かぶれの世界(新)

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パソコン販売失速の原因

2006-06-17 16:41:50 | 社会・経済

4月半ばに夏の新製品に切り替えた頃からパソコン販売が失速したと今月始めに報告した。その後も販売は回復していない。販売不調は元切り上げと液晶在庫調整が終わりメーカーの値下げ余力が低下したこと、商品開発力低下、VISTAリリース遅れなどを指摘したが、W杯の影響が大きいことが明確になった。

5月末総務省から発表された4月は雨で夏物衣料が不調のため家計消費は前年同月比-2.0%であった。衣料品・住居消費は-12%だったが、パソコン・デジタル家電を含む教養娯楽消費は1.6%増でほぼ前年並みであった。それでは教養娯楽消費の内訳はどうなっているだろうか。

15日BCNの発表によればW杯需要で薄型テレビの販売が絶好調だそうである。薄型テレビのW杯商戦はパソコンが夏の新製品に切り替えた同時期の4月後半から始まった。両方の商品を売る販売店を覗いて見た感じでは薄型テレビの売り場の集客力が圧倒的に高かった。薄型テレビの販売金額は5月が前年比47.7%増、6月に入り第1週の販売台数は前年比62%増、第2週は58.4%増と絶好調だった。

一方5月のパソコン小売販売は前年比-20%が続いている。まだ5月の家計消費統計は発表されていないが、事前情報を見ると消費支出は前年比微増になると推測する。つまり、パソコンと薄型テレビを買う財布は同じで、薄型テレビを買うとその分パソコンの販売が落ちるゼロサム関係にあるようだ。

夏の新製品デスクトップ・パソコンは大画面と地上波対応チューナーが目玉と言われているがコスト・パフォーマンスが悪く、今回のW杯商戦は専用の薄型テレビに惨敗した。日本が予選敗退すると6月後半以降のボーナス商戦でパソコンにお客が帰ってくる可能性は残っている。現在の品揃えでは大幅値下げしないと需要を刺激できない、値下げするかどうかはメーカーの在庫水準次第だ。メーカーは端から販売不調を予想していた節もある。■

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