hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

山崎ナオコーラ『あきらめる』を読む

2024年10月31日 | 読書2

 

山崎ナオコーラ『あきらめる』(2024年3月30日小学館発行)を読んだ。

 

小学館による紹介

登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?
「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」

近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。

ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?

「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。

 

成熟者:年を増やしたプラス面が引き立つ、高齢者に代わる流行りの言葉。

火星移住:12期の火星移住を募集中。地球での生活に行き詰まりを覚えた人に希望者が多い。成熟者と7歳未満の子どもとその家族は優先。

 

登場人物

早乙女雄大:「孤独散歩」が日課。「あきらめる」が口癖。想いを打ち明けた親友が病院にいる岩井で、大学に勤める長女が塔子

博士:雄大の息子。小学生から高校生までひきこもり、20歳で大学に入り、絵を楽しみ、細々と暮らす。分身ロボットを火星に移住させ、自身は地球に残る。あきらめたと考えても、評価に対する拘泥が深く根を下ろしていることに気が付く。

弓香:3年前に岩井への気持ちを告白してから、連絡が取れない妻。1年前火星に移住。

秋山輝(あきら)美人。恋愛できないが、育てたい人間。

龍:輝と同居。輝の元パートナー英二の連れ子。5歳。感覚過敏で、指示に従うことができない性質なので、特別支援学級に入れないので、療育に通う。絵を描くのが好き。

雪山雪:ネグレクト気味のシングルマザー。息子はトラノジョウ。「いつか誰かが私を断罪してトラノジョウを救うんだろう」と思っている。

雪山トラノジョウ:雪の息子。5歳。物を組み立てたりするのが好き。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

様々な生きづらさを抱えた人が登場し、独自の世界を展開する話を、硬い言葉、直球メッセージで語るので、読んでいてくたびれる。さらに、話しが執拗で長い。例えば、雄大の岩井との夢や、博士の恨み節が延々10頁も続きうんざり。

 

多様性が妨げられているという著者の主張が生に近い形で、強く出ていて、楽しく読めない。

 

数人の登場人物たちが、章ごとに代わって語り、また違る面が汲み取れる構成は良かった。

 

火星移住、身代りロボットが、ただ登場するだけでほとんど物語との絡みが少ない。SFの要素は感じられない。

 

 

「小説丸」の山崎ナオコーラ『あきらめる』」で山崎さんの言

いや、みなさんには、あきらめたくないこともいっぱいあるでしょう。知っています。あきらめない方がいいこともありますよ! でも、あきらめたっていいことも、実は結構あるんです。

 今の社会は、あきらめずにがんばった人ばかりが受け入れられる社会ではありません。あきらめた人も生きていけます。そういう小説です。

 あなたも、何かをあきらめてみませんか? あきらめて、あきらめて、あきらめた先に、小さなキラキラした光が見えるかもしれません。実はこの社会、わりと優しいんですよ。あなたを受け入れます。

 

山崎ナオコーラの略歴と既読本リスト

本書の著者紹介にはこうある。

作家。性別非公表。2004年にデビュー。

目標は、「誰にもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。

他の著書に、『美しい距離』『母でなくて、親になる』『ニセ姉妹』『ミライの源氏物語』など。日常の社会派。趣味は育児、

火星に持っていきたいものは、タブレット。

 

 

メモ

 

・人を嫌いになりそうなときは離れるのが一番だ。距離は人を好きにさせる。(p86)

 

 

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10月(5)の散歩

2024年10月29日 | 散歩

 

塀際に繁茂する「ニチニチソウ(日日草)」 (以下、御判定はGoogle Lens)

 

こちらは「タマスダレ(玉簾)」。白い花が玉で、まっすぐな葉が集まって簾だという。

 

「トレニア」、別名「ハナウリクサ(花瓜草)」、

 

「ブッソウゲ(仏桑花)」 アオイ科フヨウ属で、ハイビスカスともいう。私には訳が分かりません。

 

タチアオイ、フヨウ??

 

萩でしょう?

 

「ハバネロ」 トウガラシ属で、単に猛烈に辛いだけでなく、柑橘系のフルーティーな香りがある。

 

名札があったので、これは確かに「クロガネモチ」

 

「モチノキ」など明快なご回答なしだが、

近づいてパチリすると、庭木の王様「モッコク(木斛)」と御判定。

 

外国でときどき見る外ずらが立派な建物。昔、商店街が見栄えも勇ましいこんな建物だった。

 

井の頭線の久我山駅と三鷹台駅間の跨線橋。吉祥寺駅方面を見る。

 

久我山稲荷神社

 

物陰から子供が飛び出そうとしている!

 

身体を寝かせた状態で自転車を走らせる人を発見。身障者用自転車は3輪だが、これは2輪なので、止まっているときは片足を地面に付けている。

 

走りだすと、両足共にペダルに乗せる。普通の自転車よりラクチンなのだろうか?

心臓・膝への負担を減らすことができるので、高齢者やリハビリ目的の方に向いているトレーニング器具にリカベントバイクがあるが、これは実際に走る自転車なのだ。

 

コメント (2)
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祝日の井の頭公園

2024年10月28日 | 散歩

 

今日は10月14日(月)スポーツの日、と言うのがピンとこない。10月10日が体育の日だったのに。まあ、もともと毎日が休みの身には、祝日と言われても。

 

井の頭公園・三角広場の北側の散歩道、モグラの穴が4つ。 

懐かしい! 昔、我が家の庭に毎日のように新しいモグラの穴ができて、いたずらで掘ってみたりしたが、モグラを見つけたことはなかった。まだこんな所には生きていたのだ。頑張れよ!

 

 

神田川のよしきり橋から川上の井の頭池方向を見る。静かだが滔々(とうとう)と流れている。

 

ここは井の頭公園駅の西側の神田川

 

「白い鳥がいる!」 相方の声で川下を眺めると、コサギ。川岸の石の下を突いていた。

 

神田川の南側のスペースには子供の遊具が並ぶ。

子供たちや、見守る大人たちがいるのだが、はっきり写らないように離れてパチリ。

 

「井の頭かんさつ会」の案内が貼ってあった。

 

ひどい写真だが、さすが祝日、朝10時とはいえ「井の頭公園 アートマーケッツ 」が盛況の準備中だし、ブラブラ散歩する人もいつになく多い。

人の顔を画像ソフトで消すのが煩わしいので、画面になるべく人が入らないようにするので、人が少ない平日も、にぎやかな休日も、私の写真では差が出ないことになる。

毎日が日曜日の世をはばかる(?)暇人としては、土日祝日は出歩かないようにしていつのだが、散歩びよりに誘いだされてしまった。

 

子どもを遊ばせるのも最近はお父さんが多い。

 

井の頭池にこんなに多くのボートが浮かぶのは久しぶりに見た

この池でボートに乗った恋人は別れるとの都市伝説も今や昔なのだろう。

 

スワンボートも、足漕ぎボートも、開始30分しか経っていないのに、残り少ない。

 

弁財天の西側にある「井泉亭」

創業が江戸時代だという老舗の食事処「井泉亭」が、本格ナポリピッツァとイタリアンのお店「Pizzeria Trattoria Bar ISENTEI」として2021年9月にリニューアルオープンしたのだ。

 

「ナポリピッツァ世界大会」日本代表だの、個人世界8位だのとの看板があった。

ランチは11時半からということで、今回はパスしたが、次回挑戦しよう。

ただし、「本場ナポリピッツァの賞味期限は5分! 写真なんて撮ってる場合ではありません。」とのこと。

 

 

水源の「お茶の水」(ただし、現在はポンプで汲み上げ)手前の橋の上から遠く「七井橋」を眺める。

 

公園入口の「スタバ」は祝日とあって混みあっているので避けて、丸井手前の「ドトール」に入る。

 

地下でようやく席を見つけて一休み。

 

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10月(4)の散歩

2024年10月27日 | 散歩

 

道路際に一列に並んだ彼岸花(曼殊沙華)

 

蝶が

 

黄色と赤の彼岸花

 

鉢植えの彼岸花

 

「クライミングサンパラソル(マンデビラ)」サントリーフラワーズが開発のマンデビラ

 

「桔梗・ポップスター(ブルー)」

 

「ブッソウゲ(仏桑花)」 アオイ科フヨウ属。

 

どう見てもこれは「ケイトウ」

 

 

「ボタンクサギ(牡丹臭木)」 半球状の花がボタンに見え、葉に臭気があることから命名。

 

「クレマチス(四季咲き)」

 

「ムラサキシキブ(紫式部)」

 

柿の実がたくさん地面に落ちたまま。お手伝いしたい。

 

栗の実を取り出した後の殻が、栗の木の根元に山積みされている

 

カリン(花梨) よくマルメロと混同される

 

ジョウリョクヤマボウシ(常緑山法師)に赤い実がなっていた

他の実はこんなに小さいのに。

これは?

下に落ちていた実をポンと葉に載せた犯人は私です

 

 

鮮やかな黄緑色の葉につられてパチリ。Google Lensは「ニセアカシア」とおっしゃる。


「ニセ」とは穏やかじゃないので、調べると、植物学上の標準和名は「ハリエンジュ(針槐)」だという。

 

 

 

久我山駅の北にある墓地の入口に「久我山地蔵尊」がある。

寛文5(1665)年銘の庚申塔、宝永5(1708)年の念仏供養塔など、かって旧久我山村の各所にあった石造物が10基安置されている。

 

 

10月1日17時20分の夕焼け富士

 

ハロウィンのカボチャ ¥4800

 

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熊木淳『フィクションのなかの警察』を読む

2024年10月25日 | 読書2

 

熊木淳著『フィクションのなかの警察 目にはみえない「組織」とそこで働く「個人」』(2024年8月5日笠間書店発行)を読んだ。

 

笠間書店による長~い紹介

日本の警察小説において、警察の描かれ方はどう変化してきたのか?
ドラマ・映画など映像化されてきた警察小説の歴史…

事件は「現場」だけで起きてるんじゃない!!

日本の警察小説において、警察という組織の描き方は大きく変化した。
1990年代後半、横山秀夫の出現をさかいに、警察小説は多様化し、様々な警察組織の在り方を描くようになり、それらはドラマやアニメなどにも波及していった。
本書では、横山秀夫の作品を出発点として、警察小説における冤罪というテーマ、2000年代以降出現した公安警察を舞台とした公安小説、そこから派生した監察部門を描いた小説を扱うことで、現代日本の警察小説の全体像を浮かび上がらせる。
●強烈な個性を持つ刑事はなぜ描かれなくなったのか?
●冤罪はなぜ起こるのか?
●公安警察官が組織に歯向かう理由とは?
●組織への帰属意識はどのように生まれるのか?

日本の警察小説において、警察の描かれ方はどう変化してきたのか?
『震度0』『死亡推定時刻』『外事警察』『禁猟区』……多くの作品がドラマ・映画など映像化されてきた警察小説の歴史を紐解く論考。

下記のような方へおすすめ
○警察ドラマや映画、小説などが好き
○警察小説を書いている/書きたい
○文芸批評や表象文化論に興味がある
警察関係者も必読! 警察小説・ドラマ・映画がよりわかり、楽しめる文芸批評!

 

警察小説の歴史は、小説の中での警察組織の対象が、刑事部だけでなく、公安部、監察と広がっていき、同時に組織間の対立、組織悪の謎、などと深みを増して、より広範に、より深化してきた。

 

 

第一章 組織と負荷――横山秀夫

「警視庁」には、警視総監と副総監のもと、「総務部」「警務部(人事(監察))」「交通部」「警備部(機動隊等)」「地域部」「公安部(公安・外事)」「刑事部(捜査1~3課・鑑識課)」「生活安全部(少年事件等)」「組織犯罪対策部」「犯罪抑止対策本部」の各部と「警察学校」「方面本部」「102の警察署」がある。(警視庁 組織について

基本的に、自治体警察の本部長(トップ)・警務部長(人事・会計トップ)は警察庁キャリアの国家公務員の席で、警備部長は警察庁準キャリアの席、刑事部長・生活安全部長・交通部長は地方採用のノンキャリアの席だ。しかし、実際の人事実務をまとめるのは地元ノンキャリアの警務課長であり、キャリアは2年で異動していってしまう。

警察組織の記述に初めて本格的に取り組んだのが横山秀夫だ。

 

第二章 運命から「あざなえる縄へ」――冤罪小説

冤罪をいかに描くかによって、警察組織のありようを浮かび上がらせることができる。

 

第三章 刑事小説のオルタナティブ――公安小説

刑事は事件が起こってから動くが、公安は事件が起こる前にすでに動いている。証拠を積み上げて犯人を特定していく刑事部捜査と違い、公安部はある程度見込みで犯人に目星をつけた後、徹底的な視察・内偵で証拠を積み上げる。時には証拠をでっちあげてもテロを防ぐ。

 

第四章 問われる帰属――監察小説

監察(監督査察)は、警察内部で不祥事などが発生した場合、取り締まりや調査などを行い、いわば警察内スパイとも言える。公安警察と関りが強い。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

警察小説のファンには、対象となる警察組織を拡大することで発展してきたその流れが良く分かり、なるほどと感心するかも。数多くの警察小説が登場するのも楽しみだ。
警察小説に対しての横山秀夫の素晴らしい貢献については、納得だ。

 

直接、警察組織の説明をした方がわかりやすいだろうが、この本では、あくまで警察小説の中での警察機構の説明に限定されているので、間接的でわかりにくいこともある。

 

様々な警察小説の解説が語られるが、警察組織に関係する部分に注力しており、登場人物のキャラ、話の筋などには触れていない場合が多く、各小説の紹介、批評としてはもどかしい。

 

 

熊木淳(くまき・あつし)
獨協大学外国語学部フランス語学科准教授。専門はフランス文学。

主な著書に『アントナン・アルトー 自我の変容――〈思考の不可能性〉から〈詩への反抗〉へ』(水声社、2014年)、『戦後フランスの前衛たち――言葉とイメージの実験史』(水声社、2023年、分担執筆)など。

 

 

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私のゴルフ歴 

2024年10月23日 | 個人的記録

 

昔、ゴルフは年寄りの趣味と言われていた。早く始めれば上達が早いだろうと、私はゴルフを始める年齢として、当時では早い20代半ばで、練習場に通い始めた。
金がないので、最初は会社の裏にあったごく小さな練習場へ昼休みに通った。打った球はすぐネットに当たるほど狭いが極端に安かった。

 

数年後、近くにあった普通の広さのゴルフ練習場に初めて行って驚いた。今までごく小さな練習場でネットの正面に当たっていた球が、飛ぶに従って右に曲がっていくのだ。自分では満足していた当たりが、実は初心者によくある右に切れるスライスだったのだ。これではいけないと、右に飛ばないようにと左を向いて打つと、余計に最初から右に切れて、ひどいスライスになる。頑固に誰にも教わらなかったので、自己流で色々な打ち方に変えてみたが、結局ある程度は真っすぐに飛んでも、最後の方は右に切れるスライスになり、持ち球なのだとあきらめた。

