先月末にドル急落について「ドル資産離れ」が背景にあると報告した。その後ドル相場は小康を保っている。連銀はFOMCでFFレート(短期金利)を0.25%上げ、ブッシュ大統領は2度にわたり強いドルを強調したが為替相場は目立った反応をしていない。双子の赤字、特に過去最悪の経常収支赤字を背景に先行きドル安の傾向にあることに変わりは無い。モルガンスタンレーのS.ローチ氏はグローバル・エコノミーのバランスが変化の文脈の中でドル安の進行を捉えている。 実はドル資産離れ以外に「アメリカ離れ」現象が起こっているとD. Gross氏はSlate Magazineで下記のように報告している。
昨年8月に施行された通過乗客のセキュリティ強化を嫌い、日本からカナダ経由でブラジルに行く客が急増しエアカナダが受けに入っている。
米国に上場している欧州、特に独会社の大半は規制に対応するコストがかかり過ぎるとして本社をニューヨークから移そうとしている。(FT)
2004年の海外からウォートン(ペンシルバニア大学経営大学院)への入学申請が24%減、総合して外国人のGMAT受験は2002年から27%減、調査した大学の74%が海外からの留学申請の数が減っていた。高スキルの労働ビザ(H1-B)発給枠削減のため高い技術を持った人材が米国で起業しようとしなくなった。(BW)
台湾は米国向けの2倍を中国に輸出している。(NYT)
中国は東南アジア10カ国と米国抜きでFTA交渉をしているとボーカス上院議員は嘆いている。(FT)
ブッシュ大統領がチリのA-Pac会議に参加した時、瑚耀輝主席が中南米12カ国を回り数兆円の取引を纏めた時、ブッシュはコロンビア1カ国を訪問しただけだった。(LT)
意訳すれば米国が馬鹿なことをしている間に、米国以外の国は元々米国が始めたやり方を真似てうまく立ち回るようになった。国内市場が小さく輸出に頼らざるを得ず、日本以上に教育熱心な韓国は機を見るに敏で子弟を中国に留学させ始めた。急成長を続ける中国といえども、貿易額は今年遂に日本を抜き去ったものの国内市場は日本の3分の1に過ぎず現実的な判断に迫られバランスをとっている。グローバル・エコノミーのリバランシングの結果どうなるか、決して日本に有利ではないと思われるが行く末を見守りたい。
注)FT:ファイナンシャルタイムズ、 BW:ビジネスウィーク、 NYT:ニューヨークタイムズ、 LT:ロンドンタイムズ、 GMAT:経営大学院受験の資格(大学卒業の学力)、 ウォートン(Wharton):ハーバードビジネススクール(HBS)を上回り米国一と評価される経営大学院の通称で、私の勤める会社に応募してきたとき新卒でも年収1千万以上を要求し、OKしても最終的に入社を断わられたことがある。
昨年8月に施行された通過乗客のセキュリティ強化を嫌い、日本からカナダ経由でブラジルに行く客が急増しエアカナダが受けに入っている。
米国に上場している欧州、特に独会社の大半は規制に対応するコストがかかり過ぎるとして本社をニューヨークから移そうとしている。(FT)
2004年の海外からウォートン(ペンシルバニア大学経営大学院)への入学申請が24%減、総合して外国人のGMAT受験は2002年から27%減、調査した大学の74%が海外からの留学申請の数が減っていた。高スキルの労働ビザ(H1-B)発給枠削減のため高い技術を持った人材が米国で起業しようとしなくなった。(BW)
台湾は米国向けの2倍を中国に輸出している。(NYT)
中国は東南アジア10カ国と米国抜きでFTA交渉をしているとボーカス上院議員は嘆いている。(FT)
ブッシュ大統領がチリのA-Pac会議に参加した時、瑚耀輝主席が中南米12カ国を回り数兆円の取引を纏めた時、ブッシュはコロンビア1カ国を訪問しただけだった。(LT)
意訳すれば米国が馬鹿なことをしている間に、米国以外の国は元々米国が始めたやり方を真似てうまく立ち回るようになった。国内市場が小さく輸出に頼らざるを得ず、日本以上に教育熱心な韓国は機を見るに敏で子弟を中国に留学させ始めた。急成長を続ける中国といえども、貿易額は今年遂に日本を抜き去ったものの国内市場は日本の3分の1に過ぎず現実的な判断に迫られバランスをとっている。グローバル・エコノミーのリバランシングの結果どうなるか、決して日本に有利ではないと思われるが行く末を見守りたい。
注)FT:ファイナンシャルタイムズ、 BW:ビジネスウィーク、 NYT:ニューヨークタイムズ、 LT:ロンドンタイムズ、 GMAT:経営大学院受験の資格(大学卒業の学力)、 ウォートン(Wharton):ハーバードビジネススクール(HBS)を上回り米国一と評価される経営大学院の通称で、私の勤める会社に応募してきたとき新卒でも年収1千万以上を要求し、OKしても最終的に入社を断わられたことがある。