日本中で袋叩きにあってるコムソンを敢えて擁護するのはいささか腰がひける。厳密に言うなら「コムソンの功罪」のうち無視されている「功」にもっと光を当てる必要があると思ったからだ。親会社を含め会社組織としての違法行為について擁護する積りは全く無い。
コムソンは2000以上の事業所を通じて約6万5千人に訪問介護や介護施設などのサービスを全国展開する最大の介護事業者であるという。そのサービスは他の業者が儲からないと手を出さない離島にまで及んでいるとNHKの「クローズアップ現代」は報じていた。
富山県高齢福祉課のケアマネジャーの一人は「24時間365日対応可能という大手ならでのサービスはありがたかった。」と伝えている。その中には認知症介護も含み、全国で非常勤を含むホームヘルパーら従業員は24000人が対応しているという。(6/6朝日新聞)
コムソンが急成長した裏にはヘルパーらスタッフが不足していても利用希望者からの依頼には断るなという厳しい顧客獲得のノルマを現場責任者に課し、「利益優先の体質」が不正を生んだとしている。(6/15日本経済新聞) だが、それは極悪非道なことだろうか。
厳しいノルマが他の業者が手を出さなかった僻地や24時間サービスを可能にし、感謝されていた側面がある。その辺のところを久坂部氏は「介護に縁の深い福祉や医療関係者は敏速に動かない、(省略)他業種からの参入なしには、今や日本の介護は成り立たない状況、(省略)介護の現場は善意や奉仕の精神だけで成り立つほど甘くはない。」と指摘している。(6/15産経新聞)
折口グッドウィル会長の責任追求ばかりに焦点を当てるだけでなく、コムソンが実現した介護サービスの「功」に光を当て、今そのサービスを必要としている人達にサービスが継続・改善される視点での報道が影響力の大きいテレビメディアに求められる。■