漫画:益田ミリ『結婚しなくていいですか? すーちゃんの明日』(幻冬舎文庫2010年8月)を読んだ。
「このまま結婚もせず子供も持たずおばあさんになったら?」スーパーで新キャベツを選びながら、ふと考えるすーちゃん(森本好子(よしこ))36歳の未婚の一人暮らしで、カフェの店長。貯金はもうすぐびみょうーな200万円。寝たきりになって頼る人もなかったら、歩いてきた人生全部が台なしになってしまうと考えると震えてしまう。
ヨガ友達のさわ子さんは40歳目前。寝たきりの祖母と母との3人暮らし。13年間彼がいない。恋というより男が欲しい。
見合結婚し会社を辞めた臨月のまい子さんは、我が子第一の新しい幸せが始まるだろうと思っている。これもまたよかったと思う半面、結局こうきたかと思う自分がいる。
すーちゃんシリーズ第2弾で、第1弾「すーちゃん」、第3弾「どうしても嫌いな人」、第4弾「すーちゃんの恋」と続く。柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶ主演で「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」として映画化。
話の筋とは無関係にところどころに「ある日のすーちゃん」の1ページが挿入されている。
「どうせ使い切らないだろうな~とおもいつつブルベリージャムを買った。お前はオシャレな生活への入口?」
「いつも行くデパ地下では試食しやすい店が頭の中に入っている」
「撮った写真をアルバムに貼らなくなったなと思った。思い出が雑になってきたな~」
初出:2008年1月(幻冬舎)
私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)
結婚する、しないで大きく人生が変わるアラフォー女性3人が、結婚、老後について悩み、本音をつぶやく。実感がこもっていて、おじいさんの私も「なるほど、そうだろうな」と思い、いとおしく、応援したくなる。
ちっとも上手くない絵だが、ゆるいタッチがほのぼのする。
益田ミリ
1969年大阪府生まれ。京都芸術短期大学卒業。イラストレーター、漫画家、エッセイスト。
2001年『OLはえらい』で漫画家デビュー
2006年の『すーちゃん』で人気となる
2011年、『はやくはやくっていわないで』で産経児童出版文化賞産経新聞社賞受賞
2013年、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』が映画化
その他、イラストエッセイ『キュンとしちゃだめですか?』、
著書『ふつうな私のゆるゆる作家生活』『ちょっとそこまでひとり旅だれかと旅』『五年前の忘れ物』
絵本『はやくはやくっていわないで』で産経児童出版文化賞受賞
メモ
寝たきりになりたい人なんているわけない。「元気で長生きがいちばん」って、誰かをキズつけてる言葉なのかな