かぶれの世界(新)

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ジャネット・サイデルを聴く

2006-06-12 12:31:28 | 音楽

昨日久しぶりにジャズ・コンサートに行った。ジャネット・サイデルが目当てだ。場所は五反田にある「ゆーぽーと簡易保険ホール」、生憎の小雨の中、駅から歩いて5分のところにあった。

出演したのは他に若手のアカペラトリオ、ブルース・ハマダ、ヘレン・メリル。所謂司会がおらず殆どは曲の紹介すらしない音楽だけ聞かせる喋りのないスタイルが新鮮だった。たまにぼそぼそ言う英語のジョークが聞き取れず、会場の一部から笑いが聞こえたが反応できないのはきまりが悪かった。

初めて見るジャネットは当然の事ながらいつも見ていたジャケットの写真より老けていて、あごが二重になり目尻がやや下がり典型的な中年女性の体つきだった。しかし彼女が歌い始めると聴き慣れた暖かい澄んだ声で改めて本物だと感じた。

私が彼女を知ったのは3年前、娘の結婚式でシドニーに行った時だ。滅多にない機会なので式の1週間前に豪州に飛び、近郊にあるブルーマウンテンに行き山歩きを楽しんだ。B&Bスタイルの民宿に泊まった時部屋に流れていたのが彼女のDoris and Meだった。

始めはDoris Dayだと思ったが、本物よりうまい。CDのジャケットの写真は見たことも聴いたこともない歌手だった。ボリュームを絞りBGM風にして食事から就寝時まで部屋にいる時はいつも彼女の歌を聴いていた。聴くだけで自然と和んできた。今でも眠れなくなると深夜布団の中で彼女のCDを聴く。

宿のオーナーに聞くとシドニーに行けば何処の店にでも買えると聞き、シドニーに戻った時HMVに行った。店員に聞くと彼女はオーストラリアで最も人気のある歌手なのに知らないのかと無愛想な口ぶりで教えてくれた。

前の席に座った人が見ているパンフレットを覗き見すると、ジャネットは世界一の癒しの歌手だと言う。今日の聴衆の目当てはオオトリのヘレン・メリルだと思うが、日本にもジャネット・ファンがいるらしい。自分のことを棚にあげて言うと、会場はやたらと中高年の客ばかりが目立ったのには驚いた。

私はプロじゃないので僭越かもしれないが、ジャネットの生声はCDに比べ暖かさと言うか艶が足りない様に感じた。ホールの音響システムはCD録音のセットとは違うのでそのせいかもしれない。彼女の選曲はスタンダードばかりなので私なりの期待があったが、それとは若干違っていた。

最後にハマダとデュエットしたCrazy Rhythm(多分)では楽しさは出てたが、彼女の特徴の一つでもある軽やかなリズム感が完璧とはいえず私にはやや物足りなかった。最後の2、3曲頃は声に張りが出て来た気がする。能書きを垂れたが、勿論コンサート・ホールとはいえ久しぶりに生で聞くジャズは迫力があり楽しめた。■

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