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倍首相の開き直り予想が当たった。改革の旗を揚げても後退が続き信頼をなくしたが、ついに開き直った。中国との関係改善は線から面に広がりつつあり、改革路線が国民の意思で支持に繋がることもしっかり認識されたようだ。これを良い循環に高めるのは民主党次第だが、姑息な政局狙いの戦術に転じ失望した。
一方、私の経済予想は今までのところ悲観的に過ぎた。住宅価格低下のインパクトで予想通り米国経済成長がスローダウンしたが、逆に欧州はドイツを筆頭に予想以上に好調、従って輸出に頼るアジア諸国とエネルギー需要で資源国経済も好調、世界経済全体として予想以上に悪くない。
その中で2月27日上海市場暴落から始まった世界同時株安はショックだった。私の悲観的な予測は「人間はそれほど利口じゃないそろそろ間違いを起す頃」という全く根拠のないロジックに基づいたものだったが、ある意味予測が当たった。と、一瞬思った。1ヵ月後日本を除いて市場はほぼ元に戻った。世界的金余りの中でグローバルマネーのリスク志向は止まらない。
1. 改革相次ぐ妥協で支持率低下、参院選前に安倍首相開き直る → ◎ 支持率が40%を切ったところで国民投票・公務員制度改革など安倍色を出し支持率の低落を食い止めた。党内守旧派・官僚の抵抗と政権内タカ派との折り合いがむしろ対民主党より今後政局を左右する可能性大。
2. 消費伸び悩みで日本経済低成長、GDP成長率1.8% → △ 1.8+0.5% 世界経済好調で輸出・設備投資が予想以上に堅調、不動産価格上昇が地方に拡大、消費も回復の兆しで成長率は予想を超えて2%前半まで改善の見込み。
3. 米国経済軟着陸、GDP成長率2.8%に留まる → ○ 2.8-0.5% 住宅市場低下とサブプライムローンの焦げ付きと原油価格高止まりがあるものの、消費は堅調で成長率は2%前半に低下に留まる見込み。年後半民主党多数の議会と大統領選が経済政策に微妙な影響し成長率を押し下げる可能性あり。
4. 中国経済過熱抑制策が始めて機能し成長率10%を切る → ○ 9.7% 故主席の調和社会への改革が格差・公害・貿易黒字抑制の効果が出るまでには時間がかかる。その間政権基盤を確かなものに出来るか。米国が景気とWTO提訴や為替政策など短期志向の政策に変化するとややこしくなる。
5. 欧州、BRICs経済の好調続くが年後半頭打ち感出る → ▲ ドイツをはじめEU各国は全体で予想より好調、米国と世界経済を牽引している。インド経済は国内消費が堅調、インフラ・製造業と金融システムの脆弱性が鍵。資源価格高止まりでロシア・ブラジルの成長も続いている。
6. 日経平均18,000円突破、為替ユーロ>円>ドル安 → ○ 年初易々と18,000円を突破したが世界同時株安後調整が続いている。同時株安の世界経済への影響は微小、欧州の多様性が強みでユーロ高が進む(\160/euro), 低金利を見込み予想外に円安が続いている。
7. サッカー:アジアカップ連覇ならず、オシム成果が出始める → ◎ オシムの考えるサッカーの成果がサウジ戦で初めて出た。中東勢が力をつけアジアカップの連覇は逃す、しかし悲観する負け方ではないだろうと予想する。
8. 日本人MLB活躍続く、松坂一発病に悩むも活躍、日本プロ野球低迷 → ◎ 日本人の誰か一人は毎日活躍する状態になった。松坂が米国でこれだけ注目を集めるとは予想しなかった。一方、日本プロ野球は裏金で揺れ予想通り構造改革が避けられず、自浄能力が問われている。■