全国津々浦々消えた年金問題の熱病が蔓延している。支払ったはずの年金が行方不明になり、歴代社保庁長官は天下りの腰掛で何もせず退職金(税金)を頂いて別の組織に渡り鳥、職員は仕事量を減らすことにしか興味のない労働組合の元で無責任の限りを尽くしていた。
これでは誰だって怒るのは当然だ。日本中の市民や政治家からメディアが朝から晩まで熱に浮かされとように社保庁や政敵をののしり続けている。これだけの巨大なエネルギーはバブル以来だ。凄いエネルギー量が無駄に使われていると思うと、大丈夫かなと思わずにはいられない。
この混乱は、短期間で繁栄した国が愚かしさで短期間に消えていく典型的なパターンのような気がする。日本人特有の情緒的な反応が気付かずに国を衰退の道に追い込んでいくことを恐れる。初めてではない、明治維新後も熱病が蔓延し常識では考えられない誤りを何度か犯してきた。
私にはそんな怖さを感じる。正気を失わず目を大きく開いて、やるべきことを粛々とやり適切なリーダーを選ぶ成熟さが国民に求められる。後世の作家が歴史を検証して、我々を国を衰退させた愚かな主人公として描くのを何とか防ぎたくはないですか。■