かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

米株高の不思議(続)

2007-05-10 23:05:44 | 社会・経済

国経済成長がこの4年間で最悪に向いつつあるのに、株式市場が記録的高値をつけている、どういう意味か。これは先月24日に書き込んだ私の問いかけではない、今月8日にCNNMoneyイシドロ記者の記事の書き出しだ。同じ関心を持っている人はいるもんだ。

私は、今年227日に始まった世界同時株安が又来るからしっかりシートベルトを締めておけと書いた。しかし、その後も株価は一本調子で上昇、今朝起きるとダウ平均は高値を更新していた。飛び降りる崖が益々深くなる気がする。とはいえ、私のちっぽけな金融資産もお陰で損を取り戻した。

記事に戻ると、イシドロ氏は米国の投資関係者に現状をどう見るか聞いて周り、景気軟化と歴史的株高は両立する、それは初めてのことではないという結論に達したようだ。むしろ会社の利益がどんどん増えているのに、株価上昇がついて行けない[1]というのが現状だという。

ITバブル破裂直前の1999年の株価収益費(P/E)が25.5だったのに対し、現在はS&P500の平均株価は15.5と極めて健全なレベルにある。つまり株価はバブってないという。しかし、住宅不況に加え自動車販売が低調では経済の悪化は避けられない、そうしたらもう二桁の利益なんか期待できるだろうか。

ところが、記事によると戦後10回の不景気のうち6回は株価が上がったそうだ。アー言えばコー言う、だ。米国のトップ企業はコスト削減と効率化が進み、かつ収益の26.5%は海外市場からで、国内市場がスローダウンしても利益が出る体質に変わったという。

随分楽観的な見通しという気がする。一方、楽天証券の上坂&原田氏は日米のマネタリーベースの伸びが株価を押し上げていると分析している。実際は量的緩和の解除後1年が経過し、日銀券、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値の急減が一段落し株価に好影響を与えているという。

一方、米国では3月末に底を打って以来マネタリーベースの伸び率が反転上昇に転じ、これに符合して米国株価が底を打ったという。FRB(連邦準備銀行)は「住宅減速による逆資産効果のインパクトを緩和させる為、 ・・・ 株価の安定には細心の注意を払っている」という。端的に言うと株を買う資金が増え始めた、需給関係が変わり始めたというわけだ。

私にはまだ解せないと思う米国の株価上昇も、暴落後の上海証券市場の暴騰に比べると控えめだ。実際のところ日本を除く世界中の証券市場で株価が急騰している。株高の根拠を縷々紹介したが、バブルがはじける直前でもはじけた後でさえも、アナリストは「株はもっと上がる、買え」と言い続けたと非難された。

根拠はないが私はやっぱり世界同時株安の第二派、第三派が来るような気がしてならない。問題はいつくるかだ。今年か来年か予想もつかない。最後に懇意にしているX証券のアカウント・マネージャY氏の一言、「危険水域に近づいている、しかし、今年は大丈夫でしょう。」 ■


[1] S&P500企業の利益は14期連続二桁成長したがその株価増は10%に満たない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする