米国経済が予想されたより堅調に推移している。GDPの70%を占める個人消費が強い為である。中でも長い間低金利で据え置かれて、住宅需要が極めて強く住宅価格が急上昇している。3Qの全米住宅価格統計によると前期比18.5%(年率換算、2Qは9.8%だった)、全年同期比13%上昇した。これはCPI(物価指数)の約5倍になり、モルガンスタンレーのS.ローチ氏によるとバブル的な特徴を示しているという。西海岸で不動産業に携わる友人はこのところの業績は計画を上回っているといっていた。9月に購入した不動産ファンドREITが約3ヶ月で9%上昇した。バブルが弾けると米国の景気が頼りの我が国に対しても深刻な影響が出るのは自明である。もう少し詳しく掘り下げてみる。
米国の個人貯蓄率は下がり続け9月に0.3%、10月に0.2%まで低下した。個人以外の活動を含めた国民純貯蓄率も2Qの1.2%から3Qは0.9%に低下した。現在の経済成長を維持する為には海外の貯蓄を取り込まなければならない構造になっている。上記のように低金利がバブルを誘発し、皮肉なことにバブル対策として利下げの手段を使い果たした格好になっている。友人は逆に最近のドル資産離れに対応し、長期金利があがると住宅ローン金利上昇をもたらし市場を冷やす事にならないか心配していた。
それでは何故貯蓄が殆ど無いのに、米国の消費は活発で住宅投資する事が出来るのだろうか。この辺にバブルの臭いがする訳である。三菱証券のアナリストレポートによると所得から税金を控除した可処分所得と消費との差分を貯蓄率の算出のベースにしている。つまり、生産活動の結果として生み出された取引を計上し、資産価格の変動によるキャピタルゲインを含んでいないのである。貯蓄率に株式のキャピタルゲインと住宅資産の現金化を含めると安定して7%台を維持しており、米国民はこれを消費に振り向けているのである。
住宅資産の現金化は、①キャッシュアウトと言って、借り入れ金額を増やして住宅ローンの借り換え一部現金化する、②ホームエクイティローンと言って、住宅のネット資産価値(住宅時価-住宅ローン)を担保に借金することである。いずれも消費者は住宅価格が上昇し続けることを前提として、キャッシュフローに合わせて消費を続けるという仕組みである。日本の土地バブルとは随分違うという気がするが、景気対策としてはじめた低金利が続き生じた過剰流動性から始まった。ローチ氏の報告は米国の専門誌だけでなく広く引用されており、強い関心を呼んでいるようである。見逃せない動向である。
米国の個人貯蓄率は下がり続け9月に0.3%、10月に0.2%まで低下した。個人以外の活動を含めた国民純貯蓄率も2Qの1.2%から3Qは0.9%に低下した。現在の経済成長を維持する為には海外の貯蓄を取り込まなければならない構造になっている。上記のように低金利がバブルを誘発し、皮肉なことにバブル対策として利下げの手段を使い果たした格好になっている。友人は逆に最近のドル資産離れに対応し、長期金利があがると住宅ローン金利上昇をもたらし市場を冷やす事にならないか心配していた。
それでは何故貯蓄が殆ど無いのに、米国の消費は活発で住宅投資する事が出来るのだろうか。この辺にバブルの臭いがする訳である。三菱証券のアナリストレポートによると所得から税金を控除した可処分所得と消費との差分を貯蓄率の算出のベースにしている。つまり、生産活動の結果として生み出された取引を計上し、資産価格の変動によるキャピタルゲインを含んでいないのである。貯蓄率に株式のキャピタルゲインと住宅資産の現金化を含めると安定して7%台を維持しており、米国民はこれを消費に振り向けているのである。
住宅資産の現金化は、①キャッシュアウトと言って、借り入れ金額を増やして住宅ローンの借り換え一部現金化する、②ホームエクイティローンと言って、住宅のネット資産価値(住宅時価-住宅ローン)を担保に借金することである。いずれも消費者は住宅価格が上昇し続けることを前提として、キャッシュフローに合わせて消費を続けるという仕組みである。日本の土地バブルとは随分違うという気がするが、景気対策としてはじめた低金利が続き生じた過剰流動性から始まった。ローチ氏の報告は米国の専門誌だけでなく広く引用されており、強い関心を呼んでいるようである。見逃せない動向である。