かぶれの世界(新)

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Dixie Chicks

2006-06-01 16:53:28 | 音楽

人気カントリー・グループのDixie Chicksが3年ぶりに発売した新アルバム「Taking the Long Way」が評判になっている。売り上げがリリース早々ビルボードのトップに立ったということで、今朝方CNNにインタビュー番組に出演しているのを見た。

98年に最初のアルバム「Wide Open Spaces」が評判になっていると会社の同僚の奥さんに紹介してもらったのが最初だった。テンポの速いバンジョーとフィドルにパンチの効いた声音のボーカルで一昔前のシンプルなカントリーの感じを出しており、何度か聴いているうちにファンになった。 

カントリー専門チャンネルを見ると凝ったモノクロのミュージック・ビデオがユニークで放送される頻度が高く人気の程がうかがえた。2000年にリリースした次の「Flies」も同じ感じのアルバムで1作目に続き1000万枚以上を売る大ヒットになった。私は2作目のほうが気に入っている。

2003年初めソニーから移籍、独自レーベルを立ち上げ野心的な3作目「Home」を出した。ポップス化した現代カントリーに対し一昔前の素朴なスタイルで、ナッシュビルの音楽業界に対するアンチテーゼのメッセージがあるといわれた。

私は単調な感じがしてそれ程良いと思わなかったが、当時の音楽評論は概ね好意的であったと記憶している。ところが事件が起こった。ロンドン公演で聴衆を前でイラク戦争を非難し、ブッシュ大統領が同じテキサス出身なのは恥かしいととやり大喝采を受けた。大統領選では民主党候補Kerryを積極的に応援した。

ところが民主党支持のハリウッドと異なり、保守派の牙城みたいなナッシュビルの音楽界はこれを不快に思い、カントリー専門ラジオ局は放送禁止、Dixie ChicksCDがハンマーで壊されるシーンが全世界に流れた。問題発言したナタリーは不適切な発言に謝罪したがCDの売り上げは半減した(それでも600万枚が凄い)

しかし、ファンは彼女達を見捨てなかった。ツアーは何処に行っても満員だったという。インタビューの中で、ラジオ局のボイコットは続き、ナタリーの子供に対する下劣な脅迫を受けたがツアーを続けると決断したくだりで彼女達の強い信念に尊敬の念を感じた。日本の音楽業界などエンタテインメント業界にこういうメッセージを発し続ける人達が何人いるだろうか。

今回リリースしたアルバムはアマゾン・ドット・コムでイントロを試聴すると最初の1,2作目と同じポップカントリー色を残した感じに戻っていた。しかし、タイトルや歌詞は「言った事を後悔していないし、そこから後退もしていない」という強いメッセージがあるようだ。

インタビューでも同じことを繰り返す一方で、呼ばれればイラクに行き兵士の前でも歌う、個人の考えが政府の方針に反対するもので、それを主張することが愛国心がないということではないと言い切った。

私はカントリーが好きになって10年も経ってない。昔からの筋金入りのファンという訳ではない。90年代半ばに渡米した時は会社の同僚がプレゼントしてくれた女性ポップシンガーの中島みゆきや松田聖子、高橋真梨子、ハイファイセット等のアルバムを持っていった。

しかし暫らくたつとカントリー・ソングを聴くようになった。シアトルは夏が終ると次の夏まで長い雨季に入り、家にいる時間が長くなり自然の流れでテレビを見、音楽を聴く時間が長くなった。毎日同じCDを聴くとさすがに飽きる。かといってロックやラップでは落ち着かない。

暇潰しにCATVで繰返し流される「炭鉱夫の娘」とか「ベニーグッドマン物語」などの音楽映画を何度も見た。どうもこういう映画が大好きな視聴者層がいるみたいだ。ケビンコスナー主演の野球映画も好まれているようだった。「炭鉱夫の娘」は貧しい鉱夫の娘が結婚し亭主がくれたギターをきっかけとして歌い始め、最後にカントリーの女王にまで上りつめるサクセス・ストーリである。

いずれにしろこの映画を見てカントリーを聴くようになった。よく言われるようにカントリーは日本の演歌みたいなものだ。競争が厳しく歌唱力がなければ可愛いいだけではテレビの露出度を高めても人気は出ない。しかしそうは言っても人気のある女性カントリー・シンガーはFaithShania など例外なく美人だ。

勿論例外もある(失礼!)Leann RimesCDジャケットを最初見た時、おばさんだと思ったら当時まだミドルティーン、聴いてみると凄く歌がうまく米国の森昌子だと思った。今は結婚し普通の美人になったが、何故か当時の光るような魅力が薄れたような気がするのは私だけか。

日本に戻ると、カントリーと意識せずコマーシャル等に良く使われていることに気がついた。カントリーといってもナッシュビルのレーベルだからであって、ハンク・スノウみたいにカントリー・カントリーしている訳ではない。元々ジャンルを分けて聴く必要もないし。その点Dixie Chicksの歌は分かり易い。試しに何度か繰り返し聴いてみるといい、はまるかも。■

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