 

金もないので、数年間は練習場だけで打っていたが、値段が安い河川敷の朝霞パブリックに誘われて、初コースを体験した。スコアは110台で上がり、筋が良いとおだてられた。練習場だけで数年打っていたのだから、そのくらいのスコアは出て当然なのに、才能あると勘違いして、以後、30年、平均年3回とショボショボだが、ゴルフを続けることになった。

 

一度もプロはもちろん、上手な人にも教わることなく、自己流のまま打っていたので、スライスは治らなかった。ラウンド後半に疲れてくると特に、手の振りが鈍くなって、身体で飛ばそうとするので、スライスが酷くなり、コースの右端、林の際を延々と進むことになる。それでも若い頃は力任せで、何回かドラコンを取ったこともある。しかし、ドライバーが旨く行くときには、グリーン周りでホームランして、結局パーはおろか、ダボならラッキーということになる。午前中、珍しく良いスコアになると、なぜか午後ボロボロになって、結局、いつもスコアは100前後で安定(?)していた。

 

そのうち、ご接待に駆り出されることが多くなって、60歳前に道具一切を一気に捨ててきっぱり止めた。
合計約100回の全スコアをパソコン入力してグラフを描いてみた。最後の方はばらつき(σ)が少なくなって、安定していたが、平均値は101だった。結局、最初が110で、30年やって、平均101では向上したとは言えない。ベストスコアは確か90少し切る位で、最悪が115位だったので低位安定していたのだ。年平均 3回のゴルフでは上達するわけがないと自分で慰めている。

 

何だかんだと一回 3万円以上するゴルフが千葉の山奥のコースだと 1、2万円であがる。たいして金は掛けていないつもりだが、それでも、道具代、交通費、昼飯などは別として、2万円で100回として、200万円以上はゴルフに使っていたことになる。

 

横須賀に住んでいたときには、近くの葉山にコースがあるのだが、高いので、千葉の山奥のコースへ行くのがお決まりだった。砂混じりの砲台グリーンで、うまく乗せたと思っても、ポンと弾んで転がって奥へ落ちてしまう。谷越えも多く、古い球を取り出して惜しくないのだぞと言い聞かせるが、それでも心配で顔があがるのが早くなってボールの上を叩き、谷に叩き込む。分かっているのにやめられない。フェアウエイは右斜面が多く、常にスライス気味の私の球はポンポンと弾んで藪の中へ入り、「マムシ注意」の看板があって球も取り戻せない。
冬はティーグランドが凍りついていてティーが刺さらず、金づちが置いてある。
安いからと、キャデイさんはいないし、クラブハウスには入れないのだが、ゴルフ場が休みの時に行ったこともなんどかある。

こんなコースだが、気の置けない仲間と、互いにケチをつけながら、冗談を言いながらのプレイは、リラックスできる時間だった。

 

朝早く相方に車で久里浜へ送ってもらい、フェリーで久里浜から浜金谷へ渡り、クラブバスに乗ってコースへ行く。
時たま、ラウンド中に「風が強くなってきたので、フェリーは欠航になります」と放送がある。こうなると大変だ、東京駅経由で東京湾をぐるりと回って、横須賀まで帰らなければならなくなる。

友人の車に拾ってもらい、久里浜から車ごとフェリーに乗って、そのまま車でコースに行ったことがあった。若かった我々は1.5ラウンドして、夕食を食べてから浜金谷に車で向かった。途中、叩きつけるような雨となり、予定より遅れて港に着くと「蛍の光」が聞こえ、最終フェリーが丁度桟橋を出て行くところだった。アクアラインがまだなかったので延々東京湾を一周して、横須賀に帰り着いたときは12時を回っていた。今でも「蛍の光」を聞くと、卒業式でなく、去ってゆくフェリーを思い出す。 

 

一度だけ職場のコンペに出たが、たまたま所長と同じ組になってしまった。会社で、所長からたまに「冷水君、ちょっと来てくれ」と電話がある。あまりあれこれ考えるタイプではないのだが、それでも「あれかな、まさかあれじゃないだろうな」などビクビクしながら所長室へ駆けつけることがあった。この日はプレイが始まる前に所長がニコニコしながら近づいてくる。気味が悪い。「冷水さん、太い腕で飛びそうですね」 なんと“さんづけ”だ! どうも所長は、仕事中は“君づけ”で、プライベートは“さんづけ”と徹底しているらしい。考え方は理解できるが、普段との差が大き過ぎ、落ち着かず、スコアは滅茶苦茶だった。

 

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10月(3)の散歩 キンモクセイ尽くし

2024年10月21日 | 散歩

 

10月15日、10月1日に引き続いて、大宮前公園へ行ったときに、相方が「いい匂い! キンモクセイだわ」と言った。私は「うん、何、この香り?」「ああ、確かに」と今年初めてキンモクセイ(金木犀)の香りを嗅いだ。

 

翌日、16日も近所を散歩中に、キンモクセイの香り。普段は煩わしい高く目隠しの垣根なのに。

近づいてパチリ。確かに金木犀だ。

 

こちらだって、よく見れば上の方に黄色い花が。これだけでも香りは目立つ。

 

こちらにも、

 

あちらにも、見た目は地味だが、香りは華やか。

 

17日、久我山方面へ散歩したとき、見事に刈り込まれた金木犀も、刈られた上面に花を付けていた。

 

ごく普通のただの垣根だって、この季節だけは華やかなスターだ

 

電柱を包み込む金木犀も、黄色の花とかぐわしい香りに包まれる。

 

神田川沿いの散歩道の普段は地味な金木犀

 

近づいて撮ると、派手、派手!

 

これだけ写真が続くと、金木犀の香りがしてきませんか?

やっぱり、してこない! 香りをお届けできないのが残念!

 

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キャサリン・ライアン・ハワードの略歴と既読本リスト

2024年10月20日 | 読書2

 

キャサリン・ライアン・ハワード(Ryan Howard, Catherine)

1982年、アイルランド・コーク生れ。フランスやオランダで旅行関係の仕事をしたり、アメリカのディズニー・ワールドのホテルで働いたりしつつ、小説やノンフィクションを自費出版する。


2016年、初のミステリ作品にしてデビュー作でもある『遭難信号』は、英国推理作家協会新人賞(ジョン・クリーシー・ダガー賞)を受賞し、アイリッシュ・ブック・アワードの最優秀クライム・フィクション部門で最終候補となった。
2018年『The Liar's Girl』は、MWA最優秀長篇賞の最終候補に選ばれる。
2020年、『ナッシング・マン』は、CWA賞イアン・フレミング・スティール・ダガーの最終候補となった。
2021年『56日間』は、ついに「アイリッシュ・ブック・アワードの最優秀クライム・フィクション部門賞」を受賞し、「ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶベストスリラー10」と「ワシントン・ポスト紙が選ぶベスト・スリラー&ミステリー10」に選ばれた。

 

キャサリン・ライアン・ハワードは、アイデアを、Excelシートを用いてストーリーを作り、プロットの要所を埋めていく。そのExcelシートは時間と共に密度が増していき、また、カラフルになっていく。そんなExcelシートとテキストを行ったり来たりしながら、作品を完成させる。(村上貴史による)

 

 

高山祥子(たかやま・しょうこ)

1960年、東京生れ。成城大学文芸学部卒業。バロン『世界一高価な切手の物語』、ドーソン『アメリカのシャーロック・ホームズ』、チャールズ『あの図書館の彼女たち』、ソログッド『マーロー殺人クラブ』、キャサリン・ハワード『遭難信号』『ナッシング・マン』『56日間』など訳書多数。

 

 

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キャサリン・ライアン・ハワード『56日間』を読む

2024年10月19日 | 読書2

 

キャサリン・ライアン・ハワード著、高山祥子訳『56日間』(新潮文庫ハ59-1、2022年10月1日新潮社発行)

 

裏表紙にはこうある。

新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、ダブリン市内の集合住宅で身元不明の男性の遺体が見つかる。遡ること56日、独身女性キアラは謎めいた男性オリヴァーと出会っていた。関係が深まるにつれ二人には、互いに明かせぬ秘密があるとわかるが……。遺体発見の現在と過去の日々を交互に描き、徐々に明かされる過去。そして待ちうける慟哭のラスト。コロナ禍に生まれた奇跡のサスペンス小説。

 

本書は、「コロナ禍」背景として、現在である「今日のパート」と、56日前を起点とする「過去のパート」の2つのストーリーが交互に語られる。

 

「今日のパート」集合住宅で発見された遺体を、アイルランド警察の女性刑事リーと部下のカールが捜査する物語で、遺体は誰か、事故か、事件か、死因は、と捜査は難航する。

 

「56日前」で始まる「過去パート」は男女の出会いの物語で、女性視点と男性視点で語られていく

女性主人公のキアラは、スーパーのレジ・カウンターの行列に加わろうとしている魅力的で、身なりの良い男から声をかけられ、店を出たところで再び男は、キアラのスペースシャトルの絵がついたトートバッグを、「いい袋だね」と声をかけてくる。
オリヴァーと名乗った男が提案し、コーヒーを買って、堤防に座って一緒に飲み、語り合い、月曜に、アポロ計画のドキュメンタリー映画を一緒に見に行かないか誘われる。

 

キアラとオリヴァー、二人ともに何か謎が感じられる彼女と彼の関係はどうなっていくのか? そして、「今日のパート」の腐敗した遺体の謎は? 二つのストーリーはどんなふうにリンクするのか?

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

「今日のパート」の少しずつしか進まない遺体の捜査状況と、56日前から現在に向けての「過去のパート」での男女の出会いとためらいながら進展する恋愛の話が、交互に進んで、最後に両方が一致するという話の構成が面白い。

 

何かいかにも罪の意識に悩む男と、何かがありそうな女が互いに好きになっていく過程で、思わせぶりな謎?(伏線?)が、歯に詰まった何かのように気になりながら、不安を秘めて進んで行く。しかし、ありがちな余分な挿入される話はなく、二人の話はストレートに語られ、愛が深まると同時に不安が増していく。

 

アイルランドでのコロナに対するロックダウンの実状も、実生活の視点から実感をもって描かれて、興味を引いた。さらに、人と人が会えなくなるというコロナ禍の進展と、二人の恋愛の進展が関連を持って進行するのも巧みに描かれている。

 

決してベテランではないのに、著者・キャサリン・ライアン・ハワードの語り口は見事だ。私には、中ほどで謎はだいたい推測がついてしまったが、それでも面白く読み切った。

 

キャサリン・ライアン・ハワードの略歴と既読本リスト

 

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スティーヴン・キングの略歴と既読本リスト

2024年10月18日 | 読書2

 

スティーヴン・キング(Stephen King)
1947年メイン州ポートランド生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続ける。

1974年に『キャリー』でデビューし、好評を博す

以後『呪われた町』『シャイニング』『IT』『ミザリー』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。

ホラー以外でも、『スタンド・バイ・ミイ』、『グリーン・マイル』、『ダーク・タワー』シリーズ、『書くことについて』などがある。

全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

 

日本でもっとも愛される映画の一つ「シーシャンクの空に」は、『ゴールデンボーイ 恐怖の四季 春夏編』の中にある「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作。
無実の罪で囚人となった元銀行家アンディーは、理不尽に叩かれ続けるが、壁にリタ・ヘイワースの写真を飾るなど小さな幸せを見つけて、不屈の心で、冴えた生き様をし、そして、30年後に・・・。

 

12歳の4人の少年が噂を信じ、死体を探して2日間の旅をする映画(と主題歌)は『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』の中の「スタンド・バイ・ミー」が原作。
悲惨な家庭を抱える4人の少年の友情と冒険を、作家となった主人公が描く半自伝的作品。

 

 

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「スーパームーン」

2024年10月17日 | 日記

 

10月17日(木)19時、新宿のビル群の上に「スーパームーン」

 

ことのほか輝きを増したかに見える「スーパームーン」

 

10月17日20時26分の満月は、今年の満月の中では最も地球に近いので、最も大きく見える「スーパームーン」と呼ばれる。

といっても、地心距離で約35万㎞あり、今年最小の満月(2月24日)と比較して約14%大きく見えるだけなのだが。

 

NHK-TVのニュースで、菅原都々子の「月がとっても青いから」の話が出てきた。
私が、思わず「月がとっても青いから 遠まわりして帰ろ」と歌ったら、相方が「父がよく歌ってたわ」と笑った。

え? そんなに歳、違わないだろう??

 

 

 

 

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スティーヴン・キング『書くことについて』を読む

2024年10月17日 | 読書2

 

スティーヴン・キング著、田村義進訳『書くことについて』(小学館文庫キ4-1、2013年7月10日小学館発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

「われわれ三文文士の多くもまた、及ばずながら言葉に意を注ぎ、物語を紙の上に紡ぎだす技と術に心を砕いている。本書のなかで、私はいかにして『書くことについて』の技と術に通じるようになったか、いま何を知っているのか、どうやって知ったのかを、できるだけ簡潔に語ろうと思っている。テーマは私の本業であり、言葉である」(本書「前書き」より)
 モダン・ホラーの巨匠が苦闘時代からベストセラー作家となるまで自らの体験に照らし合わせて綴った自伝的文章読本。『小説作法』の題名で刊行された名著の待望の新訳版。

巻末には新たに著者が2001年から2009年にかけて読んだ本ベスト80冊を掲載。

 

 

ベストセラー作家の自伝的文章読本。

  • 履歴書 ドラッグとアルコール漬けの作家生活38歳までを語る半自叙伝の回想
  • 道具箱 書くために必要となる基本的なスキルの開陳
  • 書くことについて いいものを書くための著者独自の魔法の技
  • 生きることについて 「書く」と「生きる」ためのスティーヴン・キングの人生観

補遺 その1 短篇原稿見直しの実例(第1稿と第2稿)

補遺 その2 ここ3,4年の間に強く印象に残った本のリスト100冊

補遺 その3 2001年~2009年で読んだ本のベスト80冊

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

前半の約半分は、キングの自叙伝で、彼のファンなら面白く読めるだろう。しかしファンでなくても、書くことが好きな少年が貧しいなかで、なんとか浮かび上がり、作家への道を、あれやこれやと懸命に探る話は興味を持って読めるだろう。ちなみに、米国では新人賞受賞からの作家デビューという道はないのだろうか。

 

後半の小説を書くコツについては、抽象論、精神論でなく、具体例を挙げて説明しているので、理解しやすい。もちろん、ミステリーやホラーとは違った恋愛物や、純文学などを書く場合は適合しない部分もあるとは思うが。

「補遺 その1」には、短篇原稿の第1稿(日本語訳)と、どのように見直したかの第2稿(第一稿の英語を訂正したものと日本語訳)が実例で示されていて、アメリカ人のプラグマティズムに感心する。

 

 

スティーヴン・キングの略歴と既読本リスト

 

 

 

以下、私のメモ

  • 小説のアイデアはどこからともなく湧いてくる。また、二つが合体して新しいものが生まれることもある。我々がすべきなのは見つけ出すことではなく、目の前に現れたときに気づくことだ。

