終盤、後深草院崩御の折には、二条は裸足になってもその足を止めることができずに葬送の車を追い、明け方の空に上る荼毘の煙を見上げ、ほんとうの終りを知る。二条は結局のところ……。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

『とはずがたり』の従来の解釈に異を唱えることが目的の本であり、『とはずがたり』に該当箇所が提示、簡単な説明がなされていつとは言え、全体の流れは掴めていない人には真の理解が難しいだろう。

 

二条の書いていることをただそのまま認めずに、彼女の置かれた状況などから、その意図を推測して文章を解釈している。日下氏の文章理解は、他の著者に比べても、私にはかなり的確に思えた。その意味では面白い本だったのだが、いずれにしても、重箱の隅のような細かい話ではある。

 

 

日下力(くさか・つとむ)

1945年、新潟県佐渡生まれ。文学博士。早稲田大学文学学術院教授。

主な著書に『平治物語の成立と展開』(汲古書院)、『平家物語の誕生』(岩波書店)、『いくさ物語の世界―中世軍記文学を読む』(岩波新書)、『平家物語大事典』(東京書籍)などがある。

 

 

 

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後深草院二条『とはずがたり』を読む

2022年10月07日 | 読書2

 

後深草院二条(ごふかくさいんにじょう)著、佐々木和歌子訳『とはずがたり』(光文社古典新訳文庫2019年10月20日光文社発行)を読んだ。

 

鎌倉時代の宮中の性愛スキャンダルを赤裸々に書き記した日記というようなことが、何かのメディアに紹介されていて、さっそく読んでみたのだ。

 

裏表紙にはこうある。

後深草院の寵愛を受け十四歳で後宮に入った二条は、その若さと美貌ゆえに多くの男たちに求められるのだった。そして御所放逐。尼僧として旅に明け暮れる日々……。書き残しておかなければ死ねない、との思いで数奇な運命を綴った、日本中世の貴族社会を映し出す「疾走する」文学!

 

1938年(昭和13年)に宮内省で偶然発見された「新しい古典」で、埋もれていた、たった1本しか残っていなかった奇跡の5巻の写本。この本を元に瀬戸内晴海氏は小説『中世炎上』を書いている。

「とはずがたり」(問はず語り)は「問われなくても話し出してしまう語り」の意味。

 

 

後深草院二条(ごふかくさいんにじょう)(1258 ~ ?、鎌倉時代末期):美貌、気位高く、強気。
父は大納言・久我(源)雅忠(こが・まさただ)。四条隆親の娘が母で(大納言の典侍(すけ))、母は後深草院の乳母(めのと)となり、当時の慣例として成長すると性の手ほどきを担った。後深草院は典侍をひそかに慕っていたが、諦めて、女の子が生まれたら(それが二条)を自分が面倒をみようとした。典侍もこれ以上の庇護者はいないと思い、託した。

(後深草院(ごふかくさいん):89代天皇。17歳で弟の亀山天皇に譲位し、後深草上皇となる)

 

二条は、4歳で後深草院が親代わりになって、御所に出仕した。後深草院は14歳の二条を後宮に入れたいと父・雅忠にささやく。西園寺実兼(雪の曙)が求愛するが、後深草院は強引に二条と結ばれる。しかし、后でなく女房としてその後も寵愛する。

⦅源氏物語を思わせるこのあたりからすでに現代の規範からずれている⦆

 

二条は2歳で母を亡くし、後深草院の子を身ごもる中、15歳で父を亡くし、孤独の身となる。失意の二条に西園寺実兼(雪の曙)が求愛し、二人は結ばれる。院の皇子出産後も二人は関係を続け、雪の曙の子を身ごもる。出産後、雪の曙は赤子をどこかに連れ去り、院の皇子も亡くなったと聞き、二条は17歳で出家に憧れるようになる。

 

二条は女房の役目として院と前斎宮(さきのさいぐう)の恋の手引きをさせられる一方で、后の東二条院に嫉妬され、非難される。

 

二条は、院の弟で強い法力で知られた性助法親王(有明の月)に愛を告白され、院の病気平癒の祈祷に召された法親王と結ばれた。二条は21日間の祈祷の間、自分から抱かれに行っているのに、院の病気が治るとその後は急に冷めてしまい、「うとましいし、気味が悪い」とつれなくした。

 

当時、客人や恩人に女性を供してもてなすのはさほど特異なことではなかった。院にとって愛人である前に「女房」であった二条を賞品として別の男にあてがわれることもあった。院の後見人で50歳と老齢の近衛の大殿(鷹司兼平)に20歳の二条を差し出したことがある。


御所に祈祷にやってきた有明の月が二条に思いをぶつけていたところを院に聞かれ、院は悪化していた二人の仲を取り持ち、公認の仲となる。有明の月の子を懐妊した二条を、弟の亀山院が望み、院は情を交わすことを黙認し、二夜を過ごす。出産した子は院の子として引き取られる。有明の月は流行り病で死亡し、二条が亀山院と通じているという噂が立ち、院は冷たくなり、后の東二条の訴えで二条は御所を出る。後の院の求めにも応ぜず、御所に戻ることはなかった。

⦅このあたりまで来ると、あまりにも乱脈で何が何だか頭がゴチャゴチャになる⦆

 

次の巻四では、二条は32歳の尼となっていて、あこがれの西行のように東国への旅に出て、歌を詠む。最後の巻五では、西国へ旅する。後深草院崩御の折には、裸足で葬送の車を追い、その足を止めることができず、明け方の空に上る荼毘の煙を見上げ、ほんとうの終りを知った。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

王朝文学のように、くねくねした文章の心理描写でなく、ストレートに事実をあからさまに語るので読みやすい。

現代語訳ながら約450頁と大部で読み通すのは大儀だが、気位が高く、強気の二条の振る舞い、個性に魅せられて読み進められた。

 

鎌倉時代末期の貴族の性風俗文化に驚き、興味をそそられながらも、保守派に目の敵にされそうなこんな本が奇跡的に残っていたことに感謝したい。

 

年とってからの想いで書きであり、自分に都合良いように、あるいは面白くなるように脚色した点もあるようだが、歴史家でない人にはそのまま採って楽しく読めばよい。

 

 

佐々木和歌子(ささき・わかこ)

1972年、青森県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門分野は日本語日本文学。(株)ジェイアール東海エージェンシーで歴史文化講座の企画運営に携わりながら、古典文学の世界をやさしく解き明かす著作を重ねる。

著書に『やさしい古典案内』(角川学芸出版)『やさしい信仰史──神と仏の古典文学』(山川出版社)『日本史10人の女たち』(ウェッジ)など。『古典名作 本の雑誌』(本の雑誌社)では中古文学・中世文学を担当。

 

 

参考:日下力『中世尼僧 愛の果てに 『とはずがたり』の世界』

 

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