  • 気分が乗らなかったり、イメージが湧かなくなったからといって、途中で投げ出すのはご法度だ。いやでも書き続けなければならない。…そんなときに、いい仕事をしていることはけっこうあるものだ。

  • 作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない。

  • 出来の悪い小説は、してはいけないことを教えてくれる(例、『マディソン郡の橋』)。逆に、『怒りの葡萄』は文体、品格ある叙述、プロットに展開、立体的な人物造形、誠実な語り口など多くのことを教えてくれる。

  • できれば初稿はワン・シーズンつまり3カ月以内で仕上げたい。どんなながいものでもそうだ。一日の目標は10ページ、二千語。三か月なら18万語になる。読者が夢中になって読むのにちょうどよい長さだ。

  • 週に一日は休んでもいい。だが、それ以上は駄目だ。ストーリーが間延びしてしまう。

  • 仕事場に電話はない方がいい。TVやゲーム機は論外だ。窓にはカーテンをしておく。

  • 小説は3つの要素からなる。ストーリーをA地点からB地点に運び、最終的にZ地点まで持って行く叙述、読者にリアリティを感じさせる描写、そして登場人物に声明を吹きこむ会話だ。プロットを練ると、ストーリーが自然に生まれなくなる。作家がしなくてはいけないのは、ストーリーに成長の場を与え、それを文字にすることだ。

  • 登場人物の顔や体形や服といったものは、読者の想像に任せておけばよい。それを細々と描いたら、そこに読者が入り込む余地はなくなり、両者の相互理解のきずなは失われる。

  • 1次稿は、ドアを閉めて、誰の助けも借りず(あるいは邪魔も受けず)、自分ひとりで書かなければならない。プレッシャーはあった方が良いのだ。

  • 1次稿の原稿は最低6週間寝かせた方がよい。

  • 1次稿の見直しは、気づいたことを片っ端からメモにとっていく。ただし、スペル・ミスは矛盾箇所の訂正といった事務的な作業の範囲内にとどめておいた方が良い。

  • 素性の妖しい代名詞、説明不足箇所、副詞を削除する。ストーリーの首尾一貫性をチェック。

 

 

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10月(1)の花

2024年10月15日 | リタイヤ生活

 

10月7日に届いた花

 

うなだれているコスモス4輪、カーネーション6本、リンドウ2本と、左下右に延びるタバリア

 

花瓶の中に隠れてしまう下の方のリンドウの花を取って、コーヒーのミルク入れに挿してみた。

 

2日後、すべての花が生き生きと。右下に延びるのがタバリア。

 

首を垂れていたコスモスは復活したが、

 

細い細い茎が折れてしまったコスモスは一輪挿しへ

 

淡いピンク、黄色、ピンク、淡い黄色、淡いピンクのカーネーションはまだまだ元気

 

かなり葉を取ったリンドウは、裏側から見れば全体が良く見える。

 

4日後

 

コスモスは刀折れ、矢尽き

 

リンドウは蕾が開いて、まだまだ

 

最初に折れて一輪挿しにしたコスモスだけは4日後も元気。
茎が細く長く水揚げが悪いコスモスは、確かに湯あげが必要?

 

7日後、コスモスは姿を消したが、カーネーションもリンドウもまだまだ鑑賞に堪えている

 

最初に摘み取ったリンドウの蕾も、小さなミルクカップの中でご存命。
晩には閉じた蕾を、朝には蕾を開く愛(う)い奴。

 

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10月(2)の散歩 井の頭公園の林間コース

2024年10月14日 | 散歩

 

10月前半の月曜日9時半、井の頭公園を散歩した。

井の頭通りのセブンイレブンのある交差点で「旭小路」を南に入る。公園東の入口すぐの井の頭線のガード下をくぐる。

神田川左岸(川下を見て左)を西に進み、水門橋とひょうたん橋を左に見て、公園トイレを右に曲がってすぐ、林の中の道に入る。この道がオーバーながら「林間コース」と私だけが言っている道なのだ。ちょっと前は「奥の細道」と言っていたのだが、さすがに言いずらい。

 

下の写真が「林間コース」の東の入口。ただし、5月2日の写真なので、逆に見たところ。

 

5月2日に示した分かりにくい上に、逆コースの地図が以下だ。

 

雨の直後は道がぬかるむが、通常はクッションが心地よい落葉の絨毯道なのだ(5月2日の写真)。

 

今日は、大きな丸い実がゴロゴロ。ときどき、バーンと落ちてくる。栃の実?

 

池の傍を歩く大人と遊具で遊ぶ子供たちを見ながら進む(5月2日の写真)。

 

林間コースの出口は、通常は入口だが、こちら。

 

降りるとすぐ野外ステージがあり、その前では、これから散策コースへ出発しようとするグループが集まっていた。

 

定点観測地点の七井橋から池の東を見ると、スワンボートが3台と足漕ぎボート1台。まだ9時50分なのになぜと思ったが、10月からは9時半から営業しているのだった。

 

約30分歩いただけなのに、くたびれて、日陰のベンチで一休み。目の前を通る人は、年齢に関わらずスニーカー(?)だ。運動靴も革靴も見かけない。

 

井の頭自然文化園前のベンチには、ニューヨークの9.11で亡くなった日本人を偲ぶ「思い出ベンチプレート」があった。

 

まったく関係ないが、話題不足の時の、マンホールネタ。「都立公園」「低圧」とあるマンホール。わざわざ都立公園専用のマンホールを製造する必要があるの?

 

水に頭を何回も潜らせて、エサ探しするカルガモ?。

   

 

 

こちらはカイツブリ?

 

三角広場の北側を流れる神田川にもカルガモ?

 

 

帰り道に見た普通の家の普通でない郵便受

 

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アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』を読む

2024年10月13日 | 読書2

アントニイ・バークリー著、高橋泰邦訳『毒入りチョコレート事件』(2009年11月13日新版初版、東京創元社発行)を読んだ。

 

本書見開きにはこうある。

ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面々は、手掛かりがわずかしかなく、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。被害者は、新製品という触れ込みのチョコレートを試食したベンディックス夫妻。チョコレートには毒物が仕込まれており、夫人は死亡、ベンディックスは一命を取り留めた。しかし、そのチョコレートは知人のペンファーザー卿に送られたもので、ベンディックスはそれを譲り受けただけだったのだ。会員たちは独自に調査を重ね、自慢の頭脳を駆使した推理を、一晩ずつ披露する――。誰がこの推理合戦に勝利するのか。本格ミステリ史上に燦然と輝く、傑作長編。

 

杉江松恋氏の本書巻末の解説によれば、

『毒入りチョコレート事件』の優れた点は、この「多重解決」という小説のありようを読者に呈示したことにある。……

ところが(著者)バークリーは、犯人を推理するという推理の工程自体を特権的なものとして採り上げた。実際の犯人が誰であろうと(極言すれば犯人なぞいなくとも)推理は可能であるという可能性を示したわけですね、これがミステリという小説ジャンルを、純粋な知的遊戯として解放するための第一歩となったのである。

 

 

事件の発端は、ロンドンのクラブに、女癖の悪い男爵であるユーステス・ペンファーザー卿宛ての一箱の小包が届けられた。送り主はメイスン父子商会で、新製品のチョコレート・ボンボンの詰め合わせをご試食いただきたいと手紙が添えられていた。

同席していた実業家のグレアム・ベンディックスが、卿がいらないというチョコレートの箱をもらって帰宅し、摘まんだが舌を刺す味がして2個で止めた。妻・ジョウンは7個食べ、死亡した。警察の調べではニトロベンゼンが注射されていた。

 

作家で探偵でもあるロジャー・シェリンガムが、会長を務める「犯罪研究会」の6名を前に新しい提案をする。警察が未解決のままお蔵入りさせた上述の毒殺事件について、メンバー6名が独自に推理、あるいは調査して、翌週毎日一人ずつ推理を発表し、推理合戦することを提案し、賛成が得られた。
そこで、スコットランド・ヤードのモレスビー首席警部から事件について報告を受ける。

提出された推理は、警察と合わせると、計8件となる。

 

 

本書は、1971年10月22日初版、2002年3月8日27版、2009年11月13日新版初版発行。

英国で1929年に発表。日本では「新青年」の1934年8月号に「毒殺六人賦」の題名で掲載。

 

 

アントニイ・バークリー/フランシス・アイルズ

1893年イギリスのハートフォードシャー生まれ。第一次世界大戦に従軍後、ユーモア作家として〈パンチ〉誌で活躍。
「?」名義で『レイトン・コートの謎』を著して以降、『毒入りチョコレート事件』『第二の銃声』『ジャンピング・ジェニイ』など、従来の探偵小説に対する批判を織り交ぜた実験精神あふれる作品を発表。英国本格ミステリ黄金期を代表する作家としてその地位を不動のものとした。
他の作品に、フランシス・アイルズ名義で発表したサスペンス『殺意』『レディに捧げる殺人物語』などがある。1971年没。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

ミステリー小説の歴史の一つとして読んで置かねばと我慢して読んだが、次々に展開される推理は、前の推理の欠陥を指摘し、勝者を誇るが、次の者に凹まされるという、多重構造で、話しは行ったり来たりで、もどかしい。

しかも、前の椎理者を傷つけないようにと、もってまわったバカ丁寧な遠回しな表現で、これが結果的に慇懃無礼な英国ハイソサエティの長演説となるので、うんざり。

TV観戦、昼寝、散歩等々で多忙な私は、俺はそんなに暇じゃないんだと、イライラしてしまった。古き良き時代の英国の古典ですね。

 

 

犯罪研究会メンバー

  • ロジャー・シェリンガム:犯罪研究会の会長、作家。バークリーのシリーズ探偵のうちの一人。
  • チャールズ・ワイルドマン卿:刑事弁護士
  • フィールダー・フレミング:劇作家
  • モートン・ハロゲイト・ブラッドレー:推理作家
  • アリシア・ダマーズ:小説家
  • アンブローズ・チタウィック:バークリーのシリーズ探偵のうちの一人

 

 

 

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